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Amazon Q Developerの料金|Free・Pro Tierの上限とKiro移行後の費用

Amazon Q Developerの料金|Free・Pro Tierの上限とKiro移行後の費用

Amazon Q Developerの料金ページには、いまもFree Tierの0ドルとPro Tierの19ドルが並んでいます。ところが2026年5月15日以降、その料金表へ到達する新規サインアップの入口は閉じました。検索で出てくる「無料で始める手順」の多くは、新規契約できた時代の前提で書かれたままです。この記事ではAWSの料金ページとサポート終了の告知、そして後継Kiroの料金ページという一次情報から、Free TierとPro Tierの上限、超過課金の計算、チームへ展開したときの月額、Kiroのクレジット制へ移った後の費用差までを整理します。

まとめ:Amazon Q Developerの料金とProプラン選定の結論

  • Amazon Q Developerの料金階層はFree TierとPro Tierの2つで、Pro Tierは1ユーザーあたり月額19ドルです(2026年9月22日時点の料金ページ)。
  • Free Tierはエージェントリクエストが月50件、Javaアップグレードが月1,000行。Pro Tierはリクエスト上限が拡大し、Javaアップグレードは1ユーザーあたり月4,000行が支払いアカウント単位でプールされます。
  • Pro Tierの超過課金は、Javaアップグレードへ送信した1行あたり0.003ドルだけです。エージェントリクエストの従量課金は設定されていません。
  • 2026年5月15日以降、Q Developerアカウントとサブスクリプションの新規作成はブロックされています。料金ページに0ドルと書かれていても、新規ユーザーは無料枠に到達できません。
  • 既存のPro契約へのシート追加は引き続きできます。締め切りが効くのは新規作成だけです。
  • IDEプラグインと有償サブスクリプションのサポート終了は2027年4月30日。後継のKiroは席課金ではなくクレジット制で、Free 0ドル(50クレジット)からPower 200ドル(10,000クレジット)まであります。
  • 10人規模ならQ Developer Proが月190ドル、Kiro Proが月200ドル。金額そのものより、クレジットを使い切ったときに変動費が乗る点が予算の組み方を変えます。

以下では期限の確定事項、Free・Pro Tierの条件、チームへ展開したときの実額、Amazon Q BusinessやAmazon Bedrockとの違い、そしてIDE別の移行手順の順に見ていきます。業務向けのAmazon Q Businessも新規受付を終了しており、そちらの機能・料金と移行先の選び方はAmazon Q Businessとは?新規受付終了後の代替と料金・移行の判断で扱っています。

Amazon Q Developerのサポート終了で確定した3つの期限と影響範囲

料金を検討する前に、契約がいつまで有効なのかを押さえます。AWSは2026年4月30日に「Amazon Q Developer end-of-support announcement」を公開し、日本語版が翌5月1日に出ました。

新規サインアップ停止から2027年4月30日までに確定している日程

告知で示された期限は3つです。いずれも日付が確定しており、延長の案内は出ていません。

日付 内容
2026年5月15日 新規サインアップの受付停止
2026年5月29日 Pro TierでOpus 4.6の提供終了
2027年4月30日 IDE拡張と有償契約の終了

5月15日にブロックされたのは、IDEプラグインからBuilder IDで無料利用枠アカウントを作る経路と、AWSコンソールからサブスクリプションを新規作成する経路の2つです。この締め切りが効くのは新規作成だけで、アクティブなPro Tierサブスクリプションを持つ組織は、その契約に新しいユーザーを追加できます。モデル面では、Opus 4.5とその他の既存モデルはQ Developer側に残る一方、最新のコーディングモデルはKiroでしか使えないと発表時点で明記されました。プラグイン自体は4つのIDEマーケットプレイスで公開が続き、Kiroへ誘導する非推奨の通知が表示されます。公式が約束しているのは移行期間中の重要なバグ修正の継続だけで、新機能の提供予定は示されていません。AWS公式のサポート終了告知に、この3日程と移行期間12か月の設定が記載されています。

サポート終了の対象外として無償で残るAWS側の提供形態と影響範囲

「Amazon Q Developerが全部なくなる」という理解は不正確です。AWSファーストパーティの体験は今回のサポート終了の影響を受けません。料金の話をするうえでも、この5つは無償で残るため予算から外して考えられます。

  • AWSマネジメントコンソール上のAmazon Q Developer
  • AWSマーケティングサイトのチャット
  • AWSドキュメントサイトのチャット
  • AWS Console Mobile App
  • チャットアプリ向けAmazon Q Developer(SlackおよびMicrosoft Teams)

運用担当者がコンソールでリソースについて質問する使い方は続けられます。なくなるのは開発者が日常的に触るIDEプラグインと、その有償サブスクリプションだけです。影響範囲を切り分けないまま「終了だから全部剥がす」と決めると、コンソール側の運用まで止めてしまいます。

Amazon Q Developerの料金体系とFree・Pro Tierの利用上限

料金ページの数字はいまも生きています。到達する入口が閉じただけで、既存契約の請求条件は変わっていません。

Free TierとPro Tierで変わる上限・管理機能・IP補償の内訳

2026年9月22日時点でAWSの料金ページに掲載されている条件は次のとおりです。新規受付が止まった後も更新されていません。

項目 Free Tier Pro Tier
月額 0ドル 19ドル/ユーザー
エージェントリクエスト 月50件 上限拡大(件数の明示なし)
Javaアップグレード 月1,000行 月4,000行/ユーザー
超過課金 なし 1行あたり0.003ドル
管理ダッシュボード なし あり(Identity Center)
データ収集 オプトアウト可 自動でオプトアウト
知的財産の補償 なし あり

Pro Tierで増えるのは速度ではなく、上限と統制です。英語版の料金表はPro Tierのエージェントリクエストを「Included(with limits)」とだけ書いており、月あたり何件という数字は公開されていません。組織で使ううえで効いてくるのは、むしろ下の3行でしょう。管理ダッシュボードはIAM Identity Centerと組み合わせて誰がサブスクリプションを持っているかを管理する画面で、Free Tierには存在しません。データ収集はPro Tierだと自動でオプトアウト済みになり、設定漏れでコードがサービス改善に回る事故を防げます。知的財産の補償はPro Tierだけの条項で、生成コードの権利リスクを会社として引き受けたくない場合はここが選定理由になります。リファレンストラッキングとパブリックコード提案の抑制は両階層とも使えるため、そこは差になりません。

Javaアップグレード4,000行のプール条件と超過課金の計算式

Pro Tierの料金で誤解されやすいのがJavaアップグレードの枠です。1ユーザーあたり月4,000行という数字は、ユーザー単位で切り分けられているのではなく、AWS支払いアカウントレベルで毎月集計されます。10サブスクリプションを契約していれば、月40,000行までが定額に含まれます。

超過分の計算式は単純で、送信した1行あたり0.003ドルです。40,000行の枠に対して月50,000行を送った場合、超過は10,000行、追加費用は30ドルになります。10人分の基本料金190ドルに対して16%の上乗せという規模感です。なお料金ページの注記によれば、カウント対象はアップグレード後のコードが返った送信だけで、途中で停止した送信や失敗した送信、コメント行や空行は行数に含まれません。レガシーJavaの一括変換をこのサービスでまかなう計画なら、対象リポジトリの実コード行数を先に数えてから枠の消費を見積もるのが現実的です。.NETのアプリケーション変換もPro Tierで上限が引き上げられますが、料金表に明示されているのはJava側の行数と単価だけです。なおサポート終了の告知は、Javaの言語アップグレードと.NETの移植がQ Developerの有償契約に紐づく機能であり、2027年4月30日以降は利用できなくなると明記しました。進行中の変換案件を抱えているなら、その日付までに完了させる前提で計画を引く必要があります。

新規ユーザーが無料枠へ到達できない入口の閉鎖状況と認証方法の制限

「Amazon Q Developerの無料枠はまだ使えるのか」という問いへの答えは、使えません、です。IDEプラグインからBuilder IDで無料利用枠アカウントを作る経路は2026年5月15日にブロックされており、料金ページに0ドルと書かれていても新規ユーザーは入口に到達できないためです。

この点が公開情報だけを見た場合にもっとも誤解しやすい箇所でしょう。料金ページ自体には「Kiro」も「サポート終了」も書かれていません(2026年9月22日時点の料金ページで確認)。無料枠の上限適用は認証方法で変わり、IAMユーザーはアカウント単位、Builder IDユーザーはユーザー単位という条件も残ったままです。IDE内の無料枠はBuilder IDユーザーだけが対象という制限も生きています。いま無料で試したい場合の現実的な選択肢はKiroのFree Tierで、月50クレジットとClaude Sonnet 4.5、Qwen3 Coder NextやDeepSeek 3.2、MiniMax M2.1といったオープンウェイトモデルが使えます(レート制限あり)。

Q Developer ProとKiroをチームへ展開したときの月額と変動費

個人で1席を持つ話と、開発部門へ配る話では費用の構造が変わります。席課金からクレジット制へ移る過渡期は、その差がとくに見えにくくなります。

10人・50人規模で試算したQ Developer ProとKiroの月額

基本料金だけを並べると、次のようになります。Q Developer Proは19ドルの純粋な席課金、Kiroはプランごとにクレジットが付く席課金です。

規模 Q Developer Pro Kiro Pro Kiro Pro+
1人 19ドル 20ドル 40ドル
10人 190ドル 200ドル 400ドル
50人 950ドル 1,000ドル 2,000ドル
年額(50人) 11,400ドル 12,000ドル 24,000ドル

並べてみると、Q Developer ProとKiro Proの差は1人あたり1ドルです。50人規模でも年600ドルしか違いません。ここだけを見て「移行してもコストは変わらない」と結論づけると、後で予算がずれます。Q Developer Proはエージェントリクエストに従量課金がなく、増える費用はJavaアップグレードの超過だけでした。Kiroは月のクレジットを使い切った時点で作業が止まるか、追加クレジットを買うかの分岐に入ります。エージェントに長時間の作業を任せる使い方が定着している現場ほど、Pro(1,000クレジット)では足りずPro+(2,000クレジット)やPro Max(5,000クレジット)へ上げる判断になりやすく、そこで実額が倍以上になる計算です。クラウド全体の費用を並べて検討する段階なら、AWS・Azure・Google Cloudの違いを比較|シェア・料金・無料枠と選定基準も判断材料になります。

クレジット超過とアドオン購入で動く変動費と契約形態別の課金条件

Kiroのクレジットは、プロンプト1回の実行単位です。単純な指示は1クレジット未満で済み、仕様のタスク実行のような重い処理は1クレジットを超えます。計測は小数第2位まで行われ、最小単位は0.01クレジットです。モデルによって消費レートが違い、公式は同じ処理をAutoで実行した場合を基準に、Sonnet 4.6なら1.3倍と説明しています。

上限を超えたときの伸ばし方は、契約形態で2通りに分かれます。Kiroのアドオンクレジットのドキュメントによれば、ソーシャルログインまたはBuilder IDで有料プランを使っている場合は、1クレジット0.04ドルのアドオンを自分で買い足します。最低購入額は5ドル(125クレジット)、1パックの上限は100ドル、同時に保有できるのは5パックまでで、課金のタイミングは購入時点です。一方エンタープライズ向けの課金ドキュメントでは、管理者が超過(overage)を有効にすると利用者は上限を超えても作業を続けられ、超過分は月末に1クレジット0.04ドルで請求されます。超過は既定で無効なので、意図せず請求が膨らむ構造にはなっていません。

繰り越しの扱いは、プランのクレジットとアドオンで異なります。プランに含まれる月次クレジットは請求月の切り替わりでリセットされ、翌月へ繰り越されません。購入したアドオンクレジットは繰り越しが可能で、有効期限は購入日から12か月です。表示上は合算され、Proプランに125クレジットを買い足せば1,125クレジットとして見えます。予算管理の観点では、常時足りない状態が3か月続くならアドオンを買い続けるよりプランを1段上げたほうが安く収まる、という単純な計算に落とせます。

日本の請求先に効く消費税とGovCloudの約20%増による費用差

ドル建ての表示価格だけで見積もると、日本の組織では実額がずれます。Kiroの料金ページは、表示価格が付加価値税や売上税を含まないこと、そして日本の請求先住所を登録している顧客の利用には日本の消費税が課されることを明記しています。50人でKiro Proを配れば月1,000ドル、これに消費税が乗った額が実際の支払いです。

もう1つの変動要因がリージョンです。AWS GovCloud(米国)でのKiroの価格は商用リージョンより約20%高く設定され、Free Tierは提供されません。国内案件では直接関係しませんが、米政府系の案件を持つ受託開発では見積もりの前提が変わります。課金サイクルにも癖があり、有料サブスクリプションの処理日は毎月1日です。初回の有料プラン移行時にはソーシャルログインまたはBuilder ID経由に限り20ドル相当のクレジットが付与され、月の途中でアップグレードすると日割りで調整されます。IAM Identity Centerでサインインしている場合、この初回付与は対象外です。統制を優先してIdentity Centerに寄せる組織ほど、この特典は使えないと考えておくのが安全でしょう。

Amazon Q DeveloperのIDE拡張とCLIで扱える機能の範囲

料金に見合う機能なのかを判断するには、契約で何が使えるのかを具体で押さえる必要があります。

Amazon Q Developerの提供形態とBedrockを基盤にした構成

Amazon Q Developerは、AWSのリソースやドキュメントについて自然言語で質問でき、IDEの中ではコード補完・コード生成・脆弱性スキャン・言語バージョンのアップグレードまでを担う生成AIアシスタントです。AWS公式ドキュメントは「Powered by Amazon Bedrock」と明記しており、Amazon Bedrock上に構築されたうえでAWSの技術情報を学習させた点が汎用チャットとの違いになります。提供面はIDE拡張、コマンドライン、AWSマネジメントコンソール、SlackとMicrosoft Teamsの4つで、このうちサポート終了の対象はIDE拡張と有償サブスクリプションだけです。料金が発生するのもこの2つに紐づく範囲で、コンソール側の質疑応答やエラー診断はFree TierとPro Tierのどちらでも使えます。

IDE拡張からKiroへ移った際に増える統制機能とコマンド実行権限の差分

Kiroの移行ガイドが「移行後もKiroで使える」と明記しているのは、インライン補完・チャット・コード生成の3つです。脆弱性スキャンとJavaや.NETのバージョンアップ変換については、移行ガイドに記載がありません。ガイドが比較表で示しているのは、Kiro側で増える機能のほうです。

機能 Q Developer IDE拡張 Kiro IDE Kiro CLI
MCP あり あり あり
コマンドの許可・拒否 なし あり あり
Steering files なし あり あり
Hooks(自動実行) なし あり あり
サブエージェント なし あり あり
Powers なし あり あり
仕様駆動開発(Specs) なし あり なし

差分の中身は「補完が速くなる」ではなく、エージェントに何をさせてよいかを設定ファイルで縛れるかどうかです。ターミナルコマンドの許可リストとSteering filesは、AIにコマンド実行を任せる運用で監査上の要件になりやすい部分で、Q Developerの拡張には用意がありませんでした。逆に仕様駆動開発はKiro IDE専用で、CLIには来ていません。19ドルと20ドルという1ドル差の裏で、統制のかけ方がここまで変わる点は見積書には表れない差です。

Kiro CLIへ自動更新済みのコマンドライン環境と導入手順

コマンドライン側の移行は、サポート終了の発表よりも先に完了しています。Kiro CLIは2025年11月17日に提供が始まり、自動更新を有効にしていた環境では2025年11月24日にQ Developer CLIが自動でKiro CLIへ更新されました。自動更新を切っていた場合は q update を実行します。新規に入れる場合の手順は次のとおりです。

# macOS / Linux に新規インストールする場合
curl -fsSL https://cli.kiro.dev/install | bash

# Windows (PowerShell)
irm 'https://cli.kiro.dev/install.ps1' | iex

# 認証後、対象プロジェクトへ移動してチャットを開始する
kiro-cli
cd my-project
kiro-cli chat

公式ドキュメントはKiro CLIをQ CLIの次期更新と位置づけており、既存のワークフロー・サブスクリプション・認証はそのまま動くとしています。エントリポイントは kiro-cli に変わりましたが、q と q chat も後方互換で残り、Amazon Q rulesと設定ファイルも引き続き使えます。なおmacOSのHomebrewでの配布は公式にサポートされていないため、インストールスクリプトを使ってください。サブスクリプションはKiro IDE、Kiro CLI、Web版、ACP対応IDE、CI/CDでの自動化から使えます。ただし外部の自動化ハーネス経由でリクエストを迂回させる使い方は許可されていません。~/.aws/amazonq から ~/.kiro への設定ファイルの移行先や、CLI 3.0で変わる権限設定は「Amazon Q CLIはKiro CLIへ:q chatからの移行手順と設定・3.0の変更点【2026年10月】」で詳しく扱っています。

Amazon Q Developer・Q BusinessとBedrockの料金・役割比較

「Amazon Q」という名前は開発者向けと業務向けの2系統に分かれており、どちらも提供形態が変わりました。料金を調べるときに取り違えやすいところです。

Amazon Q BusinessからAmazon Quickへの移行と料金体系の違い

開発者向けが本記事のAmazon Q Developer、社内データに答える業務向けがAmazon Q Businessです。そしてAmazon Q Businessも新規顧客の受付を終了しており、AWSは同等以上の機能を持つAmazon Quickへの移行を推奨しています。既存顧客にはバグ修正とセキュリティ更新が継続されますが、新機能の要望は受け付けられません。移行はBring Your Own Index(BYOI)で既存インデックスをQuickに持ち込む段階的な進め方が案内されています。料金の考え方はQ Developerの席課金とは別物で、固定費とエージェント時間の組み合わせになります。詳しくはAmazon Quick(旧Quick Suite)の料金を全プラン比較|250ドルの固定費・エージェント時間・SSOの条件で整理しました。

Bedrockとの関係と生成AIの自社開発へ振り替える判断の境目

Amazon Q DeveloperとAmazon Bedrockは競合ではなく、前者が後者の上に構築されています。AWS公式ドキュメントはQ Developerについて「Powered by Amazon Bedrock」と明記し、不正利用検知もBedrock側の実装を使うと説明しています。使い分けの判断はシンプルで、既製のコーディング支援がほしいならQ Developer(現在はKiro)、自社アプリケーションに生成AIを組み込むならBedrockのAPIです。

費用構造も対照的です。Q DeveloperとKiroは人数に比例する席課金、Bedrockはトークンと推論時間に比例する従量課金になります。AWSが公開しているAmazon Q APIリファレンスに載っている操作はAmazon Q BusinessとAmazon Q Appsのもので、Q Developerのチャットやコード生成を直接呼び出す公開APIは掲載されていません(2026年9月22日時点)。プログラムから生成AIを呼びたい要件は、最初からBedrockで設計するのが筋です。Kiroが採用しているモデル系統を再現したいなら、Anthropicのモデルから評価を始めると近道になります。

Kiroへの移行手順とサブスクリプション切り替えで生じる差額

移行の重さはIDEで決まります。経路と、見落としやすい契約面の変更を順に確認します。

IDE別の移行経路と拡張機能・設定の引き継ぎ範囲から見る移行負担

公式の移行ガイドが示す経路は次のとおりです。

現在のIDE 移行先 設定の引き継ぎ
VS Code Kiro IDE 拡張・テーマ・設定を継承
JetBrains系 Kiro CLI+AI Assistant IDEはそのまま利用
Visual Studio Kiro IDEまたはCLI ネイティブ拡張なし
Eclipse Kiro IDEまたはCLI ネイティブ拡張なし

Kiro IDEはVS Codeを基盤にしているため、VS Codeユーザーは初回起動時のプロファイルインポートを承認するだけで拡張機能と設定が移ります。JetBrainsユーザーはIDEを変えずに済み、Kiro CLIをAgent Client Protocol経由のカスタムエージェントとしてJetBrains AI Assistantに登録します。厳しいのはVisual StudioとEclipseで、Kiroにネイティブプラグインが存在しません。エディタを変えるか、ターミナルでKiro CLIを併用するかの二択になります。この2つのIDEを標準にしている組織ほど、移行の意思決定を早めに始める必要があります。Kiro本体の機能や仕様駆動開発の進め方はKiroとは?AWS製の仕様駆動AI IDEの特徴・料金・使い方を解説で詳しく扱いました。

CLI移行で見落としやすいライセンスと認証方式の変更による社内運用への影響

Kiro CLIへの更新は自動で済む一方、ソフトウェアのライセンスが変わっています。Q Developer CLIはApache 2.0でしたが、Kiro CLIはAWS Intellectual Property Licenseです。OSSライセンスの条件でツールを社内配布していた場合、この変更は配布方法の見直しにつながります。認証方式はBuilder IDとIAM Identity Centerに加えてGitHubやGmailアカウントでのソーシャルログインが増えました。統制を効かせたい組織ではIAM Identity Centerに寄せる運用を明示しておくのが安全です。ただし前述のとおり、Identity Center経由では初回20ドルのクレジット付与を受けられません。統制と特典のどちらを取るかは、最初の1か月だけの話として割り切って構いません。

サブスクリプション切り替えとKiroコンソールの扱いの注意点

Q Developer ProのサブスクリプションはそのままKiro CLIでも使えるため、慌てて課金先を変える必要はありません。管理者側は、Q DeveloperコンソールをリブランドしたKiroコンソールで同じ機能のままサブスクリプションを管理し、実際の切り替えは各ユーザーがIDE拡張とCLIをKiroへ更新して行います。なおKiroへ移行するとQ Developerコンソールは既定でナビゲーションから消えるため、Q Developerサブスクリプションを解約する際は設定画面から表示を有効にし直す必要があります。

チーム単位の課金でもう1つ押さえておきたいのが、重複サブスクリプションの扱いです。エンタープライズ向けの課金ドキュメントによれば、同じKiroプロファイルのユーザーを2つのグループに登録しても二重に請求されることはなく、割り当てられた最上位ティアの価格だけが請求されます。部門をまたいで開発者を配置している組織では、グループ設計をやり直さなくても請求が膨らまない仕様です。Kiroの各プランはFreeからPro Maxまで最大500人規模のチームでサインアップでき、集中請求・SSO・利用状況分析が必要ならエンタープライズ契約で相談する形になります。

GitHub Copilotとの価格比較とAmazon Q Developerの採用可否

Amazon Q DeveloperとGitHub Copilotの比較は、2026年9月時点では機能の優劣より前に前提が動いています。

個人・組織向けの価格と提供継続性を横に並べた3サービスの比較表

項目 Q Developer Kiro GitHub Copilot
新規契約 不可(席追加は可) 可 可
個人向け有償 Pro 19ドル 20〜200ドル 10〜100ドル
組織向け Pro 19ドル 要問い合わせ 19ドル/39ドル
無料枠 新規は利用不可 月50クレジット Copilot Freeあり
従量課金 Java超過のみ 0.04ドル/クレジット プレミアム要求分
サポート期限 2027年4月30日 公表なし 公表なし

個人が自腹で有償プランを選ぶ前提ならCopilot Proの10ドルが最安で、組織で席を配るならCopilot Businessの19ドルとKiro Proの20ドルがほぼ並びます。金額差より効いてくるのは、Kiroがクレジット制で使った分だけ上振れする点です。エージェントに長時間の作業を任せる運用ほど、席課金の予算感からはずれていきます。プランごとの機能差を細かく確認したい場合はGitHub Copilotとは?対応モデル・機能・料金プランを開発者向けに解説を、ターミナル中心の使い方を比べたい場合はGitHub Copilot CLIとは?Autopilot・Planなど動作モードと料金・インストールを解説を併せて確認してください。

新規採用を見送る理由と既存のPro契約を移行期間中に残してよい条件

結論として、これから導入を検討している組織がAmazon Q Developerを選ぶ理由はありません。そもそも新規契約ができず、仮に既存サブスクリプションへの追加で席を確保できたとしても、残り期間は2027年4月30日までです。その間に公式が約束しているのは重要なバグ修正だけでした。最新モデルはKiro側にしか来ないという線引きも、2026年5月29日のOpus 4.6終了で実際に示されています。

逆に、いますぐ剥がさなくてよい条件も明確です。既存のPro契約でVS CodeやJetBrainsを使っている開発チームは、CLIがすでにKiro CLIへ更新されている以上、IDE側の移行を2026年度内の計画に載せれば間に合います。月19ドルの契約を慌てて解約しても、Kiro Proが20ドルなので削減額は1人あたり1ドルにしかならず、移行作業の工数のほうが上回ります。優先度を上げるべきなのはVisual StudioとEclipseを標準にしている現場で、これはプラグインの差し替えではなく開発環境そのものの選定になるためです。コンソールやSlackでAmazon Q Developerを使っている運用チームは、今回のサポート終了では手を動かす必要がありません。

よくある質問

Amazon Q Developerの料金とProプランについて、検索でよく見かける疑問をまとめました。

Amazon Q Developer Proの料金は月額いくらですか?

1ユーザーあたり月額19ドルです(2026年9月22日時点の料金ページ)。この金額にエージェントリクエストの上限拡大、Javaと.NETのアプリケーション変換の上限引き上げ、IAM Identity Centerのサポートと管理ダッシュボード、知的財産の補償が含まれます。追加で発生する費用はJavaアップグレードの超過分だけで、1ユーザーあたり月4,000行(支払いアカウント単位でプール)を超えた行は1行0.003ドルで課金されます。10人契約なら基本料金は月190ドルです。

Amazon Q Developerの無料枠はいまも使えますか?

既存ユーザーは使えますが、新規ユーザーは使えません。IDEプラグインからBuilder IDで無料利用枠アカウントを作る経路は2026年5月15日にブロックされているためです。料金ページにFree Tierの0ドルと月50件のエージェントリクエストが今も載っていますが、そこへ到達する入口が閉じています。これから無料で試すなら、後継のKiro Free(月50クレジット)を使ってください。

既存のPro契約に新しいメンバーを追加できますか?

できます。2026年5月15日の締め切りが適用されるのはQ Developerアカウントとサブスクリプションの新規作成だけで、アクティブなPro Tierサブスクリプションへのシート追加には適用されません。追加した席の料金は既存と同じ月額19ドルです。ただしサポート期限は2027年4月30日で共通なので、いま席を増やすなら残り期間と移行計画を見たうえで判断してください。

Amazon Q DeveloperでOpusモデルは使えますか?

2026年5月29日にPro TierでのOpus 4.6の提供が終了しました。Opus 4.5とその他の既存モデルは引き続き使えますが、最新のコーディングモデルはKiro側でのみ提供されます。Kiroの料金ページによれば、有料プランではAuto、Claude Sonnet 5、Claude Opus 5などのプレミアムモデルを選べます(2026年9月22日時点)。Free Tierで選べるのはClaude Sonnet 4.5とオープンウェイトモデルまでです。

移行の相談はどこにすればよいですか?

AWSは公式ブログで、移行に関する質問は担当のAWSアカウントチームへ問い合わせるよう案内しています。あわせてIDE別の移行ガイドがkiro.devで公開されているため、VS Code・JetBrains・Visual Studio・Eclipseのどれを標準にしているかを整理してから相談すると、移行の相談を進めやすいはずです。IDE標準の切り替え、Kiroの権限設計、クレジット消費を踏まえた予算の組み直しまで含めた移行計画については、AWS環境の構築・運用を支援している当社のインフラ構築サービスでもご相談を承っています。

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