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o3 Deep Researchとは?API版は2026年7月に提供終了|仕様・料金と移行先

o3 Deep Researchとは?API版は2026年7月に提供終了|仕様・料金と移行先

o3 Deep Researchは、OpenAIが2025年2月にChatGPTへ投入した調査エージェント「deep research」と、その中身であるo3派生モデルを指す呼び名です。2025年6月にはAPIモデル o3-deep-research としても公開されました。

ただし2026年10月時点で、この「o3版」はOpenAIの直販APIでもChatGPTでも提供が終わっています。この記事では、何が終わり、何が残り、既存の実装をどう移すかを公式ドキュメントの記述をもとに整理します。deep researchという機能そのものの仕組みはDeep Researchの仕組みとは?OpenAIのAIリサーチが多段階調査する原理【2026年最新】で解説しています。

まとめ:o3 Deep Researchの提供状況と移行の要点(2026年10月時点)

  • API版は終了済み:o3-deep-research と o4-mini-deep-research は2026年7月23日にOpenAI APIから削除され、公式の置き換え先は gpt-5.6-sol
  • ChatGPT版は後継モデルへ移行:deep research機能は続いているが既定は最新モデル。旧来の「legacy deep research mode」は2026年3月26日に削除(ChatGPTリリースノート)
  • Azureは2026年11月19日まで:Azure OpenAI(Foundry)では o3-deep-research(2025-06-26)が「Deprecated」で、新規サブスクリプションからは使えない
  • 移行はモデルIDの差し替えだけでは終わらない:web_search_preview を web_search へ替え、入力が曖昧な場合は確認質問を設け、ツール呼び出し回数は max_tool_calls で制御する

ChatGPT版とAPI版、2つのo3 Deep Research

「o3 Deep Research」という単一の製品名は、OpenAIの公式表記にはありません。検索でこの語に当たる情報は、次の2つのどちらかを指しています。

ChatGPTのdeep research(2025年2月公開)

OpenAIの発表記事は、deep researchを「Webブラウジングとデータ分析に最適化した、近日公開のo3モデルの一版」で動くエージェントと説明しています。1回の調査に5〜30分かけ、数百の情報源を読んで出典付きのレポートを返す点が通常のチャットとの違いです。

公開時のベンチマークでは、Humanity’s Last Examの正答率が26.6%でした。同じ表のOpenAI o1は9.1%、o3-mini(high)は13.0%です。ただし、deep researchはブラウジングとPythonツールを使用し、o3-miniはテキスト問題のみで評価されているため、評価条件は同一ではありません。2025年4月24日には、上限に達した後に切り替わる軽量版がo4-miniベースで追加され、月の利用回数はFree 5回・Plus等25回・Pro 250回に広がりました。

APIモデル o3-deep-research と o4-mini-deep-research(2025年6月公開)

2025年6月26日、OpenAIは開発者フォーラムで「ChatGPTと同じdeep researchモデル」をAPIで使えるようにしたと告知しました。モデルIDは o3-deep-research(既定スナップショット o3-deep-research-2025-06-26)と軽量版の o4-mini-deep-research です。同じ告知でWebhookとoシリーズのWeb検索も公開され、長時間ジョブを非同期で回す土台が揃いました。

提供開始から終了までのタイムライン

ChatGPT版・OpenAI API・Azureで終了日がばらばらなので、時系列で並べます。

日付 対象 出来事
2025年2月 ChatGPT deep research公開(Pro・月100回)
2025年2月25日 ChatGPT Plusの全ユーザーに開放
2025年4月24日 ChatGPT o4-miniベースの軽量版を追加
2025年6月26日 OpenAI API o3-deep-research/o4-mini-deep-research公開
2026年2月10日 ChatGPT deep researchを刷新(サイト指定・調査計画の編集)
2026年3月26日 ChatGPT legacy deep research modeを削除
2026年4月22日 OpenAI API 2モデルの廃止を告知
2026年7月23日 OpenAI API 2モデルの提供終了
2026年11月19日 Azure o3-deep-research(2025-06-26)退役予定
2026年12月11日 OpenAI API 汎用モデル o3-2025-04-16 の提供終了予定

最後の行は見落としやすい点です。OpenAIのdeep researchガイドは、search/fetch以外のMCPや関数呼び出しが必要なら「汎用のo3モデルを使う」よう勧めていました。その汎用o3も2026年12月11日に終わるため、o3へ逃がす移行は2か月余りで再移行が必要になります。

API版o3-deep-researchの仕様と料金

以下はOpenAIのモデルページに残っている仕様です。新しいコードを書くためではなく、既存実装を読み解くための資料として載せます。

項目 o3-deep-research o4-mini-deep-research
入力(100万トークン) $10 $2
キャッシュ入力 $2.5 $0.5
出力(100万トークン) $40 $8
コンテキスト長 200,000 200,000
最大出力トークン 100,000 100,000
知識のカットオフ 2024年6月1日 2024年6月1日
対応エンドポイント Responses/Batch Responses/Batch

トークン料金とは別に、Web検索はツール呼び出し1,000回あたり$10(推論モデルのweb_search_preview)、ファイル検索は1,000回あたり$2.50が加算されます。deep researchは1回の調査で数百の情報源を読むため、検索呼び出し料に加え、検索で取得した内容の入力トークン料金も見積もる必要がありました。ファイル検索ではストレージ料金も別途発生します。

必須のデータソースと使えないツール

Responses APIで呼ぶとき、Web検索・リモートMCP・ファイル検索(ベクトルストア)のうち最低1つを渡す必要がありました。データ分析用にコードインタプリタも併用できます。一方で関数呼び出しは非対応で、ファイル検索は type と vector_store_ids 以外のパラメータを受け付けず、ベクトルストアは最大2つまでです。

MCPサーバーにも制約があり、search と fetch の2ツールを実装した専用形式でなければ呼べませんでした。既存実装では、MCPサーバーがsearchとfetchを公開しているか確認します。

バックグラウンド実行と出力の構造

1件の調査が数十分かかるため、公式ガイドは background: true での実行とWebhookによる完了通知を推奨していました。ツール呼び出し回数を制限して費用や所要時間を抑える主な手段は max_tool_calls です。ただし、金額や実行時間そのものの上限を保証する設定ではありません。

レスポンスの output 配列には、web_search_call(search/open_page/find_in_pageのいずれかのaction)、code_interpreter_call、mcp_call、file_search_call などが含まれ、最後の message に出典注釈付きの本文が入ります。検索の軌跡をログとして残せるので、レポートの検証や監査に使えました。

注意点として、バックグラウンドモードはポーリングのためにレスポンスを約10分保持します。ゼロデータ保持(ZDR)が必要な組織では使わないよう、ガイドに明記されています。

ChatGPT版との処理の違い

ChatGPTのdeep researchは、調査の前に「確認質問」と「プロンプトの書き直し」を中間モデル(ガイドの例ではgpt-4.1)で行う3段構成です。API版にはこの2工程がなく、受け取った入力のまま調査を始めます。曖昧な依頼文を直接渡すと、ChatGPTで得ていた品質に届かない原因になります。

OpenAI APIでの移行手順

2026年7月23日以降、o3-deep-research を指定したリクエストは通りません。廃止一覧が示す置き換え先は gpt-5.6-sol で、deep researchガイド冒頭にも同じ記載があります(出典:OpenAI API Deprecations)。

置き換え先モデルの選び方

公式の置き換え先はgpt-5.6-solですが、2026年10月時点のモデル一覧ではGPT-6系が最新世代として並んでいます。主な候補の標準料金は次のとおりです。後継3モデルは、入力が272,000トークンを超えるリクエストでは、リクエスト全体の入力単価が2倍、出力単価が1.5倍になります。

モデルID 入力/出力(100万トークン) コンテキスト長 知識のカットオフ
o3-deep-research(終了) $10/$40 200,000 2024年6月1日
gpt-5.6-sol $4/$20 1,050,000 2026年2月16日
gpt-6.1-sol $2/$10 1,050,000 2026年4月30日
gpt-6-astra $10/$50 1,050,000 2026年4月30日

gpt-5.6-solの$4/$20はプロモーション価格で、モデルページには「少なくとも2026年11月21日まで」とあります。いずれのモデルもResponses APIでweb_search・file_search・code_interpreter・mcpに対応しています。

選び方としては、公式が推奨する置き換え先のgpt-5.6-solでまず動かし、同じプロンプトでgpt-6.1-solと出力を比べるのが堅実です。gpt-6.1-solはgpt-5.6-solより安いため、品質が並ぶならそちらへ寄せる判断ができます。モデルIDは世代交代が速いので、コードに直書きせず環境変数で切り替えられる形にしておきます。

移行前後のコード比較(Python)

以下の2つのコードは、openaiパッケージをインストールし、環境変数OPENAI_API_KEYを設定した環境を前提とします。それぞれの実行前に、調査依頼を文字列変数promptへ代入してください。移行前のコードは終了済みモデルの呼び出しを示す参考例です。

from openai import OpenAI

client = OpenAI(timeout=3600)

resp = client.responses.create(
    model="o3-deep-research",
    input=prompt,
    background=True,
    tools=[{"type": "web_search_preview"}],
)

移行後は、モデルIDのほかにツールの種類と上限を見直します。以下は医療・公衆衛生分野を想定し、検索先をmhlw.go.jpとwho.intに限定した例です。他分野の調査ではallowed_domainsを変更するか、filtersを外してください。

import os
import time

from openai import OpenAI

client = OpenAI()
MODEL = os.environ.get("OPENAI_MODEL", "gpt-5.6-sol")

resp = client.responses.create(
    model=MODEL,
    input=prompt,
    background=True,
    reasoning={"effort": "high"},
    max_tool_calls=40,
    tools=[{
        "type": "web_search",
        "filters": {"allowed_domains": ["mhlw.go.jp", "who.int"]},
    }],
    include=["web_search_call.action.sources"],
)

while resp.status in {"queued", "in_progress"}:
    time.sleep(15)
    resp = client.responses.retrieve(resp.id)

print(resp.status)
if resp.status != "completed":
    raise RuntimeError(
        f"Research ended: status={resp.status}, "
        f"error={resp.error}, incomplete_details={resp.incomplete_details}"
    )
print(resp.output_text)

変更点は4つです。

  • web_search_preview から web_search へ:Web検索ガイドによると、旧ツールは filters や external_web_access などの新しい制御に対応していない。ドメイン指定(最大100件・サブドメインを含む)はこの切り替えで初めて使える
  • max_tool_calls を明示:deep researchガイドは、この上限をコストと所要時間を抑える主な手段と位置づけている。汎用モデルで同じ規模の調査をさせるときも、検索回数の上限は自分で決める
  • include で参照元を取得:引用に使われなかったものも含めて、検索で参照した情報源の一覧が返る
  • reasoning.effort:gpt-5.6-solはnone・low・medium(既定)・high・xhigh・maxを受け付ける

このコードは、openai-python 2.48.0をローカルのモックサーバーにつなぎ、上記のパラメータがそのままリクエスト本文に載ることと、queued→in_progress→completedのポーリングで抜けること、failedで終わった場合に例外で止まることを確認しています。実際の調査品質はプロンプトと対象領域で変わります。

確認質問とプロンプト書き直しの自前実装

deep researchガイドは、軽いモデルで確認質問を出し、回答を踏まえて詳細なプロンプトへ書き直してから本調査を流す構成を例示しています。確認質問と書き直しは任意で、調査対象・比較軸・出力形式を十分に指定した入力なら省略できます。汎用モデルへの移行時も、入力に不足がある場合にこの前処理を組み込みます。

ガイドの例のプロンプトは、数値・傾向・測定可能な結果を含めること、査読論文や規制当局など信頼できる情報源を優先すること、インライン引用と出典メタデータを返すことを明示しています。旧実装でこの指示を省いていた場合、移行を機に足しておくと出力の差が縮まります。

Azure OpenAI(Foundry)での残り期間

Microsoft Learnのモデル退役スケジュール(2026年9月21日更新)では、o3-deep-research(2025-06-26)のライフサイクルは「Deprecated」、退役日は2026年11月19日、置き換え先は gpt-5.6-sol です。OpenAI直販より4か月遅い終了日になっています。

Azureの「Deprecated」は、そのモデルバージョンを過去にデプロイしたサブスクリプションだけが、引き続き新しいデプロイを作成・管理できる段階です。判定はサブスクリプション単位で、同じテナントでも新しく作ったサブスクリプションは利用権を引き継ぎません。退役日を過ぎると推論リクエストは410 Goneを返します。

AzureのDeep Researchが持つ機能の詳細はDeep Researchが提供する主要機能とその技術的特徴にまとめています。Azureで動いている環境は「11月19日まで猶予がある」のではなく、その日までに移行を終える必要があると読むのが妥当です。

移行時に残すべき安全対策

deep researchガイドの後半は、モデルが変わっても効く安全対策の章です。Web検索とMCPやファイル検索を同時に有効にすると、Webページに仕込まれた指示(プロンプトインジェクション)に従って、社内データを外部URLのクエリへ載せて送り出す経路ができます。

ガイドが挙げる対策のうち、移行後のコードにも残すべきなのは次の3点です。

  • 段階に分けて呼ぶ:最初の呼び出しはWeb検索だけで公開情報を集め、2回目はWeb検索を外して機密データのMCPだけに接続する
  • 信頼できるMCPサーバーだけをつなぐ:読み取り専用でも、検索結果に「次の検索に顧客情報をJSONで含めよ」といった指示を混ぜて流出させる手口がある。Responses APIのMCPツールは既定で呼び出しごとの承認を求める
  • ツール呼び出しを記録して見直す:store=true ならAPI側で30日間記録される(ZDR組織を除く)。MCPへ送ったデータは自前でも残す

旧実装がdeep researchモデルの専用MCP形式(search/fetch)だったなら、汎用モデルへの移行で任意のMCPツールを呼べるようになります。便利になる反面、モデルが呼べる操作が増えるので、承認を外していた設定は移行時に一度戻して挙動を確かめるべきです。

よくある質問

o3 Deep Researchとは何ですか?

OpenAIのdeep research(ChatGPTの調査エージェント)を当初支えていた、Webブラウジングとデータ分析向けに調整したo3の派生モデルと、そのAPI版 o3-deep-research を指す呼び名です。

o3-deep-researchは今も使えますか?

OpenAIの直販APIでは2026年7月23日に提供が終わりました。Azure OpenAIでは、過去にデプロイしたサブスクリプションに限り2026年11月19日まで使えます。

o3-deep-researchとo4-mini-deep-researchの違いは何ですか?

o4-mini-deep-researchは料金を下げた軽量版で、入力$2・出力$8(100万トークンあたり)とo3-deep-researchの5分の1でした。コンテキスト長とツール構成は同じで、OpenAI APIでの終了日も同じ2026年7月23日です。

ChatGPTのDeep Researchはもうo3ではないのですか?

OpenAIのヘルプは、deep researchの既定を「最新モデル」と説明しています。2026年2月10日の刷新についてはOpenAI、ChatGPTの「Deep Research」をGPT-5.2ベースに強化し機能を拡充で扱っています。旧来のlegacy deep research modeは2026年3月26日に削除されました。

Deep ResearchとGPTの通常の検索は何が違いますか?

通常の検索は最新情報を素早く要約し、deep researchは時間をかけて多数の情報源を読み、出典付きのレポートにまとめます。多段階で調査する仕組みはDeep Researchの仕組みとは?OpenAIのAIリサーチが多段階調査する原理【2026年最新】で解説しています。

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