工事の数字が、現場と事務所で分かれている

「今月、この現場はあといくら残っているのか」。その答えが出るのは月末の締めのあと、しかも経理のExcelを開ける人だけ。建設会社や工務店では、珍しくない光景です。

現場は日報と写真をスマホで送り、工務は協力会社の注文書と請求書を紙で突き合わせ、経理は工事台帳へ手で転記する。同じ工事の数字が三か所に分かれているかぎり、実行予算との差は後からしか見えません。赤字に気づくのは、たいてい手を打てなくなってからです。

制度の側からの要請も重なりました。2025年12月12日に完全施行された改正建設業法では、労務費などを内訳に示した見積書の作成が建設業者の努力義務になり、2026年7月1日以降の経営事項審査ではCCUS(建設キャリアアップシステム)の就業履歴に関する配点が見直されています。どちらも、現場の数字を記録として残せている会社ほど対応が軽く済む性質のもの。

私たちは、工事ごとの数字を現場で一度だけ入力し、工務・経理・経営が同じ台帳を見る形に組み替えます。

工事の数字を一つの台帳に集める
現場の記録が台帳と制度対応になる

施工管理アプリで足りない部分だけを、台帳へつなぐ

施工管理アプリも建設業向けの基幹パッケージも、2026年時点で選択肢は十分にあります。それでも手作業が残るのは、自社の工種の分け方、実行予算の組み方、協力会社との出来高の締め方が標準機能から外れるからです。

全部を作り直す必要はありません。写真・工程・日報は使い慣れたアプリに任せ、外れる部分だけを作って工事台帳に集めます。対象は、実行予算と実績の突き合わせ、協力会社への注文書・請書から出来高請求・支払までの受け渡しといった箇所。原価の計算方法そのものは原価管理システム開発の領域で、ここで作るのは工事単位の数字を現場から吸い上げる経路です。注文から支払までの流れは協力会社との受発注をつなぐ仕組みとして組み込めます。

CCUSも考え方は同じです。国土交通省の経審の事務取扱いでは、現場契約情報の作成・登録に加えて、技能者がCCUSへ直接入力しなくても就業履歴が蓄積される体制が加点の条件とされています。カードリーダーや、建設業振興基金の認定を受けたAPI連携システムで入退場を記録し、その記録を工事台帳の労務と突き合わせる。現場の記録が、そのまま経審の根拠になります。

建設業向けシステム開発でご提供する内容

工事台帳の項目設計

工事番号をすべての帳票の共通キーに据えます。ここが揃わないと、どれだけ入力しても集計できません。

実行予算と実績の対比

工種・費目ごとに発注済みと支払済みを足し込む設計です。月末を待たずに、予算との差が見えるようになります。

現場のスマホ入力

日報・出来高・立替を、現場にいるうちに入力できる画面。現場で使う業務アプリの開発として、現場で迷わない操作まで詰めます。

協力会社との注文・請求

注文書・請書・出来高請求・支払を一本の流れに。紙の突き合わせは、画面上の照合に置き換わります。

労務費を内訳に示す見積書

労務費・材料費などを内訳に持つ見積書を、工事台帳から出力します。国土交通省の運用方針が求める当初見積書と最終見積書の保存(引渡しから10年間)にも備えた形です。

CCUS就業履歴との連携

入退場の記録を、工事ごとの労務と突き合わせます。技能者の手入力に頼らない体制づくりが前提です。

会計・経審へのデータ受け渡し

完成工事高や未成工事支出金を、会計・経理システムへ渡せる粒度で集計。決算後に数字を拾い直す作業が減ります。

運用定着と改善

現場で使われなければ、台帳は埋まりません。入力が止まる箇所を見つけ、公開後も画面と項目を直し続けます。

建設業向けシステムのご提供内容
FAQ よくある質問
Q 施工管理アプリをすでに使っていますが、作り直しになりますか?
A 作り直しは不要です。写真・工程・日報など既存アプリで回っている部分はそのまま使い、足りない部分だけを開発して工事台帳へつなぎます。現場の操作を変えずに済むため、入力が止まる心配も小さくなります。入れ替えが必要かどうかは、現行の使い方を伺ってから判断します。
Q 工事ごとの実行予算と実績を、月末を待たずに比べられますか?
A 比べられます。工事番号を共通キーにして、協力会社への発注額や支払額、現場の日報・出来高を工種・費目ごとに工事台帳へ足し込む設計にします。締め処理を待たずに予算との差が画面に出るため、赤字の兆しに工事の途中で気づけるようになります。
Q 改正建設業法の「労務費に関する基準」にシステムで対応できますか?
A 見積書の側から対応できます。改正建設業法は2025年12月12日に完全施行され、労務費などを内訳に示した見積書(材料費等記載見積書)の作成が建設業者の努力義務になりました。工事台帳の工種・費目から内訳付きの見積書を出力し、当初見積書と最終見積書を保存できる形に整えます。
Q 見積書はどのくらいの期間保存する必要がありますか?
A 国土交通省の「労務費に関する基準」の運用方針では、当初見積書と最終見積書を、請負契約書と同様に目的物の引渡しから10年間保存するよう示されています(2026年時点)。システムでは工事単位で見積書の版を残し、10年後でも工事番号から探し出せる保存設計にします。
Q CCUS(建設キャリアアップシステム)と連携できますか?
A 連携の設計ができます。株式会社一創では、カードリーダーや建設業振興基金の認定を受けたAPI連携システムで記録された入退場のデータを、工事台帳の労務と突き合わせる仕組みを構築します。CCUSの標準APIへ直接つなぐシステムを自社で持つ場合は、同基金の認定審査を受けることが前提になります。
Q 経営事項審査のCCUS加点は2026年に何が変わりましたか?
A 2026年7月1日以降の申請から配点が変わりました。就業履歴を蓄積する措置の加点は、民間を含む全ての建設工事で実施した場合は15点から10点、全ての公共工事で実施した場合は10点から5点となり、「建設技能者を大切にする企業の自主宣言制度」の宣言で5点が新設されています。加点には、技能者がCCUSへ直接入力しない方法で就業履歴を蓄積できる体制が必要です。
Q 協力会社との注文書・請書・請求書のやり取りもシステム化できますか?
A できます。注文書・請書の発行から、出来高に応じた請求の受付、支払までを一本の流れとして設計します。協力会社の請求を注文書の明細と画面上で照合できるため、紙の突き合わせにかかっていた工務と経理の手間が減ります。支払の結果は工事台帳の実績にそのまま反映されます。
Q 現場の職人や監督がスマホで使えるようになりますか?
A スマホでの入力を前提に画面を作ります。株式会社一創では、日報・出来高・立替といった現場で発生する記録を、その場で短い操作で入力できる業務アプリとして開発します。事務所へ戻ってから書き写す作業がなくなれば、台帳の数字が当日のうちに揃うようになります。
Q 開発費用はどのように決まりますか?
A 対象とする業務の範囲と、つなぐ既存システムの数で決まります。工事台帳だけを整えるのか、協力会社との受発注やCCUS・会計との連携まで含めるのかで開発量が大きく変わります。まず現在の帳票と入力の流れを伺い、作らずに済む部分を見極めてからお見積りします。
Q 工務店や専門工事業の小規模な会社でも相談できますか?
A 相談できます。全社の基幹システムを刷新するご依頼だけでなく、工事台帳への転記や協力会社との請求の突き合わせなど、いちばん手間のかかっている一点だけを解消するご相談も承ります。会社の規模より、どの作業が手作業で埋まっているかが判断の材料になります。

ご発注は請負・準委任・労働者派遣・ラボ型のいずれにも対応しています。
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