Strix Haloとは?AMD最新16コアZen5搭載APUの全貌と特徴を徹底解説完全版【最新情報】

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Strix Haloとは?AMD最新16コアZen5搭載APUの全貌と特徴を徹底解説完全版【最新情報】

AMDのStrix Halo(別名「Ryzen AI Max+ 395」)は、Zen 5世代のCPUコア16基・32スレッドと、40基のRDNA 3.5 GPUコアを統合した次世代モバイルAPUです。16コア構成のZen 5 CPU(各コア8MB L2キャッシュ、合計32MB L3キャッシュ)に加え、40CUの統合GPU、さらに50TOPSの性能を誇るXDNA 2 NPUを内蔵することで、「薄型ゲーミングノートPC・ワークステーション」向けに高性能とAI推論能力を両立しています。AMD公式によれば、Strix Halo搭載機はIntel「Lunar Lake」Core Ultra 9 288VやApple「M4 Pro」を大きく上回るグラフィックス/レンダリング性能を実現し、さらにデスクトップ向けハイエンドGPU RTX 4090と比較してAI演算性能で2.2倍、消費電力は約87%低いという高いワットパフォーマンスも謳われています。このように、Strix HaloはAMDが「最速統合GPU」と位置付ける強力なAPUであり、クライアントPCでのゲーミングやAI処理用途に向けて新たな可能性を拓く製品です。

Strix Haloの特徴・仕様まとめ【概要】

Strix Haloの主な特徴と仕様は以下のとおりです:

  • CPUコア: Zen 5アーキテクチャの高性能コア16基(32スレッド)、ブーストクロック最大約5.1GHz(395モデル)。各コアに8MBのL2キャッシュ、2CCDが共有する合計32MBのL3キャッシュを備えます。
  • GPUコア: RDNA 3.5世代の統合GPU「Radeon 8060S」に相当し、40CU(コンピュートユニット)を搭載。ピークで約2.8〜2.9GHzまで動作する見込みです。
  • NPU(AIエンジン): XDNA 2世代のNPUを内蔵し、最大50TOPSのAI演算性能を実現。クライアント向けLLM推論などAIワークロードで高いパフォーマンスが期待されます。
  • メモリ: LPDDR5X-8000対応の256ビット(32bit×8チャネル)バスで最大128GBの共有メモリをサポート。メモリはCPU/GPU/NPUで共有され、一部(最大96GB)をGPU専用VRAM(VRAM相当領域)として割り当て可能です。
  • キャッシュ: GPU向けに32MBの「インフィニティキャッシュ(MALL)」を備え、メモリ帯域の要求を効率的に吸収します。
  • TDP: ベース55W、最大120Wの可変TDP設定。45W~120Wの範囲で動作でき、特にGPU負荷時は従来APUを大きく超える性能を発揮します。
  • モデルラインナップ: フラグシップの「Ryzen AI Max+ 395」以外に、コア数・GPU数を抑えたRyzen AI Max 390/385/380シリーズもあり、各モデルはCPUコア数(16→12→8→6)やGPU CU数(40→32→32→16)が順に異なります。全モデルでNPU性能は同じ50TOPSを維持し、TDP構成は共通です。

これらの特徴により、Strix Haloは従来のノート用APUの常識を覆す高性能統合プラットフォームとなっています。

Strix HaloのCPU仕様:16コア/32スレッド搭載Zen5コアの動作クロックとキャッシュ容量

Strix Haloは2つのZen 5 コアダイ(CCD)を組み合わせたチップレット構成を採用しています。合計16コア/32スレッドを搭載し、Ryzen 9 9950Xに次ぐモバイル向け最大コア数です。ブーストクロックは最大約5.1GHz(395型番)に達し、L2キャッシュは1コア当たり8MB、CCD間で共有する合計L3キャッシュは32MBです。これはデスクトップ並みの性能レベルで、FP演算ユニットはZen 5世代と同様に512bit幅のAVX-512相当命令に対応(Strix Pointの256bitから強化)しています。TDPはベース55Wで、用途に応じて45W~120Wの範囲で設定可能です。

Strix HaloのGPU仕様:40CU Radeon 8060S RDNA 3.5統合グラフィックの詳細

内蔵グラフィックスはRDNA 3.5世代のRadeon 8060Sに相当する40CU(Compute Unit)を備えます。GPUのピーククロックは約2.8GHz程度と見られ、このクラスの統合型としては破格の規模です。GPUサイドのテクスチャユニット数や演算性能も大幅に強化されており、従来APUの4倍に当たる40CU構成は、特にGPU負荷の高いゲームやクリエイティブワークで外部GPU並の演算力を発揮します。GPUダイには合計32MBの大容量インフィニティキャッシュが実装され、高解像度レンダリング時のメモリ帯域要求を緩和します。

XDNA 2 NPUとAI性能:最大50TOPSの新世代AIエンジンの概略

Strix HaloにはAMD製の第2世代AIエンジンXDNA 2 NPUを搭載し、最大50TOPSのニューラル推論性能を実現しています。これは他社のノート向けAIエンジンを大きく上回る性能で、NPU単体ではRTX 4090相当のAI処理能力を上回るとAMDは主張しています。実際、AMD公式ベンチマーク(LM Studioベース)では、Strix Halo搭載機はIntel Arc 140V搭載機に対し約2.2倍のトークンスループットを示し、7~8Bパラメータ規模のLLMでは9倍以上、14B規模では10倍を超える高速化を達成しています。大容量の共有メモリと組み合わせることで、大規模モデルの推論をノートPC上で実行できるポテンシャルも秘めています。

メモリ構成:最大128GB共有LPDDR5X-8000(256bit)とUnified Memoryの仕組み

Strix Haloは最大128GBまでのLPDDR5X-8000(8,000 MT/s)メモリをサポートし、256bitのワイドインターフェース(32bit×8チャンネル)で接続されます。このメモリはCPU/GPU/NPUで共有され、AMDの「Unified Memory Architecture」により一体的に扱われます。ユーザーはGPU専用メモリプール(VRAM相当)として最大96GBを確保できるため、大容量を要するAIワークロードや4K動画レンダリングでも広帯域(最大約256GB/s)の恩恵を享受できます。同時に、GPUはシステム全体の128GBメモリから読み込みが可能で、メモリコピー不要の効率的なデータアクセスを実現します。

モデルラインナップ比較:Ryzen AI Max+ 395 / 390 / 385 / 380各モデルの違い

Ryzen AI Maxシリーズには、上位からMax+ 395、Max 390、Max 385、Max 380の4モデルが用意されます。主な違いはCPUコア数とGPU CU数にあり、395が16C/32T+40CU、390が12C/24T+32CU、385が8C/16T+32CU、380が6C/12T+16CUとなっています。各モデルのブーストクロックはおおむね上位95×が5.1GHz、390/385が5.0GHz、380が4.9GHzです。なお、全モデルでNPUは50TOPSを共有し、TDP範囲(45~120W)は共通です。このラインナップにより、用途や予算に応じてコア数とGPU性能を選択できる柔軟性が確保されています。

最新アーキテクチャ:Strix Haloが採用するZen 5 CPU、RDNA 3.5 GPU、XDNA 2 NPUの技術詳細

Strix Haloのアーキテクチャは、従来のモバイルAPUとは一線を画します。Zen 5コアはデスクトップと同じCCD(Core Complex Die)チップレットで構成され、合計16コアを実現します。各CCDは8基のCPUコアと8MB×8のL2キャッシュを内包し、両CCDで共有する32MBのL3キャッシュを介してデータをやり取りします。FP演算ユニットはZen 5世代と同様の512bit幅を持ち、Strix Point(Ryzen AI 300)のFP16倍精度ユニット(256bit)から強化されました。これにより、倍精度浮動小数点演算やベクトル演算がより高速に行えます。
Strix Haloのダイレイアウトは、大型のI/Oダイ(中央)と2基のCPUダイ(上部)から構成されます。上記のダイ写真では、中央下部に40CUのGPUとNPUを内蔵するI/Oダイ、上部に2つの8コアCCD(Zen 5コア)を配置し、それらを256bit幅のLPDDR5Xメモリインターフェースで接続している様子が確認できます。このチップレット構造は、デスクトップ版Zen 5と同様に「接続インターコネクト」によってCCDとI/Oダイが連結されており、3D V-Cacheへの対応も視野に入れた設計となっています。
Strix Haloの統合GPUはRDNA 3.5世代で、40CU(20シェーダ群)を搭載します。各CUは2基のシェーダプロセッサ群(WGP)を持ち、最高で約2.8GHz駆動が見込まれます。GPUダイには32MBのインフィニティキャッシュ(MALL)が実装され、メモリ帯域を補強します。このインフィニティキャッシュは、一般的なL3キャッシュとは異なりGPU向けに特化した大容量キャッシュで、外部メモリへのアクセスを大幅に削減します。
Strix HaloにはAI専用のXDNA 2 NPUも統合されており、専有する50TOPSの計算能力で機械学習推論を高速化します。NPUブロックはI/OダイのGPUコア横(上述画像の右寄り)に配置され、画像認識や自然言語処理などAIワークロードを高速に処理できます。設計上、NPUはRTX 4090をも上回る性能を目指しており、実際にLlama 70Bモデルを用いたベンチマークではRTX 4090の2.2倍のスループットを達成しています。
メモリサブシステムでは、8枚のLPDDR5Xチップを配置して256bitバスを実現し、最大128GBの超大容量統一メモリをサポートします。メモリコントローラは高速対応(8000MT/s)のため、キャッシュ帯域と合わせると合計で250~276GB/s以上の高いメモリ帯域幅を確保できます。この広帯域はGPUやAI処理にとって必須であり、Strix Pointより遥かに高いスループットを実現しました。

メモリ・グラフィックス構成の詳細:統合メモリ、Infinity Cache、グラフィックス仕様を徹底解説

Strix HaloのGPUサブシステムを示す拡大図では、中央に40CUのRDNA 3.5 GPUコアと32MBインフィニティキャッシュ、さらに右側(上図では左側)にXDNA 2 NPUユニットが配置されているのがわかります。その下部にはPCIe 4.0 x16スロットやUSB4(40Gbps)、USB 3.2 Gen2、USB 2.0コントローラが実装され、さらにディスプレイ出力用のエンジンやAV1対応のエンコード/デコードユニットも統合されています。これにより高解像度映像出力やAV1エンコード処理が可能で、映像編集やストリーミングなどマルチメディア用途にも対応できる構成となっています。
Strix Haloのメモリ共有機構では、CPU/GPU/NPUが全体のLPDDR5Xメモリプール(最大128GB)を共同で利用します。メモリはあらかじめCPUとGPUで分割され、GPUには最大96GBを専用VRAM領域として割り当て可能です。例えば128GB搭載の場合、GPU側に96GBを割り当てて専用プールとし、残り32GBをCPU用とすることができます。このときGPUはシステム全体の128GBを読み出し可能であり、不要なデータコピーなしに高効率でメモリアクセスできます。GPU専用プールに割り当てたメモリは256GB/s以上の広帯域を活用でき、32MBインフィニティキャッシュと組み合わせて大容量ワークロードを効率的に処理します。このような統一メモリアーキテクチャにより、Strix Haloは大規模AIモデルや高解像度ゲームなどで破格の性能を発揮します。

ベンチマーク結果考察:Strix Haloの性能と競合比較(Intel Lunar Lake / Apple M4 Pro など)

AMD公式発表によると、Strix Halo搭載機はIntelの新型ノート向けCore Ultra 9 288V(Lunar Lake世代)に対して3Dグラフィックス性能で約1.4倍の優位性を持ち、またAppleのM4 Pro搭載MacBook(12コア/14コア構成)と比較してレンダリング性能で最大84%高速であるとしています。統合GPUとしては異例のスコアで、実際にAMDは3DMarkスコアでIntel比220%アップ、3Dレンダリングで2.6倍差を記録したと公表しています。これらの合成ベンチマークから、Strix HaloのGPU性能が従来APU比で飛躍的に向上している傾向が読み取れます。
一方、CPU演算・レンダリング性能でも優秀で、Tom’s Hardwareのテストでは12コアM4 Proに対し最大86%の性能向上、14コアM4 Proともほぼ互角でした。これは内蔵GPUだけでなくCPUマルチスレッド性能でも同クラスを圧倒または追い上げていることを示唆します(ただしシネベンチでは14コアM4 Proに若干劣る結果もありました)。いずれにせよ、これらはAMDベンダー公開の数値なので参考値ですが、Strix Haloの総合力が強力であることは間違いありません。
AI性能では、独自LLMベンチ(LM Studio)でStrix HaloはIntel Arc 140V比で約2.2倍のトークン処理速度を実現し、7~8Bパラメータモデルでは約9倍、14Bモデルでは10倍以上の高速化を記録しました。また、PC GamerやWccftechのレポートでは、独立型GPUに対してStrix Haloが強みを発揮する例も紹介されています(詳細は後述)。これらの結果から、Strix Haloはクライアント上でのLLM推論においても高いパフォーマンスを発揮することが期待できます。

ゲーミング性能比較:Strix Halo APU vs NVIDIA RTX 4060 / 4070 Laptop GPU

2025年現在、実機でのゲームベンチマークはまだ限定的ですが、予備的な情報ではStrix Haloの40CU GPU(120W設定時)はNVIDIAのGeForce RTX 4070 Laptopとほぼ互角の性能になるとされています。Strix Haloは最小45Wから最大120Wまでの電力範囲で動作可能であり、一般的なモバイルGPU(60~80W動作)以上の電力を投入できる点で有利です。このため、理論的にはRTX 4060/4070クラスのフレームレートを狙える性能があります。
実例として、UltrabookReviewの解析では、Strix Halo(Ryzen AI Max+ 395)搭載機のGPU性能はミドルクラスのRTX 4060/4070と同等~やや上回る程度と予想されています。特に70~80W前後で動作させた場合、Strix HaloのGPUはRTX 4060/4070(同消費電力帯)とほぼ同等の性能を発揮すると評価されています。また、Strix Haloは従来APU「Strix Point」(16CU)よりGPUコア数で2.5倍増加しており、GPU演算能力はそれに伴って大幅に向上しています。これらから、Strix Halo搭載ノートは特にライト~ミドルクラスのゲーミング性能において、同クラスのNVIDIA製モバイルGPU搭載機に匹敵する実力を備えると期待されます。

対応モデル・搭載製品一覧:Strix Halo搭載予定のノートパソコン・薄型ゲーム機種まとめ【最新】

現時点で公式に発表されているStrix Halo(Ryzen AI Max+ 395)搭載モデルには、ASUS ROG Flow Z13(2025年モデル)とHP ZBook Ultra G1a(14インチ)があります。両機種とも最上位構成としてRyzen AI Max+ 395を搭載し、高いCPU/GPU性能を謳っています。特にROG Flow Z13はタブレット型筐体にStrix Haloを収めたモデルで、薄型ながら高性能ゲーミングを実現する設計です。HP ZBook Ultra G1aは14インチのビジネスワークステーションで、こちらもRyzen AI Max+ 395搭載のハイエンド構成が用意されています。
これら以外にも、携帯型デバイスへの展開が始まっています。PC Gamerの報道によると、中国のAYANEO社はStrix Halo搭載の次世代ハンドヘルドゲーミング機「Next 2」を発表しました。また、GPD社もバッテリー換装式のStrix Haloハンドヘルドを開発中とされています。さらに、Mini-ITXマザーボードや小型デスクトップ(Beelink、GMKtec、Minisforumなど)への搭載例も報告されており、約30以上のミニPC/ワークステーションモデルが市場に投入済みまたは開発中です。一方、大手OEMではLenovoやDellも今後のStrix Halo採用モデルを模索しているとの噂があります。総じてStrix Haloは「薄型で高性能」を特徴とする製品群に組み込まれる傾向が強まっており、多様なフォームファクタでの搭載が進んでいます。

発売時期と今後の展望:Strix Halo APUのリリース計画、OEM採用、そして市場への影響予測

AMDはStrix Halo搭載APUの市場投入を2025年前半に計画しており、CES 2025(1月)での発表後、2025年Q1~Q2にかけて順次製品をリリースする見込みです。実際にASUSのROG Flow Z13は2025年2月25日発売予定と発表されています。当初はベースメモリ32GB/64GBモデルが上半期に登場し、後半には128GBメモリ搭載のハイエンド構成も投入される予定です。
Strix Halo搭載製品がまずモバイル市場で成功すれば、AMDはその成果をもとにデスクトップ向けAPUへの展開を視野に入れると考えられています。実際、Tom’s HardwareもStrix Halo成功時には小型デスクトップ(SFF)への導入が検討される可能性を指摘しています。既にMini-ITXや小型ワークステーションでの採用例が増えていることから、AMDはゲーミングデスクトップやAIワークステーション市場にも同等技術を拡張すると予想されます。さらに、MSIやCorsairといったPCベンダー各社もStrix Halo搭載マシンを次々と発表しており、市場の反響が大きければ、AMDのAPU戦略全体に好影響を与えるでしょう。

消費電力・省電力性能:最新情報2025を考慮したStrix HaloのTDP構成と電力効率徹底解析

Strix Halo搭載APUの設計TDPはベース55W、最大120Wと公表されています。実際には最低45Wから設定可能で、45~120Wの幅で消費電力を可変できます。これはIntelの新型ノートCPU(Core Ultra 9 288V:17~30W)と比べるとかなり高い設定ですが、その分パフォーマンスも大幅に向上しています。AMD公式では、「RTX 4090比でAI処理性能2.2倍ながら消費電力は13%(=87%低減)に抑えた」としており、ワットパフォーマンスの飛躍的向上をアピールしています。要するに、高負荷時でもAMDは同等または優れた性能をより少ない電力で達成できると主張しています。
実際のモバイル運用では、通常のゲームプレイ時においては約50~90Wの範囲で動作し、ピークでも120W以内に収められるよう設計されています。消費電力は従来APUやIntel比で高めですが、その分ゲームやAI処理で発揮する性能は圧倒的に上回ります。モバイル向けに十分な冷却設計が施されれば、高負荷時でも性能を最大限引き出しつつ、効率的に動作することが可能です。

今後の期待・市場への影響:Strix Haloがもたらすゲーミング/AI市場への革新効果と課題【展望】

Strix Haloの登場は、AMDがノートPC向けGPU市場で存在感を高める戦略の一環です。16コアZen5+40CU RDNA3.5+50TOPS NPUの組み合わせは、NVIDIAやIntelが長年支配してきた薄型ゲーミングノート・クリエイターノート市場にAMD製品を本格的に浸透させる起爆剤となり得ます。特に薄型筐体でのゲーミング性能向上と、大規模LLM推論といったAIクライアント処理への対応力が注目されており、AMDはこれらを「次世代フラグシップ」と位置付けています。
さらに市場では、Strix Haloの成功を受けてSFF(小型フォームファクタ)デスクトップへの展開も進むとみられています。既に国内外のベンダーが130~150Wの電源を搭載したMini-ITXマザーやキューブ型PC(Beelink GTR9 Pro、GMKtec EVO-X2など)を発表し、AMDはこの勢いでデスクトップ版Strix Haloにも投資を検討しています。このようにStrix HaloはゲーミングだけでなくAIクライアント市場にも新たな可能性を提供する製品として高く期待されています。
一方で課題も残ります。高性能化に伴い発熱や消費電力が大幅に増加するため、冷却設計や電力管理が重要になります。また、統合GPUやAIエンジンの性能をフルに引き出すには、OSやゲーム・アプリケーション側での最適化やドライバ対応が不可欠です。AMDは既にパートナーと協力して最適化を進めていますが、今後もドライバアップデートやソフトウェア対応によるサポート体制の整備が焦点となるでしょう。これらの課題が克服されれば、Strix HaloはPC市場でAMDの競争力を飛躍的に高める存在となることが期待されます。

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