リンクプロファイルとは、あるサイト(またはページ)が他サイトから受けている被リンク全体の構成のことです。何本あるかだけでなく、どのドメインから、どのページへ、どんなアンカーテキストで張られているかという分布をまとめて指します。Google自身もSearch Consoleのヘルプで、リンクレポートを「サイトの全体的なリンク プロファイルを把握するのに役立つ」サンプルだと説明しています。この記事では、リンクプロファイルを構成する要素と見る順番、Search Consoleでの点検手順とデータの制約、Googleのスパムポリシーに照らした不自然さの判断、否認ツールを使うべき条件を、Google公式文書の記述に沿って整理します。
まとめ:リンクプロファイルの見方と対処の要点
- リンクプロファイルは被リンクの「集合の形」です。本数だけでなく、参照ドメインの数と種類、リンク先ページの偏り、アンカーテキストの分布から確認対象を絞り、リンクの設置目的や経緯を調べます。
- 点検の出発点はSearch Consoleのリンクレポートです。ただし表示はサンプルで、表は1,000行まで、nofollowかどうかは表示されません。網羅的に見たいときは外部ツールで補います。
- 不自然かどうかは、ツール独自のスコアではなく、Googleのスパムポリシーにある「リンクスパム」の例と照らして判断します。アンカーテキストの比率などについて、Googleは数値の基準を示していません。
- 否認ツールが必要なのは、スパム的・人為的・低品質なリンクが多数あり、それが手動による対策の原因になっている、または今後なりうる場合だけです。ほとんどのサイトは使う必要がないとGoogleは説明しています。
- 改善の方向は「悪いリンクを消す」より「参照される理由のあるページを増やす」です。リンクの獲得方法はSEO外部対策・被リンクの解説で扱っています。
リンクプロファイルの定義と、似た言葉との違い
リンクプロファイルが指す範囲:被リンクの集合と分布
リンクプロファイルは、被リンク1本ずつの良し悪しではなく、被リンクの集合がどういう構成になっているかを表す言葉です。たとえば「被リンクが500本ある」という情報だけでは、500本が1つのサイトのフッターから来ているのか、200の異なるサイトの記事本文から来ているのかが分かりません。リンクプロファイルを見るとは、この内訳を確認することです。
対象はサイト全体のこともあれば、特定のページのこともあります。サイト全体で見ればリンク元の顔ぶれや分布が、ページ単位で見ればどのページが外部から参照されているかが分かります。Search Consoleのリンクレポートも、サイト全体の集計と、ページを選んだ詳細の両方を表示します。
「プロファイルリンク(プロフィールリンク)」は別の意味
語順を入れ替えた「プロファイルリンク」「プロフィールリンク」は、SNSやフォーラム、Q&Aサイトなどのプロフィール欄に自サイトのURLを載せるリンクを指すことが多く、リンクプロファイルとは別の概念です。プロフィール欄にURLを載せること自体は通常の行為ですが、検索順位を上げる目的でアカウントを大量に作ってリンクを置く手法は、Googleのスパムポリシーが挙げる「自動化されたプログラムやサービスを使用して自分のサイトへのリンクを作成する」「フォーラムでのコメントにおいて、投稿や署名の中に含まれる作為的なリンク」と同じ類型に入ります。リンクプロファイルを点検すると、こうしたプロフィール欄由来のリンクが偏って含まれていないかも見えてきます。
リンクプロファイルを構成する6つの要素と見る順番
リンクプロファイルを点検するときは、次の表の上から順に見ると、偏りの原因を絞り込みやすくなります。
| 要素 | 見る数字・内容 | 偏りのサイン |
|---|---|---|
| 参照ドメイン | リンク元のドメイン数 | 本数は多いがドメインは数件 |
| リンク元の種類 | 記事本文・ディレクトリ・フッター等 | ディレクトリやテンプレートが大半 |
| リンク先ページ | 被リンクが集まるページ | トップページや商品ページだけ |
| アンカーテキスト | リンク元テキストの分布 | 同じ商用キーワードが並ぶ |
| rel属性 | nofollow・sponsored・ugc | 広告・PR記事に属性が無い |
| 獲得の時系列 | 新規・消失リンクの推移 | 話題が無い時期に急増 |
参照ドメインとリンク元の種類
最初に見るのは本数ではなく参照ドメイン数です。1つのサイトがサイドバーやフッターに自サイトへのリンクを置くと、そのサイトの全ページから1本ずつリンクが張られるため、本数は数千本でも参照ドメインは1件ということが起きます。続けて、リンク元がどんな場所にあるかを確認します。記事本文の中で文脈に沿って紹介されているリンクと、質の低いディレクトリやブックマークサイト、広く配布されるテンプレートに埋め込まれたリンクとでは意味が違います。後者は、Googleがリンクスパムの例として名前を挙げている形態です。
リンク先ページとアンカーテキスト
リンクが集まっているページを見ると、外部からなぜ参照されているかが分かります。調査データや用語解説、無料ツールのページに自然にリンクが集まるのは典型的な形です。一方、売上に直結する商品ページだけに、同じ商用キーワードのアンカーテキストでリンクが並んでいる場合は、作為的に張られたリンクを疑う材料になります。Googleのリンクに関するベストプラクティスは、良いアンカーテキストを「内容が具体的で、適度に簡潔」なものとし、リンク先に関連したキーワードを詰め込むことを避けるよう求めています。なお、アンカーテキストの比率や被リンク数について、Googleは「何%を超えたら不自然」といった数値の基準を公式文書で示していません。ツールや解説記事に出てくる比率の目安は、あくまで経験則です。
rel属性と獲得の時系列
広告やスポンサー契約によるリンクは、rel="nofollow" か rel="sponsored" を付けていればGoogleのポリシー違反にはなりません。PR記事や記事広告からのリンクに属性が付いていないものが並んでいれば、リンク元に修正を依頼する対象になります。属性の使い分けはnofollowとnoindex・noopenerの違いの解説を参照してください。最後に時系列を見ます。話題になる出来事が無いのに短期間でリンクが急増している、あるいは身に覚えのないドメインから一斉にリンクが来ている場合は、内訳を個別に確認します。
Search Consoleのリンクレポートでの点検手順とデータの制約
外部リンクの3つの表を見る順番
Search Consoleの[リンク]レポートでは、外部リンクについて次の3つの表が見られます。
- 上位のリンク元サイト:自サイトへのリンク数が多いサイトの一覧です。参照ドメインの顔ぶれと、特定のサイトにリンクが集中していないかをここで確認します。
- 上位のリンクされているページ:自サイト内で外部からのリンクが多いページの一覧です。ページを選ぶと、そのページにリンクしている上位のサイトが表示されます。
- 上位のリンク元テキスト:自サイトへのリンクで多く使われているアンカーテキストの一覧です。画像リンクなどテキストの無いリンクは「(なし)」と表示されます。
同じレポートには内部リンクの表もあり、サイト内でリンクの多いページを確認できます。外部から評価されているページに内部リンクが届いているかを見るときに使います。
リンクレポートに出ないもの・数字が合わない理由
リンクレポートの数字が外部ツールと合わないのは珍しくありません。Googleのリンクレポートのヘルプに書かれている仕様は次のとおりです。
- 表示されるのは内部リンクと外部リンクのサンプルで、サイト上のすべてのリンクを網羅したものではありません。
- 表の行数は1,000行が上限です。リンクの多いサイトでは表が途中で切れます。
- リンク元の「サイト」はルートドメイン単位にまとめられます。
m.example.comとhttps://example.comは同じ扱いです。 - Googleがこれまでに検出したリンクが含まれるため、すでに削除されたリンクが残っていることがあります。
- リンクに nofollow が付いているかどうかは表示されません。
エクスポートでは、検出日順に並んだ「最新のリンク」と、Googleが認識しているリンク全体から抜き出した「その他のサンプルリンク」を、それぞれ最大100,000行まで取得できます。否認を検討する場合も、このエクスポートが出発点になります。Search Console全体の使い方はサーチコンソールの機能と設定手順の解説にまとめています。
外部ツールで補う項目と、ツール独自スコアの扱い
Search Consoleでは足りない部分を、Ahrefs、Semrush、Mozなどの被リンク分析ツールで補います。補う価値があるのは次の3点です。
- nofollowなどの属性:リンクレポートに出ない rel 属性を、リンクごとに確認できます。
- 新規・消失リンクの時系列:いつ、どのドメインからのリンクが増えたか、消えたかを日付で追えます。
- 競合サイトのデータ:Search Consoleで閲覧できるのは、所有者またはユーザーとして権限を持つプロパティです。閲覧権限のない競合サイトの被リンクを一覧で調べるには、外部の被リンク分析ツールを使います。
注意したいのは、ツールが出す独自スコアです。AhrefsのDR(ドメインレーティング)やMozのDA、スパムスコアなどは、各社が自社のクロールデータから計算した指標で、Googleが使っている値ではありません(DRの算出方法と読み方はドメインレーティング(DR)の解説で扱っています)。GoogleのJohn Mueller氏は2022年11月のSEO Office Hoursで、スパムスコアが順位に影響するかという質問に「Google does not use third party SEO tools to determine scores for individual pages」と答え、ツールがスパムスコアを付けてもGoogleはそれを使わないと説明しました。
判定の基準も各社で別々です。MozのSpam Scoreは、調査対象と似た特徴を持つサイトのうち、Googleからペナルティや検索結果からの除外を受けたとMozが確認したサイトの割合を1〜100%で示す指標で、特徴は機械学習で特定した27項目です(MozのSpam Score解説)。SemrushのBacklink Auditは、有害(toxic)と判定した被リンクが10%を超えると総合のToxicity ScoreをHigh、3〜9%でMediumとします。どちらもツール側の定義で、Googleの評価の閾値ではありません。ツールの判定は確認の候補を絞るために使い、否認するかどうかは次の章の基準で決めます。ツールの選び方はAhrefsとSemrushの比較を参考にしてください。
不自然なリンクプロファイルの判断基準:スパムポリシーとの照合
Googleはスパムに関するポリシーで、リンクスパムを「検索ランキングを操作することを主な目的として、サイトへのリンクやサイトからのリンクを作成する行為」と定義し、具体例を挙げています。次の表は、リンクの設置経緯を調べるための手掛かりです。フッターやプロフィール欄からのリンク、同じアンカーテキストの集中だけでスパムとは判断せず、ランキング操作の目的や設置方法を確認します。
| スパムポリシーの例 | リンクプロファイルでの現れ方 |
|---|---|
| リンクの売買 | 属性の無いPR記事・記事広告からのリンク |
| 過剰な相互リンク | 相互リンク集のページから多数 |
| 自動化されたリンク作成 | 無関係なサイトから同時期に大量 |
| 作為的なアンカーテキストの記事 | 同じ商用キーワードのアンカーが集中 |
| 低品質なディレクトリ・ブックマーク | 登録型サイトが参照ドメインの大半 |
| ウィジェット・フッター・テンプレート | 少数ドメインから全ページ分のリンク |
| フォーラムの投稿・署名のリンク | 掲示板やプロフィール欄から大量 |
こうしたリンクの多くは、Googleの自動システムが評価の対象から外します。2022年12月のリンクスパムアップデートでは、AIベースのスパム防止システムSpamBrainを使い、リンクを購入しているサイトと、発リンクを渡す目的で使われているサイトの両方を検出して、不自然なリンクの影響を無効化すると発表しました。スパムリンクが無効化され、そのリンクで得ていたクレジットが失われると、ランキングが変わる可能性があるとGoogleは説明しています。詳しい経緯はスパムアップデートの解説を参照してください。
自動システムによる無効化とは別に、Googleの担当者が確認して科す「手動による対策」もあります。Search Consoleの[手動による対策]レポートに「サイトへの不自然なリンク」と表示された場合は、Googleがランキング操作を目的とした不自然なリンクのパターンを検出したという意味で、サイトの一部または全体の順位に影響します。この表示は否認を検討する根拠の一つですが、表示がなくても、多数の不自然なリンクによって今後手動による対策を受ける可能性がある場合は検討対象になります。
否認ツールを使う条件と、使わないほうがよいケース
Googleが示す否認の2条件
Search Consoleのリンクの否認に関するヘルプは、ほとんどのサイトは否認ツールを使う必要がないとしたうえで、次の2つを両方満たす場合にのみ否認するよう求めています。
- サイトに対して、スパム行為のあるリンク、人為的リンク、品質が低いリンクが数多くある。
- そのリンクが手動による対策の原因になっている、または今後、手動による対策を受ける原因になる可能性がある。
否認より先にやるべきなのは、リンク元に連絡してリンクを削除してもらうことです。否認は、自分で削除できず、削除してもらうこともできないリンクに使う手段と位置づけられています。英語版のヘルプには、否認は慎重に使うべき高度な機能で、誤って使うとGoogle検索でのサイトのパフォーマンスを損なうおそれがある、とも書かれています。
否認ファイルの書き方と反映までの時間
否認リストは、1行に1つのURLかドメインを書いたテキストファイルです。
# PR記事で属性の無いリンク(削除依頼済み・返信なし)
https://spam.example.com/stuff/paid-links.html
# ドメインごと否認する場合は domain: を付ける
domain:shadyseo.example
- ファイルはUTF-8か7-bit ASCIIで、拡張子は
.txtです。 - 上限は100,000行(空行とコメント行を含む)かつ2MBで、URLは2,048文字までです。
example.com/en/のようなサブパス単位の否認はできません。- 否認ツールはドメインプロパティに対応していません。URLプレフィックスのプロパティにアップロードします。
- 新しいリストをアップロードすると、既存のリストは置き換えられます。追加分だけを送ると、過去に否認した分が消えます。
アップロード後、Googleがウェブを再クロールして再処理するため、反映には数週間かかることがあります。否認したリンクもリンクレポートには表示され続けるので、レポートから消えないことは失敗を意味しません。手動による対策を受けている場合は、リンクの削除と否認を終えた後に再審査をリクエストします。手順は再審査リクエストの書き方と手動による対策の解除手順で解説しています。
否認しないほうがよいケース
手動による対策が無く、自分やSEO業者がリンクを買った覚えも無いなら、否認は基本的に不要です。特に避けたいのは、ツールの「有害リンク」判定をそのまま一括で否認することです。Googleはツールのスコアを使っていないため、ツールの判定どおりに否認すると、正常に評価されていたリンクまで外してしまい、評価を自分で捨てることになります。身に覚えのないスパムサイトからのリンクについても、Search Consoleヘルプは「既知のスパムサイトの場合、Google は通常そのリンクを無視します」と説明しています。否認の必要性は、リンク購入への関与だけでなく、多数の不自然なリンクがあり、それが手動による対策の原因になっているか、今後なる可能性があるかで判断します。
競合サイトとのリンクプロファイル比較で見るポイント
競合サイトとの比較は、リンク獲得の方向を決めるために行います。本数や独自スコアの差を並べるだけでは打ち手につながりません。見るべきなのは次の2点です。
- どのページにリンクが集まっているか:競合が調査データ、用語集、無料ツール、事例集のどれで参照されているかを見ると、自サイトに欠けているページの種類が分かります。
- 競合にはリンクしていて自サイトにはリンクしていないドメイン:業界団体、メディア、大学など、競合だけが参照されているドメインは、参照される理由を作れれば獲得できる候補です。
競合のリンクの中に、スパムポリシーの例に当てはまるリンクが多く含まれていても、同じ手法を真似る理由にはなりません。そうしたリンクは自動システムで無効化されている可能性があり、真似ると手動による対策の対象になりえます。自然にリンクされるページの条件はナチュラルリンクの条件と獲得方法で詳しく扱っています。
よくある質問
リンクプロファイルとプロファイルリンクの違いは何ですか?
リンクプロファイルは、サイトが受けている被リンク全体の構成(参照ドメイン・アンカーテキスト・リンク先ページなどの分布)を指します。プロファイルリンク(プロフィールリンク)は、SNSやフォーラムのプロフィール欄に置く個々のリンクを指す言葉で、意味が異なります。
被リンクの数が多ければ検索順位は上がりますか?
本数だけでは決まりません。Googleはリンク解析システムやPageRankをランキングに使っていると公表していますが、同じサイトのフッターから数千本来ていても参照ドメインは1件です。ランキング操作を主目的とするリンクの作成はポリシー違反で、検出されたリンクの評価は無効化されることがあります。自然な紹介や引用によって被リンクが増えること自体は違反ではなく、本数だけで順位上昇を保証することもできません。
SEOツールで「有害」と判定された被リンクは否認すべきですか?
手動による対策を受けておらず、リンクを購入した覚えも無ければ、否認は基本的に不要です。Googleは否認を「スパム的なリンクが多数あり、手動による対策の原因になっている、または今後なる可能性がある場合」に限るよう求めています。ツールの有害判定はGoogleの判定ではありません。
競合からスパムリンクを大量に張られたら順位は下がりますか?
Googleは、第三者サイトでの行為がウェブサイトに悪影響を及ぼすことがないよう取り組んでいると説明しており、既知のスパムサイトからのリンクは通常無視するとしています。[手動による対策]レポートに表示が無ければ、まず様子を見るのが基本です。
Search Consoleのリンクレポートにnofollowのリンクは含まれますか?
レポートにはGoogleが検出したリンクのサンプルが表示されますが、そのリンクに nofollow が付いているかどうかは表示されません。属性を確認したいときは、リンク元のページのHTMLを見るか、被リンク分析ツールを使います。