標準偏差は、データが平均からどれだけ散らばっているかを、元のデータと同じ単位で表した値です。英語のstandard deviationを略してSD、記号ではσ(シグマ)やsと書きます。求め方は「偏差を二乗して平均し、その平方根を取る」の一本道で、途中に出てくるのが分散です。この記事では、5人分の得点を仮定した計算表で手順を1行ずつ追い、手計算を短くする簡便式、母集団と標本で式がどう変わるか、エクセルのSTDEV.SとSTDEV.Pの使い分け、標準偏差から「何%がこの範囲に入るか」を出す方法まで扱います。
まとめ:標準偏差の求め方と式の使い分け
式は2つしかなく、割る数がnかn−1かの違いだけです。
| 論点 | 結論 |
|---|---|
| 求め方 | 偏差平方和を割って平方根を取る |
| 母集団標準偏差 σ | n で割る(対象が全数) |
| 標本標準偏差 s | n−1 で割る(一部から推定) |
| 手計算の近道 | 分散=2乗の平均−平均の2乗 |
| 単位 | 元データと同じ(分散は二乗) |
| エクセル | STDEV.S(標本)/STDEV.P(母集団) |
| 確率 | Zスコアにして NORM.S.DIST |
| 大小の比較 | 変動係数(CV)で揃える |
手元のデータから、より大きな母集団のばらつきを推定するならSTDEV.Sを選びます。手元のデータ全体そのものを記述するならSTDEV.Pを使います。高校の数学Ⅰの問題を解いているならnで割る式を使います。以降では、この表の各行を実際の数値でたどります。
標準偏差(SD・σ)とは:平均と同じ単位で表すばらつき
平均値だけでは分布の中心しかわかりません。平均点が80点のクラスでも、全員が78〜82点に固まっている場合と、60点と100点に割れている場合では、指導の打ち手がまるで変わります。この「どれだけ割れているか」を1つの数値に要約するのが標準偏差です。
記号σ・s・SDの使い分け
母集団を対象にした標準偏差がσ、標本から求めた標準偏差がsで、分散はそれぞれσ²とs²と書きます。ギリシャ文字が母集団の真の値、ラテン文字が標本からの推定値、という書き分けが統計学の慣例です。SDは論文や医療・心理の報告で使う略記で、「平均±SD」の形で「72.4±8.1」のように並べます。この表記のSDがどの計算法による値かは、論文の方法欄や集計に使った関数で確認してください。
標準偏差の単位:元データと同じ、分散は二乗
標準偏差の単位は元データの単位をそのまま引き継ぎます。点数のデータなら「点」、身長なら「cm」、売上なら「円」です。だから平均と直接足し引きでき、「平均80点、標準偏差14点」のように並べて書けます。一方、分散は偏差を二乗した段階の値なので、単位も「点²」「cm²」になります。平方根を取る最後の一手は、この二乗の単位を元に戻すための操作です。単位を持つため、データの単位を変えると標準偏差の値も変わります。身長をcmからmに直せば標準偏差は100分の1になり、ばらつきの実態は同じです。
標準偏差の求め方:計算表でたどる5ステップ
5人のテスト得点「60, 70, 80, 90, 100」を例に、途中の数値をすべて出します。
母集団と標本で変わる2つの計算式
- 母集団標準偏差:σ = √( 偏差平方和 ÷ n )
- 標本標準偏差:s = √( 偏差平方和 ÷ (n−1) )
偏差平方和は「各データから平均を引いた値(偏差)を二乗して、すべて合計したもの」で、nはデータの個数です。偏差平方和はどちらの式でも共通なので、計算の手間は同じで、最後に何で割るかだけが分かれます。
得点60・70・80・90・100の計算表と偏差平方和1000
ステップ1で平均を出します。(60+70+80+90+100) ÷ 5 = 80。ステップ2から4は表にまとめます。
| 得点 x | 平均(S1) | 偏差 x−80(S2) | 偏差の二乗(S3) |
|---|---|---|---|
| 60 | 80 | -20 | 400 |
| 70 | 80 | -10 | 100 |
| 80 | 80 | 0 | 0 |
| 90 | 80 | 10 | 100 |
| 100 | 80 | 20 | 400 |
| 合計(S4) | – | 0 | 1000 |
S1からS4はステップ1から4に対応します。偏差の列の合計は必ず0になります。プラスとマイナスが打ち消し合うので、偏差をそのまま平均してもばらつきは測れません。二乗するのはこれを避けるためです。
ステップ5で割って平方根を取ります。母集団として扱うなら 1000 ÷ 5 = 200 が分散、√200 = 14.1421… で標準偏差は約14.14点。標本として扱うなら 1000 ÷ 4 = 250 が不偏分散、√250 = 15.8113… で約15.81点です。同じデータでも、nで割るかn−1で割るかで1.7点ほどずれます。
検算と、電卓・スマホでの平方根の出し方
手計算の誤差は、平均を四捨五入してから偏差を出すときに生まれやすくなります。平均が80.333…のようなときに80と丸めると、偏差平方和の段階で誤差が積み上がります。平均が割り切れなければ分数のまま持ち越してください。
スマートフォンでは、電卓アプリの関数電卓モードで平方根を計算できます。切り替え方は端末やアプリによって異なります。Windowsの電卓なら標準モードにもx²と²√xがあります。検算には上限を使います。母集団標準偏差は、データの範囲(最大−最小)の半分を超えることが数学的にありません。この例なら範囲40点に対して上限は20点で、算出した14.14点は収まっています。ただしこの上限が効くのはσのほうで、n−1で割るsはデータ数が少ないと範囲の半分を超えることがあります。プログラムで確かめるなら、Python statisticsモジュールのstdevとpstdevで同じ値が2行で得られます。
標準偏差を求める簡便式と仮平均:手計算を短くする方法
偏差を1つずつ出す方法は筋が通っていますが、平均が80.333…のように割り切れないと計算表が小数だらけになります。そこで使うのが次の2つの近道です。
分散=2乗の平均−平均の2乗
偏差平方和を展開すると、分散(nで割るほう)は「データの2乗の平均」から「平均の2乗」を引いた値に等しくなります。式で書くと σ² = (x²の平均) − (xの平均)² です。偏差を経由しないので、平均が小数でも計算表は「x」と「x²」の2列で済みます。
先ほどの5人で確かめます。2乗は3600, 4900, 6400, 8100, 10000で、合計33000、平均6600。平均の2乗は80² = 6400。差は6600 − 6400 = 200で、偏差から求めた分散200と一致します。標準偏差は√200 = 14.14点です。標本標準偏差が必要なら、この200にn÷(n−1) = 5÷4を掛けて250にしてから平方根を取ります。
仮平均と一律の足し算・掛け算
標準偏差には、全データに同じ数を足しても値が変わらず、全データを同じ数で掛けるとその倍率(の絶対値)だけ変わる、という性質があります。点数に一律5点を足しても14.14点のまま、1.1倍すれば15.56点です。
この性質を使うと、桁の大きいデータを小さな数に置き換えてから計算できます。60〜100点なら、60を引いて10で割ると「0, 1, 2, 3, 4」になります。この5つの標準偏差は√2 = 1.414…で、10倍に戻すと14.14点。引いた60は答えに影響しません。この引く数を仮平均と呼び、平均に近い切りのよい値を選ぶほど計算が軽くなります。
エクセルの自作簡便式における桁落ちの条件
簡便式は手計算向けで、コンピューターでは避けるべき場面があります。大きな数どうしの引き算で有効桁が消えるからです。100000001, 100000002, 100000003 の3つは、正しい分散が0.666…(標準偏差0.816…)です。ところが各値をPythonのfloat(倍精度浮動小数点数)として扱い、2乗の平均から平均の2乗を引くと、丸め誤差で分散は0.0になり、標準偏差も0と計算されます。1000001〜1000003でも分散は0.66662…となり、小数第5位からずれます。
ExcelもIEEE 754の浮動小数点数で数値を格納・計算しており、Microsoftは浮動小数点演算で不正確な結果になる場合があると案内しています。SUMSQとAVERAGEで簡便式を自作すると、同じ現象が起こりえます。ID・時刻・金額のように桁が大きく差が小さいデータは、STDEV.SやSTDEV.Pを使うか、先に仮平均を引いてから計算してください。
分散の求め方と標準偏差との違い:二乗のままか、単位を戻すか
分散は「偏差平方和 ÷ n(標本なら n−1)」で、計算表のステップ5で平方根を取る直前の値です。単位が二乗のままなので読み取りには向きませんが、分散には標準偏差にない性質があります。足し算ができることです。独立な2つの量を合計したとき、合計の分散は各分散の和になりますが、標準偏差は単純に足せません。分散分析(ANOVA)や回帰分析では平方和を要因ごとに分解するため分散のまま扱い、報告書には単位が戻る標準偏差を載せる、という使い分けになります。
標本標準偏差と母標準偏差:n−1で割る理由と選び方
母集団は調べたい対象の全体、標本はそこから抜き出した一部です。全校生徒500人全員の点数が手元にあるなら母集団、そのうち50人分を抜き出したなら標本になります。無作為抽出(ランダムサンプリング)で選んだ50人から全校のばらつきを推定する、という場面が標本標準偏差の典型です。
n−1で割るのは、標本の偏差が「標本平均」からの距離で測られるためです。標本平均は、その標本にとって偏差平方和が最小になる位置に来ます。母集団の真の平均から測った場合を上回ることはなく、たいていは小さめに出る。この過小評価を打ち消す補正が、分母をnからn−1へ1つ減らす操作です。補正後の分散を不偏分散、その平方根を標本標準偏差(不偏標準偏差)と呼びます。なお、不偏分散は母分散の不偏推定量ですが、その平方根は厳密には母標準偏差の不偏推定量になりません。平方根が非線形な変換だからで、「n−1にすれば完全に補正される」という説明は正確ではありません。
高校の数学Ⅰ「データの分析」では、分散を「偏差を2乗し、その平均値を求める」、つまりデータの個数nで割る形で定義します(東京書籍の数学Ⅰ教科書見本)。同じ教科書は「データの値を2乗した値の平均値から、平均値の2乗を引いた値が分散に等しい」という簡便式も扱っています。教科書や入試の問題で標準偏差を求めるときはnで割り、n−1の式は統計の授業やエクセルの標本の関数で出てくる、と覚えておくと混乱しません。
エクセルでの求め方:STDEV.SとSTDEV.Pの使い分けと関数の落とし穴
手計算の構造がわかれば、あとは関数1つです。ただし似た名前の関数が6つあります。まず現行の4つを表で押さえ、互換用の2つは後述します。
現行4関数の対応表と選び方
| 関数 | 対象 | 計算法 | 論理値・文字列 |
|---|---|---|---|
| STDEV.S | 標本 | n−1法 | 無視する |
| STDEV.P | 母集団 | n法 | 無視する |
| STDEVA | 標本 | n−1法 | TRUE=1、文字列とFALSE=0 |
| STDEVPA | 母集団 | n法 | TRUE=1、文字列とFALSE=0 |
書式は STDEV.S(数値1,[数値2],...) で、A1からA5にデータがあれば =STDEV.S(A1:A5) と入力するだけです。先ほどの5件(60〜100)なら、STDEV.Sが15.8113883、STDEV.Pが14.1421356を返します。Microsoftの公式ドキュメントは、STDEV.Sについて「引数を母集団の標本であると見なします」「標準偏差は、n-1 法を使って計算されます」、STDEV.Pについて「引数を母集団全体であると見なします」「標準偏差は、n 法を使って計算します」と明記しています。
空白セル・文字列で結果が変わる場面
STDEV.SとSTDEV.Pは、範囲参照内の空白セル・論理値・文字列を無視します。エラー値については、公式資料に無視する旨とエラーを返す旨の記述があるため、集計前に原因を確認してください。アンケートの未回答セルが空欄なら、その行は件数に数えられず飛ばされます。未回答を0点として扱いたいなら、空欄には0を入力してください。STDEVAへ切り替えても解決しません。STDEVAのリファレンスも「配列またはセル範囲の参照に含まれる空白セルと文字列は無視されます」としており、空白の扱いは同じだからです。
そのSTDEVAの文字列の扱いは、公式ドキュメントの中で記述が割れています。関数リファレンスは上のとおり「空白セルと文字列は無視されます」とする一方、Microsoft Learnのサポート記事「Excel 統計関数 STDEVPA と STDEVP の違い」は「テキスト文字列を値 0 として解釈します。空白のセルは無視されます。これらの解釈は、COUNTA、AVERAGEA、STDEVA 関数にも適用されます」と書き、テキストが0として計算に入る検証用ワークシートまで載せています。「未回答」「該当なし」といった文字列が混ざった列にSTDEVAを当てるのは避けてください。どちらの解釈で動くか確かめずに集計すると、標準偏差が実態より大きく出る可能性があります。
STDEVとSTDEV.Sの違い:互換関数の扱い
STDEV.SとSTDEV.Pは、Excel 2010で行われた関数の更新・名前の変更で用意された名前です。それ以前からある拡張子のないSTDEVとSTDEVPは、Microsoftが「下位互換性のために引き続き利用可能ですが、Excel の将来のバージョンでは利用できなくなる可能性がある」と案内している互換用の関数です。計算結果はSTDEV.S/STDEV.Pと同じで、STDEVがn−1法、STDEVPがn法です。古いブックやテンプレートに残っていても値は変わりませんが、更新する機会があればドット付きに置き換えておきましょう。
毎月のばらつきの集計で関数の選び間違いやコピー漏れを防ぎたいなら、BIツール導入支援で、データの取り込みから指標の計算までを仕組みにする方法もあります。
標準偏差の見方:「10」だけでは判断できない理由
「標準偏差が10だとどういう意味か」には、値だけでは答えられません。標準偏差は元データの単位を引き継ぐからです。点数の10点は満点が100点か1000点か、身長の10cmは成人だけの集団か小学1〜6年生をまとめた集団か、年収の10万円は平均がいくらかで、重みがまるで変わります。比べる相手や満点、平均を添えて初めて大小を言えます。
±1σ・±2σの被覆率による読み方
データが正規分布に近い形なら、平均±kσの範囲に入る割合が決まります。±1σで68.27%、±2σで95.45%、±3σで99.73%です。中央の約95%を切り出すときは±1.96σを使います。
平均80点・標準偏差14.14点なら、正規分布に近いクラスでは約7割が65.9〜94.1点に入る計算です。ただし±2σの上限は108.3点で、満点の100点を超えます。天井があるデータに正規分布を当てはめるのは無理がある、という合図です。今回の5人は点数が等間隔に並んでいるので、±1σに入るのは70・80・90点の3人=60%にとどまります。被覆率は値の読み方だけでなく、「正規分布とみなしてよいか」の点検にも使えます。平均から3σ以上離れた値を異常とみなす3σ法は、時系列データの異常検知で使われるしきい値の基本形です。
標準偏差から確率を求める:ZスコアとNORM.S.DIST
「平均60点・標準偏差10点のテストで、75点以上は何%か」のように、標準偏差から割合を出す手順は2段です。まず(75 − 60)÷ 10 = 1.5 とZスコアに直し、次に標準正規分布の表かエクセルで「Z=1.5より上」の割合を引きます。エクセルならNORM.S.DIST関数を使い、=1-NORM.S.DIST(1.5,TRUE) で0.0668、つまり約6.7%です。平均と標準偏差をそのまま渡すNORM.DIST関数の =1-NORM.DIST(75,60,10,TRUE) でも同じ値になります。
関数形式の引数TRUEは累積分布関数(その値以下になる確率)を返す指定で、FALSEにすると確率密度関数の値という別物が返ります。割合を出したいときはTRUEです。下側の「45点以下」は左右対称なので同じ6.7%です。この計算は正規分布を仮定しています。上の5人の得点は平均80点を中心に左右対称ですが、前の節で見たとおり±1σに入る割合は正規分布の値と一致しません。左右対称であることと、正規分布に従うことは別です。
単位が違うデータの比較:変動係数(CV)と相対標準偏差(RSD)
単位や平均が違うデータのばらつきを比べるときは、標準偏差を平均で割った変動係数(CV)に直します。冒頭のデータはCVが14.14÷80で約17.7%。同じ平均80点でも「78, 79, 80, 81, 82」なら標準偏差は約1.41点、CVは約1.8%で、ちょうど10倍の開きです。医薬品の分析法バリデーションでは、繰り返し測定の精度を「変動係数(CV)又は相対標準偏差(RSD)のパーセント」で表し、PMDAが公表するガイドラインは精度(%CV)=(標準偏差/平均値)×100としています。この分析法バリデーションの文脈では、RSDも標準偏差を平均値で割って百分率で表す指標です。
CVによる比較は、原則として意味のある絶対的なゼロを持つ比率尺度で行います。平均が0なら定義できず、0に近い場合は不安定になります。気温の変動や損益率のように0をまたぐ量にCVを使うのは誤りで、標準偏差のまま同一指標の期間比較にとどめてください。製造ラインのばらつき管理では、標準偏差が工程能力指数(Cp・Cpk)の分母に入ります。位置づけは品質管理と品質保証の違いとQC7つ道具で整理しました。金融でリターンの標準偏差を年率換算して使う考え方は、ボラティリティの見方で扱っています。
偏差値・Zスコア・標準誤差との関係
偏差値とZスコアは、平均からの距離を標準偏差で割って表す指標です。標準誤差はこれらと異なり、標本から計算した平均などの値が、標本を取り直すたびにどれだけ揺れるかを表します。
偏差値とZスコアの計算式:エクセルのSTANDARDIZE関数
Zスコア(標準化得点)は、Z =(得点 − 平均)÷ 標準偏差。平均0、標準偏差1に変換した値です。5人のデータで100点を取った人は、(100−80)÷14.14 = 1.41で、平均より標準偏差1.41個分だけ上です。エクセルではSTANDARDIZE関数に =STANDARDIZE(100,80,14.14) と、値・平均・標準偏差の順に渡すと同じZスコアが返ります。
偏差値はZスコアを平均50・標準偏差10のスケールに置き直したもので、偏差値 = 50 + 10 × Z。同じ100点の人は 50 + 10×1.41 = 64.1 です。偏差値60が標準偏差1個分上、70が2個分上で、正規分布なら偏差値70以上は上位約2.3%、60以上は上位約15.9%にあたります。
標準偏差と標準誤差の違い:個々の値と標本平均のばらつき
標準誤差(SE)は、標本平均などの推定量が標本ごとにばらつく、その分布の標準偏差です。独立で同じ分布に従う観測値から標本平均を求める場合、その標準誤差は母標準偏差が未知なら s ÷ √n で推定します。この5人を、より大きな母集団から独立に抽出した標本とみなし、母標準偏差が未知なら、標本平均の標準誤差の推定値は 15.81 ÷ √5 ≈ 7.07点です。
標準偏差が測るのは「個々のデータの散らばり」、標準誤差が測るのは「標本平均そのものの揺れ」です。標準誤差はnを増やすほど小さくなりますが、標準偏差はnを増やしても母集団の真のばらつきに近づくだけで小さくはなりません。アンケートの誤差表記もこの考え方で、単純無作為抽出で有効回答数1000、回答割合50%、母集団が十分大きい場合、正規近似による95%信頼区間の半幅は約3.1ポイント(区間の全幅は約6.2ポイント)です。エクセルでの計算式は標準誤差の求め方で、2群の平均の差が偶然かどうかの判定は有意差検定で扱っています。
よくある質問
標準偏差の公式は何ですか?
母集団標準偏差は σ = √( 偏差平方和 ÷ n )、標本標準偏差は s = √( 偏差平方和 ÷ (n−1) ) です。共通部分は「各データから平均を引いて二乗し、すべて合計する」偏差平方和で、最後に割る数だけが違います。全数データならn、一部から全体を推定するならn−1です。
標準偏差の計算表はどう作りますか?
列を4つ用意します。左から「データ」「平均」「偏差(データ−平均)」「偏差の二乗」です。最終行に偏差と偏差の二乗の合計を置きます。偏差の合計は理論上0になります。0から大きくずれる場合は平均や引き算を確認し、ごく小さいずれなら丸めや浮動小数点演算の誤差も確認してください。エクセルで組むなら偏差列に =A2-$B$2、二乗列に =C2^2 を入れ、SUMで合計を取ると検算に使えます。
標準偏差を求める裏ワザはありますか?
分散=(2乗の平均)−(平均の2乗)の簡便式と、仮平均を引いてから計算する方法の2つです。5人の得点なら、2乗の平均6600から平均の2乗6400を引いて分散200、標準偏差は√200 = 14.14点になります。ただし桁が大きく差が小さいデータをエクセルの自作数式で計算すると桁落ちするので、その場合はSTDEV.SかSTDEV.Pを使ってください。
標準偏差から確率はどう求めますか?
値をZスコア((値−平均)÷標準偏差)に直し、標準正規分布の累積確率を引きます。平均60点・標準偏差10点で75点以上の割合は、Z=1.5なので =1-NORM.S.DIST(1.5,TRUE) で約6.7%です。データが正規分布に近いことが前提です。
エクセルで標準偏差を計算するには?
標本なら =STDEV.S(範囲)、母集団全体なら =STDEV.P(範囲) を使います。A1からA5にデータがあれば =STDEV.S(A1:A5) です。範囲内の空白セルは無視されるため、未回答を0として扱いたい場合は0を入力してください。