オーディエンスインサイトとは、既存顧客や広告・投稿に反応した人、これから狙う潜在顧客がどんな人かを、属性・地域・デバイス・興味関心のデータから読み取ることです。マーケティングの一般用語として使われるほか、Google広告、Facebook(運営会社はMeta)、Pinterest、X(旧Twitter)などが同じ名前の分析機能を提供してきました。
2019〜2020年ごろに書かれた手順記事は、現在の画面とメニュー名や操作手順が異なる場合があります。Google広告ではオーディエンスマネージャーの分析が「データの分析情報」と呼ばれ、コンバージョンしたユーザーの分析は分析情報ページの「オーディエンス分析」にあります。FacebookのツールはMeta Business Suiteの「インサイト」へ移り、旧Twitterアナリティクスのタブは2020年に削除されました。この記事では各社の公式ヘルプをもとに、2026年10月時点の名前・場所・表示条件と、結果の読み方を整理します。
まとめ:オーディエンスインサイトの要点
- 意味は「顧客像の把握」。自社の顧客や潜在顧客の属性・興味関心を読み取ります。国全体やプラットフォーム全体と比べられる機能では、どこが偏っているかまで見られます。
- Google広告では分析対象に応じて機能を選ぶ。オーディエンスマネージャーの「データの分析情報」がリスト単位の分析、分析情報ページの「オーディエンス分析」がコンバージョンしたユーザーの分析です。
- Google広告の「データの分析情報」は1,000人から。リストに過去30日間のアクティブユーザーが1,000人以上必要で、カスタマーマッチは1,000人以上のGmailユーザーが条件です。
- Facebookの旧ツールは2021年7月に移行したと報じられている。現在はMeta Business Suiteの「インサイト」→「オーディエンス」タブで、ページやプロフィールのオーディエンスと潜在オーディエンスを見ます。
- Pinterestは現役の機能名。ビジネスアカウントの「アナリティクス」→「オーディエンスインサイト」で、過去30日間の属性とアフィニティを確認できます。
- LinkedInにも同名の機能がある。Campaign Managerの「Plan」→「Audiences」から、Matched AudiencesとSaved Audiencesのインサイトを生成できます。
- 旧Twitterアナリティクスのタブは2020年1月末で削除と報じられた。フォロワー像を見るタブを開く古い手順は、現在のXでは再現できません。
- インデックスやアフィニティは「比率」。規模は示さないので、Google広告ではコンバージョン数のシェア、Pinterestではオーディエンスの割合と並べて読みます。
オーディエンスインサイトの意味と似た言葉との違い
オーディエンス(audience)は広告やコンテンツを受け取る人、インサイト(insight)は「見抜くこと・洞察」です。合わせると「自社の受け手がどんな人で、なぜ反応するのかを見抜くこと」になります。オーディエンスという語の広告上の意味はオーディエンスとは?マーケティング・広告での意味とターゲティングの仕組みを解説で詳しく扱っています。
実務での使われ方は2つあります。1つは分析の結果そのもの(「20〜30代女性のコンバージョン率が全体の2倍」という発見)、もう1つは各プラットフォームの分析機能の名前です。検索で多いのは後者で、どの画面で見られるかを知りたい人が中心です。
似た言葉との違いは、分析の材料と対象の範囲で分かれます。
| 用語 | 対象 | 主な材料 |
|---|---|---|
| オーディエンスインサイト | 既存顧客・潜在顧客などの対象者 | 媒体が持つ属性・興味関心データ |
| オーディエンスデータ | 分析の材料となるデータそのもの | Cookie・広告ID・会員情報など |
| コンシューマーインサイト | 市場全体の消費者 | 調査・インタビュー・行動観察 |
| ペルソナ | 架空の代表的な顧客像 | 上記の分析結果をまとめた人物像 |
材料となるデータの種類と集め方はオーディエンスデータとは?種類・収集方法と分析・管理の実務、消費者の購買動機を掘る方法はコンシューマーインサイトとは?意味・見つけ方とGoogleで使える調査ツールが担当です。分析結果を人物像に落とす手順はペルソナマーケティングとは?ターゲットとの違いと施策に落とす手順を参照してください。
プラットフォーム別の名称・場所・提供状況(2026年10月時点)
同じ「オーディエンスインサイト」でも、プラットフォームによって現在の名前と状態が違います。
| プラットフォーム | 現在の名称 | 場所 | 状態 |
|---|---|---|---|
| Google広告(リスト単位) | データの分析情報 | オーディエンスマネージャー | 提供中 |
| Google広告(キャンペーン単位) | オーディエンス分析 | 分析情報ページ | 提供中 |
| Facebook・Instagram(Meta) | インサイトのオーディエンスタブ | Meta Business Suite | 旧ツールは2021年7月に移行 |
| オーディエンスインサイト | アナリティクス | 提供中 | |
| Audience insights | Campaign Manager | 提供中 | |
| X(旧Twitter) | オーディエンスインサイトタブ | 旧Twitterアナリティクス | 2020年1月末で削除 |
Google広告で見る2つのオーディエンス分析
2019〜2020年ごろの解説では、オーディエンスマネージャーの左メニューにある「オーディエンスインサイト」を開き、リストの性別・年齢・地域・デバイス・購買意向・アフィニティを見る手順が紹介されていました。現在のGoogle広告ヘルプで、オーディエンスマネージャーのタブとしてリストのユーザー像を見る機能は「データの分析情報」です。あわせて、Google広告では「リマーケティング」が「広告主様のデータ」に、「オーディエンスタイプ」が「オーディエンスセグメント」に改称されており、古い記事の用語とは一致しません。
データの分析情報:リストのユーザー像と表示条件
データの分析情報は、サイト訪問者やアプリユーザーなど自社のデータセグメントがどんな人で構成されているかを見る機能です。ヘルプ記載の開き方は、ツールアイコン→「共有ライブラリ」→「オーディエンスマネージャー」→「データの分析情報」タブです。
レポートは「オーディエンス分布」と「関連性の高いオーディエンス」の2つに分かれます。オーディエンス分布では地域・属性・デバイスなどの内訳を、関連性の高いオーディエンスでは購買意向の強いセグメントやアフィニティセグメントのユーザーがリストに含まれる可能性をインデックススコアで確認できます。比較対象には国の人口などを選べ、画面右上からダウンロードもできます(出典:Google広告ヘルプ「データの分析情報について」)。
分析できるのは、ウェブサイトやアプリのユーザー(Googleアナリティクスとグローバルサイトタグ)、カスタマーマッチのセグメント、YouTubeユーザーのリストです。モバイルデバイスIDに基づくセグメントは対象外です。
表示されないときは、まず人数を確認してください。ヘルプでは「リストに含まれる過去 30 日間のアクティブ ユーザー数が 1,000 人以上必要」とされ、カスタマーマッチのリストは1,000人以上のGmailユーザーを含む必要があります。月間のコンバージョンが数十件のアカウントで「コンバージョンに至ったすべてのユーザー」リストを開いても、何も出ないのはこのためです。なお、ヘルプは取得方法の変更が進行中で、一部の国やセグメントでは分析情報のディメンションが減ると案内しています。
オーディエンス分析:コンバージョンしたユーザーの特徴
オーディエンス分析は、広告を見てコンバージョンに至ったユーザーの特徴を見る機能で、キャンペーンメニューの「分析情報とレポート」→「分析情報」にある「オーディエンス分析」カードから開きます。種類は2つです。
- ペルソナに関するオーディエンス分析:検索、ショッピング、P-MAX、デマンド ジェネレーション、ディスプレイ、アプリで利用できます。ヘルプの対象一覧には動画アクション キャンペーンも残っていますが、動画アクション キャンペーンは2026年5月までにすべてデマンド ジェネレーションへアップグレードされています。
- アセット オーディエンス分析:検索、P-MAX、デマンド ジェネレーション、動画、アプリで、どのアセットにどのセグメントが強く関心を示したかを「アフィニティ インデックス」で示します。
ペルソナ分析の表には「オーディエンス セグメント」「タイプ(購買意向・アフィニティ・詳しいユーザー属性・ライフイベントなど)」「コンバージョン数のシェア」「インデックス」の4列が並びます。どちらの分析も、関連性の高いセグメントを特定できるだけのインプレッション、インタラクション、ユニークコンバージョンがあるときにだけ表示されます。分析情報ページ自体は、右上のプルダウンで過去7日間と過去28日間を切り替えられます(出典:Google広告ヘルプ「オーディエンス分析」)。
Meta Business Suiteのオーディエンスタブ(旧Facebookオーディエンスインサイト)
Facebook広告の「オーディエンスインサイト」は、Facebookユーザー全体から条件を絞り込んで属性や「いいね!」したページを調べられる独立したツールでした。当時の報道によると、Facebookは2021年6月に画面上で、この旧画面を2021年7月1日から使えなくすると告知し、機能をMeta Business Suite(当時はFacebook Business Suite)の「インサイト」へ移しました。Meta公式ヘルプ上で当時の告知文は確認できないため、日付は報道ベースです。検索結果に出るMeta公式ヘルプも、現在は「デスクトップのMeta Business Suiteのインサイトについて」という内容に差し替わっています。
開き方は、Meta Business Suiteで左上のドロップダウンから対象のFacebookページかInstagramプロフィールを選び、左メニューの「インサイト」をクリックします。利用するには、そのページやプロフィールのインサイトを見るアクセス許可が必要です(出典:Metaビジネスヘルプセンター「デスクトップのMeta Business Suiteのインサイトについて」)。
「オーディエンス」タブには、年齢、性別、主な興味・関心、住んでいる地域などの利用者層データと、新規フォロワーの増加数、フォロワーが活発に利用する時間帯が表示されます。ヘルプには「広告のターゲット設定条件に合致するMetaアカウントの数に基づいて、潜在オーディエンスを確認できる場合もあります」とあり、旧ツールのように自社のフォロワー以外の層を調べる用途は、この潜在オーディエンスが受け持ちます。なお、Metaはヨーロッパと日本を配信先・配信元とする場合に、メッセージ関連の一部の指標や機能を利用できなくなると案内しています。
旧ツールとの大きな違いは、分析の出発点がFacebookユーザー全体から自社のページやプロフィールに変わった点です。古い解説にある「興味関心で絞り込んで、その層が好むページを一覧する」使い方は、現在の画面ではそのまま再現できません。
Pinterestのオーディエンスインサイト:アフィニティの見方
Pinterestでは、今も「オーディエンスインサイト」がそのままの名前で提供されています。ビジネスアカウントにログインし、左上のハンバーガーアイコン→「アナリティクス」→「オーディエンスインサイト」で開きます。アプリではプロフィール写真→棒グラフアイコン→「アナリティクス」→「オーディエンス」です。データはユーザーの検索や保存などの操作から作られ、表示されるのは過去30日間分だけです。
オーディエンスは次の4種類から選べます。
- 合計オーディエンス数:自分のピン(オーガニックと広告)、認証済みウェブサイトや認証済みアカウントから保存されたピンを閲覧またはエンゲージした人
- エンゲージしたオーディエンス数:自分のピンにエンゲージした人
- Pinterestの合計オーディエンス数:Pinterest全体でピンを閲覧またはエンゲージした人
- Pinterestのエンゲージしたオーディエンス数:Pinterest全体でピンにエンゲージした人
中心になる指標はアフィニティです。特定のカテゴリへの関心の強さを、類似するPinterest全体のオーディエンスと比べて示します。「比較」を使うと2つのオーディエンスを並べられ、そのときアフィニティはオーディエンス2を基準に計算されます。上位のインタレストは、広告キャンペーンのターゲットとしてそのまま指定できます。属性は年齢・性別・居住都市・デバイス別です。比較とCSVエクスポートは、現在デスクトップでのみ使えます(出典:Pinterestヘルプ「オーディエンスインサイトを確認する」)。
LinkedIn Campaign ManagerのAudience insights:職種と企業で見る
BtoBで使われるLinkedInにも、Campaign ManagerにAudience insightsがあります。広告アカウントを開き、左メニューの「Plan」→「Audiences」で「Matched」か「Saved」を選びます。Matched Audiencesはチェックを入れて「Insights」ボタン、Saved Audiencesはオーディエンス名をクリックします。複数のMatched Audiencesを選ぶと、まとめたインサイトを出せます。生成できる範囲は、メンバーのプライバシー設定に左右されます。
インサイトは5つのセクションに分かれます。Summaryが全体の概要、Contentが最近反応したトピック、Locationが所在地域、Membersがスキルや役職などの職業属性、Companiesが勤務先の会社名や規模です。いずれもLinkedInのターゲティング属性と対応しており、画面右上の「Create ad set」からそのままアドセットを作れます(出典:LinkedIn Marketing Solutions Help「Access insights about your audiences in Campaign Manager」)。年齢・性別より職種と企業規模で顧客像を描くBtoB商材では、Google広告やMetaより施策に直結しやすい画面です。
旧Twitterアナリティクスのオーディエンスインサイトタブの削除
Twitterのアナリティクスには、2015年に始まった「オーディエンスインサイト」タブがあり、フォロワーの属性、購買行動、モバイルデバイスの利用状況を表示していました。Social Media Today(2020年1月8日付)は、画面上の告知で1月30日の削除が予告され、Twitterも同月末での削除を認めたと報じています。この報道の時点で代替機能は案内されていません。当時のTwitter公式の告知文は確認できていないため、日付は報道ベースです。
削除されたのは、アカウントのフォロワー像を見るこのタブです。X広告の配信結果を属性別に見る分析とは別の機能なので、古い手順にある「オーディエンスインサイト」タブを探すのではなく、現在のX広告の管理画面で確認できる項目から当たってください。
インデックスとアフィニティの読み方と、使えない場面
Google広告とPinterestのオーディエンスインサイトに共通するのは、「比較対象と比べてどれだけ偏っているか」を比率で出す点です。Google広告のペルソナ分析のインデックスは、残りのターゲット母集団のコンバージョン率に対する各セグメントのコンバージョン率の比率です。データの分析情報のヘルプには、「すべての訪問者」のうち自転車の購入を検討している人が22.5%、比較対象の米国全体では6.48%なら、自転車のセグメントを追加すると成果の向上が見込める、という例が載っています。
ただし、比率が高いセグメントほど有望とは限りません。判断を誤りやすいのは次の場面です。
- インデックスだけを見て規模を見ない:Google広告のヘルプはインデックスを「独自性」の高さと説明しており、規模は示しません。コンバージョン数のシェアも既存キャンペーン内の成果の構成比なので、ターゲットに足したときにどれだけ配信が増えるかは、どちらの指標からも判断できません。Pinterestでは、アフィニティと並ぶオーディエンスの割合で、その関心を持つ人がどれだけいるかを確かめます。
- 自動入札の結果を見ているだけ:Google広告のオーディエンス分析は、最適化されたターゲティングや自動入札を使っている場合、Google AIが成果を出したセグメントを表示します。配信の偏りをそのまま「顧客像」と読むと、同じセグメントへさらに寄せる循環になります。
- 比較対象を変えると結論が変わる:Pinterestのアフィニティは比較タブでオーディエンス2を基準に再計算されます。Google広告のデータの分析情報も比較対象を国の人口などから選べます。比較対象を書かずに「アフィニティが高い」と報告すると、受け手は解釈できません。
- 表示されないこと自体が答え:1,000人に満たないリストや、コンバージョンが少ないキャンペーンでは分析が出ません。この段階では媒体の分析を待つより、受注データやインタビューから仮説を立てるほうが早く進みます。
結果を施策に移すときは、まずデータ量と期間を確かめ、「このセグメントは〇〇の理由で反応している」という仮説を一文にします。そのうえで、訴求だけを変えて検証するか、ターゲティングに足すか除外するか、現状のままにするかを選びます。似たユーザーへ配信を広げる仕組みはオーディエンス拡張とは?仕組み・主要媒体の設定と注意点を解説、行動履歴をもとに配信先を決める方法は行動ターゲティング(BTA)とは?仕組み・種類とリターゲティングとの違いで解説しています。
よくある質問
オーディエンスインサイトとは何ですか?
既存顧客や潜在顧客の属性・地域・デバイス・興味関心を読み取り、顧客像を把握することです。機能によっては国全体やプラットフォーム全体と比べて偏りを見られます。Google広告、Meta、Pinterest、LinkedInなどが同名または後継の分析機能を提供しています。
Facebookのオーディエンスインサイトはどこに行きましたか?
当時の報道によると、2021年7月1日に独立したツールとしては使えなくなり、Meta Business Suiteの「インサイト」に移りました。現在は「インサイト」→「オーディエンス」タブで、ページやプロフィールのオーディエンスの年齢・性別・興味関心・地域と、条件によっては潜在オーディエンスを確認できます。
Google広告でオーディエンスインサイトが表示されないのはなぜですか?
現在の名称は「データの分析情報」で、リストに過去30日間のアクティブユーザーが1,000人以上必要です。カスタマーマッチのリストは1,000人以上のGmailユーザーを含む必要があります。分析情報ページの「オーディエンス分析」は、十分なインプレッション・インタラクション・ユニークコンバージョンがあるキャンペーンにだけ表示されます。
オーディエンスインサイトのレポートでは何がわかりますか?
Google広告のデータの分析情報では、リストの地域・属性・デバイスの分布と、購買意向やアフィニティのセグメントとの関連性がわかります。Pinterestでは過去30日間の年齢・性別・居住都市・デバイスと、インタレストごとのアフィニティを確認でき、デスクトップならCSVで書き出せます。
オーディエンスインサイトは無料で使えますか?
各社とも分析機能そのものに追加料金はかかりませんが、利用資格が違います。Google広告は広告アカウント内の機能で、表示には上記の人数やコンバージョンの条件があります。Meta Business Suiteは対象ページやプロフィールのインサイトを見るアクセス許可、Pinterestはビジネスアカウント、LinkedInはCampaign Managerの広告アカウントが必要です。