Android Studioは、GoogleがAndroidアプリ開発用に無料で配布している公式の統合開発環境(IDE)です。2026年9月時点の最新安定版は「Android Studio Quail 4 | 2026.1.4 Patch 1」。この記事では、何ができるのか、自分のPCで動くのか、インストールから最初のアプリを動かすまでに何をするのかを、公式ドキュメントの記載に沿って順に説明します。
まとめ:Android Studioでできることと始める前に確認すること
- 何か:IntelliJ IDEAをベースにした、Google公式のAndroid開発用IDE。ダウンロードと利用は無料です。
- できること:コード編集、ComposeのUIプレビュー、Gradleビルド、エミュレータ実行、デバッグ、公開用App Bundleの作成まで1本で完結します。
- 必要なPC:エミュレータも使うならRAM 16GB・空き容量16GBが最低ライン。公式の推奨はRAM 32GBです。ARM版WindowsとARM版Linuxは非対応。
- 始め方:インストーラーを入れてウィザードでSDKを導入し、「Empty Activity」とKotlinで新規プロジェクトを作ります。
- 版の注意:GeminiやCrashlyticsとの連携は、最新安定版と過去10か月以内のメジャー版でしか使えません。
Android Studioの位置づけとIntelliJ IDEAとの関係
公式ドキュメントはAndroid Studioを「Android アプリ開発用の公式の統合開発環境(IDE)」と定義し、「IntelliJ IDEA の強力なコードエディタとデベロッパー ツールをベース」にしていると説明しています。コード補完やリファクタリングはJetBrainsのIntelliJ IDEAの機能をそのまま使い、そこへGoogleがAndroid固有のビルド、エミュレータ、レイアウト検査、プロファイラを載せた構成です。
ベースの版は今も追随しています。Quail 4のビルド番号はIntelliJ Platformの261系(2026.1)で、版番号の「2026.1.4」もこのプラットフォーム版にそろえた表記です。
2013年の発表からEclipse ADT終了までの経緯
Android Studioは2013年5月15日のGoogle I/Oでプレビュー版として発表されました。当時の発表ではJetBrainsと協力し、IntelliJ IDEA Community Editionをベースにしたことが明記されています。正式版の1.0は2014年12月8日に公開されました。
それまでの標準だったEclipse向けのプラグイン「Android Developer Tools(ADT)」について、Googleは2015年6月26日に「年末で開発と公式サポートを終える」と告知しました。以降、Android開発の標準IDEはAndroid Studioだけです。古い入門書やブログでEclipseの画面が出てきたら、その手順は現在は使えないと考えてください。
無料で使える範囲とライセンスの条件
Android Studio本体とAndroid SDKは無料です。ダウンロード時に同意するAndroid SDKライセンス契約は、SDKの利用をロイヤリティフリー(使用料なし)で許諾しています。ただし契約3.1条・3.2条により、SDKを使って開発できるのはAndroid対応デバイス向けのアプリに限られ、SDKを使って別のSDKを作ることも禁止されています。
費用が発生するのは周辺サービスです。Google Playでアプリを公開するには別途デベロッパー登録が必要で、Gemini in Android Studioも上位の使い方は有料になります(後述)。
Android Studioでできること:設計からリリースまでの機能
公式サイトが挙げる機能を開発の流れに沿って並べます。エディタと周辺ツールを自分で組み合わせる必要がない点が、汎用エディタとの一番の違いです。
- コード編集:Kotlin、Java、C/C++のコード補完とリファクタリング。C/C++はNDKと組み合わせて使います。
- UI設計:Jetpack Composeのプレビュー、任意の画面サイズでの表示確認、ライブ編集で実行中のアプリへ変更を即時反映。
- ビルド:Gradleと公式のAndroid Gradleプラグイン(AGP)。無料版と有料版など、1つのプロジェクトから複数のビルドバリアントを作れます。
- テストと実行:Android Emulatorでスマートフォン、タブレット、折りたたみ端末、Wear OS、テレビ、車載(Android Automotive OS)を再現。Android Device Streamingを使えば、Googleのデータセンターなどに置かれた実機へADB経由で接続してテストできます(Firebaseプロジェクトに紐づけて使い、月ごとの無料枠を超えると課金されます)。
- 検査と改善:Layout Inspectorでの再コンポーズ回数の確認、CPUとメモリのプロファイラ、lintによる潜在バグの検出、Logcatでのログ確認。
- 公開準備:Android App Bundleの作成と、APK Analyzerによるサイズの比較。
UIの作り方は、現在はJetpack Composeが前提です。宣言的UIの仕組みはJetpack Composeの解説記事で扱っています。
Gemini in Android StudioとAgent Modeの提供区分
Android StudioにはAIアシスタント「Gemini in Android Studio」が組み込まれています。コード生成に加え、Gradleビルドエラーの修正、Logcatやクラッシュ情報(App Quality Insights)と連携した原因分析ができます。大まかな目標を伝えるとプランを立て、複数ファイルの変更とバグ修正を繰り返すAgent Modeもあり、Quail 4ではFirebaseの認証やCloud Firestoreの設定をAgent Modeから直接行えるようになりました。
| 区分 | 対象 | 費用と特徴 |
|---|---|---|
| Free | 個人・学生 | 無料。軽量版Gemini・小さなコンテキスト |
| APIキー | 個人 | Gemini APIの従量課金。Gemini Proの100万トークン |
| Google One AI Pro / Ultra | 個人 | 加入者は追加料金なし。レート上限が上がる |
| ビジネス | 企業・チーム | Gemini Enterprise(Standard/Plus)等。VPC Service Controls |
ソースコードを外部へ送れない現場では、Quail 4で入ったGemma 4のローカル実行が選択肢になります。「Settings > Tools > AI > Model Providers > Gemma」からモデルを取得すると、端末の中だけでコード支援を受けられます。業務で使う場合は区分の違いに注意が必要です。Free版ではチャットに入力したコードがGeminiの学習に使われる場合があり、APIキー、Google One、Gemini Enterpriseでは学習に使われません。個人アカウントのFree版で業務コードを扱う前に、社内の方針がどの区分とローカル実行を許しているかを確認してください。
必要なPCスペックと「重い」と感じる原因への対処
Android Studioは「重い」とよく言われます。原因はIDE本体よりも、エミュレータとGradleが別々に大きなメモリを取ることです。公式のシステム要件(2026年9月28日更新)は、IDEだけを動かす場合と、エミュレータも動かす場合を分けて示しています。
| 項目 | 最小(IDEのみ) | 最小(IDE+エミュレータ) | 推奨 |
|---|---|---|---|
| OS(Windows) | 64ビット Windows 10 | 最新の64ビット版 | |
| OS(Mac) | macOS 12 | 最新の64ビット版 | |
| OS(Linux) | 64ビット・glibc 2.31以降 | 最新の64ビット版 | |
| RAM | 8GB | 16GB | 32GB |
| 空き容量 | 8GB | 16GB | SSD 32GB以上 |
| GPU(Win・Linux) | 不要 | VRAM 4GB | VRAM 8GB |
| 画面解像度 | 1,280×800 | 1,920×1,080 | |
CPUはWindowsとLinuxで仮想化支援(Intel VT-xまたはAMD-V)がBIOSで有効になっていることが必須で、2017年以降の世代(Intel第8世代Core i5やRyzen 1000番台)が最低ラインです。公式はIntel Core NシリーズとUシリーズを「パフォーマンスが十分でない」として推奨していません。MacはApple M1以降、またはIntelの第6世代Core以降ですが、Intel Macのサポートは段階的に終了すると明記されています。
見落としやすいのが仮想端末(AVD)の分です。AVDは1台ごとに最大6GBのストレージを使い、同時に動かすと1台あたり約4GBのメモリを消費します。RAM 16GBのPCで2台のエミュレータを並べるとIDEとGradleの分が足りなくなるので、16GBのPCでは同時起動を1台に絞り、8GBのPCでは実機デバッグを基本にしてください。
メモリ16GB以下のPCで軽くする設定
Android Studioの最大ヒープサイズは既定で1,280MBで、「Settings」の「Appearance & Behavior > System Settings > Memory Settings」から変更できます(変更後は再起動が必要)。推奨スペックに届かないPC向けに、公式は次の対処を挙げています。
- IDEの最大ヒープを512MBまで下げる
- 「File > Power Save Mode」で省電力モードにし、裏で走るインスペクションを止める
- エミュレータではなく実機でデバッグする(エミュレータの方がメモリを多く使う)
- Gradleの最大ヒープを既定の1,536MBから少しずつ下げる
- 「Compile independent modules in parallel」をオフのままにする
Gradleのヒープはプロジェクト直下の gradle.properties で指定します。既存のプロジェクトでは org.gradle.jvmargs が既に書かれていることが多いので、行ごと置き換えずに -Xmx の値だけを変えます。一度に大きく下げるとビルドが遅くなるので、公式ドキュメントも少しずつ下げて変化を見るよう注意しています。
# gradle.properties(-Xmxの値だけを書き換え、ほかのオプションは残す)
org.gradle.jvmargs=-Xmx1024m -Dfile.encoding=UTF-8
逆にRAMが32GBあるPCで大規模プロジェクトを扱う場合は、同じ画面でIDEやGradleデーモンのヒープを増やすとパフォーマンスを改善できます。Android Studio自身も、ヒープを増やすと速くなりそうな場合は通知を出します。
Android Studioのインストール手順(Windows・Mac・Linux・ChromeOS)
インストーラーは公式のダウンロードページ(developer.android.com/studio)から入手します。2026年9月時点の配布サイズはWindows用exeとMac用dmgが約1.5GB、ChromeOS用debが約1.2GBです。どのOSでも、初回起動後のセットアップウィザードが開発に必要なAndroid SDKを追加でダウンロードするので、回線に余裕がある状態で始めてください。
Windows:exeインストーラーとWHPXの有効化
Windowsでは、推奨されているexe版をダブルクリックして起動し、セットアップウィザードに沿って推奨のSDKパッケージを入れるだけです。zip版を使う場合は展開したフォルダを「Program Files」に置き、bin フォルダの studio64.exe を起動します。
インストール後に必ず確認したいのが、エミュレータを高速化するハイパーバイザーです。公式はMicrosoftの「Windows ハイパーバイザー プラットフォーム(WHPX)」を推奨しており、Googleが配布してきたAndroid Emulator ハイパーバイザ ドライバ(AEHD)は2026年12月31日で廃止されます。AEHDのまま使っている場合は、年内に「Windowsの機能の有効化または無効化」でWHPXをオンにしてください。どちらが使われているかは、SDKの emulator フォルダで次のコマンドを実行すると分かります。
emulator -accel-check
# 出力例
accel:
0
WHPX(10.0.22631) is installed and usable.
accel
PowerShellでは .\emulator -accel-check と先頭に .\ を付けて実行します。「AEHD」または旧名の「GVM」と表示された場合は、WHPXへの切り替えが必要です。ARM版CPUを搭載したWindows PCは、2026年9月時点で公式にサポートされていません。
Mac:dmgからのインストールと保存場所の注意
Macではdmgを開き、Android Studioを「アプリケーション」フォルダへドラッグして起動します。Apple シリコン搭載機はmac_arm版、Intel Macはmac版を選びます。
プロジェクトの保存先は /Users/ユーザー名/AndroidStudioProjects にしておくのが安全です。「書類」「デスクトップ」「ダウンロード」フォルダはmacOSのTCC(透明性、同意、制御)で保護されており、そこに置くと、Android Studioにフォルダへのアクセス権を特別に与えない限りプロジェクトファイルが正しく表示されないことがあると、公式ドキュメントが注意しています。
Linux・ChromeOS:展開先と32ビットライブラリ
Linuxでは、tar.gzを自分専用なら /usr/local/、複数ユーザーで共有するなら /opt/ に展開し、android-studio/bin/studio を実行します。64ビット版のUbuntuでは、事前に次の32ビットライブラリが必要です。
sudo apt-get install libc6:i386 libncurses5:i386 libstdc++6:i386 lib32z1 libbz2-1.0:i386
対応するデスクトップ環境はGNOME、KDE、Unityです。ChromeOSでは「Linux 開発環境」を有効にしてからdebパッケージを sudo apt install で入れます。ただしChromeOS版はエミュレータが使えず、アプリを動かせるのは接続した実機だけです。
Android SDKの追加インストールとAPIレベルの対応
ウィザードで入るのは最新のSDK一式だけです。古いAndroidを対象にしたアプリや、新しいAPIレベルを試すときは「Tools > SDK Manager」から該当のSDK Platformを追加します。IDEを使わずCIサーバーなどにSDKだけ入れたい場合は、同じダウンロードページにある「コマンドライン ツールのみ」を展開し、sdkmanager で入れます。
# 利用規約への同意と、Android 17(API 37.0)用パッケージの導入
sdkmanager --licenses
sdkmanager "platform-tools" "platforms;android-37.0"
APIレベルごとに必要なAndroid Studioの最低版も決まっています。Android 17(API 37.0)を対象にするにはPanda 3 | 2025.3.3 Patch 1以降とAGP 9.1.1以降が必要です。Android 17での変更点はAndroid 17(API 37)の変更点と対応手順にまとめています。
初めてのプロジェクト作成からビルド・実行までの使い方
インストールが終わったら、ウェルカム画面の「New Project」から最初のアプリを作ります。ここでの選択は後から変えにくいものが多いです。
テンプレートと言語、最小APIレベルの選び方
テンプレートは「Empty Activity」を選びます。公式はComposeの依存関係とマテリアルデザインの設定が入ったこのテンプレートを「すべての新しいプロジェクトにおすすめの出発点」とし、ほかのテンプレートは既存のコードベースを保守・移行する場合だけに使うよう案内しています。
言語はKotlinです。公式は「Java はサポートされていますが、新しいプロジェクトにはおすすめしません」と明記しており、Jetpack ComposeはKotlinでしか書けません。Javaの資産がある場合の判断はKotlinとJavaの選定基準で比較しています。
「Minimum API level」は、アプリが動く最も古いAndroidを決める値です。低くすれば対応端末は増え、使える新しいAPIは減ります。「Help me choose」を押すと、APIレベルごとの端末の累積シェアが表示されるので、対象ユーザーの端末が9割以上カバーされる範囲で最も新しい値を選ぶのが目安です(公式の基準ではなく編集部の目安)。
プロジェクト構造:manifests・kotlin+java・resとビルドファイル
作成直後のプロジェクトは、左側のProjectウィンドウに「Android」ビューで表示されます。これはモジュールごとに整理した表示で、実際のフォルダ構成とは異なります。アプリモジュールの中身は次の3つです。
manifests:アプリ名、権限、画面(Activity)を宣言するAndroidManifest.xmlkotlin+java:ソースコードと、JUnitのテストコードres:文字列、画像、テーマなどコード以外のリソース
ビルド設定は「Gradle Scripts」にあり、Kotlinで書く場合は build.gradle.kts、Groovyなら build.gradle です。依存ライブラリはモジュール側のビルドファイルに書き、既定ではGoogleのMavenリポジトリとMaven Centralから取得されます(取得先の指定は settings.gradle.kts にあります)。実際のフォルダ構成を見たいときは、表示を「Project」に切り替えます。
ビルドと実行:Runボタンとコマンドラインのgradlew
IDEからは、ツールバーで実行先の端末(エミュレータか接続した実機)を選び、Runボタンを押すだけでビルド、インストール、起動まで進みます。同じ処理はプロジェクト直下のGradleラッパーでも実行できます。CIで自動ビルドする場合や、IDEが重いPCでビルドだけ走らせたい場合に使います。
# Mac・Linux・PowerShell(コマンドプロンプトでは ./ を付けずに gradlew)
./gradlew tasks # 実行できるタスクの一覧
./gradlew assembleDebug # デバッグ用APKを作成
./gradlew installDebug # 作成して接続中の端末へインストール
adb install app/build/outputs/apk/debug/app-debug.apk
assembleDebug で作られるAPKは app/build/outputs/apk/debug/ に出力されます。Google Playへ提出するのはAPKではなくApp Bundle(.aab。コマンドラインでは bundleDebug などのbundle系タスク)なので、公開時は「Build > Generate Signed Bundle/APK」から署名付きで作ります。
エミュレータ・実機・Device Streamingの使い分け
エミュレータは「Device Manager」で端末の種類とAndroidのバージョンを選んで作ります。画面サイズやAPIレベルを変えて確認できるので、公式もテストの基本手段として推奨しています。実機でデバッグするときは、端末の「開発者向けオプション」でUSBデバッグをオンにしてPCとつなぎます。
RAMが16GB以下のPCでは実機を主に使い、画面サイズ違いの確認だけエミュレータで行います。手元にない機種での表示確認は、Android Device Streamingで実機を借りれば、エミュレータを増やさずに済みます。
バージョン一覧と命名規則:年号付きの番号と動物名
Android Studioは2021年7月28日公開のArctic Fox(2020.3.1)から、「年.番号.番号」の版番号と動物名を組み合わせる方式に変わりました。動物名の頭文字はArctic FoxのAからアルファベット順に進み、2026年9月時点で安定版はQ(Quail)、次のR(Rabbit)がRC版の段階です。各動物名の初版と最新版を抜粋した、扱えるAGPの範囲は次のとおりです(全版は公式リリースノートを参照)。
| 版 | 安定版の公開日 | 対応AGP |
|---|---|---|
| Quail 4 | 2026.1.4 | 2026-09-01(Patch 1は09-18) | 7.1〜9.4 |
| Quail 1 | 2026.1.1 | 2026-06-02 | 7.1〜9.2 |
| Panda 1 | 2025.3.1 | 2026-02-10 | 7.0〜9.0 |
| Otter | 2025.2.1 | 2025-10-30 | 4.0〜8.13 |
| Narwhal | 2025.1.1 | 2025-06-24 | 3.2〜8.11 |
| Meerkat | 2024.3.1 | 2025-03-04 | 3.2〜8.9 |
各動物名の中で、Quail 1、Quail 2のように機能追加を含む版が数回出ます。新しい版はCanary、RCを経て安定版になるので、仕事で使うPCには安定版を入れ、Canaryは別フォルダに並べて試すのが公式の想定する使い方です。
古い版を使い続けるリスクと更新方法
更新は「Help > Check for Update」(Macは「Android Studio > Check for Updates」)から行えます。更新を先延ばしにしたときの影響は2つあります。
1つはクラウド連携が止まることです。GeminiやFirebase Crashlyticsとの連携は最新安定版と過去10か月以内のメジャー版だけが対象です。2026年9月時点ではOtter 2 Feature Drop(2025年12月公開)がすでに非推奨扱いで、次のメジャー版で連携が無効になる予定です。確実に使えるのはOtter 3 Feature Drop以降です。もう1つはAGPとの互換です。Android Studioは過去3年以内に出たAGPだけをサポートする方針になっており、3年より古いAGPのプロジェクトを新しいAndroid Studioで開くと、AGPの更新を求められます。数年前のプロジェクトを引き継いだ場合は、IDEを更新する前にAGPの版を確認してください。
Android Studioを選ばない方がよい場面と代替手段
Android専用のネイティブアプリを作るなら、Android Studio以外を選ぶ理由はほぼありません。一方で、次の条件に当てはまる場合は、主な作業環境を別に置く方が合理的です。
iOSとAndroidを1つのコードで作る場合は、FlutterやKotlin Multiplatformが中心になり、Android Studioは「Android SDKとエミュレータの提供元」という役割に下がります。Flutterなら普段の編集はVS Codeでも進められます。ただしAndroid向けにビルドするにはAndroid SDKが必要なので、SDKの導入経路としてAndroid Studioかコマンドラインツールは結局入れることになります。
Android Studio以外のAIエージェントでAndroid開発を進めたい場合、公式はAndroid CLIを使うよう案内しています。プロジェクトの作成(android create)などをターミナルから実行できるため、IDEを常時起動しておく必要がありません。
RAM 8GBのノートPCでエミュレータまで動かすのは、公式の最小要件(16GB)を満たさないため勧めません。実機デバッグに切り替えるか、メモリの増設を先に検討してください。
よくある質問
Android Studioは無料ですか?料金はかかりますか?
Android Studio本体とAndroid SDKは無料で、商用アプリの開発にも使えます。SDKのライセンス契約は利用をロイヤリティフリーで許諾していますが、用途はAndroid対応デバイス向けのアプリ開発に限られます。費用がかかるのは、Google Playで公開するためのデベロッパー登録と、Geminiを企業向け(Gemini Enterprise)やAPIキーの従量課金で使う場合、Android Device Streamingを無料枠を超えて使う場合です。個人のFree区分ならAIアシスタントも無料です。
スマホ(Android端末)だけでAndroid Studioを使って開発できますか?
できません。配布対象はWindows、Mac、Linux、ChromeOSで、Android端末上で動く版はありません。スマートフォンは、PCにUSBでつないでアプリを動かす「実機」として使います。PCのメモリが少ない場合は、エミュレータより実機でデバッグする方が負荷を抑えられます。
Android StudioでJavaは使えますか?
使えます。Javaのコード補完、デバッグ、ビルドはKotlinと同様にサポートされ、1つのプロジェクトにJavaとKotlinを混在させることもできます。ただしJetpack ComposeはKotlinが前提のため、既存のJavaアプリはJavaのまま保守し、新しく作るアプリはKotlinで始めるのが現実的です。
Android SDKだけをインストールする方法はありますか?
あります。ダウンロードページの「コマンドライン ツールのみ」を入手し、展開した cmdline-tools の中に latest フォルダを作って中身を移してから、sdkmanager で必要なパッケージを指定します。CIサーバーや、IDEを使わないFlutter環境に向いた方法です。
古いバージョンのAndroid Studioを使い続けても問題ありませんか?
ビルド自体は動きますが、おすすめしません。Geminiなどのクラウド連携が使えなくなり、新しいAPIレベルを対象にしたプロジェクトも開けない場合があります。チームで版を揃える必要がある場合でも、四半期に1回程度は更新の計画を立ててください。