LGWAN-ASPは、自治体専用の閉域網LGWANを通して、民間事業者などが自治体職員向けのアプリケーションを提供する仕組みです。運営主体の地方公共団体情報システム機構(J-LIS)に参加資格を認められた事業者だけが提供でき、2025年3月末時点でアプリケーション及びコンテンツサービスは1,349件が登録されています。この記事は提供する側に立ち、ホスティングを持つか借りるかの判断、手続と月数、3セグメント構成、接続料金の年額を、2026年4月時点のJ-LISの規程に沿って整理します。料金を見積もるPythonと、転送規則の書式例も載せました。
まとめ|LGWAN-ASP参入で最初に決める提供方式と構成・年間費用
最初の分かれ道は、他社のホスティングサービスにアプリケーションを載せるか、自らホスティングサービス提供者になるかです。前者なら回線やルータの調達はなく、J-LISへの接続料金も直接は払いません。後者は約8か月前に手続を始め、回線とLGWAN接続ルータの調達だけで約6か月かかります。
自前の場合の経常費用は、ルータ2台構成・単一の都道府県内・10Mbps以下で年875,600円、全国に提供すると同じ帯域で年3,383,600円です。構成は3セグメントに分け、LGWAN側と外部側のセグメントがIPで直接つながらないことを保証します。提供先が1団体だけの案件や半年以内の稼働では、自前のホスティングは見送るのが妥当な判断になります。
LGWAN-ASPのサービス区分と提供者どうしの責任分担、契約関係の整理
LGWANそのものの構成と、専用版・中継型の実例はLGWAN(総合行政ネットワーク)とは?インターネットとの違い・第五次の接続方式とLGWAN-ASPを解説にまとめています。ここでは提供する側から、誰がどの登録を持ち、どこまで責任を負うかを見ていきます。
5種類のサービス区分と外部電子契約・外部閉域利用の2つの追加枠
J-LISのLGWAN-ASPの種類によると、LGWAN-ASPはアプリケーション及びコンテンツ、ホスティング、ネットワーク層及び基盤アプリケーション、通信、ファシリティの5種類で構成されます。IPアドレスやドメイン名を扱うネットワーク層はJ-LIS自身が担うため、民間事業者が登録するのは残りの4種類です。
LGWANの外側から提供する枠も2つあります。インターネット上の電子契約サービスを使わせる「LGWAN外部電子契約サービス」(2023年5月8日追加)と、クラウド上の閉域の利用領域から提供する「LGWAN外部閉域利用サービス」(同年7月12日追加)です。どちらもホスティングサービスを中継して自治体へ届き、単独ではLGWANにつながりません。
ホスティング提供者がセキュリティを統括する契約関係と利用約款の義務
複数の提供者が1つのサービスに関わる場合、セキュリティ対策と運用管理はホスティングサービス提供者が統括します(ASP基本要綱第9条)。アプリケーション提供者の登録申請もホスティング提供者が代行し、接続料金の請求先もホスティング提供者だけです。
自治体とアプリケーション提供者の契約にJ-LISは介在しません。アプリケーション提供者は利用約款と利用手引書を作って自治体に渡し、再委託先の確認を求められたらホスティングやファシリティの提供者と連携して答えます。自治体側はJ-LISへの申込も料金も通常は不要です。
ASPサービスリストの検索方法と登録1,349件の分類別の内訳
登録済みのサービスはLGWAN-ASPポータルのASPサービスリスト検索で、2021年11月29日からインターネットでも探せるようになりました。掲載は申込書で選ぶ任意項目なので、リストに無いことは未登録を意味しません。
LGWAN-ASPポータルのASP新規参入事業者向け情報にある令和7年度参入セミナー資料(2025年10月8日)では、1,349件のうち特定業務処理が412件、行政情報管理・共有が195件、電子申請・届出が81件でした。参入したい分野に既存サービスが何件あるかは、このリストで先に数えられます。
他社ホスティングを借りるか自らホスティング提供者になるかの提供方式比較
どちらの方式でも参加資格は必要です。違いは、回線と機器を誰が持ち、J-LISとのやり取りを誰がするかにあります。
回線調達・申請窓口・J-LISへの支払いで比べる2つの提供方式の違い
| 比較項目 | 他社ホスティングを利用 | 自らホスティング提供者 |
|---|---|---|
| LGWAN接続回線・ルータ | 不要 | 自ら調達(約6か月) |
| J-LISへの接続料金 | 払わない | 払う(年78万円台から) |
| 申請・費用のやり取り | ホスティング提供者と | J-LISと直接 |
| 手続の開始時期 | 約5か月前 | 約8か月前 |
| 環境の自由度 | 提供者の仕様に従う | 他社サービスも載せられる |
借りる方式の利点は、提供までの時間と初期投資を抑えられることです。自前の方式は手間と費用が大きい代わりに、他社のアプリケーションを自社環境に載せてホスティング事業として売ることもできます。
ホスティング機器の置き場所:ファシリティ・IaaS・ガバメントクラウドの条件
令和8年4月1日適用の「総合行政ネットワークASP登録及び接続資格審査要領」第14条は、ホスティング機器の置き場所を3つ認めています。登録済みのファシリティ施設、接続技術仕様書の要件を満たすIaaSクラウド、ガバメントクラウドです。IaaSは2024年3月11日の改正で加わり、J-LISのクラウド(IaaS)利用型LGWAN-ASPの登録開始ではISMAPクラウドサービスリストに登録されたIaaSと説明されています。
条件は3つあります。IaaSを使ってもLGWAN接続ルータはファシリティ施設に置くこと。IaaSはホスティング提供者が直接利用契約を結んだものに限られ、代理店経由のアカウントは申込前に確認が要ること。ガバメントクラウドは、デジタル庁が認めた公共SaaS事業者しか使えないことです。ISMAPの登録区分はISMAPとは?クラウドサービスリスト・管理基準・費用を2026年時点で解説、ガバメントクラウドの契約はガバメントクラウドとは?自治体の利用料負担・契約の仕組み・対象5サービスを解説【2026年版】で扱っています。
同じ審査要領の第15条は、管理責任者と運用管理者の選任、セキュリティポリシー、危機管理計画、入退室と鍵の管理、ファイアウォールの設置など12項目の体制を求めています。ISMSの規程を流用する場合も、LGWAN接続に固有の責任者と危機管理計画は別に定めます。
参加資格審査から接続確認試験までの6段階の手続と、ホスティング接続の工程表
手続の順番はJ-LISのLGWAN-ASPの各種様式に示されています。2026年4月1日更新の案内では参加資格審査もポータルから申請する形で、電子メール提出としていた2025年10月のセミナー資料とは違います。
照会から接続確認試験までの6段階と非公開文書を取得できる時期
- 照会(照会事項がある場合のみ)
- 参加資格認定申込(任意団体の場合のみ)
- 参加資格審査申込
- 非公開文書の開示請求
- 登録及び接続申込
- 接続確認試験(ホスティングサービスのみ)
株式会社などの民間事業者は2が不要です。J-LISへ初めて連絡するときは、問合せフォームで「総合行政ネットワーク全国センター」を選んでメールアドレスを登録してもらいます。登録前のアドレスからのメールは届きません。
接続技術仕様書、接続手引書、LGWAN接続ルータ調達のための仕様書は、3の受理後に4で取得する非公開文書です。参加資格を取る前に詳細設計は固められないため、見積りの段階では公開のガイドラインと審査要領で枠を決めます。
ホスティング接続は8か月前から:回線とルータの調達約6か月の工程
参入セミナー資料の工程では、接続日のおよそ8か月前に参加資格審査を申し込み、審査に2〜3か月かかります。受理後に非公開文書を取得し、ネットワーク基盤サービス事業者のソフトバンク社と直接契約して回線とルータを調達します。この調達が約6か月です。
並行してホスティングサービス接続申込を出し、受理されるとASPコードが発行されます。回線工事、ルータ設置、疎通確認を済ませた日が接続日で、請求もこの日に始まります。アプリケーションだけを他社ホスティングに載せる場合は約5か月前の開始で足り、登録はホスティング提供者が変更申込として出す流れです。
構成はファイアウォール・ルータ・回線の台数で4パターンあり、標準構成(各1)、コールドスタンバイ(ルータのみ2)、ホットスタンバイのFWシングル(ルータと回線が2)とFW二重化(すべて2)から選びます。民間事業者は都道府県ノードを使えず、LGWAN網への直接接続方式に限られます。
LGWAN側公開・ゲートウェイ・外部側公開の3セグメント構成と転送規則の例
住民がインターネットから申請し、職員がLGWANから処理するような両側から使うサービスでは、セグメントの分け方が審査の中心になります。
IPリーチャビリティ遮断の意味と隣り合うセグメントだけを通す設計
審査要領第20条は、外部ネットワークからLGWANへのIPリーチャビリティがないことの保証をホスティング提供者に求めています。参入セミナー資料では、ネットワークをLGWAN側公開・ゲートウェイ・外部ネットワーク側公開の3セグメントに分け、両端のセグメント間のIPレベルの直接通信を断つ形で実現すると説明しています。
隣り合うセグメント間の通信は認められているため、データはLGWAN側のサーバから中継サーバへ、中継サーバから外部側のサーバへと、アプリケーションの層で受け渡します。パブリッククラウドもインターネットと同じ外部ネットワークとして扱われ、AWSやAzureに置いたアプリケーションを使わせる構成でもこの分離は省けません。
ゲートウェイの転送規則をnftablesで書いた3セグメント分離の書式例
次の例は、両端のセグメント間の直接転送を記録して落とし、中継サーバの決めたポートだけを通す規則を1台のLinuxにまとめたものです。アドレスは説明用の値で、LGWAN側に公開するサーバのアドレスはJ-LISが割り当てます(第16条)。本番の機器構成とファイアウォールの段数は、非公開の接続技術仕様書に従います。
# asp_gw.nft:3セグメント間の転送規則(検証用の書式例)
define LGWAN_PUB = 192.0.2.0/26 # LGWAN側公開セグメント
define GW_RELAY = 198.51.100.10 # ゲートウェイセグメントの中継サーバ
define EXT_PUB = 203.0.113.0/26 # 外部ネットワーク側公開セグメント
table inet asp_gw {
chain forward {
type filter hook forward priority filter; policy drop;
ct state established,related accept
# 両端の公開セグメント間の直接通信は、どちら向きも記録して落とす
ip saddr $LGWAN_PUB ip daddr $EXT_PUB log prefix "ASP-REACH-NG " drop
ip saddr $EXT_PUB ip daddr $LGWAN_PUB log prefix "ASP-REACH-NG " drop
# 隣り合うセグメントへは、中継サーバの決めたポートだけを通す
ip saddr $LGWAN_PUB ip daddr $GW_RELAY tcp dport 8443 accept
ip saddr $EXT_PUB ip daddr $GW_RELAY tcp dport 22 accept
}
}
nft -c -f asp_gw.nft で構文を確かめてから nft -f asp_gw.nft で読み込みます。テストでは両端のサーバ間で通信を試し、ログに「ASP-REACH-NG」が出て届かないことが確認項目です。iptablesからの書き換えはiptablesとは?Linuxのパケットフィルタとファイアウォール設定・nftablesへの移行を実装目線で解説が参考になります。
外部からLGWANへ渡すファイルのテキスト化と、無害化が不要になる2枠
外部側からアップロードされたファイルは、そのままLGWANへ渡せません。外部ネットワーク側公開セグメントでテキスト化か画像化をしてから、ゲートウェイセグメントへ渡します。クリーンな環境で体裁を整えて再構成することは認められており、PDFやOfficeファイルをどの形式に変えるかは要件定義で決める事項です。庁内側の無害化通信の3方式は三層分離とは:α′・β′モデルの通信経路と必須対策、分離の確認手順にあります。
例外は前述の2枠です。外部電子契約サービスは、契約書のアップロードを自治体側からに限ることを条件に無害化が不要とされ、署名済みの契約書をそのまま受け渡せます。ISO/IEC 27017かISMAPの認証も条件です(第41条)。電子契約の法的な位置づけは電子契約に関わる法律とは?民法・電子署名法から取適法まで承諾と書面交付の要否を整理【2026年時点】で整理しています。
外部閉域利用サービスは、インターネットと論理的な接続点を持たないクラウドの利用領域をLGWAN側公開セグメントとして扱い、無害化は不要、IPリーチャビリティの遮断も1段で足ります。第51条はクラウドのISMAPかISMAP-LIUへの登録、保守画面も閉域回線に限ること、管理画面の多要素認証を求めています。中継するホスティング提供者は閉域性を定期的に確認してJ-LISへ報告する義務を負います(第23条)。
HTTP・HTTPS以外のポートの追加申請とLGPKIアプリケーション証明書
標準で使えるのはHTTP(80番)とHTTPS(443番)です。それ以外のプロトコルはセキュリティ・リスクの審査を経て追加でき、1回55,000円のプロトコル追加料がかかります。
LGWAN側のHTTPSは、LGPKIのアプリケーション認証局が発行するサーバ証明書を使う構成で案内されています。発行料は1件22,000円、有効期間は1年です。この認証局の証明書は自己署名のため、自治体の端末にもその証明書が入っている必要があります。ドメイン名も運営主体の指定に従うので(第30条)、インターネット側の証明書を流用する設計にはなりません。
LGWAN-ASP接続料金の内訳と、提供地域と帯域から年額を計算する方法
接続料金は令和7年7月1日施行の「総合行政ネットワークASP接続料金」に定められ、LGWAN-ASPポータルのASP規程類から取得できます。払うのはホスティングサービス提供者だけです。
一時費用と経常費用の内訳、民間事業者に免除が無い4つの経常項目
| 項目 | 金額(税込) | 単位 |
|---|---|---|
| LGWAN設定料 | 110,000円 | 新規・変更の都度 |
| IPアドレス発行料 | 11,000円 | アドレスごと |
| アプリケーション証明書発行料 | 22,000円 | 証明書1件ごと |
| LGWAN接続ルータ監視料 | 88,000円 | ルータ1台・年額 |
| ASP運営管理料 | 567,600円 | 年額 |
| LGWAN利用料(10Mbps以下) | 132,000円 | 年額 |
| LGWAN網使用料(10Mbps以下) | 2,508,000円 | 複数都道府県域・年額 |
LGWAN利用料とLGWAN網使用料は帯域で7段階に分かれ、1Gbps以下ではそれぞれ年1,702,800円と年28,710,000円です。網使用料は複数の都道府県に提供するときだけかかるため、全国展開かどうかで年額が数百万円変わります。冗長化した回線は、高いほうの帯域で請求されます。
提供地域と帯域、接続月から年額と初年度の費用を出すPythonの計算例
経常費用は原則として年一括払いで、初年度は接続月から3月までの月割りです。次のPythonは標準ライブラリだけで動きます。
# lgwan_asp_fee.py:LGWAN-ASP接続料金(表1・税込・令和7年7月1日施行)の見積もり
# 民間事業者が自らホスティングサービス提供者になる場合だけを対象にする
import math
# 帯域区分ごとの年額(円)
LGWAN_RIYO = {"10M": 132_000, "50M": 148_500, "100M": 165_000, "200M": 462_000,
"300M": 627_000, "500M": 825_000, "1G": 1_702_800}
# 複数都道府県域にサービスを提供するときだけ加わるLGWAN網使用料(年額)
LGWAN_MOU = {"10M": 2_508_000, "50M": 2_682_900, "100M": 2_871_000, "200M": 5_775_000,
"300M": 8_646_000, "500M": 14_355_000, "1G": 28_710_000}
ROUTER_KANSHI = 88_000 # LGWAN接続ルータ1台あたりの監視料(年額)
UNEI_KANRI = 567_600 # ASP運営管理料(年額)
def annual_fee(bandwidth, multi_pref, routers=2):
"""経常費用の年額。冗長化した回線は高いほうの帯域を渡す。"""
fee = ROUTER_KANSHI * routers + UNEI_KANRI + LGWAN_RIYO[bandwidth]
if multi_pref:
fee += LGWAN_MOU[bandwidth]
return fee
def first_year(bandwidth, multi_pref, connect_month, ip_count, cert_count, routers=2):
"""接続月から年度末(3月)までの月割り経常費用と、一時費用の合計。"""
months = (3 - connect_month) % 12 + 1
recurring = math.floor(annual_fee(bandwidth, multi_pref, routers) / 12) * months
onetime = 110_000 + 11_000 * ip_count + 22_000 * cert_count # 設定料+IP発行料+証明書発行料
return recurring + onetime
if __name__ == "__main__":
print(annual_fee("10M", multi_pref=False)) # 単一都道府県域・10Mbps以下
print(annual_fee("10M", multi_pref=True)) # 全国域・10Mbps以下
print(annual_fee("1G", multi_pref=True)) # 全国域・1Gbps以下
print(first_year("10M", multi_pref=True, connect_month=10, ip_count=2, cert_count=1))
出力は上から875600、3383600、31156400、1845796です。最初の3つは参入セミナー資料の年間経常費用の例(ルータ2台構成)と一致します。最後は全国域で10月に接続し、IPアドレス2つと証明書1件を申し込んだ初年度の見積もりです。月割りの端数処理は項目ごとの可能性があるため、確定額は請求書で確かめてください。
従量課金や小規模市町村割引をすると接続料金が下がる表2の条件
減額後の表2が使えるのは、アプリケーション提供者に従量課金をするホスティング提供者と、自社のアプリケーションを人口5万人以下の市町村へ割り引いて提供するホスティング提供者です。減額後はASP運営管理料が年283,800円、ルータ監視料が1台年44,000円になり、帯域の料金は100Mbps以下で半額、200Mbps以上で1割引きになります。
適用には減額の申請が要り、承認月の翌月から下がります。料金体系を公開していないホスティングサービスは対象外です。単一都道府県・10Mbps以下なら年額はちょうど半分の437,800円になるので、小規模団体を主な顧客にする場合は価格表の設計と一緒に検討します。
LGWAN-ASPに自社で参入すべき事業者と、借りる側に回るべき事業者の条件
費用と期間の実額を並べると、自前のホスティングが割に合う条件は狭くなります。判断の材料は提供先の数、提供地域、稼働までの期間です。
自前のホスティングを選ぶ条件:全国域・複数サービス・独自の通信要件
全国の自治体へ複数のサービスを出す計画があり、年300万円台からの経常費用を数十団体の利用料で割れるなら、自らホスティング提供者になる意味があります。他社のアプリケーションを載せてホスティング事業として売れる点も、この方式だけの利点です。独自ポートの専用クライアントや外部閉域利用サービスとの接続など、他社のホスティングでは通らない構成が要る場合も自前を選びます。年度初めの4月稼働を狙うなら、前年の8月には参加資格審査を申し込む計算です。
自前のホスティングを見送る場面:単一団体の受託案件と半年以内の稼働
特定の1団体から受託した業務システムをLGWANから使わせたい案件では、自前のホスティングは採りません。年78万〜87万円台の経常費用と約8か月の準備を、1件の契約で回収するのは難しいからです。登録済みのホスティングサービスを借りるか、庁内に置く、ガバメントクラウド上の標準準拠システムとつなぐといった方式を先に比べます。半年以内に使い始めたい場合も、調達の約6か月だけで間に合いません。
どの方式でも、3セグメントの分け方と無害化の形式は要件定義の最初に決めます。後から外部向けの機能を足すと、サーバの配置からやり直しになるためです。提供方式の比較から相談したい場合は、一創の公共システム開発でも自治体向けシステムの要件定義とLGWAN-ASPへの載せ方を扱っています。
よくある質問
LGWAN-ASPを提供する側、利用する側の双方から寄せられやすい質問をまとめます。
LGWAN-ASPとLGWANの違いは何ですか?
LGWANは全国の自治体の庁内ネットワークを結ぶ閉域網そのもので、J-LISが運営しています。LGWAN-ASPは、その網を通して自治体職員にアプリケーションを提供する仕組みとサービスのことです。網に接続団体として加わるのは都道府県・市区町村や一部事務組合などで、民間事業者はLGWAN-ASPの参加資格を取り、ホスティングサービスを経由してサービスを提供します。
LGWAN-ASPのサービスリストはどこで見られますか?
LGWAN-ASPポータルサイトの「ASPサービスリスト」で、インターネットからも検索できます。2021年11月29日に掲載方法が変わり、LGWAN端末でなくても閲覧できるようになりました。掲載は提供者が申込時に選ぶ任意項目のため、見つからないサービスは提供事業者に登録の有無を直接問い合わせると確実です。
AWSやAzureの上にLGWAN-ASPを構築できますか?
できます。2024年3月の規程改正で、ISMAPクラウドサービスリストに登録されたIaaSをホスティング機器の置き場所に使えるようになりました。ホスティング提供者がIaaS事業者と直接契約していること、LGWAN接続ルータは登録済みのファシリティ施設に置くことが条件です。クラウドは外部ネットワークとして扱われるため、3セグメントの分離と無害化の要件もそのまま適用されます。
LGWAN-ASPの登録にはどのくらいの期間がかかりますか?
自らホスティングサービスを提供する場合は、接続日の約8か月前から始めます。参加資格審査に2〜3か月、回線とLGWAN接続ルータの調達に約6か月かかり、接続申込の審査は調達期間の中で並行して行われる形です。他社のホスティングにアプリケーションを載せるだけなら約5か月前の開始が目安で、そのうち参加資格審査の2〜3か月が大半を占めます。
自治体がLGWAN-ASPサービスを使うのにJ-LISへの申込は必要ですか?
通常は不要です。自治体は提供事業者の利用約款に基づいて事業者へ直接申し込み、J-LISへの料金の支払いもありません。ただ、送ったデータは庁外のホスティング環境や、その先のパブリッククラウドに置かれることがあります。J-LISは契約内容、データの取扱いと二次利用の禁止、外部へ送る際の方針を、各団体の条例や個人情報保護審査会の方針に照らして確認するよう求めています。
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