ドメインレーティング(Domain Rating、DR)は、Ahrefsがサイトの被リンクプロファイルの強さを0〜100で数値化した独自指標です。日本語の記事では「ドメインレート」「ドメインスコア」「ドメインパワー」と呼び分けられることがありますが、いずれも指しているのは各SEOツールが独自に計算したスコアで、Googleが公開している値ではありません。ここでは算出の仕組み、他ツールの指標との違い、無料での調べ方、そして数値が下がったときの読み方までを、AhrefsとMozの公式ドキュメントの記述に沿って整理します。
まとめ:ドメインレーティングの要点
DRはAhrefsの独自指標で、被リンクプロファイルの強さだけを0〜100の対数スケールで表します。対数なので、DR20から21へ上げるのとDR75から76へ上げるのでは必要な労力がまったく違います。算出に効くのは「参照ドメインの数」「参照元自身のDR」「参照元が何サイトに発リンクしているか」の3点で、nofollowリンクはDRを渡しません。
そしてAhrefs自身が、検索エンジンがDRをランキング要因として使っている証拠は無いと明言しています。DRは順位の原因ではなく、被リンク獲得の進捗を測る物差しと、リンク獲得先を選ぶときの足切り基準として使うのが正しい位置づけです。「DR50以上なら優良」といった絶対的な合格ラインは公式には存在せず、比べるべき相手は自社が実際に競合しているサイトです。以降で、算出ロジック・他指標との違い・調べ方・下落時の原因を順に見ていきます。
DRの定義と0〜100という対数スケール
Ahrefsの用語集では、DRは「a proprietary SEO metric by Ahrefs」であり「the strength of the website’s backlink profile on a logarithmic scale from 0 to 100, with the latter being the strongest」と定義されています。評価対象は被リンクプロファイルだけで、コンテンツの質・サイトの運営歴・表示速度・SNSの反応といった要素は入りません。この点は、日本語の解説記事が「ドメインパワー」に運営歴やコンテンツ品質を含めて説明することが多いのと食い違うため、DRを読むときの前提として押さえておく必要があります。
また、DRはサイト全体に対して1つ付く値です。Ahrefsは「Unlike URL Rating (UR), Domain Rating is a site-wide metric (applies to the whole domain).」と書いており、ページ単位の強さを見たい場合はDRではなくURを参照します。ページ単位の評価という考え方についてはページオーソリティを高めるための効果的なSEO施策とはで扱っています。
対数スケールが実務にもたらす違い
対数スケールの意味について、Ahrefsは「the gap between DR 75 and DR 76 is much bigger than between DR 20 and DR 21. In other words, the higher the DR, the more difficult it is to increase it.」と説明しています。つまりDRの1ポイントは、どの位置にいるかで価値がまったく異なります。
この性質から実務上の判断が1つ導けます。DR20台のサイトが「今期はDRを5上げる」と目標を置くのは現実的ですが、DR70台のサイトが同じ目標を置くと、達成に必要な被リンク量は比較にならないほど増えます。Ahrefsは「The exact formula of Domain Rating is not disclosed」として倍率も対数の底も公開していないため、増分そのものを予算化することはできません。DRを社内のKPIに据えるなら、絶対値の増分ではなく、参照ドメイン数の純増のような線形に近い指標を併記してください。
ドメインレート・ドメインスコア・ドメインパワーとの関係
「ドメインレート」はDomain Ratingを略した言い方で、指しているものはドメインレーティングと同じです。一方「ドメインスコア」「ドメインパワー」は特定ツールの正式名称ではなく、各社の独自スコアをまとめて呼ぶ通称として日本語圏で定着した言葉です。そのため「ドメインパワーはいくつあればいい」という質問は、どのツールのどの指標かを決めないと答えが出ません。実際、MozはDomain Authority、SemrushはAuthority Score、アクセスSEO対策ツールズはパワーランクという別々の名前と別々の計算式を使っています。
DRの算出に効く3つの要因
Ahrefsは計算式そのものを公開していませんが、DRに影響する要因は用語集で明示しています。挙げられているのは「The number of domains linking to a website (referring domains).」「The DR of these referring domains.」「The number of websites the referring domain links to.」の3点です。加えて「Nofollow links don’t pass DR.」とあり、nofollow属性の付いたリンクはDRの計算に寄与しません。
3つ目の「発リンク先の数」は、Ahrefsが用語集で明記しているにもかかわらず日本語の解説では省かれやすい要因です。Ahrefsのヘルプは「The source domain splits its rating equally amongst the domains it links to」と述べ、具体例として「a DR-10 domain which links to three other domains can influence your DR more than a DR-80 domain which links to a million other domains」を挙げています。リンク元のDRだけを見て被リンクの価値を判断すると、この分母を取り違えます。ディレクトリ型サイトや大量のリンクを並べたページからの被リンクが、DRの数字ほどには効かないのはこのためです。
どのような被リンクを取りにいくかという設計はSEO外部対策・被リンクとは?質の高いリンクの獲得方法とNG施策を解説で詳しく扱っています。
DR・DA・Authority Score・パワーランクの違い
各ツールの指標は、名前が似ていても計算の材料が違います。数値をそのまま比較しても意味がない点を最初に押さえてください。
| 指標 | 提供元 | 範囲 | 主な算出材料 |
|---|---|---|---|
| Domain Rating(DR) | Ahrefs | 0〜100(対数) | 被リンクのみ |
| Domain Authority(DA) | Moz | 1〜100 | 被リンク+機械学習 |
| Authority Score | Semrush | 1〜100 | 被リンク+自然検索流入+スパム指標 |
| パワーランク | アクセスSEO対策ツールズ | 100点満点 | 非公開(独自指標) |
差が大きいのはSemrushです。Authority Scoreは「Link Power」「Organic Traffic」「Natural Profile」の3系統、合計8つの加重要因で構成され、うち6つがスパム指標に割り当てられています。具体的には「No organic rankings on SERPs」「Unnaturally high % of dofollow domains」(参照ドメインの90%超がdofollow)「An imbalance between links and organic traffic」「Too many referring domains with the same IP address」などです。被リンクだけを積んで検索流入が伴わないサイトは、被リンク単独指標のDRでは高く出てもAuthority Scoreでは低く出ます。
MozのDAは「The score ranges from 1 to 100」で、被リンクデータを主軸に機械学習で算出されます。DAの読み方と調べ方はMozのDA(ドメインオーソリティ)の調べ方と数値の読み方にまとめています。用語としての「オーソリティ」全体の整理はSEOのオーソリティ(権威性)とは?種類・高め方・測定指標をまとめて整理を参照してください。
DRの目安を「絶対値」で決めてはいけない理由
「DR30で平均、50以上で優良」といった絶対目安は使うべきではありません。Mozは自社のDAについて「There’s no universal "good" or "average" Domain Authority score because it’s a relative metric.」と明記し、比較すべきは検索結果で競合しているサイトだと述べています。DRも同じ性格の指標です。
絶対目安を避ける理由は2つあります。1つは、DRが業界の被リンク文化に強く依存すること。報道機関や大学からの引用が集まりやすいテーマと、BtoBのニッチな業務システムのようにそもそも外部リンクが発生しにくいテーマとでは、同じDR30の意味が違います。もう1つは、他社のリンク獲得によって自社が動かなくてもDRが下がる仕様があるためで、絶対値を目標に置くと目標そのものが勝手にずれます(この仕様は後述します)。
実務では、自社が上位を狙うキーワードで実際に1〜10位に入っている数サイトのDRを並べ、その分布の中で自社がどこにいるかだけを見てください。目安を読むときの手順はこれ以外にありません。
DRの調べ方(無料でどこまで見えるか)
Ahrefsの無料ツールで見える範囲
ドメインを入力するだけでDRを確認できるのが、Ahrefsが公開しているWebsite Authority Checkerです。アカウント登録なしで使えますが、返るのはスコア中心で、どの参照ドメインがDRを支えているかまでは分かりません。
自社サイトであれば、もう一段踏み込めます。Ahrefs Webmaster Tools(現在はAhrefs Freeという名称)は「gives you free access to 3 Ahrefs tools」として、Web Analytics・Site Audit・Site Explorerを所有権確認済みのサイトに無料開放しています。参照ドメインの内訳も無料で確認できますが、表示件数は「Top 1,000」に制限され、有料プランの「All known links」とは範囲が違います。競合サイトの参照ドメインや増減履歴を追うには有料プランのSite Explorerが必要です。
パワーランクチェックツールの利用上限とキャッシュ
日本語圏では、アクセスSEO対策ツールズのパワーランクチェックツールもよく使われます。公式ページでは「ドメインパワーを表す独自指標パワーランク(100点満点)」と説明されており、利用回数はゲストユーザーが1日3回、無料のAJIDに登録すると1日10回です。注意点として、取得したデータは1週間キャッシュされると公式に明記されているため、施策直後に再測定しても同じ値が返ります。日次で変動を追う用途には向きません。
なお、複数のツールで数値が食い違うのは異常ではありません。各社が独自にクロールしたリンクデータベースと独自の計算式を使っている以上、値がそろうほうが不自然です。1つのツールを決めて、同じツールの時系列だけを判断材料にします。
DRを上げる施策と、上がらない施策
DRの算出要因が被リンクだけである以上、上げる手段も被リンクに限られます。効くのは、dofollowで自社にリンクしている参照ドメイン(Ahrefsの言う「The number of domains linking to a website」)の数を増やすこと、そのうちDRが高く発リンク先が絞られているサイトからのリンクを増やすことの2点です。
DRを動かさない施策の切り分け
逆に、DRを上げない施策をはっきりさせておきます。記事数を増やす、内部リンクを整える、表示速度を改善する、SNSでの言及を増やす。これらはいずれも直接にはDRを動かしません。DRの計算対象が外部からの被リンクだけだからです。記事の量産や内部リンク整備には別の価値がありますが、DRの改善策として社内に説明すると成果報告が食い違います。また、Ahrefsが「Nofollow links don’t pass DR.」と明記しているとおり、nofollowが付く形式のリンク獲得もDRの観点では効果がありません。
被リンク以外の外部評価も含めた全体像はオフページSEOとは?被リンク・サイテーションで外部評価を高める方法【2026年版】で整理しています。
リンクを失っていないのにDRが下がる4つの理由
Ahrefsはヘルプセンターに「被リンクを失っていないのにDRが下がった」ケースだけを扱う独立記事を用意しており、原因を4つ挙げています。
- 他社が自社より多くリンクを獲得した
- 質の高いdofollowリンクを失った
- 参照元のdofollowリンクがnofollowに変わった
- 参照元ドメイン自身のDRが下がった
1つ目の仕組みは公式の説明が明快です。Ahrefsは「when a DR-100 website gets more backlinks, we can’t make it DR-101. So instead we push all the other websites down by 1」と書いています。上限が100で固定されている以上、上位のサイトがリンクを増やせば、その分だけ他のサイトが相対的に押し下げられます。自社が何もしていなくてもDRは下がるということです。DRを単独のKPIにすると、この構造的な下落を施策の失敗と誤読します。
3つ目も定期点検の対象です。Ahrefsは「DR ignores any backlinks or referring domains with the Nofollow attribute」と述べており、リンク元がリニューアルやプラグイン変更でrel属性を付け替えただけでDRは落ちます。下落を見つけたら、まず参照ドメインのレポートで「その時期に失ったdofollowドメイン」を特定してから、原因を判断してください。
DRを追いすぎないための判断基準
Ahrefsは自社の指標について、ヘルプセンターで次のように書いています。「There’s no evidence that search engines use Domain Rating (or similar scores such as Domain Authority, the power of domain, etc) as a ranking factor at all.」。加えて、GoogleのJohn Mueller氏が「don’t have anything like a website authority score」と述べたことにも触れています。指標を提供している当事者が、その指標はランキング要因ではないと明言しているわけです。Mozも同様に「Domain Authority is not a Google ranking factor and has no effect on the SERPs」と書いています。
ただしAhrefsは間接的な経路には言及しています。被リンクを多く集めたサイトはリンクの評価をサイト内に蓄えており、内部リンクを通じて個々のページへ流せるため、外部被リンクがまったく無いページでも自ドメイン内からのリンクだけで上位に来ることがある、という説明です。DRが高いサイトのページが強いのは、DRという数値が効いているからではなく、その数値の背景にある実際の被リンクが効いているからだと読むのが正確です。
したがって運用上の判断基準はこうなります。DRは順位改善の目標値ではなく、被リンク獲得活動が進んでいるかを月次で確認するための代理指標として扱い、順位そのものはキーワード単位で別に計測してください。そして被リンク獲得先を選ぶとき、相手サイトのDRは足切りには使えますが、そのサイトの発リンク先の数とテーマの近さを併せて見ない限り、判断材料としては足りません。
よくある質問
ドメインパワーの数値とドメインレーティングの数値は比べられますか?
比べられません。「ドメインパワー」は通称で、実際に表示されているのはツールごとの別指標です。たとえばパワーランクチェックツールのパワーランクは100点満点の独自指標で計算式は非公開、AhrefsのDRは被リンクだけを0〜100の対数スケールで表したものです。同じ「50」でも意味が違うため、比較するなら同じツールの数値どうしで行ってください。
ドメインレーティングの目安はいくつですか?
公式に定められた合格ラインはありません。Mozは同種の指標について「There’s no universal "good" or "average" Domain Authority score」と述べており、DRも相対的な指標です。狙っているキーワードで上位表示されている競合サイトのDRを並べ、その分布と比べて判断してください。
ドメインスコアやドメインレートはドメインレーティングと別物ですか?
「ドメインレート」はDomain Ratingの略称なので同じものです。「ドメインスコア」は特定ツールの正式名称ではなく、DRやDA、パワーランクなどをまとめて指す通称として使われます。検索でこの語を見かけたときは、記事がどのツールの数値を扱っているかを先に確認してください。
ドメインレーティングは無料で調べられますか?
調べられます。Ahrefsの無料ツールWebsite Authority Checkerにドメインを入力すればDRが表示されます。自社サイトなら、所有権を確認したうえでAhrefs Webmaster Toolsを使えばSite Explorerも無料で開き、参照ドメインの内訳まで確認できます(表示はTop 1,000件まで)。競合サイトの内訳や増減履歴を追う場合は有料プランが必要です。日本語のツールではパワーランクチェックツールがあり、ゲストは1日3回、AJID登録で1日10回まで利用できます。
ドメイン名の長さやハイフン、TLDはDRに影響しますか?
影響しません。DRの算出要因は参照ドメインの数、参照元のDR、参照元の発リンク先の数だけで、ドメイン名の文字列やトップレベルドメインの種類は計算に入っていません。中古ドメインのDRが高く出ることがあるのは、名前ではなく過去に獲得した被リンクが残っているためです。