荷待ちの時間は、まだどこにも記録されていない

「今日も倉庫の前で待っています」。ドライバーからの電話で初めて遅れを知り、配車担当はホワイトボードと電話で次の便を組み直す。輸配送の現場では、こうした調整が毎日の仕事になっています。

2025年4月1日に施行された改正物流効率化法(物資の流通の効率化に関する法律)は、すべての荷主と物流事業者に、荷待ち時間・荷役等時間の短縮と積載効率の向上を努力義務として求めました。2026年4月1日からは、取扱貨物の重量が9万トン以上の荷主や、保有車両150台以上の運送事業者などが特定事業者に指定され、中長期計画の作成と定期報告が義務です(2026年9月時点)。特定荷主には物流統括管理者(CLO)の選任も課されています。

ところが、到着時刻は紙の日報に、荷役の開始と終了は倉庫の受付簿に、と記録が分かれていると、便ごとの荷待ち時間は後から組み立てるしかありません。測れていない時間は、減らしようがない。私たちは、配車・運行・受付に散らばった時刻を一本のデータにつなぎ、改善と報告の両方に使える形に整えます。

電話と紙の配車から運行データへ
散らばった時刻を便番号でつなぐ

配車・動態・バース予約を、一本の運行データでつなぐ

配車表はExcel、車両の位置は動態管理サービスの画面、倉庫の受付は紙の順番表。どれも単体では動いているのに、つながっていないせいで「どの便が、どこで、何分待ったか」に誰も答えられない。輸配送の仕組みづくりで最初に解くのは、この分断です。

配車計画・運行管理(TMS)で組んだ便に、動態管理やデジタコの位置と時刻を紐づけ、到着・荷役開始・荷役終了を同じ便番号で残す。荷主側の拠点では、トラック予約(バース予約)で到着を時間帯ごとに分散させ、予約時刻と実到着の差もそのまま記録します。車載端末やセンサーからの取り込みは、IoTによる車両データの収集と組み合わせて設計します。

倉庫内の入出庫やロケーションは、このページの守備範囲ではありません。そちらは在庫・入出庫を管理するシステムの役割で、輸配送側は出荷確定や積込完了のタイミングを受け取る連携として作ります。役割を分けておけば、倉庫と輸配送のどちらかを入れ替えても、もう一方は止まらない。配車担当が電話を置ける時間が、少しずつ増えていきます。

物流システム開発でご提供する内容

輸配送業務の棚卸し

受注から配車、運行、請求まで、どこに電話と紙が挟まっているかを書き出します。作る範囲を決めるのは、この手作業の在処です。

配車計画・運行管理(TMS)

車両・ドライバー・荷姿の条件を画面に載せる。配車担当の頭の中にあった組み方を、誰でも引き継げる形にします。

動態管理とデジタコの連携

位置と時刻を便に紐づけます。既存の動態管理サービスがあるなら、置き換えずに取り込むのが先です。

トラック予約(バース予約)

到着を時間帯で分散させる受付の仕組み。予約時刻と実到着の差も、あとで検証できるように残します。

荷待ち・荷役時間の記録

到着から荷役開始まで、荷役開始から終了までを便ごとに計測します。起点と終点の取り方は、国土交通省が示す算定方法に準拠。

中長期計画・定期報告のデータ整備

荷待ち・荷役時間や積載の状況を、日々の運行記録から集計できる形に。物流統括管理者が判断に使う画面も、同じデータから作ります。

荷主と運送会社の受発注連携

運送依頼・受諾・変更・完了報告を、電話とFAXからデータへ移します。相手先の仕組みとつなぐ手段は、API開発によるシステム間連携です。

運用定着と改善

記録がたまると、待ちの長い拠点と時間帯が見えてきます。物量の波が読めてきたら、需要予測による車両手配の前倒しにも進めます。

物流システム開発のご提供内容
FAQ よくある質問
Q 物流システム開発では、どこまで対応してもらえますか?
A 輸配送側の仕組みが中心です。配車計画・運行管理(TMS)、動態管理、トラック予約(バース予約)、荷待ち・荷役時間の記録、荷主と運送会社の受発注連携までを設計・開発します。倉庫内の入出庫やロケーション管理は在庫管理システム開発の領域として扱い、こちらでは連携部分を担います。
Q 改正物流効率化法への対応にシステムは必要ですか?
A 法律がシステム導入そのものを義務づけているわけではありません。ただし、2025年4月1日施行の努力義務では荷待ち時間・荷役等時間の短縮が求められ、取組の状況や効果を把握することも判断基準に含まれています。便ごとの時刻を紙で集めて集計し続けるのが負担なら、記録を仕組みに載せる意味が出てきます。
Q 特定事業者に指定される基準は何ですか?
A 2026年9月時点の国土交通省の案内では、特定荷主は取扱貨物の重量が9万トン以上、特定貨物自動車運送事業者等は保有車両台数150台以上、特定倉庫業者は貨物の保管量70万トン以上が指定基準です。指定されると中長期計画の作成と定期報告が義務になり、特定荷主と特定連鎖化事業者には物流統括管理者の選任も求められます。
Q 荷待ち時間はどのように計測すればよいですか?
A 国土交通省が示す算定方法では、荷待ち時間は原則として到着時刻から荷役等の開始時刻までです。到着時刻の指示があり、その前に着いた場合は指示時刻が起点になります。システムでは到着・荷役開始・荷役終了の3つの時刻を便ごとに記録し、この規則に沿って自動で計算する形に設計します。
Q いま使っている動態管理サービスやデジタコは残せますか?
A 残せます。車両の位置や走行記録を取る仕組みが既にあるなら、置き換えるより取り込むほうが現場の負担は小さく済みます。株式会社一創では、既存サービスのデータ出力やAPIの有無を確認したうえで、配車計画の便と紐づける連携方式をご提案します。
Q トラック予約(バース予約)はパッケージと開発のどちらがよいですか?
A 受付の流れが標準的なら、まずパッケージを検討するのが順当です。拠点ごとに受付ルールが違う、自社の配車や基幹システムと予約データをつなぎたい、荷待ち時間を独自の単位で集計したい、といった条件があるときは、開発または周辺の連携部分だけを作る形が向きます。
Q 荷主と運送会社の間の受発注をデータでやり取りできますか?
A できます。運送依頼、受諾、日時変更、完了報告を電話やFAXからデータに移し、双方の仕組みをAPIやファイル連携でつなぎます。相手先がシステムを持たない場合は、ブラウザから入力できる受付画面を用意する方法もあります。取引先ごとに連携方式を選べる設計にします。
Q 物流システム開発の費用はどのように決まりますか?
A 対象とする業務の範囲、連携する既存システムの数、車載端末や倉庫の受付端末など現場機器の有無で決まります。配車だけか、動態や予約まで含めるかで規模は大きく変わります。株式会社一創では、最初に輸配送業務の棚卸しを行い、作る範囲を絞ってからお見積りします。
Q 開発期間はどのくらいかかりますか?
A 期間を左右するのは、つなぐ相手の数と現場での試行期間です。既存の動態管理や基幹システムとの連携が多いほど設計に時間がかかり、ドライバーや倉庫の受付担当が使う画面は現場で試してから直す工程が要ります。一部の拠点や路線から始め、段階的に広げる進め方で期間の見通しを立てます。
Q 運送会社の配車担当が少人数でも導入できますか?
A 導入できます。少人数の現場ほど、配車の組み方が特定の担当者の頭の中にしかないことが課題になりがちです。まずは車両・ドライバー・荷主ごとの条件を画面に載せ、誰が見ても同じ配車表が組める状態をつくるところから始め、動態管理や予約との連携は必要に応じて足していきます。

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