Kiroは、コードを書く前に要件・設計・タスクの3ファイルを作る「仕様駆動開発」を中心に置いた、AWSのAI開発環境です。CursorにもGitHub Copilotにも計画を立てる機能はあります。違いが出るのは、その計画がリポジトリに残るかどうか、課金を何で数えるか、入力したコードが学習に使われる条件の3点です。内容は2026年10月21日に各社の公式ドキュメントと料金ページで確認しました。Cursorは10月12日に料金プランを刷新し、月20ドルのProは既存契約者向けの旧プランになっています。Kiro単体の機能や使い方はKiroとは?AWS製の仕様駆動AI IDEの特徴・料金・使い方を解説【2026年版】で詳しく扱っています。
まとめ:3製品の違いと選び分けの結論
計画を立ててから実装する流れは、3製品のどれにもあります。分かれるのは、その計画が何として残るかです。Kiroは要件・設計・タスクの3ファイルをリポジトリ内の .kiro/specs/ に生成します。通常のFeature Specではフェーズごとに承認し、Quick Specでは承認ゲートを省略します。CursorのPlan Modeも編集できる計画を作りますが、既定の保存先はホームディレクトリです。GitHub Copilotのplan modeも計画をMarkdownに書き出せますが、決まった成果物のセットは作りません。
選び方の結論は次のとおりです。要件・設計・タスクを決まったファイルに分け、段階ごとにレビューしたいならKiroを選びます。今のエディタを替えず、GitHubのIssueとプルリクエストを起点に作業するならGitHub Copilotです。Tab補完を中心に作業し、Grokを含む自社モデルの利用枠を重視するならCursorが候補になります。料金は、個人の標準プランならKiro Proが月20ドル、Copilot Proが月10ドル、Cursorの新プランPremiumが月30ドルです。ただし数え方がそれぞれ違うため、額面だけでは比べられません。
| 比較軸 | Kiro | Cursor | GitHub Copilot |
|---|---|---|---|
| 種別 | 独立IDE・CLI・Web | 独立したエディタ本体 | 既存エディタ連携・CLI |
| 計画工程 | spec(3ファイル・承認) | Plan Mode(任意) | plan mode(任意) |
| 計画の保存先 | リポジトリ内 .kiro/specs/ | 既定はホームディレクトリ | Markdownに書き出し可 |
| 個人の標準プラン | Pro 月20ドル | Premium 月30ドル | Pro 月10ドル |
| 課金の単位 | クレジット(月次) | 週次の利用枠+他社モデル従量 | AIクレジット(月次) |
| フックの定義場所 | .kiro/hooks/*.json | .cursor/hooks.json | .github/hooks/*.json |
提供形態の違い:独立IDE・エディタ連携・CLI・クラウド
Kiro:IDE・CLI・Web・モバイル・Crewの5つの入口
KiroはCode OSSをベースにした独立したIDEで、VS Codeの設定・テーマ・Open VSX互換のプラグインは取り込めますが、Visual Studio Marketplace限定の拡張は持ち込めません。IDEのほかに、ターミナルで動くKiro CLI、ブラウザで使うKiro Web、モバイルアプリ、ローカルで常駐するKiro Crewがあり、入口は5つです。IDEとCLIの一般提供は2025年11月17日、Kiro Webの一般提供は2026年9月に始まりました。ただし、入口ごとに使える機能は違います。spec自体はIDE・CLI・Webで使えますが、要件の矛盾を検査するAnalyze RequirementsはIDEとCLIだけ、プロパティベーステストで実装の正しさを確かめるCorrectnessはIDEだけです(Kiro Specs)。利用にAWSアカウントは要らず、GitHub・Google・AWS Builder ID・AWS IAM Identity Centerのどれかでログインします。Amazon Q Developer CLIからの乗り換え手順はAmazon Q CLIはKiro CLIへ:q chatからの移行手順と設定・3.0の変更点【2026年10月】にまとめています。
Cursor:エディタ本体とクラウドエージェント
Cursorも独立したエディタです。エディタ内でAgentとPlan Modeが使えるほか、クラウドで動くエージェントや、プルリクエストをレビューするBugbotがあります。設計の重心は、補完(Tab)の速さと編集の細かい往復に置かれています。2026年10月の料金改定で、CursorはxAIのGrok・XとまとめたThe X Subscriptionの一部になりました。クラウドエージェントとBugbotが使えるのは、新プランではPremium以上です。同じVS Code系の派生エディタであるWindsurfとの比較は、CursorとWindsurf(現Devin Desktop)の違いを比較|料金・エージェント・乗り換え【2026年10月】で扱っています。
GitHub Copilot:既存エディタ別の対応機能
GitHub Copilotは、VS Code・Visual Studio・JetBrains・Eclipse・Xcode・Neovimで使えるほか、Copilot CLIもあります。GitHub側にはクラウドエージェントがあり、Issueを割り当てるとプルリクエストを作って返します。
見落としやすいのは、エディタごとに使える機能が違う点です。公式の機能表(Copilot feature matrix)を見ると、Neovimではコード補完しか使えず、Agent mode・Chat・MCPは非対応です。JetBrainsではAgent modeとMCPが使える一方、Next edit suggestions・カスタム指示・Agent skillsはプレビュー段階です。plan modeもVS Code・JetBrains・Xcode・Eclipseに限られ、Visual Studioでは使えません。チームでエディタがばらばらなら、全員が同じ機能を使える前提で比べないでください。
GitHub上でCopilotと並べて使えるサードパーティのコーディングエージェントは、2026年10月時点の公式ドキュメントではAnthropic ClaudeとOpenAI Codexの2つです。どちらもパブリックプレビューで、Kiroはこの一覧にありません。Kiro WebからGitHubリポジトリに接続してプルリクエストを開くことはできますが、逆にGitHubの画面からKiroを呼び出すことはできません。
開発フローの違い:仕様駆動・計画モード・エージェント実行
Kiroのspec:requirements.md・design.md・tasks.mdと承認ゲート
Kiroのspecは、1つの機能につき3つのファイルを生成します。requirements.md にはユーザーストーリーと受け入れ基準、design.md にはアーキテクチャとシーケンス図、tasks.md には実装タスクが入ります。通常のFeature Specではフェーズごとに人が承認して進み、Quick Specではこの承認ゲートを省略します。この考え方の全体像は仕様駆動開発(SDD)とは?従来手法との違いとSpec Kitで試す手順【2026年10月】で整理しています。
requirements.mdは「WHEN a user submits a form with invalid data/THE SYSTEM SHALL display validation errors next to the relevant fields」のように条件と期待動作を分けるEARS記法で書かれ、そのままテストケースに落とせます。記法の基本型はEARS記法とは?読み方と5つの基本型の書き方を日本語例文で解説【Kiro対応】にまとめました。
機能追加向けのFeature Specには、要件から設計を導くRequirements-Firstと、設計から要件を逆算するDesign-Firstがあります。承認ゲートを挟まずに3フェーズを一気に進めるQuick Specもあります。バグ修正には、現状・期待・変えない挙動を bugfix.md に残すBugfix Specを使います。specを通さないVibeモードもあり、こちらは会話で進めて .kiro/specs/ に成果物を残しません。
CursorのPlan Mode:任意の計画作成とリポジトリ外への既定保存
CursorのPlan Modeは、チャット入力欄でShift+Tabを押すと切り替わります。複雑な作業を示す語を入力したときに、Cursorの側から提案されることもあります。エージェントが質問を返し、コードベースを調べて編集できる計画を出してから実装に入る流れは、Kiroのspecと似ています。決定的に違うのは保存先です。公式ドキュメントには「Plans are saved by default in your home directory」とあり、「Save to workspace」を押してはじめてワークスペースへ移ります(Cursor Plan Mode)。
計画をリポジトリに残すかどうかは利用者の操作しだいで、そのままではチームに共有されません。計画を残したいチームは、Save to workspaceを運用ルールにしておく必要があります。
GitHub Copilotのplan modeとSpec Kit
GitHub Copilotのplan modeは、エージェントのドロップダウンで「Plan」を選ぶと使えます。読み取り専用のツールで調べ、手順と不明点を挙げた計画を返し、承認されるまでコードを変更しません。計画ができたら「Start Implementation」でエージェントに実装させるか、「Open in Editor」でMarkdownに書き出して保存します(Using plan mode in your IDE)。AskやAgentとの切り替え方と承認設定はGitHub Copilotエージェントモードの使い方|Ask・Plan・Agentの違いと承認設定・料金で解説しています。
要件・設計・タスクを決まったファイルに分ける仕様駆動開発は、Copilot本体ではなく、別のオープンソースプロジェクトであるSpec Kitが担っています。コマンドで仕様・計画・タスクを生成し、Copilotなどのエージェントに実装させる形です。詳しくはSpec Kit(GitHub)とは?仕様駆動開発の使い方・インストール・コマンドを徹底解説を参照してください。「Copilotに仕様駆動がない」のではなく、「別のツールに切り出されている」と理解するのが正確です。
specが重すぎる作業:小さなバグ修正の実例
小さな修正に詳細な仕様工程を一律に適用すると、実装より仕様作成とレビューの負担が大きくなることがあります。ThoughtworksのBirgitta Böckelerは、2025年10月にMartin Fowlerのサイトで公開した評価記事で、Kiroに小さなバグ修正を頼んだ結果を報告しています(Understanding Spec-Driven-Development: Kiro, spec-kit, and Tessl)。requirements.mdは4つのユーザーストーリーと合計16の受け入れ基準に膨らみ、本人は「sledgehammer to crack a nut」(ナッツを割るのに大槌を使うようなもの)と書いています。同じ記事では、Kiroは3ファイルなのでSpec Kitより見通しやすいとも評価しています。
実務での線引きは次のとおりです。1ファイルで済む修正や手慣れた作業は、KiroならVibeモード、ほかの2製品ならそのままエージェントに任せます。複数のサービスにまたがる新機能や、設計判断を後から説明する必要がある変更にだけspecを使います。どちらにするか迷ったら、承認ゲートのないQuick Specで3ファイルを作り、requirements.mdの量を見てから判断します。specの採否は、受け入れ基準と変更ファイルの数の比率ではなく、レビュー負担に対して仕様の共有・検証で得られる効果が見合うかで判断してください。
料金体系の違い:月次クレジット・週次の利用枠・AIクレジット
個人プランの価格と含まれる量
3製品とも月額課金ですが、含まれる量の数え方が違います。Kiroは月ごとのクレジット、GitHub Copilotは月ごとのAIクレジットで数えます。Cursorの新プランは、Cursorのモデル(Grok 4.7・Grok 4.6・Grok 4.5・Composer 2.5)向けの利用枠がGrokと共有になり、週ごとにリセットされます。下の表では、ドル表記は月額料金、Kiroの料金に続く数値は月間クレジット数、Copilotの料金に続く数値は月間AIクレジット数です。Cursorの利用枠とCopilot Freeの補完回数は別単位です。
| 区分 | Kiro | Cursor(新プラン) | GitHub Copilot |
|---|---|---|---|
| 無料 | Free 50 | Free(回数制限) | Free(補完月2,000回) |
| 入門 | – | Plus 8ドル(Grokのみ) | Pro 10ドル/1,500 |
| 標準 | Pro 20ドル/1,000 | Premium 30ドル | Pro+ 39ドル/7,000 |
| 上位 | Pro+ 40ドル/2,000 | Super 100ドル | Max 100ドル/20,000 |
| 上位 | Pro Max 100ドル/5,000 | – | – |
| 最上位 | Power 200ドル/10,000 | Ultra 200ドル | – |
| 法人 | Enterprise(要問い合わせ) | Teams 30ドル〜/席 | Business 19ドル/席 |
出典は各社の公式料金ページです(2026年10月21日確認)。Kiro Pricing、Cursor 料金プラン、Plans for GitHub Copilot。Copilotの各プランの詳細と使用量の集計方法はGitHub Copilotの料金(pricing)|AI Credits移行後のプラン比較とBilling APIでの使用量集計【2026年10月】で扱っています。
Cursorの新プランで注意したいのは、Claude・GPTなど他社のモデルが月額に含まれなくなった点です。他社モデルはPremium以上でAPIの定価のまま、前払いのクレジットから引かれます。Plusは、日本語の料金ページでは「Grokのモデルのみ利用可能」と注記されています。旧プランのPro(月20ドル)・Pro+(月60ドル)・Ultra(月200ドル)・Teamsは、既存の契約者ならそのまま続けられます。新プランへの切り替えは任意ですが、一度切り替えると元に戻せません(Legacy Cursor plans)。月20ドルのProと新プランのどちらが得かは、Cursor Proとは|料金月20ドルの旧プランと新Premiumの違い・無料版・できること【2026年10月】で比べています。
Kiroの1クレジットは、プロンプト1回分の仕事量を表します。簡単な指示なら1クレジット未満、specのタスク実行なら1クレジットを超え、消費は0.01クレジット刻みです。どのモデルを選ぶかでも変わり、既定のAutoを1.0倍としてClaude Sonnet 5.5は1.3倍、Claude Opus 5.5は2.0倍、Claude Opus 5は2.2倍、Claude Haiku 4.5は0.4倍です(Kiro Models)。CopilotのAIクレジットは1クレジット0.01ドルの金額単位で、エージェントの実行やコードレビューに使われます。コード補完とNext edit suggestionsは、有料プランでは消費されず無制限です。
枠を超えたときと持ち越しの扱い
枠を使い切った後の扱いで、月々の実際の費用が変わります。Kiroの有料プランは、追加クレジットを1クレジット0.04ドルで買い足せます。プランに含まれる月次クレジットは翌月に繰り越されません。一方、個人契約で購入した追加クレジットは繰り越せ、有効期限は購入から12か月です。ソーシャルログインかAWS Builder IDではじめて有料プランに上げると、20ドル分がサブスクリプションに充当されます。
Cursorの新プランでは、週の枠を使い切ったら、利用枠を追加購入するか次のリセットまで待ちます。週ごとにリセットされるので、1日で使いすぎても1か月分の枠がなくなることはありません。
GitHub Copilotは2026年6月1日に、AIクレジットによる従量課金へ移りました。既存のPro・Pro+の年契約は、契約満了まで従来のリクエスト課金を続けることもできます。法人向けのBusinessとEnterpriseでは、席ごとのクレジットが共有プールにまとめられ、プールを超えた分は1クレジット0.01ドルで請求されます。
単価を並べて「Kiroの追加クレジット0.04ドルはCopilotの4倍高い」と読むのは誤りです。Kiroは仕事量、Copilotは金額を数えています。比べるなら、最安プランで1週間同じ作業をして消費量を記録してください。
なお、日本の請求先住所でKiroを使う場合は消費税がかかります。AWS GovCloud(米国)経由では価格が約20%高く、無料枠もありません。
フックとMCP:エージェントの自動化と統制の違い
フックが動くタイミングと置き場所
3製品とも、エージェントの動作の要所でシェルコマンドを実行する「フック」を持っています。どれもJSONで定義してリポジトリに置ける点は同じですが、反応するタイミングと動く場所が違います。
| 項目 | Kiro | Cursor | GitHub Copilot |
|---|---|---|---|
| 定義ファイル | .kiro/hooks/*.json | .cursor/hooks.json | .github/hooks/*.json |
| ツール実行前の判定 | Pre Tool Use | preToolUse ほか | preToolUse |
| ファイル操作への反応 | 作成・保存・削除 | エージェントの編集後 | ツール実行後 |
| specタスクの前後 | あり | – | – |
| 補完(Tab)向け | – | あり | – |
| 動く場所 | IDE・CLI(Webは実行しない) | エディタ・クラウドエージェント | クラウド・CLI・VS Code(Preview) |
Kiroのフックの特徴は、ファイルの作成・保存・削除と、specのタスク実行の前後に反応できることです。これらのトリガーはIDEとCLIのV3で動きます(Kiro Hook types)。tasks.mdのタスクが終わるたびにテストを流す、といった使い方は、仕様工程を持つKiroでしか書けません。ただしKiro Webはフックの設定を保存するだけで、Webのセッションでは実行しません。
Cursorは、補完(Tab)がファイルを読む前と編集した後にもフックを持っています。3製品の公式のフック一覧で、補完向けのフックがあるのはCursorだけです。エージェントの操作と補完に、別々のポリシーをかけられます。リポジトリの .cursor/hooks.json はクラウドエージェントでも実行されますが、ホームディレクトリの ~/.cursor/hooks.json は実行されません(Cursor Hooks)。
GitHub Copilotのフックは、クラウドエージェントとCopilot CLIに加え、VS CodeでもPreviewとして利用できます。イベント名や設定形式は実行環境ごとに確認してください。preToolUse でツールの実行を許可・拒否できるので、危険なコマンドを止めたり、監査ログを取ったりするのに向きます(About hooks for GitHub Copilot)。
MCPと権限の設定場所
外部ツールをつなぐMCPには、3製品とも対応しています。比較サイトにはKiroのMCP対応を「×」とするものがありますが、誤りです。設定ファイルは、Kiroがワークスペースの .kiro/settings/mcp.json とユーザーの ~/.kiro/settings/mcp.json、Cursorが .cursor/mcp.json と ~/.cursor/mcp.json です。CopilotはNeovim以外のIDEでMCPを使えます。Copilot BusinessとEnterpriseでは、組織の「MCP servers in Copilot」ポリシーを有効にする必要があります。
エージェントに何を許すかの設計も違います。Kiroの権限設定はYAMLで、fs_read・fs_write・shell・web_fetch・mcp といった能力ごとにdeny・ask・allowを指定します。denyが常に優先されるので、git * だけを確認なしで許し、rm -rf * や *.env への書き込みは必ず拒否する、という設定が書けます。CursorとCopilotでも、フックの preToolUse で許可・拒否を返せば、ツール単位の制御を組めます。Kiroは2026年10月13日のIDE 1.3.0で、エージェントが実行するシェルコマンドをサンドボックスに閉じ込める機能も加えました。外向きの通信は、遮断・一般的な開発用ホストに限定・開放の3段階から選べます(Kiro IDE 1.3 changelog)。
対応モデルと入力データの扱い
選べるモデルの範囲
Kiroの既定は、複数のモデルを使い分けるAutoです。モデルを個別に指定することもでき、OpenAIのGPT-5.6(Sol・Terra・Luna)、AnthropicのClaude(Opus 5.5・Sonnet 5.5・Opus 5・Sonnet 5・Sonnet 4.6・Haiku 4.5など)、Kimi K3、それにDeepSeek 3.2・MiniMax M2.5・GLM-5・Qwen3 Coder Nextといったオープンウェイトのモデルが選べます。無料枠で使えるのはAuto・Claude Sonnet 4.5とオープンウェイトのモデルで、レート制限があります。なお、Claude Sonnet 4は2026年10月14日にKiroでの提供を終えました。
Cursorの新プランで月額に含まれるのはGrokとComposerだけです。Copilotは、Proで一部のモデル、Pro+以上でプレミアムモデルを選べます。利用枠の大きさから生成品質の優劣は読み取れないので、品質は同じ課題を解かせて比べてください。
コードが学習に使われる条件
企業で導入するときに、最初に確認すべきなのがここです。Kiroでは、AWS IAM Identity Centerなどを通じて組織で使うKiro enterpriseユーザーのコンテンツは、サービス改善に使われません。一方、無料枠の利用者と、ソーシャルログインやAWS Builder IDで契約した個人契約者のコンテンツは、オプトアウトしない限りサービス改善に使われることがあります(Kiro Data protection)。有料のProでも、ログイン方法によって扱いが変わる点は見落とされがちです。
CursorにはPrivacy Modeがあり、有効にするとデータはCursorの学習に使われず、原則として提供者側でも保存・学習されません。ただし、不正利用検知による調査目的の保持や、非ZDRモデルの例外があるため、選択モデルの保持条件も確認してください。Teamsプランにはチーム全体のプライバシー設定があります。個人で使う場合は、自分で設定を確認してください(Cursor Data Use)。GitHub Copilotは、Business・Enterpriseのデータを学習に使いませんが、個人プランの対話データは設定によってGitHubの学習に使われる場合があります。個人利用者はオプトアウトできます。モデル提供者側の学習利用は別の契約で制限され、提供者ごとの扱いを公式ドキュメントに載せています(Copilot model hosting)。
導入審査では、Kiroの契約区分とオプトアウト、CursorのPrivacy Mode、Copilotの契約区分と個人設定を確認し、モデル提供者側の保持条件も別に確認してください。有料のKiro契約には、AWSサービス条件に基づく第三者の知的財産権侵害請求への補償がありますが、利用者が選択したKimi K3やExperimental等の指定モデルによる出力などは対象外です。また、Kiroのサブスクリプションは、純正インターフェースに加え、ACP対応IDEやCI/CDなどのソフトウェア開発自動化でも利用できます。ただし、OpenClawのように純正インターフェース外へリクエストを流す第三者の自動化ハーネスによる利用は認められていません。社内でAIコーディングツールの導入方針やガイドラインを決める段階なら、生成AI導入支援でツール選定から運用ルールの整備まで相談を受けています。
選び分けの判断基準とKiroを避けるべき場面
仕様を資産として残したい開発では、Kiroが有利です。受託開発で設計書の納品が求められる、監査で判断の経緯を説明する必要がある、複数人で同じ機能を触る、といった条件がそろうほど、requirements.mdとdesign.mdがリポジトリに残る価値は大きくなります。
逆に、次の3つのどれかに当てはまるならKiroは見送ってかまいません。1つ目は、Visual Studio Marketplace限定の拡張に業務が依存している場合です。KiroはOpen VSX互換のプラグインしか取り込めないので、移行初日に作業が止まります。2つ目は、要件を書く時間をどうしても取れないチームです。Vibeモードだけで使うなら、仕様駆動を選定理由にはできません。モデル、フック、料金など、仕様工程以外の条件で比較してください。3つ目は、月次枠では必要な作業を処理できず、追加費用も認められない場合です。月次クレジットは繰り越されず、使い切れば1クレジット0.04ドルで買い足すので、月末の追加購入が当たり前になるなら定額では運用できません。
GitHub Copilotを選ぶかどうかは、作業の起点がGitHubのIssueとプルリクエストにあるかで決まります。そこが起点なら、エディタを替えずにクラウドエージェントへ作業を渡せる利点がほかの差を上回ります。
Cursorは、Tab補完を中心に作業し、GrokやComposerを週次の共有枠で使いたい場合に候補になります。ただしClaudeやGPTを主に使う人にとって、新プランは他社モデルの費用が月額の外に出る分だけ高くなります。旧プランのProを契約中なら、新プランへの切り替えは元に戻せないので急がないでください。
Claude Codeを候補に入れる場合、こちらはIDEではなくターミナル中心のエージェントで、個人契約はProが月20ドル、Maxが月100ドルからです。計画だけを返すPlan modeはありますが、計画を3ファイルに残して承認ゲートで区切る仕組みはありません。
仕様ファイルの持ち運びと併用ワークフロー
リポジトリに残る設定ファイルの早見表
Kiroのspecで設計を固め、実装の細かい往復は別のエディタで回す分担もできます。そのとき決めるべきなのは、どのファイルをコミットしてチームの前提をそろえるかです。各社の公式ドキュメントで確認した置き場所は次のとおりです。
| 役割 | Kiro | Cursor | GitHub Copilot |
|---|---|---|---|
| 仕様・計画 | .kiro/specs/ | Save to workspace時のみ | 書き出したMarkdown |
| 常時の指示 | .kiro/steering/・AGENTS.md | .cursor/rules/・AGENTS.md | .github/copilot-instructions.md・AGENTS.md |
| フック | .kiro/hooks/ | .cursor/hooks.json | .github/hooks/ |
| MCP | .kiro/settings/mcp.json | .cursor/mcp.json | エディタごとの設定 |
3製品の対応するエージェントでは、共通のコーディング規約をAGENTS.mdにまとめられます。ただしCopilotは機能・利用環境ごとに対応が異なるため、チームの環境で読み込まれることを確認してください。製品固有の指示だけを、.kiro/steering/ や .cursor/rules/ に分けて置きます。Kiroの仕様ファイルはただのMarkdownなので、CursorやCopilotからも普通のファイルとして読めます。tasks.mdをタスクリストとして別のエージェントに渡す運用は、追加のツールなしで成り立ちます。
Kiroから他製品へ移せないフェーズ管理と権限設定
持ち運べるのはファイルの中身だけで、進捗の追跡や承認ゲートは他製品に引き継がれません。Cursorで実装する場合は、tasks.mdの更新もエージェントへの指示に含めるか、人が更新し、実装状況との一致を確認してください。Kiroの権限設定は ~/.kiro/workspace-roots/ の下にユーザーごとに保存され、リポジトリの中には入りません。クローンしたリポジトリが権限ルールを持ち込めない安全側の設計ですが、チームで同じ権限ルールを配るには別の手段が必要です。
Kiro以外にも、Spec Kit、cc-sdd、OpenSpecなど仕様駆動を担うツールはいくつもあり、どれを軸にするかで併用の組み方が変わります。ツールごとの違いは仕様駆動開発ツール比較|Spec Kit・Kiro・cc-sdd・OpenSpecの違いと選び方【2026年10月】で比べています。
よくある質問
KiroとGitHub Copilotは併用できますか?
できます。別々の契約なので、Kiroで仕様を作り、GitHub上ではCopilotのクラウドエージェントに実装を任せる、といった分担が可能です。ただし2026年10月時点で、GitHubがサードパーティのコーディングエージェントとして対応しているのはAnthropic ClaudeとOpenAI Codexだけです。GitHubの画面からKiroを直接呼び出すことはできないので、連携はKiro WebからGitHubリポジトリに接続する方向になります。
KiroはVS Codeの拡張機能ですか?
いいえ。Code OSSをベースにした独立したIDEで、エディタそのものを置き換えます。エディタを替えたくない場合は、Kiro CLIをターミナルから使う方法があります。
Kiroはオープンソースですか?
Kiro本体はオープンソースではありません。基盤にCode OSSを使っているだけで、IDE・CLI・Webは有料プランもある商用サービスです。例外はKiro Crewで、オープンソースの開発ワークスペースとしてGitHubで公開されています。
CursorのPro(月20ドル)はまだ契約できますか?
新規には契約できません。2026年10月12日以降、新しく申し込む人はFree・Plus・Premium・Super・Ultraの新プランから選びます。すでにProを契約している人はそのまま使い続けられ、旧プランの中での変更もできます。新プランに移ると、Cursorモデルの利用量は旧プランの少なくとも2倍になりますが、他社モデルは月額に含まれなくなり、移った後は元に戻せません。
Amazon Q DeveloperとKiroはどう違いますか?
Amazon Q DeveloperのIDEプラグインと有料サブスクリプションは、Kiroへの移行対象です。新規の無料アカウント作成と新規サブスクリプションの受付は2026年5月15日に止まり、IDEプラグインと有料サブスクリプションは2027年4月30日にサポートが終わります。AWS Management Consoleなどで提供されるAmazon Q Developerは、この終了措置の対象外です。Amazon Q Developer CLIはKiro CLIに名前が変わりました。日程と料金の詳細はAmazon Q Developerの料金|Free・Pro Tierの上限とKiro移行後の費用で扱っています。