電子カルテの外側で、事務の手間が積み上がっている

受付で保険資格を確かめ、紙の問診票を読みながら打ち込み、会計のあとで予約表を別の画面で開き直す。診療そのものより、その前後をつなぐ作業に職員の時間が吸われている医療機関は少なくありません。

電子カルテもレセコンも、単体では完成された製品です。詰まるのは製品と製品のあいだ。受付・問診・会計・予約が別々の仕組みで動くかぎり、同じ患者情報を人の手が運び続けることになります。

制度の側も動いています。従来の健康保険証は2025年12月1日で有効期限を迎え、期限切れの保険証を使える暫定的な取扱いも2026年7月31日で終了しました。窓口はマイナ保険証か資格確認書を前提にした運用へ移っています。電子カルテ情報共有サービスへの備えも、院内システムの更新計画と切り離せない論点です。

私たちが作るのは、カルテの中身ではなく、その外側の業務。医師が診療に使う時間には手を触れません。

電子カルテは残し外側を作る
窓口の転記を連携に置き換える

パッケージは置き換えず、周辺だけを作ってつなぐ

「電子カルテを入れ替えるほどではない。でも、この転記だけは何とかしたい」。医療機関からのご相談は、たいていこの地点から始まります。

電子カルテやレセコンの置き換えは、診療報酬改定への追随まで自前で抱え込む大がかりな判断です。私たちの進め方はその逆で、既存の製品には手を入れず、ベンダーが用意している連携方式(ファイル出力・API・標準規格)を先に確かめ、足りない周辺だけを作ります。予約とWeb問診と会計待ちの呼び出しは、来院前の予約受付から当日の順番管理までを一続きの流れとして設計する対象です。

地域連携への準備も同じ考え方で進めます。電子カルテ情報共有サービスが扱うのは、診療情報提供書と退院時サマリーの2文書、傷病名・アレルギー・薬剤禁忌・感染症・検査・処方の6情報。記述形式はHL7 FHIRで、実装ガイドCLINS-IGは2026年8月公開のVer.1.13が現行です。院内データをこの形式へ変換する部分や、部門システム同士をつなぐデータ連携を担当します。介護事業所では、2026年4月以降、準備の整った市町村から順に介護情報基盤を通じた情報共有が始まる予定です。

カルテには医師の判断だけが残り、窓口からは転記が消えていく。目指すのはその状態です。

ご提供する内容

窓口業務の棚卸し

受付から会計までの転記箇所を洗い出します。どこを作れば職員の手が空くかは、この段階で決まる。

既存製品の連携方式の確認

電子カルテ・レセコンが外へ出せるデータと形式を先に調べます。できない連携を前提に設計しないためです。

予約・Web問診の構築

来院前に問診を受け取り、受付の時点でカルテ側へ渡せる形に整えます。紙を読み取って打ち込む作業は不要です。

資格確認まわりの窓口設計

マイナ保険証と資格確認書が前提の窓口で、確認の結果を受付の流れへどう組み込むかを決めます。例外時の手順も画面に載せる。

HL7 FHIRによる情報連携

電子カルテ情報共有サービスの2文書6情報や地域の医療機関との連携に向けて、院内データの変換と送受信の部分を実装します。

安全管理ガイドライン準拠のインフラ

厚生労働省の安全管理ガイドライン第7.0版(2026年6月)を前提に、クラウド基盤の設計と構築を行います。医療系SaaS事業者向けには、経済産業省・総務省の提供事業者ガイドライン第2.0版も踏まえた構成です。

職種別の権限とアクセス記録

医師・看護師・事務で見える範囲を分けます。誰がいつ何を参照したかも残す設計です。

制度改定に合わせた保守

診療報酬改定や制度の変更は毎年のように続きます。公開して終わりにせず、見直しと改修まで続けます。

医療機関向けシステム開発のご提供内容
FAQ よくある質問
Q 今の電子カルテやレセコンを入れ替えずに改善できますか?
A できます。既存の電子カルテやレセコンには手を入れず、予約・問診・会計といった周辺業務を作って連携させる形が基本です。まず製品側が外へ出せるデータと形式を確認し、その範囲で転記をなくす設計にします。入れ替えより現場の混乱が小さく、診療を止めずに進められます。
Q 電子カルテ本体や診断を支援する機能も開発してもらえますか?
A 対象外です。電子カルテ本体や、診断・治療に関わる判断を支援するプログラムは開発範囲に含めていません。後者は医療機器プログラムとして薬機法の規制を受ける場合があるためです。お引き受けするのは受付・予約・問診・会計・情報連携・インフラなど、診療の外側を支える業務システムです。
Q マイナ保険証に関わる窓口の仕組みも相談できますか?
A 相談できます。従来の健康保険証は2025年12月1日で有効期限を迎え、期限切れの保険証を使える暫定的な取扱いも2026年7月31日で終わりました。マイナ保険証と資格確認書が前提になった窓口で、確認結果を受付や問診の流れへどう組み込み、例外時にどう対応するかを設計します。
Q 電子カルテ情報共有サービスへの対応は何から始めればよいですか?
A 院内にある情報の棚卸しから始めます。同サービスは診療情報提供書と退院時サマリーの2文書、傷病名やアレルギーなど6情報をHL7 FHIRで扱います。自院の電子カルテがどこまで対応するかをベンダーに確認し、不足する変換や部門システムとの連携を洗い出すのが最初の一歩です。
Q HL7 FHIRに対応した連携の開発は依頼できますか?
A 依頼できます。株式会社一創では、国内の実装ガイド(2026年8月時点でCLINS-IG Ver.1.13)やJP Coreに沿って、院内データをFHIR形式へ変換する処理や、部門システム・地域連携先との送受信部分を開発します。電子カルテ本体の改修ではなく、その外側でデータを整える役割です。
Q 安全管理ガイドラインに沿ったインフラを任せられますか?
A 任せられます。厚生労働省の安全管理ガイドラインは2026年6月に第7.0版となり、保守委託機関編を加えた5編構成になりました。この版を前提に、クラウド構成、通信経路、バックアップ、アクセス管理を設計します。医療機関側で整える体制文書との対応関係も整理してお渡しします。
Q 医療系SaaSを提供する事業者でも依頼できますか?
A 依頼できます。株式会社一創では、医療機関に提供するクラウドサービスの開発やインフラ構築もお請けしています。その場合は、経済産業省・総務省の提供事業者向け安全管理ガイドライン第2.0版(2025年3月改定)が求める医療機関との合意事項やリスクの説明も踏まえて設計します。
Q 新しい加算の施設基準に関係するシステム対応はありますか?
A あります。令和8年度改定で新設された電子的診療情報連携体制整備加算は、施設基準に安全管理ガイドラインへの準拠や専任の医療情報システム安全管理責任者の配置などを含みます。算定の判断は医療機関側で行う前提で、要件に関わるアクセス記録や権限管理の仕組みづくりを支援します。
Q 介護事業所のシステムも対象になりますか?
A 対象です。介護ソフトを置き換えず、記録・請求・予約などの周辺業務を作ってつなぐ考え方は医療機関と同じです。介護情報基盤は2026年4月以降、準備の整った市町村から順に情報共有が始まる予定のため、事業所側の運用や端末の準備と合わせてご相談いただけます。
Q 費用はどのように決まりますか?
A 連携する既存製品の数と、その製品が外へ出せるデータの形式で大きく変わります。ファイル出力やAPIがあれば連携部分は小さく済み、無ければ運用の工夫を含めた設計が必要です。加えて、扱う医療情報の範囲とインフラの要件が変動要因になります。棚卸しで範囲を絞ってからお見積りします。

ご発注は請負・準委任・労働者派遣・ラボ型のいずれにも対応しています。
費用の考え方 | 開発の流れ | 契約形態の選び方 | 対応技術 | 対応パッケージ・ツール

開発会社・SIer の方はこちらのご案内もご覧ください。

OTHER SERVICE その他の業務システム開発サービス一覧