Laravelの公式ドキュメントは、2026年8月ごろ laravel.com/docs から laravel.com/framework/docs へ移りました。旧URLは301で新URLへ転送されるので古いブックマークも開けますが、URLの形が変わったことを知らないと、ブログに貼られたリンクや版の切り替えで戸惑います。この記事では、最新のLaravel 13(2026年10月20日時点で13.38.0)を前提に、公式ドキュメントの構成と目的別の入口、日本語で読む方法、AIエージェントに読ませる方法を整理し、後半で自分のプロジェクトのAPI仕様書や手順書を作るツールを紹介します。
まとめ
- 公式ドキュメントは laravel.com/framework/docs。URLの
13.xの部分が版で、php artisan --versionで確かめた自分の版に合わせて開く。 - 公式に日本語版は無い。日本語で読むなら非公式訳の ReaDouble(readouble.com)。原文の英語を並べて表示する機能があるので、訳が分かりにくい箇所はその場で英文を確かめられる。
- 各ページはURLの末尾に
.mdを付けるとMarkdownで返る。AIエージェントに読ませるなら、Laravel Boostのドキュメント検索ツール(search-docs)を使う。 - 自分のAPI仕様書を作るなら、注釈を書き込む Scribe か、注釈なしでコードから推論する Scramble。手順書をアプリ内で配信するなら LaRecipe 3(2026年10月にパッケージ名が
larecipe/larecipeへ変わった)。
Laravel公式ドキュメントの場所とURLの形
公式ドキュメントの入口は laravel.com/framework/docs です。旧URLの https://laravel.com/docs や https://laravel.com/docs/13.x/routing は、パスを保ったまま /framework/docs/ 配下へ301(恒久的な転送)で移ります(2026年10月27日時点)。リンクは切れていないので、古い記事のリンクを踏んでも同じページに着きます。
URLは /framework/docs/13.x/routing のように「版/ページ名」の形です。画面左上の版の切り替えには Master・13.x・12.x…5.0・4.2 が並びます。Master は次のメジャー版に向けた開発中の内容なので、動いている本番アプリの調べものに使うページではありません。版番号を付けずに開くと最新の13.xが表示されます。
13.xの目次の構成と目的別の入口
左サイドバーの本文は Prologue から Packages までの11区分で、その下に API Documentation と Changelog への独立したリンクがあります。全部を通読する必要はなく、知りたいことから入口を決めると速く着きます。
| 区分 | 主なページ | 開く場面 |
|---|---|---|
| Prologue | Release Notes・Upgrade Guide | 版を上げる前 |
| Getting Started | Installation・Configuration・Agentic Development | 環境構築 |
| Architecture Concepts | Service Container・Facades | 仕組みの理解 |
| The Basics | Routing・Controllers・Validation | 日々の実装 |
| Digging Deeper | Queues・Cache・Task Scheduling | 非同期・運用 |
| Security | Authentication・Authorization | 認証・認可 |
| Database / Eloquent ORM | Migrations・Relationships | DB操作 |
| AI | AI SDK・MCP・Boost | AI機能・開発支援 |
| Testing | HTTP Tests・Browser Tests | テスト |
| Packages | Sanctum・Horizon・Pint など | 公式パッケージ |
初めてLaravelを触るなら、Getting Started の Installation と The Basics の Routing・Controllers・Views・Validation の順で読めば、画面を1つ作るところまで進めます。13.xでは Getting Started に Agentic Development(AIコーディングエージェントと開発する前提の解説)が、目次に AI の区分が加わりました。Artisanの生成コマンドのように各ページに散らばった情報は、php artisan makeコマンドの一覧のような早見表と行き来すると探しやすくなります。
サイドバー最下部の API Documentation は、クラスとメソッドの一覧(api.laravel.com)です。ドキュメント本編が「使い方」を説明するのに対し、こちらはメソッドの引数と戻り値を引くための索引です。本編に載っていないメソッドを探すときに使います。
Laravelの版番号の確認と対応するドキュメントの選択
環境と違う版のドキュメントを読むと、存在しない設定キーやコマンドを写してしまいます。読む前にプロジェクトの版を確かめます。
php artisan --version
# 表示例:Laravel Framework 13.38.0
表示された番号の先頭、最初のドットより前の数字がメジャー版です。13.38.0なら13なので、13.x のドキュメントを開きます。5.8以前は 5.8 のように2つ目の数字までが版の単位です。版ごとのサポート期間は、Release Notes の Support Policy に表で載っています。バグ修正は18か月、セキュリティ修正は2年です。
| 版 | 対応PHP | リリース | バグ修正 | セキュリティ修正 |
|---|---|---|---|---|
| 13 | 8.3〜8.5 | 2026-03-17 | 2027年第3四半期 | 2028-03-17 |
| 12 | 8.2〜8.5 | 2025-02-24 | 2026-08-13(終了) | 2027-02-24 |
| 11 | 8.2〜8.4 | 2024-03-12 | 2025-09-03(終了) | 2026-03-12(終了) |
| 10 | 8.1〜8.3 | 2023-02-14 | 2024-08-06(終了) | 2025-02-04(終了) |
Laravel 12は2026年8月13日でバグ修正を終え、残るのはセキュリティ修正だけです。12.xのドキュメントを読みながら新規開発を始めるのは避け、13.xへ上げる場合は Prologue の Upgrade Guide を先に読みます。版が変わると推奨される作法そのものが変わる例として、Laravel Breezeから後継スターターキットへの移行があります。
日本語訳ReaDoubleの使い方と翻訳の更新状況
ReaDoubleの原文併記と表示切り替えの機能
Laravel公式は英語のみで、日本語の公式版はありません。日本語で読む定番は、個人が運営する非公式訳の ReaDouble(readouble.com)です。13.xの訳は readouble.com/laravel/13.x/ja/ で公開されており、Livewireの訳も「仮。機械翻訳版」として公開中です。
ReaDoubleの設定パネルには、本家にない読みやすさの機能があります。トップページの変更点に書かれている内容をまとめると次のとおりです。
- 原文の英語を表示:非表示・常時表示・一行ずつ表示の3モードを選べる。訳の意味が取りにくい段落だけ英文を開ける。
- テストコードの切り替え:11.x以降はPestとPHPUnitの2種類の例が載るため、片方だけ表示するよう設定できる。
- OS別コードの切り替え:macOS・Windows・Linuxのどれか1つだけを表示できる。
- 全文検索:MySQLのブール全文検索の書式で、語の先頭の
+がAND、記号なしがORになる。
日本語訳の反映日と原文との差分確認
ReaDoubleの訳の元は、GitHubの laravel-ja にある版ごとのリポジトリ(ja-docs-13.x など)です。訳の鮮度はコミットのメッセージで分かります。ja-docs-13.x のコミット履歴には「2026-10-26までの原文変更点反映。」のように、原文のどの日付までの変更を取り込んだかが書かれています(2026年10月27日時点の最新)。一方、ja-docs-12.x の最新のコミットは「2026-03-18までの原文変更点反映。13リリース直後の修正。」で、それ以降の12.xの原文の変更は訳に入っていません。
この日付はリポジトリ全体の反映範囲を示すもので、ページごとの訳が原文と完全に一致する保証ではありません。12.xで開発している場合や、訳と英語版で説明が食い違う場合は、英語版を正とします。
英語の原文は laravel/docs リポジトリに版ごとのブランチ(13.x など)で置かれており、ページの変更履歴はそのコミット履歴で追えます。ある機能がいつ追加されたかを知りたいときは、訳よりも原文の履歴を見るほうが確実です。
公式ドキュメントを速く調べる方法
公式ドキュメントの検索機能とMarkdown取得
ページ上部の検索(Macは ⌘K)を使うと、目次をたどらずに語句からページを引けます。ページを丸ごと手元やAIに渡したいときは、各ページの「Copy as markdown」ボタンか、URLの末尾に .md を付ける方法が使えます。
curl -s https://laravel.com/framework/docs/13.x/routing.md | head -5
# # Routing
#
# - [Basic Routing](#basic-routing)
# - [The Default Route Files](#the-default-route-files)
# - [Redirect Routes](#redirect-routes)
返ってくるのは text/markdown の本文で、HTMLのナビゲーションが混ざりません。ChatGPTやClaudeに「この版のこのページを根拠に答えて」と貼る用途では、メニューや版の一覧といったナビゲーションの文字を入力から除けます。AIの回答は、示されたコードが貼ったページの記述と合っているかを自分で照合します。
Laravel BoostによるAIエージェントの公式情報検索
Claude CodeやCursorにLaravelのコードを書かせるなら、公式パッケージの Laravel Boost を入れると、エージェントが公式の情報を自分で引くようになります。
composer require laravel/boost --dev
php artisan boost:install
Boostに含まれるドキュメント検索ツール(MCPのツール名は search-docs)は、Laravelが運営するドキュメントAPIへ問い合わせ、プロジェクトに入っているパッケージの版に合った情報を返します。返す量は既定で3,000トークン、最大1,000,000トークンまで指定でき、検索対象のパッケージ名でも絞れます。公式の説明では、知識ベースは17,000件超のLaravel固有の情報で、埋め込みを使った意味検索で引きます。ソースを見ると、検索条件に渡すのは導入済みパッケージのメジャー版(13.x など)です。そのため、同じメジャー版の中で後から加わった機能かどうかまでは区別されません。マイナー版で追加されたメソッドは、自分の laravel/framework の版で使えるかを確かめます。ツールの一覧と設定はLaravel Boost 2系のMCPツール10種、boost:install の選択肢はLaravel Boostの使い方で解説しています。
Laravelの実装確認に使う情報源の優先順位
Laravelはおよそ週1回のペースで13系のマイナー版が出るため、個人ブログやAIの回答には古い版の書き方が残りがちです。確度は「公式ドキュメント(該当版)> ReaDouble > コミュニティ記事」の順で扱い、コマンド名・設定キー・ディレクトリ構成は実装の前に必ず公式の該当版で確かめます。記事を参考にするときは、冒頭か本文の composer.json にどの版が書かれているかを最初に見ます。版が書かれていない記事は、手順をそのまま写さないほうが安全です。
自分のプロジェクトのドキュメントを作るツール
Laravel本体に、自分のアプリの仕様書を作る機能はありません。組み込みの php artisan route:list は登録済みルートの一覧を出すだけです。仕様書や手順書は、次のパッケージで作ります(版は2026年10月27日時点のPackagist)。
Scribe:ルート定義と注釈からのAPI仕様書生成
Scribe(5.11.0・2026年6月8日)は、ルート定義・FormRequestのバリデーションルール・コントローラのDocBlockを読み取り、単一ページのHTML、Postmanコレクション、OpenAPI仕様を出力します。ブラウザからAPIを試せる「Try It Out」も付きます。対応はLaravel 9.21以降〜13・PHP 8.1以上です。
composer require knuckleswtf/scribe
php artisan vendor:publish --tag=scribe-config
# 生成前に config/scribe.php の routes を確認(既定は prefixes => ['api/*'])
php artisan scribe:generate
OpenAPIの版は config/scribe.php の openapi.version で 3.0.3(既定)と 3.1.0 から選べます。説明文や例を細かく書き込みたい公開APIに向きます。
Scramble:型推論による注釈なしのOpenAPI生成
Scramble(0.13.51・2026年10月26日)は、PHPDocの注釈を書かなくても、コードからリクエストとレスポンスの型を推論してOpenAPI 3.1.0の文書を作ります。導入すると /docs/api(閲覧画面)と /docs/api.json(OpenAPIのJSON)の2つのルートが追加されます。
composer require dedoc/scramble
この2つのルートは、既定では local 環境でしか開けません。本番で公開するには viewApiDocs ゲートを定義します。版はまだ1.0に達していないため、出力の細部が版上げで変わる前提で使います。注釈を書く手間を省きたい社内APIなら、Scribeより先に試す価値があります。
LaRecipe 3:アプリ内での手順書の配信
APIの自動生成ではなく、手順書やナレッジをMarkdownで書いてアプリの /docs で配信するのが LaRecipe です。2026年10月19日の3.0で大きく変わりました。
- パッケージ名が
binarytorch/larecipeからlarecipe/larecipeへ変わり、旧名はPackagistで放棄扱い(後継として新名を案内)になった。 - 要件がPHP 8.3以上・Laravel 12.62以上または13に上がった。2.9.1まで対応していたLaravel 11以前では使えない。
- AIエージェント向けに、各ページのMarkdown・
llms.txt・MCPサーバーを出す。コードを変えたのに対応する文書が更新されていないと、gitのpushを止めるフックも入る。
composer require larecipe/larecipe
php artisan larecipe:install
2系から移る場合は、php artisan larecipe:upgrade がまず変更点の報告だけを出し、--apply を付けると変換します。旧名の binarytorch/larecipe で書かれた導入手順は2系向けなので、今から写すと古い版が入ります。
phpDocumentor:DocBlockからのクラスリファレンス生成
クラスとメソッドのリファレンスをDocBlock(/** ... */ 形式のコメント)から起こすなら phpDocumentor(3.10.0・2026年5月13日・PHP 8.1以上)が定番です。同種のDoctum(5.6.0・2026年2月6日)も更新が続いています。
生成物の質はコメントの書き方で決まります。Laravel本体はコントリビューションガイドで、@param の後に空白2つ・型・空白2つ・変数名と並べる書式を示し、ネイティブの型宣言で分かる @param と @return は省いてよいとしています。自分のプロジェクトでも同じ規則にそろえ、Laravelの命名規則と合わせて統一しておくと、生成したリファレンスが読みやすくなります。
用途別の選び方と避けたい選択
| 作りたいもの | ツール | 入力元 |
|---|---|---|
| 説明を作り込む公開API仕様書 | Scribe | ルート+DocBlock |
| 注釈なしのOpenAPI | Scramble | コードの型推論 |
| 手順書・社内ナレッジ | LaRecipe 3 | 手書きMarkdown |
| クラスリファレンス | phpDocumentor | DocBlock |
新規採用を避けたいのが mpociot/laravel-apidoc-generator です。最終版の4.8.2は2020年5月のリリースで、依存の指定がLaravel 5.7〜7までのため、Laravel 8以降のプロジェクトには入りません。既存のプロジェクトで使っている場合は、Scribeの移行ガイドに沿って3系、4系と段階的に上げ、最後にMigrating to v5で5系へ移ります。5系はPHP 8.1以上・Laravel 9以上が前提で、Lumen向けの戦略や routes.*.apply の設定は削除されています。外部に公開するAPIの設計や連携の仕様づくりから相談したい場合は、API開発・システム連携の支援も行っています。
よくある質問
Laravelの公式ドキュメントはどこで読めますか?
laravel.com/framework/docs です。2026年8月ごろ laravel.com/docs から移り、旧URLは同じページへ301で転送されます。URLの 13.x の部分が版で、画面左上の切り替えで他の版へ移れます。
Laravelの公式ドキュメントに日本語版はありますか?
公式の日本語版はありません。日本語で読むなら非公式訳のReaDouble(readouble.com)を使います。13.xの訳も公開されており、設定で原文の英語を並べて表示できます。
古いバージョンのLaravelのドキュメントは見られますか?
見られます。版の切り替えに13.xから4.2までが並び、/framework/docs/12.x/ のように版番号を指定して開けます。ただしLaravel 11は2026年3月12日でセキュリティ修正も終わっているため、参照はできても本番での継続利用は避けます。
LaravelでAPI仕様書を自動生成するには?
Scribeか Scramble を使います。Scribeは php artisan scribe:generate でHTML・Postmanコレクション・OpenAPIを出力し、Scrambleは導入するだけで /docs/api に注釈なしのOpenAPI文書を表示します。説明を作り込むならScribe、注釈を書きたくないならScrambleです。
LaravelのドキュメントをChatGPTやClaudeに読ませるには?
ページのURL末尾に .md を付けるとMarkdownの本文が返るので、それを渡します。開発中のプロジェクトでAIエージェントを使うなら、Laravel Boostを入れるとドキュメント検索ツール(search-docs)で版に合った公式情報を自動で引くようになります。