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FutureStageとは?日立の流通・製造業向けERPの製品体系と小売・卸の適合条件

FutureStageとは?日立の流通・製造業向けERPの製品体系と小売・卸の適合条件

FutureStage(フューチャーステージ)は、日立グループが中堅・中小規模の製造業・卸売業・小売業向けに提供している基幹業務パッケージのブランド名です。ひとつの製品ではありません。日立システムズ、日立ソリューションズ、日立ソリューションズ西日本がそれぞれ業種別の製品を開発・販売しており、同じ「FutureStage」でも問い合わせ先によって中身が変わります。本記事では、公式ページで確認できる製品体系、卸売業向けと小売業向けの業務範囲、2025年11月に始まったクラウド版の3つのモデル、採用を見送ったほうがよい場面までを整理しました。

まとめ:FutureStageを検討する前に押さえる提供会社の違いと判断の軸

FutureStageを調べるときは、最初に「どの会社のFutureStageか」を切り分けてください。製造業の生産管理、卸売業の販売管理、小売業の本部店舗システムは日立システムズ。商社・卸向けの販売管理と財務会計・管理会計は日立ソリューションズ。工事業向けなどは日立ソリューションズ西日本が担っています。

新しく検討するなら、2025年11月に日立システムズが出したクラウド型の「FutureStage 販売・生産管理」が候補に入ります。2026年8月からはキヤノンITソリューションズも販売・開発パートナーとして流通業・卸売業向けに提供を始めました。

判断の軸は2つあります。業種別テンプレートの標準機能に自社の商習慣を寄せられるか。そして、受注や出荷が日曜・深夜にも動く業務かどうかです。後者はクラウド版のモデル選択に直結し、Lite版を選ぶと稼働時間が月曜〜土曜の5:00〜23:00に限られます。

FutureStageの成り立ちと日立グループ各社で分かれる製品ラインアップの全体像

製品名だけを見て比較表に載せると、別会社の別製品を同じものとして扱ってしまいます。まず成り立ちと、どの会社が何を持っているかを確認します。

1987年のTENSUITEから2013年の3社統合ブランド化までの経緯

日立システムズのFutureStage紹介ページによると、シリーズは1987年のリリースが起点で、製造業・卸売業の生産管理と販売管理をシステム化した「TENSUITE(テンスイート)」の後継に当たります。

ブランドとしての「FutureStage」が生まれたのは2013年です。2013年4月15日の発表で、日立製作所・日立ソリューションズ・日立システムズの3社が、それぞれ開発・販売してきた中堅・中小企業向けの基幹業務パッケージを、業種・業務別に体系化した製造・流通業向けソリューションとして販売を始めました。つまり出自の違う製品をひとつの名前の下に並べたもので、製品ごとに開発元が異なる構造はいまも続いています。

日立システムズと日立ソリューションズで異なる対象業種と問い合わせ窓口

2026年10月時点の公式ページを突き合わせると、各社の担当は次のように分かれます。

提供会社 主な製品 対象業種の例
日立システムズ 製造業向け生産管理 金属加工・自動車部品
日立システムズ 卸売業向け販売管理 食品卸・医薬品卸など6業種
日立システムズ 小売業向け本部店舗システム 量販店・専門店
日立システムズ クラウド版 販売・生産管理 中堅・中小の製造業・卸売業
日立ソリューションズ 商社・卸向け販売管理 住宅設備・資材卸、化学品卸など
日立ソリューションズ 財務会計・管理会計 商社・卸に共通
日立ソリューションズ西日本 工事業向け販売管理など 工事業・酒類・百貨店

卸売業の販売管理は、日立システムズと日立ソリューションズの両方に製品があります。同じ「卸向けFutureStage」でも、前者は販売・購買・物流在庫の連携を軸にした製品、後者はテンプレートと部品を組み合わせるセミオーダー方式の製品です。日立ソリューションズ西日本の工事業向け販売管理システムのように、さらに別会社のページで案内されている製品もあります。比較の前に、見積りを取る会社と製品名を正式名称で揃えてください。

4,500システム以上と150社以上という2つの導入実績の読み分け

導入実績の数字も、会社ごとに出どころが違います。キヤノンITソリューションズのFutureStageページは、1987年のリリース以来約40年で4,500システム以上と記載しています。日立システムズの紹介ページでは4,000システム以上です。一方、日立ソリューションズの商社・卸向けページは「導入実績150社以上」と示しています。

前者はTENSUITE時代を含むシリーズ全体の累計で、単位も「システム」です。後者は商社・卸向け製品に限った「社」の数。桁が違うのは対象と単位が違うためで、どちらが優れているという話ではありません。自社が検討する製品の数字はどちらか、提案書で確認する項目です。

卸売業向け販売管理システムが担う業務範囲とパッケージプラン3種の違い

FutureStageの検索者の多くは卸売業です。ここでは日立システムズと日立ソリューションズの卸向け製品を、公式情報の範囲で比べます。

日立システムズ版が対応する6業種と販売・購買・在庫の統合範囲

日立システムズの卸売業向け販売管理システムのページでは、電気・一般機械、精密・医療機械器具、金属製品・金物、プラスティック・化学製品、食品、医薬品の6つの卸売業が対応業種として挙がっています。販売管理を中心に、購買管理・在庫管理・輸出管理・輸入管理までを統合して扱う設計です。

導入の形は、迅速かつ低予算のFastPack、標準的なStandardPack、セミオーダーメイドのCustom-madePackの3プランと、クラウド型導入プランです。クラウド型は自社データセンターかAWSを選べ、最短10日で利用を始められると案内されています。ただし最短10日はクラウド環境の提供までの話で、マスタ移行や操作教育を含めた稼働日とは別に見積もる必要があります。

日立ソリューションズ版のセミオーダー方式と1企業グループ1ライセンス制

日立ソリューションズの製品コンセプトでは、販売管理・財務会計・管理会計の各テンプレートに、汎用部品と業務個別部品を組み合わせて構築する方式が説明されています。ERPパッケージと個別開発の中間に当たる作り方で、外貨取引・マルチカンパニー・与信管理といった商社特有の要件は、課題別のページで個別に案内されています。

ライセンスの考え方も特徴的です。同社のFAQでは「1企業グループ、1ライセンス制」で、ユーザー数に上限がないと回答しています。拠点やグループ会社が増える前提の商社では、ユーザー課金型のクラウドERPと費用の伸び方が大きく変わる。比較表を作るときは、5年後のユーザー数で総額を試算してください。卸売業の販売管理全般の選び方は卸売業の販売管理システムとは?受発注・掛売・多倉庫在庫に対応する選び方で整理しています。

小売業向け本部店舗システムが扱う量販店・専門店の業務範囲と導入期間

小売業向けのFutureStageは、卸向けに比べて情報が少ない領域です。公式ページで確認できる範囲を押さえておきます。

量販店向けと専門店向けの2つの本部店舗システムが受け持つ業務範囲

日立システムズの小売業向けシステムのページでは、量販店向けと専門店向けの2つの「本部店舗システム」が案内されています。量販店向け本部店舗システムはWeb型の基幹業務パッケージで、本部業務から店舗・POS販売業務までを扱い、予算・マスタ、発注・販売、分析・在庫、MD計画・販促企画という業務サイクルで機能が構成されています。

専門店向けは、本部・店舗・物流センターのシステムからPOSアプリケーションまでを自社開発で揃えている点が特徴です。導入事例として島村楽器が掲載されています。公式に対象として挙がっているのは量販店と専門店で、飲食チェーンやEC専業の小売は対象として示されていません。

導入まで約6カ月の工程と既存POS機器を接続するときの確認点

同ページは、現状分析から本番稼働までの導入期間を約6カ月と示しています。卸向けクラウド版の「最短10日」とは前提がまったく違い、小売向けは要望を聞いて開発・構築する進め方です。

よくある質問に「現在使用中のPOS機器も接続可能ですか」という項目がある通り、既存POSとの接続は導入判断の分かれ目になります。POSを入れ替えずに本部システムだけ刷新したい場合は、POSのメーカーと機種、売上データの送信形式を最初の打ち合わせで伝えてください。小売業の販売管理をPOS・EC連携から選ぶ考え方は小売業の販売管理システムとは?POS・EC連携と多店舗在庫で選ぶ判断軸、店舗側の業務範囲は店舗管理システムとは?機能の範囲とPOSレジとの違い・多店舗一元管理の選び方で扱っています。

クラウド版FutureStage販売・生産管理の3モデルと稼働時間の違い

2025年以降のFutureStageで最も大きな変化はクラウド版の登場です。開発の経緯とモデルの違いを確認します。

応研の大臣エンタープライズと組み合わせた2025年11月の提供開始

2025年3月28日の日立システムズの発表で、応研が日立システムズを初の「戦略的協創パートナー」に認定し、FutureStage生産管理システムのノウハウと、応研の「大臣エンタープライズ」の開発フレームワークを組み合わせたFutureStageクラウドの開発に着手しました。

製品は2025年11月4日に「FutureStage 販売・生産管理」として提供が始まっています。対象は中堅・中小の製造業・卸売業で、開発パートナーと販売パートナーの2種類のパートナー制度も同時に設けられました。2026年8月21日には、キヤノンITソリューションズがこのパートナー契約を結び、流通業・卸売業向けに販売業務領域の機能を加えて提供すると発表しています。

稼働時間とローコード開発の可否で分かれるLite・Plus・Standardの比較

キヤノンITソリューションズのFutureStageページには、3つのモデルの比較表が掲載されています。2026年10月時点の記載は次の通りです。

項目 Lite版 Plus版 Standard版
ユーザー数(目安) 〜50ユーザー 〜50ユーザー 1ユーザー〜
ノーコード開発 対応 対応 対応
ローコード開発 非対応 対応(制約事項あり) 対応
クラウド稼働時間 月〜土 5:00〜23:00 左記か24時間365日を選択 24時間365日

見落としやすいのは稼働時間の行です。Lite版では日曜日と23時から翌5時まで、システムを使えません。日曜に出荷がある食品卸や、夜間にEDIで受注データを取り込む卸では、Lite版の価格で比較すること自体が誤りになります。ローコード開発で帳票や画面を追加する計画があるなら、Plus版の制約事項の中身を販売店に文書で確認してください。

FutureStageを採用する条件と第一候補にしないほうがよい3つの場面

ここまでの公式情報を踏まえて、判断を言い切ります。FutureStageは業種別テンプレートの厚さで選ぶ製品で、テンプレートに業務が合うかどうかで結論が決まります。

FutureStageが噛み合う業種・規模・社内体制と周辺システムの条件

次の条件が重なるほど、FutureStageは有力な候補になります。

  • 自社の業種が、日立システムズか日立ソリューションズの業種別テンプレートに名前で挙がっている
  • 中堅・中小規模で、販売・購買・在庫を一つのパッケージにまとめたい
  • 会計は勘定奉行やSuperStreamなど既存製品を残し、販売側だけを入れ替えたい
  • グループ会社やユーザーが増える前提で、ユーザー数に連動しない費用体系を求めている

3つ目の条件は、日立システムズの紹介ページに会計システムとの連携実績として勘定奉行とSuperStreamが挙がっていることが根拠です。キヤノンITソリューションズ経由なら、会計・人事給与のSuperStream-NXとEDIのEDI-Master Cloudを組み合わせる構成が示されています。国産ERPの他製品と並べるなら、販売・会計を一体で持つOBIC7とは?機能範囲と費用が動く変数、周辺システム連携の判断基準や、卸売業の販売・在庫で比較されやすいアラジンオフィスとは?対応業種と機能範囲、カスタマイズが要る境界の見極め方が比較材料になります。

FutureStageを第一候補にしないほうがよい3つの場面と代替の考え方

1つ目は、日曜・深夜にも受注や出荷が動く企業が、費用を理由にLite版で比較しているケース。稼働時間の制約で業務が止まります。Standard版か、24時間稼働を選べるPlus版の価格で比べ直してください。

2つ目は、飲食チェーンやEC専業の小売です。小売向けの本部店舗システムが対象として示しているのは量販店と専門店で、モバイルオーダーやEC受注を軸にした業務は公式の対象に挙がっていません。この場合はFutureStageありきで話を進めず、POS・EC・在庫の連携を中心に据えた構成から検討したほうが要件に合います。

3つ目は、製造と卸を両方持つ企業が、製造は日立システムズ、商社機能は日立ソリューションズというように、提供会社をまたいでFutureStageを組み合わせようとするケースです。ブランドは同じでも開発元が異なるため、データ連携と保守の窓口を誰が持つかが曖昧になりやすい。複数社の製品を使う前提なら、連携部分の設計と一次切り分けの担当を契約前に決めてください。当社の流通システム開発では、パッケージ周辺のEDI・POS・EC連携や、テンプレートで吸収しきれない業務のアドオン開発、旧システムからのデータ移行を請けています。

よくある質問

FutureStageを調べている担当者から挙がりやすい質問を、公式ページで確認できる範囲を明示しながらまとめました。

FutureStageはどこの会社の製品ですか?

日立グループのブランドで、製品ごとに開発・販売する会社が異なります。製造業向け生産管理・卸売業向け販売管理・小売業向け本部店舗システム・クラウド版の販売・生産管理は日立システムズ、商社・卸向けの販売管理と財務会計・管理会計は日立ソリューションズ、工事業向けなどは日立ソリューションズ西日本の担当です。2026年8月からはキヤノンITソリューションズも、日立システムズのパートナーとして流通業・卸売業向けに提供しています。

FutureStageの価格はいくらですか?

日立システムズ、日立ソリューションズ、キヤノンITソリューションズのいずれの公式ページにも標準価格の記載はなく、問い合わせによる個別見積りです。費用の構造としては、日立ソリューションズの商社・卸向けが1企業グループ1ライセンス制でユーザー数に上限がない点、クラウド版がLite・Plus・Standardでユーザー数の目安と稼働時間が異なる点を押さえておくと、見積りを比べやすくなります。

FutureStageはクラウドで使えますか?

使えます。日立システムズの卸売業向け販売管理にはクラウド型導入プランがあり、提供基盤は自社データセンターかAWSの2択です。2025年11月には、応研の大臣エンタープライズのフレームワークを組み合わせたクラウド型の「FutureStage 販売・生産管理」の提供も始まりました。日立ソリューションズの商社・卸向けもオンプレミスとクラウドの両方に対応しています。

FutureStageは小売業でも使えますか?

量販店と専門店であれば対象です。日立システムズが量販店向けと専門店向けの本部店舗システムを提供しており、本部業務から店舗・POS販売業務までを扱います。導入期間は現状分析から本番稼働まで約6カ月と案内されています。卸向けのクラウド版とは別の製品で、要望を聞いて開発・構築する進め方です。既存のPOS機器を残す場合は、接続可否を最初に確認してください。

FutureStageとTENSUITEはどう違いますか?

TENSUITEは、製造業・卸売業の生産管理と販売管理をシステム化した旧製品で、日立システムズの紹介ページはFutureStageをその後継システムと案内しています。シリーズの起点は1987年で、2013年4月に日立製作所・日立ソリューションズ・日立システムズの3社の製品をFutureStageブランドに体系化しました。TENSUITEを使い続けている企業は、保守の提供期限と後継製品へのデータ移行手段を販売元に文書で確認してください。

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