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常勤監査役とは|設置義務・任期・報酬と非常勤・社外との違いを2026年版で解説

常勤監査役は、監査役会設置会社が監査役の中から必ず1名以上選ばなければならない監査役です。根拠は会社法390条3項にあります。本記事では、常勤監査役の定義と選定義務の根拠、非常勤・社外・常任との区分、設置義務がかかる会社の条件、任期4年や報酬相場といった実務ポイントを整理します。あわせて、内部統制や情報セキュリティ監査といったIT・DX領域での常勤監査役の関わり、2026年のコーポレートガバナンス・コード改訂が常勤監査役に与える影響まで、上場準備や機関設計を検討する担当者の判断材料を示します。

目次

まとめ:常勤監査役の設置義務・選定根拠と他区分との違いの要点

常勤監査役の選定が義務になるのは監査役会設置会社だけです。会社法390条3項が、監査役会は監査役の中から常勤の監査役を選定しなければならないと定めています。大会社かつ公開会社は監査役会の設置自体が義務(会社法328条1項)のため、結果として常勤監査役の設置も必須になります。逆に監査役会を置かない会社では、常勤・非常勤に法律上の制限はなく、監査役全員を非常勤とすることも可能です。

区分の理解では、3点を押さえれば実務はほぼ足ります。第一に、常勤・非常勤と社内・社外はまったく別の軸であり、常勤の社外監査役も成立します。第二に、常勤と非常勤で監査役としての権限・責任に差はありません。第三に、任期は4年で取締役の2年より長く、短縮もできません(会社法336条1項)。なお2026年のコーポレートガバナンス・コード改訂が議論されていますが、会社法に基づく常勤監査役の設置義務そのものは変わりません。自社の機関設計が監査役会設置会社かどうかを最初に確認し、義務の有無と適任者の人選を判断してください。

常勤監査役の定義と会社法390条3項が定める選定義務の根拠

常勤監査役は、独立した役員の種類ではありません。あくまで監査役の一区分です。会社法は監査役という機関を定め(会社法381条1項)、そのうち常勤で職務にあたる者を「常勤の監査役」と呼びます。会社法390条3項が選定義務の根拠です。

常勤監査役の意味と会社法上の位置づけ(独立した役員区分ではない点)

常勤監査役とは、1つの会社に常駐し、その会社の監査業務を主たる職務として行う監査役を指します。取締役の職務執行を監査し、業務監査と会計監査の双方を担う点は、ほかの監査役と同じです。常勤・非常勤という呼び分けは勤務形態の区別にすぎず、株主総会で選任される「監査役」であることに変わりはありません(会社法329条1項)。したがって登記上も「監査役」として登記され、「常勤監査役」という独立した役職が登記されるわけではない点に注意が必要です。

「常勤」に明文定義がない論点とテレワーク下の常勤性の解釈

意外に見落とされがちですが、会社法には「常勤」の定義規定がありません。実務では「他に常勤の業務がなく、原則として会社の営業時間中は監査役としての職務に専念する者」と解されています。つまり常勤性は、肩書ではなく勤務実態で判断されます。ここで近年問題になるのがテレワークです。常勤監査役がオンラインで常時職務にあたる形態でも、営業時間中に監査役の職務へ専念している実態があれば常勤性は満たすと整理するのが通説的な考え方です。形式的な「出社しているか」ではなく、専念性・即応性が確保されているかで判断する。この視点は、リモート前提で機関設計を組む企業ほど重要になります。

選定の決議要件と監査役会の過半数による選定・解職の手続き

常勤監査役の選定と解職は、監査役会の職務です(会社法390条2項2号)。選定は監査役会の決議で行い、決議には監査役の過半数の賛成が必要です(会社法393条1項)。実務上は、株主総会で監査役の改選があった直後の監査役会で、議長の選定とあわせて常勤監査役を選定し、その結果を文書で代表取締役へ通知する流れが一般的です。選定された常勤監査役も、各監査役と同じく単独で権限を行使できる独任制の機関であり、監査役会の決定が個々の監査役の権限行使を妨げることはできません(会社法390条2項ただし書)。

常勤監査役と非常勤・社外・常任の混同を解く区分の整理

常勤監査役をめぐる用語は混同されやすいものです。「非常勤」「社外」「常任」が入り混じり、検索でも「常任監査役と常勤監査役の違い」が一定数調べられています。ここで軸を分けて整理します。

常勤監査役と非常勤監査役の違いと権限・責任が同一である点

常勤と非常勤の違いは、勤務形態だけです。常勤監査役は会社に常駐して常時監査を行い、他社の常勤役員や従業員を兼ねることはできません。非常勤監査役は常駐せず、取締役会や監査役会への出席を中心に関与し、他社の役員等との兼任も認められます。一方で、監査役としての権限と責任には差がありません。非常勤監査役も、常勤と同等の善管注意義務を負い、任務を怠れば任務懈怠責任を負います(会社法423条)。短時間の関与でも責任は同じである。だからこそ非常勤には高い専門性が求められます。両者の違いを表に整理します。

観点 常勤監査役 非常勤監査役
勤務形態 会社に常駐し常時職務に専念 常駐せず会議出席が中心
他社役員・使用人の兼務 原則不可(常勤性と抵触) 可能
権限・責任 同一(善管注意義務・任務懈怠責任に差はない)
会社法上の用語 「常勤の監査役」(390条3項) 法律上の定めはなし(実務上の呼称)

非常勤監査役は会社法上の用語ではなく、「常勤でない監査役」を指す実務上の呼び名である点も押さえておくと、条文を読むときに混乱しません。

社内・社外と常勤・非常勤の2軸整理と常勤社外監査役の可否

常勤・非常勤と並ぶもう一つの区別が、社内・社外です。社外監査役は、就任前10年間に当該会社やその子会社の取締役・使用人等でなかったことなどの要件をすべて満たす監査役を指します(会社法2条16号)。重要なのは、この社内・社外の軸が、常勤・非常勤の軸とまったく独立している点です。したがって「常勤の社内監査役」「非常勤の社内監査役」「常勤の社外監査役」「非常勤の社外監査役」の4通りがすべて成立します。社外監査役は経歴上、非常勤であることが多いものの、常勤の社外監査役を選ぶことも法的には可能です。2軸を混同して「社外=非常勤」と決めつけないことが、人選を誤らないコツです。

常任監査役と常勤監査役の違い(常任は会社法上の用語でない点)

「常任監査役」という呼称も見かけますが、これは会社法上の用語ではありません。会社が内部の序列や呼称として独自に用いているもので、法的な権限を付与する区分ではない点が、法定の「常勤の監査役」との決定的な違いです。常勤監査役は会社法390条3項に根拠を持ち、監査役会の選定という手続きを経ます。一方の常任監査役は、社内の呼び方にすぎず、それ自体が法的義務や権限を生むわけではありません。社内文書で「常任」という語を使う場合は、それが法定の常勤監査役を指すのか、単なる社内呼称なのかを明確にしておくべきです。

常勤監査役の設置義務がかかる会社の条件と機関設計上の位置づけ

常勤監査役が必要かどうかは、自社の機関設計で決まります。すべての会社に常勤監査役が要るわけではありません。判断の起点は「監査役会を置いているか」です。

監査役会設置会社にのみ課される常勤監査役の選定義務

常勤監査役の選定義務がかかるのは、監査役会設置会社だけです(会社法390条3項)。監査役会は3人以上の監査役で組織され、そのうち半数以上が社外監査役でなければなりません(会社法335条3項)。監査業務の量が増える規模の会社で、組織的・効率的な監査を行うために、常駐して日常的に情報を把握する常勤者を必ず置く——これが設置義務の趣旨です。なお、半数以上が社外という要件を「過半数」と誤って説明する記事も見られますが、条文上は「半数以上」であり、社外監査役がちょうど半数でも要件を満たします。

大会社かつ公開会社の監査役会設置義務と常勤必須の流れ

会社法上の大会社かつ公開会社は、監査等委員会設置会社または指名委員会等設置会社を選択する場合を除き、監査役会の設置が義務づけられています(会社法328条1項)。監査役会の設置が義務になれば、その帰結として常勤監査役の設置も必須になります。「大会社かつ公開会社 → 監査役会設置義務 → 常勤監査役1名以上」という連鎖で理解すると、自社に義務がかかるかを素早く判定できます。逆に監査等委員会設置会社などを選んだ場合は監査役そのものを置かないため、常勤監査役の概念は登場しません。

監査役設置会社・非設置会社では全員非常勤も可能な理由

監査役会を設置していない会社では、常勤・非常勤について法律上の制限はありません。監査役を置いていても監査役会を組織していなければ、監査役全員を非常勤とすることも認められます。取締役会設置会社は原則として監査役の設置義務がありますが(会社法327条2項)、これは「監査役を置くこと」の義務であって、「常勤監査役を置くこと」の義務ではない点に注意が必要です。常勤を置くかどうかは、監査役会の有無で切り替わる。ここを取り違えると、不要な常勤ポストを設けたり、逆に義務を見落としたりします。

常勤監査役の役割と任期4年・報酬相場・選任手順の実務ポイント

常勤監査役の価値は、常駐ゆえの情報把握の厚みにあります。日常的に社内の動きを追い、非常勤や社外の監査役へ情報を橋渡しする結節点になります。

日常的な往査・取締役会出席・独任制に基づく職務の中身

常勤監査役は、取締役会その他の重要会議への出席、各事業所への往査、取締役・使用人・会計監査人からの報告内容の検証、業務・財産状況の調査などを日常的に行います(会社法381条、383条ほか)。違法行為の差止請求(会社法385条1項)や、取締役を相手とする訴訟での会社代表(会社法386条)といった強い権限も持ちます。常勤者は社内に常駐しているぶん、非常勤・社外の監査役が拾いにくい現場の兆候を早期に把握し、監査役会へ共有する役割を担います。独任制のもとで、各監査役が単独で権限を行使できることも、常勤の機動力を支える前提です。

任期4年の身分保障と他社常勤・使用人を兼務できない制約

監査役の任期は、選任後4年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時までです(会社法336条1項)。取締役の任期が原則2年であるのに対し、監査役は2倍の4年で、しかも定款や株主総会の決議で短縮することができません。これは、経営陣による人事を通じた圧力から監査役の独立性を守るための身分保障です。常勤監査役も監査役である以上この4年が適用されます。また監査役は、自社やその子会社の取締役・支配人その他の使用人、子会社の会計参与・執行役を兼ねることができません(会社法335条2項)。常勤監査役の場合、常勤性の要件とあわせて、他社の常勤役員や従業員として働くことも事実上できない点が実務上の制約になります。

日本監査役協会調査による常勤・非常勤の報酬相場の目安

報酬は、定款または株主総会の決議で総額を定め、個々の配分は監査役の協議で決めます(会社法387条)。経営陣に左右されない仕組みです。金額の目安として、日本監査役協会の実態調査をもとにした公表情報では、上場企業の常勤監査役の報酬はおおむね年600万〜2,500万円、非常勤監査役は300万〜700万円程度とされます。社内出身の常勤監査役に絞ると、500万〜1,500万円の帯に約6割が分布するという調査結果もあります。会社の規模、上場の有無、社内か社外か、常勤か非常勤かで大きく振れるため、これらはあくまで幅のある相場として扱ってください。最新の数値は日本監査役協会の調査原典で確認することをおすすめします。

IT・DX時代の常勤監査役と内部統制・情報セキュリティ監査の実務

常勤監査役の職務は、紙の証憑をめくる時代から大きく変わりました。監査の対象が情報システムと内部統制の仕組みそのものへ広がり、常駐する常勤者の役割が再評価されています。ここは法律・会計の解説記事が手薄な領域です。

財務報告に係る内部統制(J-SOX)の整備状況を監視する役割

取締役会・監査役・監査役会・会計監査人は、財務報告に係る内部統制体制の適切な整備という責務を負います。常勤監査役は、日常的に社内にいる立場から、内部統制システム(いわゆるJ-SOX対応の業務プロセス統制やIT統制)が設計どおり運用されているかを継続的に観察できます。決算期に外部から点検する会計監査人と異なり、常勤監査役は期中の運用状況をリアルタイムに近い形で把握できる。この時間軸の差が、内部統制の形骸化を早期に見つける力になります。

情報セキュリティ・サイバーリスク監査で増す常勤の関与

サイバー攻撃や情報漏えいが経営リスクの中心になるにつれ、監査役が見るべき範囲に情報セキュリティ管理体制が加わりました。ランサムウェアによる事業停止やサプライチェーン経由の侵害は、財務にも直結する経営リスクです。常勤監査役は、インシデント対応体制やアクセス権限の管理、委託先の監督状況といった論点を、IT部門やCSIRTと日常的に接点を持ちながら確認できます。非常勤や社外の監査役が会議の場で受ける報告を、常勤者が現場レベルで裏取りする。この役割分担が、セキュリティ監査の実効性を高めます。

証憑の電子化・ワークフロー化が常勤監査役の往査に与える影響

稟議や契約承認のワークフロー化、証憑の電子化が進むと、常勤監査役の往査は「現物の確認」から「システム上の証跡(ログ・承認履歴)の検証」へ重心が移ります。電子化はトレーサビリティを高める一方で、権限設定の誤りや承認フローの抜け穴が新たな統制上の弱点になります。常勤監査役は、業務システムの承認権限と職務分掌が整合しているか、ログが改ざんされにくい形で保存されているかを点検する視点を持つ必要があります。監査業務そのものをデジタル化し、常駐の強みとシステム監査の知見を掛け合わせることが、これからの常勤監査役の差別化要素になります。

2026年コーポレートガバナンス・コード改訂と常勤監査役への影響

2026年はコーポレートガバナンスの制度面で動きのある年です。ただし、常勤監査役の義務がこの改訂で変わるわけではありません。何が変わり、何が変わらないかを切り分けて理解することが、誤った対応を避ける鍵になります。

2026年改訂案のスケジュールと主要4論点の概要

金融庁と東京証券取引所は、2026年4月10日にコーポレートガバナンス・コードの改訂案を公表し、5月15日までパブリックコメントを実施しました。2021年以来5年ぶりの改訂で、6月に内容が確定し、夏頃の適用が見込まれています。改訂後のコードに基づくコーポレートガバナンス報告書の提出期限は2027年7月末とされています。主要な論点は、補充原則を廃止して「解釈指針」を新設するスリム化・プリンシプル化、取締役会による成長の道筋と経営資源配分の説明、独立社外取締役の過半数設置と取締役会事務局の機能強化、有価証券報告書の株主総会前開示の推奨の4点です。なお改訂はパブリックコメントを経た段階の情報のため、確定内容は金融庁・東証の公式発表で確認してください。

会社法上の設置義務は不変という制度の切り分け

ここで明確にしておくべきは、コーポレートガバナンス・コードは上場会社に「コンプライ・オア・エクスプレイン」を求めるソフトローであり、会社法という強行法規とは別物だという点です。常勤監査役の設置義務は会社法390条3項に根拠があり、CGコードの改訂で増減するものではありません。2026年改訂の主役は独立社外取締役や情報開示であって、監査役制度の構造そのものを変える内容ではない。したがって「CGコードが変わるから常勤監査役の義務も変わる」という理解は誤りです。

ガバナンス実質化で監査役に求められる能動的な関与

義務の枠組みは不変でも、潮流の影響は受けます。今回の改訂が掲げるのはガバナンスの「実質化」であり、形式的な体制整備から中身のある運用への転換です。コーポレートガバナンス・コードは従来から、監査役が能動的・積極的に権限を行使し、取締役会や経営陣に適切に意見を述べるべきだとしています。改訂案でも、取締役・監査役が役割を実効的に果たすために能動的に情報を入手すべきとされました。常駐して情報を握る常勤監査役は、この「実質化」を体現しやすい立場にあります。受け身で報告を待つのではなく、自ら現場と内部統制に踏み込む姿勢が、これまで以上に問われます。

常勤監査役を置くべきでない場面とIPO準備での選任の失敗パターン

常勤監査役は万能ではありません。義務がない会社が形だけ置いても、コストに見合う監査機能を得られないことがあります。ここでは条件を示したうえで言い切ります。

監査役会非設置会社で形式的に常勤を置く必要がない場面

監査役会を設置していない中小規模の会社が、対外的な見栄えのためだけに常勤監査役を置くのは過剰です。この場合、常勤の選定は法的義務ではなく、監査の実効性は人数より人選と権限行使で決まります。限られた予算なら、常駐させるより、専門性の高い非常勤監査役を選び、必要な往査のタイミングを設計するほうが費用対効果は高い。「常勤を置けばガバナンスが強化される」という思い込みは、ここでは当てはまりません。

IPO準備で常勤監査役の選任を後回しにする失敗

逆に、上場を目指す会社が常勤監査役の選任を直前まで先送りするのは典型的な失敗です。上場までに監査役会を設置し、最終的に監査役3名以上(うち半数以上は社外)を置き、その中から常勤監査役を1名以上選定する必要があります。常勤監査役は、内部統制報告制度への対応や監査体制の構築を主導する役割を担うため、選任が遅れると上場審査で内部管理体制の整備不足を指摘されかねません。IPO準備では、機関設計の確定とあわせて常勤監査役の人選を早期に動かすべきです。

社内出身者だけで固める人選が独立性を弱める弊害

常勤監査役を社内のキャリア人材だけで固めるのも、避けたい人選です。社内事情に通じる利点はありますが、経営陣との距離が近すぎると、監査役に求められる独立性と公正不偏の姿勢が損なわれます。海外の機関投資家が日本の監査役制度に疑念を持つ理由の一つも、人事面での独立性の弱さにあります。常勤に社内出身者を充てる場合でも、社外監査役や会計・法務の専門家を組み合わせ、独立性と専門性を補完する設計にすべきです。

常勤監査役についてよくある質問

常勤監査役の検討でとくに迷いやすい点を、5つの質問に整理して回答します。

常勤監査役と常任監査役は何が違うのですか?

常勤監査役は会社法390条3項に根拠を持つ法定の区分で、監査役会の決議で選定され、常駐して監査業務に専念する監査役です。一方の常任監査役は会社法上の用語ではなく、社内の序列や呼称として使われるものにすぎません。常任という肩書自体が法的な権限を生むわけではない点が、両者の決定的な違いです。社内文書で常任という語を使う場合は、それが法定の常勤監査役を指すのかを明確にしてください。

常勤監査役は他社の役員や従業員を兼務できますか?

常勤監査役は、原則として他社の常勤役員や従業員を兼ねることはできません。「常勤」とは他に常勤の業務がなく営業時間中は監査役の職務に専念することを意味するためです。加えて会社法335条2項により、自社やその子会社の取締役・使用人等との兼務も禁止されています。非常勤監査役であれば、他社の役員等との兼任が認められます。

監査役会を設置していない会社でも常勤監査役は必要ですか?

必要ありません。常勤監査役の選定義務は監査役会設置会社にのみ課されます(会社法390条3項)。監査役会を置いていない会社では、常勤・非常勤に法律上の制限はなく、監査役全員を非常勤とすることも可能です。自社が監査役会設置会社かどうかが、義務の有無を分ける起点になります。

常勤監査役の年収・報酬はどのくらいが相場ですか?

日本監査役協会の実態調査をもとにした公表情報では、上場企業の常勤監査役の報酬はおおむね年600万〜2,500万円、非常勤監査役は300万〜700万円程度とされます。社内出身の常勤監査役では500万〜1,500万円の帯に約6割が分布するという調査もあります。会社の規模や上場の有無、社内・社外の別で大きく変わるため、幅のある目安として捉え、最新値は協会の調査原典で確認してください。

常勤の社外監査役を選ぶことはできますか?

できます。常勤・非常勤の軸と、社内・社外の軸は別物だからです。社外監査役は経歴上、非常勤であることが多いものの、常勤の社外監査役を選ぶことも法的に可能です。独立性の高い社外監査役を常勤として配置すれば、独立性と日常的な情報把握を両立できる選択肢になります。

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