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Amazon Transcribeとは?料金・使い方・日本語対応と対応形式を解説【2026年10月】

Amazon Transcribeとは?料金・使い方・日本語対応と対応形式を解説【2026年10月】

「transcribe」は、音声や話し言葉を文字に書き起こすことを指す英語の動詞です。Amazon TranscribeはAWSが提供する、音声をテキストに変換するAPIサービスです。録音済みファイルをまとめて処理するバッチと、会議や通話をその場で変換するストリーミングの2形態があり、結果は単語ごとの時刻と信頼度を含むJSONで返ります。この記事では2026年10月時点の東京リージョンの単価、CLIとPythonでの使い方、日本語で使える機能と使えない機能、ファイルの上限、採用を見送る場面までを公式ドキュメントで確認して整理します。

まとめ:Amazon Transcribeの料金・日本語対応・採用判断の要点

料金は処理した音声の長さに対する従量課金です。東京リージョンでは標準のバッチが1分0.006ドル、ストリーミングが1分0.01ドルで、1秒単位で計算され最低課金はありません。いまも一部の解説に残る「1分0.024ドルからの段階制」は旧料金です。

日本語(ja-JP)はバッチ・ストリーミングの両方とカスタム言語モデルに対応します。個人情報の自動秘匿と、生成AIによる通話要約は日本語では使えません。1ファイルの上限は8時間(28,800秒)・2GBです。S3に貯まる音声をAPIで大量処理するならTranscribe、数本を手早く起こすならアプリ、音声を外に出せないならローカル実行のWhisper系、と切り分けるのが判断の起点です。以下で根拠と手順を順に示します。

Amazon Transcribeとは|英単語transcribeの意味とAWSサービスの位置づけ

英単語transcribeの意味と派生語(文字に起こす・音写・編曲・転写)

transcribe(発音はトランスクライブ)は他動詞で、英和辞典の英辞郎 on the WEBは「書き写す、文字に起こす、転記する」「音写する、音声表記する」「編曲する」「《生化学》転写する」などの語義を載せています。ビジネスやIT文脈で最も多いのは「録音を文字に起こす」意味で、transcribe an audio file は「音声ファイルを文字起こしする」です。

名詞形は2つあり、transcription が文字起こしという作業、transcript が書き起こした結果のテキストを指します。別の言語へ置き換える translate(翻訳する)とは別の語で、transcribe は同じ言語のまま形式だけを音声から文字へ移します。なおGoogleの「音声文字変換(Live Transcribe)」はAndroid向けの別製品で、AWSとは関係ありません。

AWSの音声認識APIとしてのAmazon Transcribeと出力JSONの構成

Amazon Transcribeは、機械学習の音声認識でこの書き起こしを自動化するマネージドサービスです。バッチは音声をAmazon S3に置き、StartTranscriptionJobでジョブを投入します。ストリーミングはStartStreamTranscriptionで音声を送り続け、結果を逐次受け取ります。音声認識の仕組みや精度の考え方は音声認識の仕組みと業務導入の判断基準で整理しています。

バッチ処理の結果JSONは、全文のtranscripts、単語と句読点ごとのitems、ひと続きの発話ごとのaudio_segmentsで構成されます。公式のデータ入出力ページのとおり、各単語に開始・終了時刻と信頼度が付くため、字幕や検索インデックス、議事録の下書きへそのまま流せます。サーバーもモデルも自前で持たず、API呼び出しだけで文字起こしを組み込める点が、ローカル実行のツールとの違いです。

Amazon Transcribeの料金|東京リージョンの単価と無料枠(2026年10月)

標準のバッチとストリーミングの単価と1秒単位の課金

公式料金ページには「1秒単位で課金し、最低課金はない」と明記されています。かつて説明されていた「1リクエスト最低15秒」の条件は現行ページにありません。2チャンネルの通話音声でも、課金対象は音声の長さだけです。

下表は、AWSの機械可読な価格表(Price List API、2026年9月11日公開版)から東京リージョン(ap-northeast-1)の秒単価を1分あたりに換算した値です。標準の文字起こしは米国東部(バージニア北部)と同額でした。

課金項目(東京) 25万分まで(USD/分) 25万〜100万分 100万分超
標準バッチ 0.006 0.006 0.006
標準ストリーミング 0.01 0.01 0.01
カスタム言語モデル(追加) 0.006 0.00378 0.0027
個人情報の秘匿(追加) 0.0024 0.0015 0.00108
Call Analytics 0.03 0.0186 0.0138

カスタム言語モデルと個人情報の秘匿は、標準料金に上乗せされる別項目です。Call Analyticsは通話分析込みの単価です。月25万分までの単価を比べると、標準バッチの5倍、標準ストリーミングの3倍になります。旧単価の1分0.024ドルを適用すると、月25万分までの標準バッチの費用は現行単価の4倍になります。旧料金表には段階割引があるため、それを超える利用量では倍率が変わります。

月600分・月100時間の料金概算と無料枠の扱い

月10時間(600分)の録音をバッチで処理すると600×0.006=3.6ドル、ストリーミングなら6ドルです。社内会議を月100時間処理する場合、標準バッチの文字起こし料金は36ドルです。S3の保存・リクエスト料金や追加機能の料金などは別途見積もります。第三者の検証では、約19分の日本語音声の課金対象時間と料金表から算出した概算費用が0.1142ドルと報告されており、この単価と一致します(クラスメソッドの比較検証)。費用を左右するのは文字起こし本体より、Call Analyticsなど分析系の選び方です。

無料枠は、料金ページに「最初の12か月、毎月60分」と書かれています。ただしAWS無料利用枠のページは、新規アカウントは最大200ドルのクレジットを受け取り、無料プランのアカウントは開設から6か月かクレジット消化で終了すると説明しています。自分のアカウントでTranscribeの60分が効くかは請求コンソールで確かめてください。料金ページは、個人情報の秘匿には無料枠が適用されないとも明記しています。無料プランと有料プランの境界はAWSを無料で使える範囲と6か月の期限で手順付きで解説しています。

Amazon Transcribeの使い方|コンソール・CLI・Pythonでジョブを動かす手順

マネジメントコンソールでS3の音声1件を文字起こしする手順

最短で試すならマネジメントコンソールです。先に音声ファイルをS3バケットへアップロードします。S3の扱いに慣れていなければAmazon S3の仕組みとストレージクラスを先に読むと迷いません。

  1. Transcribeの画面で「Transcription jobs」から「Create job」を選ぶ
  2. ジョブ名を入力し、言語に日本語(ja-JP)を指定する
  3. 入力ファイルのS3 URIと、必要なら出力先バケットを指定する
  4. 話者を分けたい場合は「Audio identification」で話者分離を有効にし、話者数を指定する
  5. 「Create job」で開始し、完了後に結果のテキストを確認する

出力先を指定しない場合、結果はAWS管理のバケットに保存され、取得用URIの有効期限は15分です。ジョブの記録は90日で消えるため、残したい結果は自分のバケットへ出力してください。

AWS CLIで日本語・話者分離付きのバッチジョブを投入するコマンド

定期的に処理するならAWS CLIが向きます。次のコマンドは、東京リージョンで日本語・話者3人まで・SRT字幕付きのジョブを作成します。

aws transcribe start-transcription-job \
    --region ap-northeast-1 \
    --transcription-job-name "meeting-20261022" \
    --language-code "ja-JP" \
    --media-format "mp3" \
    --media MediaFileUri="s3://your-bucket/meeting.mp3" \
    --output-bucket-name "your-output-bucket" \
    --settings ShowSpeakerLabels=true,MaxSpeakerLabels=3 \
    --subtitles Formats=srt,OutputStartIndex=1

進行状況はaws transcribe get-transcription-job --region ap-northeast-1 --transcription-job-name "meeting-20261022"で確認し、TranscriptionJobStatusがCOMPLETEDになったら出力バケットのJSONを取得します。字幕のOutputStartIndex=1は意図して付けています。字幕の公式ドキュメントによると、Transcribeの字幕番号は既定で0から始まり、一般的な1始まりの再生ソフトと食い違うことがあるためです。

boto3でジョブを投入し結果JSONを話者別の議事録に整形するPythonコード

アプリケーションに組み込むならPythonのboto3を使います。boto3のインストールとAWS認証設定を済ませ、入力音声への読み取り権限と出力先への書き込み権限を用意してください。以下のバケット名は実在するものに置き換え、ジョブ名は同じAWSアカウント・リージョン内で重複しない名前を指定します。ジョブの投入と完了待ちは次のとおりです。

import time
import boto3

client = boto3.client("transcribe", region_name="ap-northeast-1")
job = "meeting-20261022"
client.start_transcription_job(
    TranscriptionJobName=job,
    LanguageCode="ja-JP",
    MediaFormat="mp3",
    Media={"MediaFileUri": "s3://your-bucket/meeting.mp3"},
    OutputBucketName="your-output-bucket",
    Settings={"ShowSpeakerLabels": True, "MaxSpeakerLabels": 3},
    Subtitles={"Formats": ["srt"], "OutputStartIndex": 1},
)
while True:
    j = client.get_transcription_job(TranscriptionJobName=job)["TranscriptionJob"]
    if j["TranscriptionJobStatus"] in ("COMPLETED", "FAILED"):
        break
    time.sleep(10)
print(j["TranscriptionJobStatus"], j.get("Transcript", {}).get("TranscriptFileUri"))

このコードは、boto3 1.43.116のStubber(AWSへ通信せず応答を差し替える仕組み)で、パラメータ検証から完了判定までが通ることを確認しました。同じ検証で、MaxSpeakerLabels=1は送信前に「valid min value: 2」で止まり、MaxSpeakerLabels=31はSDK側の検証を通過しました。API定義上の上限は30ですが、30を超える値はSDKでは弾かれずサーバー側の判定になります。

話者分離を有効にした結果では、results.itemsの単語にspeaker_labelが付き、句読点には付きません。次の関数は、話者が切り替わるまで単語をつなぎ、句読点は直前の単語に付けて1行にまとめます。

import json
import sys

def to_lines(path, sep):
    data = json.load(open(path, encoding="utf-8"))
    lines, speaker, words, start = [], None, [], None
    for item in data["results"]["items"]:
        text = item["alternatives"][0]["content"]
        if item["type"] == "punctuation":
            if words:
                words[-1] += text
            continue
        label = item.get("speaker_label")
        if label != speaker and words:
            lines.append((start, speaker, sep.join(words)))
            words = []
        if not words:
            start = float(item["start_time"])
        speaker = label
        words.append(text)
    if words:
        lines.append((start, speaker, sep.join(words)))
    return lines

if __name__ == "__main__":
    # 日本語(ja-JP)は単語間に空白を入れないので sep="" で呼ぶ
    sep = "" if len(sys.argv) > 2 and sys.argv[2] == "ja" else " "
    for start, speaker, text in to_lines(sys.argv[1], sep):
        m, s = divmod(int(start), 60)
        print(f"[{m:02d}:{s:02d}] {speaker}: {text}")

公式の話者分離の出力例のJSONを渡すと、[00:04] spk_0: I've been on hold for an hour.と[00:08] spk_1: Sorry about that.の2行が出力されました。日本語の結果に使うときは第2引数にjaを付けます。

Pythonストリーミング実装の後継SDKと旧amazon-transcribeの非推奨化

AWS CLIとboto3は、どちらもストリーミング文字起こしに対応していません。リアルタイム処理は専用のSDKで実装します。Pythonで長く使われてきたamazon-transcribe(amazon-transcribe-streaming-sdk)は、READMEで「This SDK is deprecated」と告知され、最終版は2025年5月の0.6.4です。後継のaws-sdk-transcribe-streamingは2026年10月8日に0.12.0が出ており、Python 3.12以上が必要で、クライアントは非同期のAsyncTranscribeStreamingClientです。READMEは1.0.0までに破壊的変更があり得ると明記しているため、本番では版を固定してください。

日本語対応の現状と精度を上げる設定|ja-JPで使える機能と使えない機能

ja-JPの機能別対応表(2026年10月の対応言語一覧)

日本語は、バッチが2019年11月、ストリーミングが2020年11月から使えます。公式の対応言語一覧で2026年10月時点の日本語の行を確認すると、次のとおりでした。

機能 日本語(ja-JP) 設計への影響
バッチ・ストリーミング 両方対応 東京リージョンで両方使える
数字の表記変換 両方対応 金額や日付が数字で出る
カスタム言語モデル 両方対応 業界用語の多い音声で効く
略語の認識 非対応 英字略語は後処理で整える
個人情報の秘匿 非対応 マスキングは別処理が必要
Call Analytics 通話後のみ リアルタイム分析は不可

個人情報の秘匿は2026年5月にフランス語・ドイツ語・イタリア語・ポルトガル語へ広がりましたが、日本語は対象外のままです。Call Analyticsのバッチ処理のページによると、生成AIによる通話要約はus-east-1とus-west-2で、英語の7方言だけが対象です。日本語の応対記録を要約まで自動化するなら、文字起こし結果を別の生成AIへ渡す2段構成になります。

日本語のカスタム語彙で数字と記号が使えない制約と表形式での登録

製品名や社名の誤変換はカスタム語彙で減らせますが、日本語には登録できる文字の制約があります。文字セットのページで配布されている日本語用ファイルを集計すると、Phrase欄に使える文字は5,417字(漢字5,148字、カタカナ85字、ひらがな79字、英字など)でした。この中に半角・全角の数字、中黒「・」、ハイフンは含まれていません。

「GPT-5」や「3D」のような語は、そのままではPhraseに書けません。読みをカタカナでPhraseに登録し、表示用のDisplayAs欄で書き分けます。ただしDisplayAsで使えるのはひらがな・カタカナ・漢字と全角英大文字だけなので、数字を含む語は後処理で置換する前提で設計してください。カスタム語彙のページはリスト形式を非推奨とし、新規作成は表形式を使うよう案内しています。語彙で足りない業界特有の言い回しが多いなら、自社の文章で学習させるカスタム言語モデルが次の手です。

第三者の実測に見る日本語の誤り傾向と精度を上げる入力条件

クラスメソッドが2026年8月に行った比較では、3人の座談会約19分を同じ音声で処理し、Amazon Transcribeは「欠落と固有名詞の認識ミスが多い」一方、話者分離の誤りは5構成の中で最も少ないという結果でした。処理時間は153.6秒です。固有名詞の弱さはカスタム語彙、欠落は録音品質の改善で手当てするのが筋です。

入力は圧縮劣化の少ないFLACか、PCM 16bitのWAVが推奨されています。会議のように複数人が話す音声では話者分離を有効にし、全員の声が明瞭に録れているか事前に確認してください。どこまで設定を詰めても誤認識はゼロになりません。公開前の人手校正は前提として残してください。

対応音声形式とファイルの上限|バッチ8時間・2GBとストリーミングの違い

対応する音声形式はバッチとストリーミングで異なります。WAV・MP3・M4Aはバッチで扱えますが、WAVはストリーミングでは使えません。

処理方式 対応形式 推奨形式
バッチ amr・flac・m4a・mp3ほか FLAC・WAV(PCM 16bit)
ストリーミング FLAC・Ogg(Opus)・PCM 16bit FLAC・PCM

バッチの対応形式は、amr・flac・m4a・mp3・mp4・ogg・wav・webmの8種類です。チャンネルは1chか2chで、3ch以上の音声は扱えません。サンプルレートは電話音声なら8,000Hz、高品質な音声は16,000〜48,000Hzに対応し、バッチでは指定が任意、ストリーミングでは必須です。

上限はAmazon Transcribeのエンドポイントとクォータに一覧があります。実務で効くのは次の値です。

  • 1ファイルの長さは最大28,800秒(8時間)、サイズは最大2GBで、どちらも引き上げ不可
  • Call Analyticsのバッチは最大14,400秒(4時間)・500MB。ただしサンプルレートが8,000Hzを超える音声は2時間以下で、一部の圧縮形式ではサイズ制限も小さくなる
  • 1ファイルの最短は500ミリ秒
  • 同時に走らせられるバッチジョブは既定250件、同時ストリーミングは既定25本(申請で引き上げ可)
  • カスタム語彙はリージョンあたり既定100個、ジョブの記録は90日で削除

8時間を超える録音は分割して投入します。数百件を一度に投げると250件の同時実行枠に当たるため、ジョブのキューイング機能を使うか、投入側で流量を絞ってください。

主要機能|話者分離30人・代替候補・字幕出力と日本語で使えない機能

基本の文字起こし以外に、次の機能があります。実務でまず使うのは話者分離とカスタム語彙で、残りは用途が合うときに足せば足ります。

  • 話者分離:1つの音声内で話者をspk_0〜spk_29の最大30人まで識別(2024年5月に10人から拡大)
  • カスタム語彙・語彙フィルタ:固有名詞の認識強化と、不適切語のマスク
  • チャンネル識別:左右2chを別々に文字起こし。話者分離との併用も可
  • 代替候補:ShowAlternatives=trueで有効化し、MaxAlternativesで候補数の上限を2〜10件に設定。実際の出力数は設定値より少ない場合がある
  • 字幕出力:WebVTTとSubRip(SRT)。番号の始まりは既定0
  • 自動言語識別:音声の言語をシステム側で判定

話者ラベルは匿名の番号なので、「spk_0が誰か」までは判定しません。実名の議事録にするなら、冒頭の自己紹介などを手がかりに人が対応付ける工程が残ります。

日本語の音声で使えない機能もあります。有害表現の検出は米国英語(en-US)のバッチだけが対象で、東京リージョンの価格表にも項目がありません。個人情報の秘匿と通話要約も日本語非対応なので、これらが必須の要件ならTranscribeの外で処理を組みます。

他の文字起こし手段とAmazon Transcribeの使い分け|目的別の選び方

Amazon Transcribeが向くのは、S3に貯まる大量の音声を定期的に処理したいときと、既存のAWS基盤へAPIで組み込みたいときです。数本の音声を手早く起こしたいだけなら、AWSアカウントとS3の準備が要るTranscribeは過剰です。GUIで完結する文字起こしアプリのほうが早く済みます。

機密音声を外部に送れない場合はOSSのWhisper系が候補で、GPUでの動かし方はWhisperをPyTorchで動かす手順で扱っています。要約まで一気に作るならChatGPTで録音・文字起こしして議事録を作る方法、議事録ツールを法人で選ぶ観点はAI議事録・自動文字起こしの仕組みと法人での選び方にまとめました。テキストを音声にする逆方向はAmazon Pollyの料金と実装手順が担当です。

他社のAPIと単価や日本語対応を横並びで比べるなら文字起こしAPIの比較と選び方、Google側の単価はGoogle Cloud Speech-to-Textの料金と無料枠で確認できます。話者分離の精度を他社モデルと比べたい場合はgpt-4o-transcribe-diarizeの解説も参考になります。

Amazon Transcribeを採用する条件と見送る場面|導入前の判断基準

Amazon Transcribeを業務で採用してよい条件

次の条件がそろうなら、Transcribeを第一候補にして構いません。

  • 音声がすでにS3にある、または録音システムからS3へ置く経路を作れる
  • 月に数十時間以上の音声を継続的に処理し、人手の文字起こし費用を置き換えたい
  • 出力を字幕・検索・分析など別システムへ流すため、時刻付きのJSONが欲しい

文字起こし料金は処理量に比例して増えますが、この条件の案件で大きくなりやすいのは、結果を業務システムへ流す連携開発・保守と人手校正の費用です。導入判断では、この3つを合わせて比較してください。

Amazon Transcribeを日本語の機能要件から採用しない場面

日本語の通話で個人情報の自動マスキングが要件に入っているなら、採用しません。秘匿機能が日本語非対応で要件を満たせないためです。応対記録の要約まで1サービスで完結させたい場合も、通話要約が英語限定なので単体では届きません。音声をクラウドへ一切出せない社内規程がある場合は、ローカル実行のモデルを選びます。

医療・法律のように1語の誤りが許されない文書を、校正なしで確定版にする運用はどの音声認識サービスでも成立しません。Transcribeを入れる場合も、人が確認する工程を業務フローに残してください。音声の取り込み、話者の実名対応付け、社内用語の語彙整備、日本語の個人情報マスキングの後処理まで含めて組み込む場合は、AI音声認識システム開発として要件整理から相談いただけます。

よくある質問

Amazon Transcribeは無料で使えますか?

公式料金ページには「最初の12か月、毎月60分」の無料枠が記載されています。ただし2025年7月15日以降に作成した新規アカウントは、クレジット制の無料プランか有料プランに属し、無料プランは開設から6か月かクレジット消化で終了します。枠が有効かは請求コンソールで確認してください。枠を超えると、東京リージョンの標準バッチは1分0.006ドル、ストリーミングは1分0.01ドルの従量課金です。

Amazon Transcribeは安全ですか?データは学習に使われますか?

通信はTLS 1.2以上が必須で、出力ファイルはAWS KMSの鍵で暗号化できます。2026年9月には、カスタム語彙やカスタム言語モデルの成果物もユーザー管理の鍵で暗号化できるようになりました。注意点として、公式ドキュメントは処理した音声を既定でサービス改善に使うと明記しています。使わせたくない場合は、AWS OrganizationsのAIサービスのオプトアウトポリシーを設定します。

日本語の文字起こし精度はどれくらいですか?

明瞭な録音なら議事録の下書きに使える水準ですが、固有名詞や欠落の誤りは残ります。クラスメソッドの2026年8月の比較でも、Transcribeは欠落と固有名詞の認識ミスが多く、話者分離の誤りは最も少ないという結果でした。FLACかWAVでの入力、話者分離、カスタム語彙への登録で改善し、業界用語が多ければカスタム言語モデルも使えます。

リアルタイム(ストリーミング)文字起こしはできますか?

できます。ストリーミングAPI(StartStreamTranscription)で、会議や通話の音声をその場でテキスト化でき、日本語も東京リージョンで使えます。対応形式はFLAC・Ogg(Opus)・PCM 16bitで、WAVは非対応です。AWS CLIとboto3はストリーミングに対応していないため、Pythonなら後継SDKのaws-sdk-transcribe-streamingで実装します。

WAVやMP3の文字起こしに使えますか?

どちらもバッチで使えます。バッチはamr・flac・m4a・mp3・mp4・ogg・wav・webmに対応し、1ファイル8時間・2GBまでです。音質を保つならWAV(PCM 16bit)かFLAC、サイズを抑えるならMP3が向きます。長時間の録音で2GBを超えそうならMP3にすると収まりやすくなります。リアルタイム用途では、WAVではなくFLACかPCMを使ってください。

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