パレート図とは、不良の種類や売上の商品別といった項目を、値の大きい順に並べた棒グラフと、その累積構成比を示す折れ線グラフを1枚に重ねた図です。QC七つ道具の1つで、どの項目から手を付ければ全体への効果が大きいかを一目で判断するために使います。この記事では、パレート図の意味と軸の読み方、Excelの統計グラフと複合グラフでの作り方、累積構成比80%ラインの読み方と、件数と金額で順位が入れ替わる例が前半で扱う内容です。後半では、在庫管理のABC分析やパレートの法則との違い、図が役に立たない失敗パターン、不良データを毎月手で集計しないための記録設計まで、業務システムの受託開発会社の立場から解説します。
まとめ:パレート図は対策の順番を決める図、何で並べるかが結果を左右する
パレート図の役割は、限られた人手と時間をどの項目に先に使うかを決めることです。上位の2〜3項目で累積構成比が70〜80%に届くなら、そこへ集中して対策を打てば全体の数字が大きく動きます。作り方自体は、集計表を降順に並べて累積構成比を計算し、Excelでグラフにするだけです。
結果を左右するのは、作図の手順よりも「何で数えるか」と「どう分類するか」の2点です。件数で並べるか損失金額で並べるかで1位が入れ替わることは珍しくありません。棒の高さがそろった平らな図になったら、分類の切り口が合っていない合図です。上位に選んだ項目は、特性要因図で原因を洗い出す段階へ渡します。
パレート図の意味と構成:降順の棒グラフと累積構成比の折れ線を重ねる図
最初に、パレート図が何を表す図なのか、どの軸を何として読むのかをそろえておきます。
パレート図の定義:項目を大きい順に並べた棒と累積構成比の線の複合グラフ
総務省統計局のなるほど統計学園「パレート図」では、パレート図を「項目ごとの値を大きい順に並べたもの」と「その累積の構成比を表す折れ線グラフ」を組み合わせたグラフとして説明し、構成比の集中度合いをみるのに適しているとしています。製造の品質管理だけでなく、商品の購入層の分析にも使われる図です。
棒グラフだけでは、1位の項目が全体のどれだけを占めるかは読み取れません。累積の折れ線を重ねることで、「上位3項目で全体の87%」のように、上から何項目を片付ければ全体の何割が消えるかを直接読めるようになります。この「何割が消えるか」を読めることが、普通の棒グラフとの違いです。
QC七つ道具の中での位置づけとパレートの法則から名前が付いた経緯
情報処理推進機構(IPA)のプロセス改善セミナー資料「プロセス改善入門」(2013年)では、QC七つ道具を特性要因図・パレート図・チェックシート・ヒストグラム・散布図・管理図・層別の7つとし、品質管理分野で数値データを整理・解析して現象を定量的に分析する手法群と位置づけています。製造の手法として広まりましたが、ソフトウェア開発のプロセス改善でも同じ道具立てで使われています。
名前の由来は、イタリアの経済学者ヴィルフレド・パレートが所得の分布に偏りがあることを示した研究です。「少数の項目が全体の大半を占める」という偏りを図で確かめる道具として、品質管理の分野に取り入れられました。QC七つ道具の全体像と、品質保証との役割分担は品質管理と品質保証の違いとQC7つ道具の解説で整理しています。
縦軸・横軸・第2軸の読み方:左軸は件数や金額、右軸は0〜100%の累積比率
パレート図には縦軸が2本あります。読み違えやすいので、軸ごとの役割を表にまとめます。
| 軸 | 表すもの | 目盛の決め方 |
|---|---|---|
| 横軸 | 項目(不良の種類など) | 値の大きい順、「その他」は右端 |
| 左の縦軸 | 棒の値(件数・金額) | 上限を全項目の合計値にする |
| 右の縦軸 | 折れ線の累積構成比 | 0〜100% |
左軸の上限を合計値、右軸の上限を100%にそろえると、左軸の合計値の高さと右軸の100%の高さが一致します。こうしておけば、1位の棒の頂点と折れ線の最初の点が同じ高さに来て、棒と線を同じ目で読めるようになります。上限を自動設定のままにすると、この対応が崩れて折れ線だけが寝た形に見えるため注意が必要です。
パレート図の作り方:集計表の準備からExcelのグラフ挿入と「その他」の置き方まで
ここでは、ある部品の1か月分の不良100件を例に、集計表の作り方とExcelでのグラフ化を順に説明します。数値は説明用に置いた仮の値です。
集計表の作り方:降順の並べ替え・累積値・累積構成比を計算する4列の表
グラフを作る前に、項目・件数・累積件数・累積構成比の4列の表を作ります。A列に項目、B列に件数を入れて降順に並べ替え、2行目から計算式を下へコピーします。
| 項目(A列) | 件数(B列) | 累積件数(C列) | 累積構成比(D列) |
|---|---|---|---|
| 寸法不良 | 48 | 48 | 48% |
| 傷 | 27 | 75 | 75% |
| 異物混入 | 12 | 87 | 87% |
| 欠け | 7 | 94 | 94% |
| 変色 | 4 | 98 | 98% |
| その他 | 2 | 100 | 100% |
C2セルの累積件数は =SUM($B$2:B2)、D2セルの累積構成比は =C2/SUM($B$2:$B$7) と入れて下へコピーし、D列の表示形式をパーセントにします。始点を絶対参照で固定し、終点だけが1行ずつ伸びるのがこの式の要点です。件数の入力ミスがあっても、最終行のD列が100%にならないので気付けます。
Excel 2021以降とMicrosoft 365の統計グラフで作る2ステップの手順
Microsoftのサポートページ「パレート図を作成する」では、Excel for Microsoft 365・Excel 2024・Excel 2021を対象に、次の2ステップの手順を案内しています。
- 項目の列と件数の列を選択する(同じ項目はグループ化されて合計される)
- [挿入]タブの[統計グラフの挿入]から[ヒストグラム]を選び、[パレート図]をクリックする
この方法では、並べ替えや累積構成比の計算をExcelが自動で行うため、先の表のC列とD列は不要です。不良記録の1行1件の一覧から出現回数を数えたい場合は、値が1の列を足してからパレート図にし、横軸のビンを[カテゴリ別]にすれば件数のグラフになると案内されています。手軽な一方で、すべての項目を値の降順で並べるため、「その他」を右端に固定できない点に気を付けてください。
複合グラフで手作りする方法:第2軸の上限を100%にし原点から線を始める設定
「その他」を右端に置きたい場合や、古い版のExcelを使う場合は、先の集計表から複合グラフで作ります。総務省統計局のなるほど統計学園の手順を要約すると、次の流れになります。
- 累積構成比の先頭に0を入れた行を足し、折れ線が原点から始まるようにする
- 件数と累積構成比を選び、[挿入]タブの[複合グラフの挿入]から[集合縦棒-第2軸の折れ線]を選ぶ
- 第1軸の最大値を件数の合計、第2軸の最大値を100%に固定する
- 棒の[要素の間隔]を0%にして棒同士をすき間なく並べる
- 折れ線に第2横軸を追加して軸位置を[目盛]にし、追加した軸のラベルを消す
手順が多く見えますが、一度作ったグラフはテンプレートとして保存すれば、翌月はデータを貼り替えるだけで済みます。報告資料に毎月載せるなら、こちらの方法で形を固定しておくほうが手戻りは少なくなります。
「その他」の扱いと項目数の目安:小さい項目は束ねて右端に置く
項目の数は、目安として5〜10個程度に収めます。件数が1〜2件の項目を全部並べると、右側に低い棒が長く続き、上位項目の比較が読みにくくなるためです。小さい項目は「その他」に束ね、値の大小にかかわらず右端に置くのが一般的な作法です。
ただし、「その他」が上位の項目より大きくなったら束ねすぎです。上の例で「その他」が30件あれば、その中に分けるべき不良が埋もれていると考えます。目安として、「その他」は全体の10%以下に収まるよう、記録の分類を見直してください。
パレート図の読み方と分析:上位何項目で何割かを数え対策の順番を決める
パレート図は作って終わりではなく、どの項目に手を付けるかを決めて初めて役目を果たします。読み方の基準と、軸の選び方で結論が変わる例を見ていきます。
累積構成比80%ラインで重点項目を決める読み方と、80%に固執しない理由
よく使われる読み方は、右軸の80%の位置から横線を引き、折れ線と交わるところまでの項目を重点項目とする方法です。先の例では、寸法不良と傷の2項目で75%、異物混入を加えた3項目で87%に届きます。この場合、まず寸法不良と傷の2つに対策を絞り、異物混入は次の候補として扱うのが妥当な判断です。
80%という数字は、「上位2割の要素が全体の8割を生む」というパレートの法則から来た目安にすぎません。実際のデータでは、上位1項目で60%を占めることも、上位5項目でようやく70%に届くこともあります。大切なのは境界線の位置ではなく、手を付ける項目数が現場の人手で回せる範囲に収まるかです。80:20の偏りがどんな条件で成り立つかはパレートの法則と80:20が成り立つ条件で詳しく扱っています。
件数で並べるか損失金額で並べるかで順位が入れ替わる例と軸の選び方
先の100件の不良を、1件あたりの損失額で金額に置き換えてみます。手直しで済む寸法不良は1件500円、傷は300円ですが、異物混入はロット廃棄と顧客対応で1件6,000円かかるとします(いずれも説明用の仮の値)。
| 項目 | 件数(順位) | 1件の損失額 | 損失金額(順位) |
|---|---|---|---|
| 寸法不良 | 48件(1位) | 500円 | 24,000円(2位) |
| 傷 | 27件(2位) | 300円 | 8,100円(4位) |
| 異物混入 | 12件(3位) | 6,000円 | 72,000円(1位) |
| 欠け | 7件(4位) | 2,000円 | 14,000円(3位) |
件数で見ると3位の異物混入が、金額で見ると全体の約58%を占める1位になります。コスト削減や顧客への影響を問題にするなら金額、作業者の手間や検査工数を問題にするなら件数で並べるのが基本です。どちらで並べたかを図のタイトルに必ず書き、会議で件数の図と金額の図が混ざらないようにします。
対策前後のパレート図を同じ目盛と同じ期間で並べて効果を確かめる比べ方
対策の効果は、対策前と対策後のパレート図を左右に並べて確かめます。このとき、左軸の上限を対策前の合計値にそろえ、集計期間も同じ長さにします。目盛を自動のままにすると、対策後の合計が減っても棒の高さが同じように見え、効果が伝わりません。
対策した項目の棒が低くなり、順位が下がっていれば狙いどおりです。ほかの項目の棒が高くなっていたら、対策が別の不良を生んでいないかを疑います。対策後に不良率が下がった状態を日々保てているかは、パレート図ではなく管理図で監視する領域です。管理図をシステムで自動生成する方法は統計的工程管理(SPC)の実装と管理図の自動生成で解説しています。
ABC分析との関係:同じ累積構成比を在庫や売上の管理区分に使う違い
パレート図と並んでよく検索されるのがABC分析です。計算の中身はほぼ同じですが、目的と出てくる結果が違います。
ABC分析の区分基準:累積70%・90%で切る目安と業務に合わせた調整
ABC分析は、商品や在庫品目を売上高や出庫金額の大きい順に並べ、累積構成比で区分して管理の濃さを変える方法です。パレート図と同じ集計表を作り、D列の累積構成比を境界値で切ります。よく使われる目安は、70%までをA、90%までをB、残りをCとする区分です。
境界値は決まりではなく、業務に合わせて調整してかまいません。A品目を毎週棚卸しする運用なら、担当者が回せる品目数に収まるようにAの範囲を狭めます。区分ごとに棚卸しの頻度を変える設計例は循環棚卸とABC区分の頻度設計で、発注方式や在庫指標との関係は在庫管理の目的・発注方式と指標の決め方で解説しています。
パレート図・ABC分析・パレートの法則の違いを目的と出力で比べた表
3つは混同されやすいので、目的と出てくるものを並べて比べます。
| 名前 | 種類 | 主な目的 | 出てくるもの |
|---|---|---|---|
| パレートの法則 | 経験則 | 偏りの存在を説明する | 80:20という目安 |
| パレート図 | グラフ | 対策の順番を決める | 重点項目の候補 |
| ABC分析 | 分類手法 | 管理の濃さを変える | 品目ごとのA・B・C区分 |
品質管理の現場で不良を減らす目的ならパレート図、数千点の在庫品目に管理ルールを割り当てる目的ならABC分析を使います。ABC分析の結果を見せる図としてパレート図を描くことも多く、両者は集計表を共有する関係です。法則そのものは手法ではないため、「パレートの法則で分析する」と言うときは、実際にはこのどちらかを行っています。
パレート図が役に立たない失敗パターンと特性要因図へつなぐ使い方
パレート図を作っても対策が決まらない場合、原因はグラフの作り方より、集計の切り口や記録の質にあることがほとんどです。
棒の高さがそろう平らなパレート図:分類の切り口を変えて層別し直す合図
6項目の棒がどれも15〜20%前後で、折れ線がほぼ直線になる図は、重点が見えない状態です。この形が出たら、データの偏りが無いのではなく、分類の切り口が問題と合っていない可能性を先に疑います。
対処は、同じデータを別の切り口で分け直すことです。不良の種類で平らなら、設備別・シフト別・材料ロット別・製品品番別に集計し直します。種類別では平らだった不良が、設備別にすると2号機だけで60%を占める、といった偏りが現れることはよくある例です。分け直しても平らなら、特定の項目に絞る対策ではなく、工程全体の仕組みを見直す問題と判断して、パレート図による重点化はやめます。
「その他」が最大になる・分類の粒度がそろわない記録の失敗パターン
もう1つの典型は、元の記録の分類が粗い、またはばらばらなケースです。不良記録の入力欄が自由記述だと、「キズ」「傷」「すり傷」「外観不良」が別の項目として数えられ、1項目あたりの件数が分散します。逆に「外観不良」のような大きなくくりで記録すると、パレート図の1位にはなっても、具体的に何を直せばよいかが分かりません。
防ぎ方は、不良の分類をあらかじめ決めた区分コードから選ばせることです。区分は「傷」「打痕」のように対策が変わる単位で切り、迷った入力が「その他」に流れたら、月に1回その中身を確認して区分を追加します。入力の仕組みを変えないまま図の作り方だけを工夫しても、この失敗は解消しません。
上位項目を特性に据え特性要因図で要因を広げるQC七つ道具の流れ
パレート図が示すのは「どの不良を先に減らすか」までで、「なぜその不良が出るのか」は教えてくれません。上位の項目が決まったら、それを特性として特性要因図に置き、人・機械・材料・方法の切り口で原因の候補を広げます。書き方と大骨の分け方は特性要因図の書き方6手順と4M・5Mの分け方で詳しく解説しています。
特性要因図で出した候補は、層別や散布図でデータと照らして2〜3個に絞り、なぜなぜ分析で仕組みの原因まで掘り下げます。進め方はなぜなぜ分析のやり方5ステップと記入例が参考になります。対策を打ったら、再びパレート図で対策前後を比べるところまでが1周です。
不良データのパレート図を毎月手で作らないための記録設計とシステム化
パレート図を毎月の会議資料に載せる職場では、集計の手間とデータの質が続けられるかどうかを決めます。
不良区分コードと損失金額・工程・設備番号を記録に持たせる項目設計
パレート図を件数と金額の両方で描き、平らな図になったときに切り口を変えて集計し直すには、不良1件ごとに次の項目が残っている必要があります。
| 記録項目 | パレート図での使い道 |
|---|---|
| 不良区分コード | 種類別の件数パレート図 |
| 数量と処置区分(手直し・廃棄) | 損失金額パレート図 |
| 工程・設備番号 | 設備別に分け直す層別 |
| シフト・材料ロット・品番 | 人や材料の切り口での層別 |
損失金額は記録時に手で入れるより、処置区分と品番の単価から計算させるほうが正確です。区分コードと設備番号がそろっていれば、パレート図はピボットテーブルの集計を貼り替えるだけで作れます。
Excelの手集計から生産管理・品質管理システムへ移す件数と連携の目安
不良が月に数十件までで、記録する人が1〜2人なら、Excelの不良台帳と前述の複合グラフのテンプレートで十分に回ります。手集計に限界が来るのは、複数の工程で同時に入力して最新版が分からなくなったとき、品番や材料ロットを生産実績から転記しているとき、月数百件の記録を切り口を変えて集計し直すのに半日かかるようになったときです。
この段階では、不良の記録を製造指示や工程実績と同じ仕組みに載せることを検討します。工程・設備・ロットは生産実績の側にすでにあるため、不良を製造指示にひも付けて登録すれば、層別に必要な項目が自動でそろう仕組みです。集計結果をダッシュボードで見せる方法は製造業のBIツール導入と品質データの可視化に、品質管理の専用システムを入れるか自社開発するかの比較は品質管理システムの機能とパッケージ導入か自社開発かの判断にまとめています。一創の生産管理システム開発では、製造指示・工程実績と不良記録を同じデータでつなぎ、件数と損失金額のパレート図や設備別の層別集計を画面から出せるところまで、既存システムとの連携を含めて設計しています。
パレート図についてよくある質問:ヒストグラムとの違い・英語・データ期間
パレート図を初めて作るときや、会議で説明するときによく出る質問をまとめました。
パレート図とヒストグラムの違いは何ですか?
ヒストグラムは、寸法や重さなど1つの数値データを区間に分け、各区間に入るデータの個数を棒で表して、ばらつきの形を見る図です。横軸は数値の区間なので、並び順は数値の小さい順に固定されます。パレート図は、不良の種類など分類された項目を値の大きい順に並べ、累積構成比の折れ線を重ねて重点を見る図です。Excelでパレート図が[ヒストグラム]の中にあるのは、どちらも統計グラフに分類されているためで、使う目的は異なります。
パレート図は英語で何と言いますか?
英語では Pareto chart または Pareto diagram と呼びます。海外の品質管理の資料では、QC七つ道具を seven basic quality tools と書き、その中の1つとして Pareto chart が挙げられています。Excelの英語版でも、グラフの種類名は Pareto です。社内資料や海外拠点とのやり取りでは、日本語の「パレート図」と英語名の両方を併記しておくと、検索や引き継ぎのときに迷いません。
パレート図に使うデータの期間はどのくらいが目安ですか?
決まった期間はありませんが、1回の図に含める件数が少なくとも数十件、できれば100件程度になる期間で集計すると、順位が偶然で入れ替わりにくくなります。不良が月に数件しか出ない工程なら、3か月や半年でまとめて集計します。対策前後を比べるときは、前後で同じ長さの期間にそろえることを優先してください。季節で不良の傾向が変わる工程では、前年同期の図と並べるのも有効な見方です。
パレート図の折れ線はなぜ原点から始めるのですか?
原点から始めると、折れ線の各点を「その項目までを片付けたら全体の何%が消えるか」として読めるからです。1位の棒の右肩から線が始まる描き方でも数値は同じですが、原点を通すと、最初の区間の傾きが1位の項目の大きさをそのまま表し、上位ほど傾きが急で下位ほど緩やかになる形が分かりやすくなります。総務省統計局の手順でも、累積構成比の先頭に0を入れて原点を通す方法が紹介されています。
項目が3つしかないときもパレート図を作る意味はありますか?
項目が3つ以下なら、表に件数と構成比を書くだけで十分に判断でき、パレート図を描く利点はほとんどありません。パレート図が効くのは、項目が5つ以上あり、どこで線を引けば全体の大半を押さえられるかを目で確かめたい場合です。項目が少ないのは、分類が粗すぎるせいかもしれません。「外観不良」を「傷」「打痕」「汚れ」に分けるなど、対策が変わる単位まで分類を細かくできないかを先に見直してください。
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