IntelliJ IDEAとEclipseは、どちらもJava開発の定番IDEです。2025年12月のIntelliJ IDEA 2025.3でCommunity EditionとUltimateが1つの製品に統合され、無料で使える機能が増えました。本記事では2026年10月時点の最新版(IntelliJ IDEA 2026.2.3、Eclipse IDE 2026-09)を前提に、無料で使える範囲、AIコーディング支援の使用条件、コンパイルの仕組み、Spring開発、必要スペック、画面と用語の違い、EclipseからIntelliJ IDEAへ移る手順を比較します。本文のショートカットはWindowsの標準キーマップを基準とし、macOSやEclipseキーマップへの変更後は割り当てを確認してください。
まとめ:IntelliJ IDEAとEclipseの違いと選び方
Java入門にはIntelliJ IDEAの無料版をおすすめします。Spring Boot開発では、有料の支援機能に予算を割けるならUltimate、無料の支援機能を重視するならEclipseとSpring Toolsを推奨します。AI支援を無料で使いたい場合は、どちらのIDEでもGitHub Copilotの無料プランが入口になります。JetBrains AIの無料枠は、IntelliJ IDEAではUltimateサブスクリプションがある場合に限られます。Eclipseが有力になるのは、無料のSpring支援を使いたい場合のほか、C/C++や組み込み向けのEclipseベースIDEと環境を揃えたい場合、既存のEclipse前提の手順書や設定資産がある場合です。
| 観点 | IntelliJ IDEA | Eclipse IDE |
|---|---|---|
| 最新版(2026年10月) | 2026.2.3(2026-09-16) | 2026-09(4.41・2026-09-09) |
| 開発元 | JetBrains | Eclipse Foundation |
| 料金 | 無料(商用可)+Ultimate有料 | 無料 |
| リリース周期 | 年3回のメジャー版 | 年4回(3・6・9・12月) |
| コンパイラ | javac(ECJへ切替可) | ECJ(Eclipse独自) |
| Spring開発 | 本格支援はUltimate | Spring Tools(無料) |
| JetBrains AIの無料枠 | Ultimate契約時のみ | 対象外 |
| GitHub Copilot | 対応 | 対応(Copilot for Eclipse) |
| 作業単位 | プロジェクト(1ウィンドウ1つ) | ワークスペース(複数プロジェクト) |
| 必要メモリ | 総RAM 8GB(IDEに3GB) | 公式の下限記載なし |
2025.3の統合で変わったIntelliJ IDEAの無料範囲
旧版の比較記事の多くは「Community Edition(無料)とUltimate(有料)の2製品」を前提にしていますが、この区分は2025.3でなくなりました。IntelliJ IDEAのインストールガイドは、2025.3から2つのエディションを1つの製品に統合したと説明しています。インストーラーは1つで、有料機能はUltimateサブスクリプションで解放する形です。
IntelliJ IDEAの無料版でできることと商用利用
サブスクリプションなしでも、JavaとKotlinの中核機能は無料です。公式FAQは free to use for both commercial and non-commercial projects と明記しており、業務の開発に使っても規約違反になりません。認証やアクティベーションも不要です。
JetBrainsの統合版FAQによると、統合に合わせて、以前はUltimate限定だった次の機能が無料になりました。
- Spring・Jakarta EE・Thymeleafの基本的なシンタックスハイライト
- Spring Bootのプロジェクト作成ウィザード
- データベース接続、スキーマの閲覧、スキーマを踏まえたSQL補完、SQLの言語サポート(データの閲覧・編集とSQLの実行はUltimateが必要)
- Ktorフレームワーク対応、HelmのYAMLスキーマ対応
旧Community Editionを使い続けることもできますが、更新が続くのは統合版だけです。必要なプラグインや社内の動作確認手順に問題がなければ、更新を受けられる統合版への移行を推奨します。
Ultimateサブスクリプションで解放される機能と価格
公式FAQが挙げるUltimate限定の機能は、Spring開発向けの本格的なツール、Java・Kotlin以外のJVM技術への完全対応、統合データツール、IntelliJ Profiler、HTTP Client、AIアシスタンスです。ただしAIアシスタンスは、無料版でも有料のAIプランを契約すれば使えます(詳しくは後述のAI支援の章)。初めてインストールしたときにUltimateの30日間無料トライアルが自動で始まり、期限後はそのまま無料版として使い続けられます。サブスクリプションが切れても起動できなくなるわけではありません。
年額は、個人向けが初年度199米ドル・2年目159米ドル・3年目以降119米ドル、組織向けが1ユーザーあたり719米ドルです(2026年10月時点・税別。最新はJetBrainsの購入ページで確認してください)。
対象条件を満たす学生・教員は、申請により教育ライセンスでUltimateを無料利用できます。ただし用途は非商用の教育目的に限られ、勤務先やインターンの業務には使えません。個人の非商用利用なら、まず無料版で始めて足りない機能が出てからトライアルで確かめる順番が無駄になりません。
Eclipse本体とSpring Toolsの料金・ライセンス
Eclipse IDEはEclipse Public License 2.0(EPL-2.0)のオープンソースで、ライセンス料はかかりません。リリースは3月・6月・9月・12月の年4回で、次は2026-12(4.42)です。Spring開発用のSpring Tools(2026年9月9日公開の5.4.0がEclipse 2026-09に対応)も無料です。有償になるのは、Eclipseを土台にした商用製品や、ベンダーの有償サポートを付けた場合に限られます。
AIコーディング支援の違い:JetBrains AIとGitHub Copilot
2026年にIDEを選ぶなら、AI機能をどの条件で使えるかも比べておく必要があります。JetBrainsのAI機能(AI Assistantやエージェント)には無料のAI Freeプランがありますが、JetBrainsのAI in IDEs FAQは AI Free is not available in Android Studio, Intellij IDEA without Ultimate subscription and PyCharm without Pro subscription と書いています。無料版のIntelliJ IDEAでJetBrains AIを使うには、有料のAI Proを契約する必要があります。
Ultimateサブスクリプションがあれば、AI Freeとして、JetBrains独自モデル(Mellum)によるコード補完の無制限利用、OllamaやLM Studioで接続したローカルモデルの無制限利用、少量のクラウド枠を使えます。AI Proが追加料金なしで付く主な対象は、有償のAll Products PackとdotUltimateで、IntelliJ IDEA単体のUltimateには含まれません。料金と使い方の詳細はJetBrains AI Assistantの料金とAIクレジットの解説にまとめています。
| 利用環境 | JetBrains AI | GitHub Copilot |
|---|---|---|
| IntelliJ IDEA(無料) | AI Proの契約が必要 | 使える(無料プランあり) |
| IntelliJ IDEA(Ultimate) | AI Free(補完は無制限) | 使える |
| Eclipse IDE | 対象外 | Copilot for Eclipseで使える |
GitHub Copilotは両方のIDEで使えます。GitHubの機能対応表にはJetBrainsとEclipseの列があり、プランの説明によると無料のCopilot Freeでもコード補完を月2,000回まで使えます。Eclipse版はMicrosoftがMITライセンスで公開しているCopilot for Eclipseで、最新は0.21.0(2026-08-07)、GitHubのセットアップ手順が示す最低対応版はEclipse 2024-03です。同プラグインの変更履歴では、0.23.0からEclipse 2025-12(4.38)以降とJava 21以降が必要になると予告されています。導入手順はGitHub Copilot for Eclipseの導入手順と使い方で解説しています。
無料のままAI補完を使いたいなら、IDEを問わずCopilot Freeから始めるのが現実的です。JetBrains AIを使う場合、IntelliJ IDEAの無料版では有料のAI Proの契約が必要で、UltimateならAI Freeから始められます。クラウドのAI機能を多く使うなら、どちらの場合もAI Proの費用を見積もりに入れます。
コンパイルと自動ビルドの違い
EclipseからIntelliJ IDEAへ移行する際は、使用するコンパイラと保存時の自動ビルド設定を確認してください。
javacとECJの違い:エラーを含むコードを実行した結果
IntelliJ IDEAはプロジェクトに設定したJDKのjavacでコンパイルします。EclipseはJDTに組み込まれた独自のコンパイラ(ECJ)を使うため、同梱JREだけでもコンパイルから実行まで完結します。JetBrainsの移行ガイドは、両者の最大の違いを the Eclipse compiler is more tolerant to errors, and sometimes lets you run code that doesn't compile と説明しています。
この違いを、Maven Centralで配布されているECJ 3.46.100と、Temurin 25.0.4.1のjavacで確かめました。discountメソッドだけに型エラーがあるOrderクラスと、それを呼ぶMainクラスの2ファイルです。以下のコードはsrcディレクトリ内のOrder.javaとMain.javaに分けて保存し、ECJのJARを作業ディレクトリに置きます。出力先に以前のclassファイルがない状態で実行してください。
// Order.java
public class Order {
static int total(int price, int qty) {
return price * qty;
}
static int discount(int price) {
String rate = 10; // 型が合わないためコンパイルエラー
return price - rate;
}
}
// Main.java
public class Main {
public static void main(String[] args) {
System.out.println("total=" + Order.total(500, 3));
System.out.println("discount=" + Order.discount(500));
}
}
javacはエラーのあるOrderのclassファイルを出力しないため、Mainは最初の呼び出しで止まります。ECJに -proceedOnError を付けると、バッチコンパイラの説明どおりエラーを含むクラスのclassファイルも出力され、エラーのないtotalは実行できます。
$ javac -d out-javac src/*.java
src/Order.java:6: error: incompatible types: int cannot be converted to String
src/Order.java:7: error: bad operand types for binary operator '-'
2 errors
$ java -cp out-javac Main
Exception in thread "main" java.lang.NoClassDefFoundError: Order
$ java -jar ecj-3.46.100.jar -25 -proceedOnError -d out-ecj src
2 problems (2 errors)
$ java -cp out-ecj Main
total=1500
Exception in thread "main" java.lang.Error: Unresolved compilation problems:
Type mismatch: cannot convert from int to String
The operator - is undefined for the argument type(s) int, String
javapで逆アセンブルすると、ECJが出力したdiscountの中身は「Unresolved compilation problems」という例外を投げる処理だけに置き換わっていました。Eclipseで一部のクラスにエラーが残っていても別のmainメソッドを動かせるのは、この仕組みによるものです。ただしECJの終了コードは -proceedOnError を付けても0以外(実測では255)です。CIでコンパイラの終了コードを失敗として判定していれば、エラーのあるコードはビルドを通りません。
IntelliJ IDEAで同じ挙動にするには、Java Compilerの設定(Settings | Build, Execution, Deployment | Compiler | Java Compiler)でUse compilerをEclipseに切り替え、Proceed on errorsをオンにします。ECJはIntelliJ IDEAに同梱されています。そのうえで、実行構成の起動前タスクを「Build, no error check」に変えると、ビルドエラーがあっても起動できます。
保存時ビルドの有無と切り替え方法
Eclipseは既定で「Build Automatically」が有効で、ファイルを保存するたびに差分コンパイルが走ります。IntelliJ IDEAはコンパイルなどのタイミングで自動保存します。別アプリへの切り替え時の保存は設定でき、File | Save Allによる手動保存も可能です。そのため、既定では保存時にコンパイルしません。
| やりたいこと | IntelliJ IDEAでの操作 |
|---|---|
| 今すぐビルド | Build | Build Project(Ctrl+F9) |
| 保存時にビルド | Settings | Tools | Actions on Save の Build project |
| 自動保存の設定 | Settings | Appearance & Behavior | System Settings |
Build projectを有効にしても、既定ではアプリケーションの実行中に自動ビルドは行われません。移行ガイドは、自動ビルドによって実行中のアプリケーションのクラスが暗黙に再読み込みされるのを避けるためと説明しています。実行中も自動ビルドさせたい場合は、Settings | Advanced Settings | Compilerで「Allow auto-make to start even if developed application is currently running」をオンにします。実行中に変更を反映させたいときは、Ctrl+F9で明示的にビルドします。
コード補完とリファクタリングの違い
基本の補完はどちらもCtrl+Spaceです。IntelliJ IDEAはそれに加えて、期待される型に合う候補だけに絞るType-matching completion(Ctrl+Shift+Space)と、括弧やセミコロンまで補って文を閉じるStatement completion(Ctrl+Shift+Enter)を持っています。JetBrainsの移行ガイドの対応表では、この2つのEclipse側は空欄です。
リファクタリングは、名前変更・メソッド抽出・移動などの基本操作なら両者に大差はありません。差が出るのはSpringのBean名やJPAのエンティティ名など、フレームワークの文字列参照まで追う場面で、ここはIntelliJ IDEAのUltimateが強い領域です。無料版だけで比べるなら、補完とリファクタリングを理由にIntelliJ IDEAを選ぶ必然性は薄れます。
Spring Boot開発の違い:Ultimateの本格支援とSpring Tools
Spring Bootを業務で使うなら、ここが最も大きな判断材料です。IntelliJ IDEAの無料版にはSpring Bootのプロジェクト作成ウィザードと基本のハイライトしかありません。Beanの依存関係の追跡や設定ファイルの補完などの本格的な支援は、Ultimateサブスクリプションが前提です。
Eclipseには、Springチームが開発するSpring Toolsがあります。2026年9月公開の5.4.0では、@ApplicationModuleListener・@SpringJUnitConfig・@RestControllerや特定の@Scopeアノテーションへの書き換えを提案する検証とクイックフィックスが追加され、Eclipse向けの配布物はEclipse 2026-09ベースに更新されました。Spring ToolsはVS Code向けにも提供されています。
判断は単純です。Spring Bootの開発に日常的にIDEの支援を使うチームで予算が取れるならIntelliJ IDEAのUltimate、費用をかけられないなら、EclipseとSpring Toolsの組み合わせをおすすめします。IntelliJ IDEAの無料版でSpring Bootを書くこと自体はできますが、補完はJavaとしての補完に留まります。IDEの選定を含めたSpring BootでのJava業務システム開発は、issohのフルスクラッチ開発でも支援しています。
動作の重さと必要スペック
IntelliJ IDEAの公式システム要件は、x86_64またはarm64の4コアCPU、総RAM 8GB(IDEのプロセスに3GB)、ディスク10GBです。対応OSはWindows 10・11、macOS 15・26、Ubuntu 24.04・26.04 LTSなどで、BSD系はサポート外です。IDEに割り当てるヒープはHelp | Change Memory Settingsで変更でき、公式ヘルプによると既定値はプラットフォームによって異なります。
Eclipseは公式サイトに同じ形式のメモリ要件を掲げていません。2026-09のパッケージはJava 25のJREを同梱しており、JREなしの個別ダウンロード版を使う場合はJava 25以上が必要です。Java向けパッケージ(Linux版)を展開してeclipse.iniを確認すると、最大ヒープを決める -Xmx の指定はありませんでした。この場合の上限はJVMの既定(MaxRAMPercentage=25、物理メモリの4分の1)で、メモリ16GBのMacでTemurin 25に問い合わせると4GBでした。Eclipseが小さいヒープに制限されて配布されているわけではありません。メモリ8GBのPCでブラウザやDockerを並行して動かすと、IntelliJ IDEAにIDE用の3GBを割くのは厳しくなります。この条件では、同じプロジェクトと併用アプリで両IDEのメモリ使用量や操作の待ち時間を比較して選ぶ必要があります。
| 配布物(2026年10月時点) | サイズ |
|---|---|
| IntelliJ IDEA 2026.2.3 Windowsインストーラー | 約1.20GB |
| IntelliJ IDEA 2026.2.3 macOS(Apple Silicon) | 約1.53GB |
| Eclipse IDE for Java Developers 2026-09 Windows | 約378MB |
| Eclipse IDE for Enterprise Java and Web Developers 2026-09 Windows | 約605MB |
サイズはJetBrainsの配布API(data.services.jetbrains.com)とEclipseのダウンロードサーバーが返すバイト数(2026-10-24取得、1GB=10億バイトで換算)です。IntelliJ IDEAは実行用のJetBrains Runtimeと有料機能の分も含む1つの配布物なので、ダウンロード量だけで比べると差が大きくなります。ただし配布サイズは実行時のメモリ使用量を示すものではありません。
起動時間や大規模プロジェクトでの速度は、インデックス作成の有無、プラグイン構成、ヒープ設定で大きく変わります。公式に比較できる計測値もないため、「どちらが速い」と一般化せず、自分のプロジェクトを両方で開いて確かめるのが確実です。
画面構成と用語の違い:ワークスペースとパースペクティブ
IntelliJ IDEAにはワークスペースの概念がなく、1つのウィンドウで扱うプロジェクトは1つです。Eclipseのワークスペースで複数プロジェクトを並べていた構成は、IntelliJ IDEAでは1つのプロジェクトに複数のモジュールを持たせる形に置き換わります。無関係なプロジェクトは別ウィンドウで開きます。
| Eclipse | IntelliJ IDEA |
|---|---|
| Workspace | Project |
| Project | Module |
| JRE | SDK |
| Classpath variable | Path variable |
| Facet / Library | Facet / Library(同名) |
パースペクティブもありません。Eclipseでは「Java」「デバッグ」などの画面レイアウトを手で切り替えますが、IntelliJ IDEAは操作に応じて必要なツールウィンドウを自動で開きます。Eclipseの「Quick Access(Ctrl+3)」にあたるのは、Shiftを2回押して開く「どこでも検索」です。
EclipseからIntelliJ IDEAへ移行する手順
既存のEclipseプロジェクトは、次の順で移すと手戻りが少なくなります。
- プロジェクトを開く:Welcome画面の Open(または File | Open)で開きます。MavenやGradleを使っているなら、.projectではなく pom.xml や build.gradle を選ぶと依存関係がビルドツールの定義どおりに読み込まれます。ワークスペース全体を取り込むこともできます。
- キーマップをEclipseに合わせる:Settings | Keymap で「Eclipse」を選ぶと、Eclipseのショートカットをほぼそのまま使えます。操作名がわからないときは Find Action(Ctrl+Shift+A)で探します。
- フォーマッタ設定を取り込む:Eclipseからエクスポートしたフォーマッタ設定のXMLを、Settings | Editor | Code Style | Java の Import Scheme で読み込みます。一部の設定は完全には一致しないため、チームで整形結果を揃えたい場合はEclipse Code Formatterプラグインを使います。
- コンパイルの挙動を確認する:前述のとおり保存時ビルドは既定で無効です。Eclipseと同じ感覚で使いたいなら Actions on Save の Build project を有効にします。
日本語表示にしたい場合、2024.2以降は言語パックが同梱されています。手順はIntelliJ IDEAでJava開発を始める手順の日本語化の章で解説しています。
Eclipseを選ぶべき場面と避けるべき場面
IntelliJ IDEAでも必要な機能を無料で使え、Eclipse固有の設定資産やツール連携も不要なら、「無料だから」という理由だけでEclipseを選ぶべきではありません。無料のSpring支援が必要な場合に加え、次の条件もEclipseを残す理由になります。
- 総RAMが8GB未満、またはIDE用に3GBの空きメモリを確保できず、Eclipseでは対象プロジェクトの動作を確認できている
- ルネサスなどのマイコンベンダーが提供するEclipseベースのIDE(C/C++ Development Toolkitを使うもの)と操作を揃えたい
- 研修の手順書や社内プラグインがEclipse前提で、書き換えるコストが見合わない
費用だけで選ぶ場合も、必要な機能が無料範囲に含まれるかを比較してください。無料版のIntelliJ IDEAも商用で使え、Spring Bootのプロジェクト作成とデータベース接続までは無料で揃います。Javaの入門から始めるならIntelliJ IDEAを選び、手順はIntelliJ IDEAでJava開発を始める手順を参照してください。Eclipseで始める場合はEclipseの導入と使い方にまとめています。
エディタ中心で軽く使いたい場合は第3の選択肢として、VS CodeにJava拡張を入れる方法もあります。構成はVS CodeのJava拡張「Extension Pack for Java」の使い方で扱っています。
よくある質問
初心者にはIntelliJ IDEAとEclipseのどちらがおすすめですか?
メモリ8GB以上のPCならIntelliJ IDEAの無料版をおすすめします。インストールしてすぐにJavaとKotlinの開発を始められ、商用でも無料です。学校や研修でEclipseが指定されている場合は、指定に従うほうが質問しやすくなります。
IntelliJ IDEAの無料版と有料版(Ultimate)の違いは何ですか?
無料版でもJavaとKotlinの中核機能は商用で使えます。Ultimateサブスクリプションで加わるのは、Springの本格支援、データの閲覧とSQLの実行を含むデータベースツール、IntelliJ Profiler、HTTP Clientなどです。個人向けの年額は初年度199米ドルです。
IntelliJ IDEA Community Editionはもう使えないのですか?
2025.2以前のCommunity Editionは引き続き使えますが、更新が続くのは統合版のIntelliJ IDEAだけです。既存のCommunity Editionは2025.3へのアップデートで統合版に切り替わり、無料のまま機能が増えます。
IntelliJ IDEAとEclipseはどちらが軽いですか?
IntelliJ IDEAの公式要件は総RAM 8GB、IDE用の空きメモリ3GBですが、この要件だけではEclipseとの重さの優劣は判断できません。配布サイズはEclipseのJava向けパッケージのほうが小さいものの、速度はプロジェクト規模やプラグイン構成で変わるため、実際のプロジェクトを両方で開いて比べるのが確実です。
EclipseからIntelliJ IDEAに乗り換えるときにキー操作は変えずに済みますか?
Settings | Keymap で「Eclipse」キーマップを選べば、Eclipseのショートカットをほぼそのまま使えます。フォーマッタ設定もXMLで取り込めます。