Google Cloud Speech-to-Textは、音声をテキストに書き起こすGoogle Cloudの音声認識APIです。料金は処理した音声の長さに対する従量課金で、現行のV2 APIは1分あたり0.016ドルから始まります。よく誤解されるのが無料枠で、毎月60分の無料はV1 APIの料金表にしか無く、V2は最初の1分から課金されます。この記事では、2026年10月18日に取得した公式料金表をもとに、V1とV2の単価、Dynamic Batch、日本語(ja-JP)で使えるモデル、APIの使い方、Amazon Transcribe・Azureとの総額の違いを整理します。
まとめ:V2は1分0.016ドルで無料枠なし、急がない処理はDynamic Batchの0.003ドル
- V2の標準認識:月50万分までは1分0.016ドル。50万分を超えると0.010ドル、100万分超で0.008ドル、200万分超で0.004ドルに下がる。
- Dynamic Batch:1分0.003ドル。標準の約5分の1で、結果を急がない録音ファイル向け。
- 無料枠:毎月60分の無料はV1 APIだけ。新規アカウントの300ドルのクレジット(90日)はV2にも使える。
- 課金の単位:リクエストごとに1秒単位で切り上げる。マルチチャンネル音声はチャンネルの数だけ課金される。
- 日本語:最新のChirp 3(
chirp_3)はja-JPがGAで、話者分離にも対応する。GAリージョンはus・euのマルチリージョンだけ。
月100時間(6,000分)を1チャンネルで処理すると、V2標準で96ドル、Dynamic Batchなら18ドルです。リアルタイム処理ではAmazon Transcribeのストリーミング(1分0.01ドル)のほうが安く、本記事で比較する3社の通常単価では、1チャンネルのDynamic BatchはAzureのバッチと同額の最安水準です。以下、料金表の読み方から順に説明します。
Google Cloud Speech-to-Textの仕組みと3つの認識方式
Speech-to-Textは、音声データを送るとテキストが返るマネージドAPIです。サーバーやモデルを自前で用意する必要はありません。現行はV2 APIで、モデルはChirp 3・Chirp 2・telephony(電話音声向け)の3つがモデル一覧に載っています。旧来のV1 APIも残っていて、latest_long などの旧モデルはV1で使います。
呼び出し方は3つです。どれを使うかで、扱える音声の長さと料金が変わります。
| 方式 | メソッド | 音声の上限 | 向く用途 |
|---|---|---|---|
| 同期認識 | Recognize | 1分または10MB | 短い音声コマンド |
| ストリーミング認識 | StreamingRecognize | 1ストリーム5分 | ライブ字幕・音声対話 |
| バッチ認識 | BatchRecognize | 1ファイル8時間 | 録音ファイルの一括処理 |
上限は割り当てと上限のページの値です。バッチ認識はCloud Storageに置いたファイルしか受け付けず、1リクエストに入れられるのは5ファイルまでです。Chirp 3のモデルページは、バッチの目安を1分〜1時間とし、単語単位のタイムスタンプを有効にした場合は20分までとしています。5分を超える会話をリアルタイムで書き起こすときは、ストリームを張り直す実装が要ります。
V2 APIの料金表と課金のルール
V2の単価はSpeech-to-Textの料金ページに載っています。ChirpやChirp 3を選んでも追加料金はかからず、モデルの違いで単価は変わりません。単価を変えるのは、月間の処理量、Dynamic Batchを使うかどうか、割引プランの3つです。
標準認識の段階単価とSavings Planの割引
| 月間の処理量 | 通常 | 1年プラン | 3年プラン |
|---|---|---|---|
| 0〜50万分 | 0.016ドル | 0.0144ドル | 0.0128ドル |
| 50万〜100万分 | 0.010ドル | 0.009ドル | 0.008ドル |
| 100万〜200万分 | 0.008ドル | 0.0072ドル | 0.0064ドル |
| 200万分超 | 0.004ドル | 0.0036ドル | 0.0032ドル |
単価はすべて1分あたりです。「1年プラン」「3年プラン」は、料金ページの割引オプションに載っている「Gemini Enterprise Flexible Savings Plan」の単価で、通常の10%引きと20%引きにあたります。このプランは費用ベースの確約利用割引の一種で、1年か3年の期間中、毎月の最低支出額を約束する代わりに割引単価が適用されます。約束額はGemini Enterprise向けの対象製品の合計で使い切る仕組みで、購入後は取り消せません。Speech-to-Textだけで約束額を決めるなら、利用量が安定してから検討する順番になります。
Dynamic Batchの単価と使える条件
Dynamic Batchは1分0.003ドルで、1年プランは0.0027ドル、3年プランは0.0024ドルです。処理の優先度を下げる代わりに安くなる仕組みで、バッチ認識のドキュメントのとおり、使えるのはバッチ認識(BatchRecognize)だけです。同期認識とストリーミングでは選べません。
結果が返るまでの時間について、料金ページは「低い緊急度で処理する」としか書いていません。2023年8月にV2を発表したGoogle Cloudのブログは、24時間以内の結果を待てる利用者向けとしています。送信から丸1日待てる会議録音や、過去の通話アーカイブの一括処理が向いています。当日中に結果が要る処理には、この案内を根拠に採用しないほうが安全です。
1秒単位とチャンネル数の課金
課金はリクエストごとに1秒単位で切り上げます。2022年11月11日のリリースノートで、それまでの15秒単位から変わりました。「16秒のクリップが30秒分として請求される」と書いている解説記事もありますが、これは改定前の規則です。
注意したいのはマルチチャンネルです。各チャンネルが別々に課金されるので、30秒・4チャンネルの音声は120秒分の請求になります。一方、利用上限の計算に使うのはファイルの長さ(30秒)です。通話録音のように話者ごとにチャンネルが分かれた音声は、請求額が音声の長さの2倍になる前提で見積もります。話者を分ける必要がなければ、モノラルにまとめてから送るだけで請求額は半分になります。
無料枠の範囲:毎月60分はV1 APIだけ
Google Cloudの無料枠の一覧のSpeech-to-Textの行には、「60 minutes per minute per month per account for the Speech-to-Text V1 API.」とあります。料金ページでも、V1の表は「0〜60分は無料」の行から始まり、V2の表は0分から0.016ドルです。つまり、V2で書き起こした音声は1分目から請求されます。「V1とV2の両方が無料枠に入る」と書いた解説記事もありますが、公式の記述とは一致しません。
もう1つの無料は、Google Cloudを初めて使うアカウント向けの300ドルのクレジットです。付与から90日で失効し、Speech-to-Textに限らずGoogle Cloud全体に使えます。V2の標準単価なら約1万8,750分(約312時間)、Dynamic Batchなら10万分の処理にあたります。無料トライアルの説明によると、有料の請求先アカウントにアップグレードしないまま90日が過ぎるかクレジットを使い切ると、トライアルの請求先アカウントは自動で閉鎖され、プロジェクトのリソースが止まります。勝手に課金が始まるわけではありませんが、試験運用を本番へ移すなら、期限前にアップグレードしておく必要があります。
V1とV2のどちらで払うかの判断
| 項目 | V1 API | V2 API |
|---|---|---|
| 毎月の無料枠 | 60分 | なし |
| 標準単価(1分) | 0.016ドル/0.024ドル | 0.016ドル |
| 大量処理の割引 | なし | 4段階で0.004ドルまで |
| Dynamic Batch | なし | 0.003ドル |
| Chirp 3 | 使えない | 使える |
| 医療モデル | 0.078ドル | ― |
V1の標準単価が2つあるのは、データロギングの扱いの違いです。音声をGoogleのモデル改善に使うことを許可する「データロギングあり」は0.016ドル、許可しない「データロギングなし」は0.024ドルです。顧客の通話や社内会議の音声について、契約や社内規程がモデル改善への提供を禁じている場合は、データロギングを許可しない設定を選びます。その場合、V1の実際の単価は0.024ドルになり、V2より5割高くなります。医療向けの medical_dictation・medical_conversation は1分0.078ドルで、医療モデルのページのとおり米国英語(en-US)専用なので、日本語の診療記録には使えません。
判断はこうなります。毎月の処理量が60分以内で、V1の機能が要件を満たすなら、データロギングの許可の有無にかかわらずV1の無料枠を使えます。標準認識の通常料金だけを比べると、V1のデータロギングなしとV2の損益分岐点は月180分です。これを超えるならV2が安く、録音ファイルをDynamic Batchで処理できればさらに5分の1になります。新規に組むシステムでV1を選ぶ理由は、無料の60分以外にほとんどありません。
月100時間の料金試算:認識方式・チャンネル数・契約別
月100時間(6,000分)の音声を処理した場合の請求額を、料金表から計算しました。円は1ドル157円で換算した参考額です。Google Cloudの請求は請求先アカウントの通貨と換算レートで決まるため、実際の円額とはずれます。
| 条件 | 計算 | 月額 | 円換算 |
|---|---|---|---|
| V2 標準・1ch | 6,000分×0.016 | 96ドル | 約15,070円 |
| V2 Dynamic Batch・1ch | 6,000分×0.003 | 18ドル | 約2,830円 |
| V2 標準・3年プラン | 6,000分×0.0128 | 76.8ドル | 約12,060円 |
| V1 データロギングなし | 5,940分×0.024 | 142.56ドル | 約22,380円 |
| V2 標準・2ch通話 | 12,000分×0.016 | 192ドル | 約30,140円 |
| V2 Dynamic Batch・2ch通話 | 12,000分×0.003 | 36ドル | 約5,650円 |
差が最も大きいのは、Dynamic Batchを使うかどうかと、チャンネルを分けて送るかどうかです。同じ100時間でも、2チャンネルの通話をリアルタイムで処理すると192ドル、モノラルにまとめてDynamic Batchで処理すると18ドルで、10倍以上違います。
音声そのもの以外にも費用がかかります。バッチ認識の入力はCloud Storageに置くので、ファイルの保存料が別に請求されます。料金ページも、Cloud Storageなど併用するサービスの料金は別途かかると書いています。
日本語(ja-JP)で使えるモデルとリージョン
日本語は言語コード ja-JP で指定します。ただ、どのモデルで日本語を使えるかはリージョンごとに違います。対応言語の一覧を2026年10月18日に取得し、ja-JPの行をリージョン別に整理しました。
| リージョン | 日本語を使えるモデル | 話者分離 |
|---|---|---|
| us・eu | chirp_3、long、short、telephony、telephony_short | chirp_3で可 |
| global | long、short、telephony、telephony_short | ― |
| us-central1・europe-west4・asia-southeast1 | chirp、chirp_2 | ― |
Chirp 3の日本語対応と話者分離
Chirp 3は2025年10月13日にGAになったV2専用のモデルです。Chirp 3のモデルページでは日本語の文字起こしがGAで、話者分離の対応言語にもja-JPが入っています。公式ページの機能表は話者分離をBatchRecognize限定としていますが、同じページの対応言語欄はRecognizeも挙げています。本記事では、両方の記述で対応が確認できるBatchRecognizeを使用します。句読点は自動で入り、固有名詞の認識を助ける語句リスト(音声適応)は最大1,000フレーズまで渡せます。雑音を抑える組み込みのデノイザーもありますが、背景の人の声は消せません。
Chirp 3のGAリージョンは、us・euのマルチリージョンの2つだけです。2025年11月13日にはasia-south1・europe-west2・europe-west3・northamerica-northeast1でプレビューが始まりましたが、東京(asia-northeast1)は含まれていません。旧世代のChirp 2は、モデルページで3リージョンとも「Private GA」と表示されています。新しく組むならChirp 3から始めるのが無難です。
東京リージョンと音声データの所在地
上の対応言語一覧には、東京(asia-northeast1)で日本語を使えるモデルの行がありません。日本に最も近いのはシンガポール(asia-southeast1)のChirp 2で、Chirp 3を使うと音声は米国かEUで処理されます。社内規程や顧客との契約で「音声データを国内で処理する」と決めている場合は、契約の段階で問題になります。実際に使えるリージョンとモデルの組み合わせは、Locations APIで自分のプロジェクトから確認するよう、公式ドキュメントも案内しています。所在地の要件が厳しい案件は、国内リージョンを持つ他社のAPIと並べて検討します。
音声フォーマットとエンコーディングの設定(LINEAR16・FLAC)
V2では AutoDetectDecodingConfig を指定すると、WAV・FLAC・MP3などのよく使う形式は、エンコーディングとサンプルレートをAPIが自動で判定します。生のPCMを送るときだけ、ExplicitDecodingConfig でエンコーディング(LINEAR16 など)・サンプルレート・チャンネル数を明示します。LINEAR16は16ビットのリニアPCMで、WAVファイルの中身にあたります。
精度を安定させるなら、可逆形式(LINEAR16のWAVかFLAC)で、録音時のサンプルレートのまま送ります。8kHzの電話音声を16kHzにアップサンプリングしても情報は増えないので、電話音声はtelephonyモデルに8kHzのまま渡します。FLACはWAVより小さくなるので、Cloud Storageの保存料と転送時間も抑えられます。チャンネルは前述のとおり課金に直結するため、話者分離が要らない音声はモノラルにしてから送ります。
Python SDKでのChirp 3の実行手順
プロジェクト・API・認証の準備
手順は4つです。Google Cloudでプロジェクトを作って課金を有効にし、Speech-to-Text APIを有効化します。認証はローカルなら gcloud auth application-default login、サーバーならサービスアカウントで行います。最後にPythonのクライアントライブラリを入れます。PyPIのgoogle-cloud-speechは2026年10月1日公開の2.41.0が最新で、Python 3.10以上が必要です。使用するPythonのバージョンを確認し、3.10未満なら対応バージョンを別途用意してから仮想環境を作ります。以下の例ではPython 3.12を使用します。
python3.12 -m venv .venv
. .venv/bin/activate
pip install google-cloud-speech==2.41.0
Dynamic Batchで日本語の録音を書き起こすコード
Cloud Storageに置いた日本語の会議録音を、Chirp 3・話者分離・Dynamic Batchで処理するコードです。公式のChirp 3とDynamic Batchのサンプルを組み合わせ、言語を ja-JP にしました。Chirp 3はus・euのマルチリージョンで動くので、ClientOptions で us-speech.googleapis.com を指定し、recognizerのパスにも locations/us を入れます。公式のChirp 3サンプルも、地域のrecognizerを使うときは必ず api_endpoint を地域に合わせて指定しています。
from google.api_core.client_options import ClientOptions
from google.cloud.speech_v2 import SpeechClient
from google.cloud.speech_v2.types import cloud_speech
PROJECT_ID = "your-project-id"
REGION = "us"
AUDIO_URI = "gs://your-bucket/meeting.flac"
config = cloud_speech.RecognitionConfig(
auto_decoding_config=cloud_speech.AutoDetectDecodingConfig(),
language_codes=["ja-JP"],
model="chirp_3",
features=cloud_speech.RecognitionFeatures(
diarization_config=cloud_speech.SpeakerDiarizationConfig(),
),
)
request = cloud_speech.BatchRecognizeRequest(
recognizer=f"projects/{PROJECT_ID}/locations/{REGION}/recognizers/_",
config=config,
files=[cloud_speech.BatchRecognizeFileMetadata(uri=AUDIO_URI)],
recognition_output_config=cloud_speech.RecognitionOutputConfig(
inline_response_config=cloud_speech.InlineOutputConfig(),
),
processing_strategy=cloud_speech.BatchRecognizeRequest.ProcessingStrategy.DYNAMIC_BATCHING,
)
client = SpeechClient(
client_options=ClientOptions(api_endpoint=f"{REGION}-speech.googleapis.com")
)
operation = client.batch_recognize(request=request)
response = operation.result(timeout=24 * 60 * 60)
for result in response.results[AUDIO_URI].transcript.results:
if result.alternatives:
print(result.alternatives[0].transcript)
for word in result.alternatives[0].words:
print(f"話者 {word.speaker_label}: {word.word}")
google-cloud-speech 2.41.0で、このリクエストがAPIを呼ばずに組み立てられることを確かめました。ProcessingStrategy の値は PROCESSING_STRATEGY_UNSPECIFIED と DYNAMIC_BATCHING の2つで、RecognitionConfig にはデノイザー用の denoiser_config も用意されています。話者分離の結果は、単語ごとの WordInfo の speaker_label に入ります。Dynamic Batchは結果が返るまで時間がかかるので、operation.result() のタイムアウトは長めに設定しておきます。Dynamic Batchではなく通常のバッチ認識を使いたいときは、processing_strategy を外すと標準単価のバッチ認識になります。リアルタイムで処理したいときは streaming_recognize を使います。
Amazon Transcribe・Azure AI Speechとの料金比較
3社の標準単価を1分あたりにそろえました。Amazon Transcribeは料金ページとAWS Price List APIの東京リージョン(2026年6月1日発効)、Azure AI Speechは料金API(Retail Prices API)の東日本リージョンの値です。
| サービス | リアルタイム | バッチ | 無料枠 |
|---|---|---|---|
| Google(V2) | 0.016ドル | 0.003ドル(Dynamic) | なし(V1は月60分) |
| Amazon Transcribe | 0.01ドル | 0.006ドル | 月60分を12か月 |
| Azure AI Speech | 約0.0167ドル(1時間1ドル) | 0.003ドル(1時間0.18ドル) | 月5時間(F0) |
Amazon Transcribeは2026年6月1日から、東京・米国東部ともにストリーミングが1秒0.0001667ドル(1分0.01ドル)、バッチが1秒0.0001ドル(1分0.006ドル)の一律料金になりました。以前の「1分0.024ドル」は古い値です。さらにAmazonの料金ページには、単価に2チャンネルまでの料金が含まれると書かれています。2チャンネルの通話録音なら、チャンネルごとに課金するGoogleより大幅に安くなります。
月100時間で比べると、1チャンネルのバッチ処理はGoogleのDynamic BatchとAzureのバッチが18ドル、Amazonが36ドルです。リアルタイム処理はAmazonが60ドル、Googleが96ドル、Azureが100ドルで、2チャンネル通話ならGoogleは192ドルに増え、Amazonは60ドルのままです。サービスごとの詳しい単価と無料枠は、Azure AI Speechの料金|無料枠と音声認識・音声合成の単価、円建て額【2026年10月】とAmazon Transcribeとは?料金・使い方・日本語対応と対応形式を解説【2026年版】にまとめています。
Google Cloud Speech-to-Textを選ぶ条件と避ける条件
Googleを選ぶべきなのは、録音済みの音声を大量に書き起こし、結果を翌日まで待てる場合です。Dynamic Batchの0.003ドルはAmazon Transcribeのバッチ(0.006ドル)の半額で、Azureのバッチとほぼ同じ水準です。しかも最新のChirp 3で日本語の話者分離まで1回の処理で済みます。BigQueryやCloud Storageにデータが集まっている会社なら、取り込みから分析までをGoogle Cloudの中で完結できます。
避けるべき場面は3つあります。1つ目は、2チャンネルに分かれたコールセンターの通話をリアルタイムで処理する場合で、チャンネル課金のぶんAmazonの3倍以上の費用になります。2つ目は、音声データを国内で処理する決まりがある場合で、東京で日本語を使えるモデルが対応言語表にありません。3つ目は、月60分以内でV1の機能が要件を満たし、料金の低さを優先する場合です。Chirp 3などV2専用の機能が必要なら、少量利用でもV2を選ぶ理由があります。
Whisperなどのオープンソースモデルを自前で動かす方法も含めて比べたいときは、文字起こしAPIの比較と選び方|主要7サービスの料金・日本語対応・使い方【2026年最新】が7サービスを並べています。音声認識を業務システムに組み込む設計から任せたい場合は、AI音声認識システム開発のページで支援内容を紹介しています。なお、テキストを音声にする音声合成はText-to-Speechという別のサービスで、モデルにより文字数または入力テキスト・出力音声のトークン数で課金されます。Geminiの音声合成はGemini API TTSの使い方|3.8 Flash TTSの実装・料金・商用利用【2026年9月】で扱っています。
Google Cloud Speech-to-Textの料金・無料枠・使い方に関するよくある質問
Google Cloud Speech-to-Textの料金はいくらですか?
V2 APIの標準認識は1分0.016ドルで、月50万分を超えると段階的に下がり、200万分超で0.004ドルになります。Dynamic Batchを使うと1分0.003ドルです。課金はリクエストごとに1秒単位で切り上げます。V1 APIはデータロギングありで0.016ドル、なしで0.024ドルです。
Google Cloud Speech-to-Textは無料で使えますか?
毎月60分の無料枠はV1 APIだけにあります。V2 APIには無料枠がなく、最初の1分から課金されます。Google Cloudを初めて使うアカウントには300ドルのクレジットが付き、90日以内ならV2の料金にも充てられます。
Chirp 3を使うと料金は上がりますか?
上がりません。料金ページの標準モデルにChirpが含まれていて、Chirp 3もV2の標準単価(1分0.016ドル、Dynamic Batchなら0.003ドル)で使えます。ただし、Chirp 3のGAリージョンはus・euのマルチリージョンだけです。
日本語の文字起こしと話者分離に対応していますか?
対応しています。言語コードに ja-JP を指定します。Chirp 3は日本語の文字起こしがGAで、話者分離もBatchRecognizeで使えます。ただし、公開の対応言語一覧には東京リージョンで日本語を使えるモデルの行がなく、Chirp 3の音声は米国かEUで処理されます。
ステレオ音声を送ると料金は2倍になりますか?
マルチチャンネルとして認識させると、チャンネルごとに課金されるので2倍になります。30秒・4チャンネルなら120秒分の請求です。話者をチャンネルで分ける必要がなければ、モノラルに変換してから送ると1チャンネル分の料金で済みます。