ネイティブアド(ネイティブ広告)の配信媒体を比べるなら、まず媒体名が今も通用するかを確かめてください。nendは2024年3月29日に配信を停止し、Outbrainは2025年にTeadsへ社名を変え、LINE広告とYahoo!広告 ディスプレイ広告は2026年4月1日に「LINEヤフー広告」へ統合されました。検索上位の比較記事には、これらが旧名称のまま残っているものがあります。
この記事は、2026年9月時点で出稿できる主な配信媒体の比較表と、種類ごとの掲載面、目的別の絞り込み方に絞って整理します。ネイティブ広告の定義や費用構造、広告表記の実務基準はネイティブ広告の定義・IABの3分類・費用構造の解説で扱っています。
まとめ:ネイティブアド媒体の一覧と選び方の要点
- 媒体社が運営するフィード面へインフィード配信するなら、LINEヤフー広告、Google デマンド ジェネレーション、ニュースアプリ(SmartNews Ads・Gunosy Ads)が候補です。
- 外部メディアの記事下に出すなら、Taboola・Teads・Discovery DSP・LOGLY Ads Context・UZOUのレコメンドウィジェット型が候補になります。
- 課金方式はSmartNews Ads・Gunosy Ads・Taboola・LOGLY Ads Context・Discovery DSPが公開しています。単価の目安まで出しているのはLOGLY Ads Contextなど一部で、実際の単価は見積もりで比べることになります。
- 古い一覧のnend・Outbrain・LINE広告・LOGLY liftは、終了または名称変更済みです。提案書に旧名があれば運営会社名で照合してください。
- JIAAの推奨規定は、広告表記と広告主体者の明示を基本としています。広告と判別しにくい表示は、2023年10月1日施行のステマ告示に触れるおそれがあります。
ネイティブアドの位置づけと表記の前提
JIAA(日本インタラクティブ広告協会)は2015年3月18日付の「ネイティブ広告の定義と用語解説」で、ネイティブ広告を「デザイン、内容、フォーマットが、媒体社が編集する記事・コンテンツの形式や提供するサービスの機能と同様でそれらと一体化しており、ユーザーの情報利用体験を妨げない広告」と定めています。同じ日付のJIAA「ネイティブ広告に関する推奨規定」は、外部コンテンツ誘導型のインフィード広告に、広告枠内での広告表記と広告主体者の明示を求めています。
媒体を比べる段階で押さえておきたいのは、表記は媒体の配信仕様で自動的に付く一方、遷移先の記事型LPは広告主の責任だという点です。LPで媒体記事を装うと、枠内の表記だけでは足りません。消費者庁の令和5年内閣府告示第19号(ステマ告示、2023年10月1日施行)との関係はステルスマーケティングの定義・規制・罰則の解説で詳しく扱っています。
ネイティブアドの6つの種類と媒体の対応
国内の解説で使われる「6つの種類」は、米IABが2013年12月4日に公表した初版Native Advertising Playbookの分類です。下の表では、各類型にどの媒体が当たるかを並べています。
| 類型(IAB初版) | 英語名 | 主な掲載面 | 国内の代表例 |
|---|---|---|---|
| インフィード型 | In-feed units | ニュース・SNSのタイムライン | LINEヤフー広告、SmartNews Ads |
| ペイドサーチ型 | Paid search units | 検索結果の広告枠 | 検索広告全般 |
| レコメンドウィジェット型 | Recommendation widgets | 記事下の「おすすめ記事」枠 | Taboola、Teads、UZOU |
| プロモートリスティング型 | Promoted listings | ECサイトの商品一覧 | モール内の広告商品 |
| インアド型 | IAB standard ads with native element | 通常の広告枠 | 天気情報・SNSフィード等を組み込む広告 |
| カスタム型 | Custom | 媒体独自の枠 | タイアップ記事、アプリ内独自面 |
IABは2019年5月のPlaybook 2.0で、よく使われる形式を「In-Feed/In-Content Native Advertising」「Content Recommendation Ads」「Branded/Native Content」の3つに整理しました。Playbook 2.0では、ペイドサーチは通常別カテゴリーとして扱われるため独立類型から外され、プロモートリスティングは広義のインフィード型に含められています。出稿先を比べる際は実質この3類型で考えると迷いません。インフィード型の仕様と課金をさらに掘り下げる場合はインフィード広告の基本概念と特徴も参照してください。
ネイティブアド配信媒体の比較一覧【2026年9月時点】
各社の公式サイト・ヘルプで2026年9月17日に提供状況を確認した結果です。課金方式や配信面は変更が多いため、出稿前に公式ヘルプで最新の仕様を確認してください。
| 媒体 | 主な類型 | 主な配信面 | 課金・取引 |
|---|---|---|---|
| LINEヤフー広告 ディスプレイ広告 | インフィード | LINE NEWS、トークリスト、Yahoo! JAPAN | 運用型(入札) |
| Google デマンド ジェネレーション | インフィード | YouTube、Discover、Gmail、マップ | 運用型(入札) |
| SmartNews Ads | インフィード | SmartNewsアプリ | CPC・CPM(運用型)、予約型 |
| Gunosy Ads | インフィード | グノシー等のアプリ | CPC・CPM(運用型) |
| Taboola | レコメンド | 提携メディアの記事下 | CPC中心(動画はCPM等) |
| Teads(旧Outbrain) | レコメンド | 提携メディア | 要問い合わせ |
| Discovery DSP(popIn) | レコメンド | 提携メディア | CPCベース(単価は要問い合わせ) |
| LOGLY Ads Context | レコメンド・インフィード | 提携メディア | CPC(平均単価の目安を公開) |
| UZOU | レコメンド・インフィード | 提携メディア | 要問い合わせ |
プラットフォーム型:LINEヤフー広告とGoogle デマンド ジェネレーション
自社のアプリやサービスに配信面を持つプラットフォームは、1つのアカウントで複数の面へ出稿できます。LINEヤフー広告 ディスプレイ広告(運用型)のLINE側の配信面は「LINE NEWS」のトップ、各カテゴリータブ、一部記事の詳細画面、トークリスト画面の最上部などです。Yahoo!広告ヘルプによれば、ディスプレイ広告(運用型)では、タイムラインの広告枠に特化したインフィード広告とまったく同じ配信はできません。ただし、Yahoo! JAPANトップページとYahoo!ニュースをプレイスメントに指定すると、インフィードに近い配信になります。
Googleのデマンド ジェネレーション キャンペーンは、YouTube(ショートを含む)、Discover、Gmail、Googleマップ、Googleディスプレイネットワークに配信されます。P-MAXとは別のキャンペーンで、両者は併用できます。既存のP-MAXを参考に新しいデマンド ジェネレーションの設定を事前入力する機能はありますが、P-MAXが自動で置き換わるわけではありません。
ニュースアプリ型:SmartNews AdsとGunosy Ads
SmartNews Adsは、運用型のStandard Adsと予約型のPremium Adsの2本立てです。SmartNews Adsのヘルプ(公式)によれば、Standard Adsの課金は「オークション形式のCPC課金とCPM課金」です。Gunosy AdsもCPM・CPC入札を選べる運用型商品を持ち、認知・理解・コンバージョンの目的別に商品を分けています。記事型LPへ誘導する場合は、ニュースフィードで示す見出しとLPの内容を一致させ、読了やコンバージョンの実績で適否を判断してください。
レコメンドウィジェット型:Taboola・Teads・Discovery DSP・LOGLY Ads Context・UZOU
提携メディアの記事下に「おすすめ記事」として出す型です。Taboolaは日本語の広告主向けページで、国内のプレミアムサイトへのネイティブ広告に加え、ディスプレイ・動画・リッチメディアも扱うと案内しています。Taboolaの日本向け契約条件(公式PDF)ではCPC・CPM・vCPM・CPCVが定義され、CPM・vCPM・CPCVは動画広告に限られます。つまり静止画・記事誘導の出稿はクリック課金が基本です。
Teadsは東京オフィスから日本のブランド・代理店・パブリッシャー向けにサービスを提供しています。UZOUはレコメンド・インフィード広告を配信するネイティブアド配信プラットフォームです。TeadsとUZOUの課金方式と単価は、見積もりの段階で確認してください。
Discovery DSPはpopIn株式会社の広告配信サービスで、公式サイトで「CPCベースのDSP」と説明し、APACでネイティブ広告とディスプレイ広告を展開しています。LOGLY Ads Contextはログリーのネイティブ広告サービスで、公式サイトに「旧LOGLY lift」と記載されています。LOGLY Ads Contextの料金ページ(公式)は最低出稿金額の設定がないことを明記し、平均CPCの目安を獲得向けメニューで1円〜25円、ブランド向けメニューで10円〜50円としています。見積もり前に単価の相場感をつかめる数少ない公開情報です。複数のメディアの枠をまとめて買う仕組みはアドネットワークの仕組みとDSP/SSPとの違いで整理しています。
古い比較記事で名前が変わった・終了した媒体
「ネイティブアド 一覧」で上位に出る記事には、2017年や2021年に作られたまま更新が止まったものがあります。次の媒体は、古い一覧に載っていても現在は名前や状態が違います。
| 古い一覧での表記 | 現在の状態 | 時期 |
|---|---|---|
| nend | 広告配信を停止しサービス終了 | 2024年3月29日 |
| Outbrain | Teadsを買収しTeadsブランドへ | 2025年2月3日買収完了 |
| Outbrain Inc.(NASDAQ: OB) | Teads Holding Co.(TEAD) | 2025年6月社名・ティッカー変更 |
| LINE広告、Yahoo!広告 ディスプレイ広告 | LINEヤフー広告 ディスプレイ広告 | 2026年4月1日統合 |
| LINE広告(統合前のサービス) | 配信停止・提供終了の予定 | 2026年10月下旬頃・2027年3月末頃 |
| LOGLY lift | LOGLY Ads Context | 公式サイトで旧名を併記 |
nendの終了はファンコミュニケーションズの開示資料に「2024年3月29日をもって広告配信を停止しサービス終了しております」と記載されています。OutbrainはTeadsの買収完了後に社名をTeads Holding Co.へ変え、2025年6月10日にティッカーもOBからTEADへ変わりました。LINEヤフー for Businessの2026年2月18日のお知らせでは、統合前のLINE広告は2026年10月下旬頃に広告配信を停止し、2027年3月末頃に提供を終える予定とされています。LINE広告で配信を続けている場合は、停止時期より前に公式のお知らせで移行手順を確認してください。社内の媒体リストや代理店の提案書に旧名が残っていると、同じ事業者を別媒体として二重に比較してしまうので、提案を受けたら運営会社名まで照合してください。
ネイティブアド媒体の選び方と判断基準
ネイティブアド媒体の目的別選定基準
- 認知・ブランド理解:LINE NEWSやYahoo! JAPANに出せるLINEヤフー広告、YouTubeやDiscoverに出せるデマンド ジェネレーション、動画フォーマットも扱うTaboola。
- 記事を読ませて検討を進める:SmartNews Ads・Gunosy Adsのニュースフィードと、Taboola等のレコメンドウィジェット型。記事型LPを用意できることが前提です。
- 獲得(CV)重視:CPC課金を選べるSmartNews Ads・Gunosy Ads・Taboola・LOGLY Ads Contextで少額テストし、コンバージョン計測を整えたうえで、CVRだけでなく獲得単価(CPA)を比べて予算を寄せます。
予約型と運用型の違い、プログラマティック取引との関係を整理しておくと、見積もりの比較が速くなります。取引方式の全体像は運用型広告の6タイプと主要プラットフォームの比較とプログラマティック広告の基本概念と定義を参照してください。
ネイティブアドを選ぶべきでない場面
次の条件に当てはまるなら、ネイティブアドより検索広告や通常のディスプレイ広告を先に検討してください。
- 記事を読めると期待させる広告なのに、遷移先が説明のない購入画面やフォームになっている。広告と遷移先の内容を一致させられない場合は、配信を見送ってください。
- 「広告」表記を目立たせたくない、という動機で選んでいる。この発想はステマ告示のリスクに直結します。
- すでに顕在化した需要(商品名や「〇〇 比較」での検索)を刈り取りたい。この需要には検索連動型広告のほうが直接届きます。
ディスプレイ広告・リスティング広告との違い
| 項目 | ネイティブアド | ディスプレイ広告 | リスティング広告 |
|---|---|---|---|
| 見た目 | 記事・フィードと同形式 | バナー等の定型枠 | 検索結果のテキスト |
| 接触の起点 | コンテンツ閲覧中 | サイト閲覧中 | 検索キーワード |
| 主な役割 | 潜在層の関心喚起 | 認知・リターゲティング | 顕在需要の獲得 |
| 遷移先の例 | 記事型LP・商品LP等 | 商品LP・記事型LP等 | 商品LP・資料請求ページ等 |
市場規模を比較する際は、統計ごとの分類を確認してください。電通などが2026年3月5日に発表した「2025年 日本の広告費 インターネット広告媒体費 詳細分析」には「ネイティブ広告」「インフィード広告」の区分がなく、広告種別はディスプレイ広告やビデオ(動画)広告(2025年は1兆275億円)などで集計されています。別の切り口の「ソーシャル広告」は1兆3,067億円(SNS系5,508億円、動画共有系5,126億円、その他2,434億円)です。「ネイティブ広告市場は〇〇億円」という数字を見かけたら、どの区分をどう合算したのかを確認してください。ディスプレイ広告の掲載面と課金方式はディスプレイ広告の掲載面と課金方式の解説で扱っています。
媒体比較でそろえる評価指標と入稿時の注意点
記事型LPへ誘導するネイティブアドでは、CTRだけで評価すると、釣り気味の見出しほど良く見えてしまいます。CTRに加えて、LP記事の読了(スクロール到達率・滞在時間)と、記事からの遷移率・CVRまでを1本の流れで見てください。媒体の管理画面でも、計測タグなどを設定すればコンバージョンを確認できます。LP内の閲覧行動はGA4などでも計測し、媒体間ではコンバージョンの定義と計測期間をそろえて比較します。記事滞在や再訪を含めた評価軸の置き方はネイティブ広告の効果測定と計測設計の章で整理しています。
- 見出し:記事の中身と一致させる。フィードでの誤認クリックは課金されるうえ直帰につながります。
- 画像:媒体ごとに比率と文字量の規定が違うため、入稿規定を媒体別に確認してから作ります。
- 表記:媒体の入稿規定に従って広告主体者を明示し、記事型LPでも冒頭などの分かりやすい位置に広告表記と広告主名を示します。
よくある質問
ネイティブアドの媒体に順位やランキングはありますか?
媒体を順位づけるには、出稿額・配信量・獲得単価など、何を比較するかをそろえる必要があります。電通などの「2025年 日本の広告費 インターネット広告媒体費 詳細分析」にもネイティブ広告やインフィード広告の独立区分はないため、目的・配信面・課金方式で候補を絞り、少額配信の結果で比べるのが現実的です。
ネイティブアドとインフィード広告の違いは何ですか?
インフィード広告はネイティブアドの類型の1つです。ネイティブアドには、インフィード型のほかにレコメンドウィジェット型やタイアップ記事などのカスタム型も含まれます。
ネイティブアドの配信媒体はどこが代表的ですか?
2026年9月時点では、LINEヤフー広告、Google デマンド ジェネレーション、SmartNews Ads、Gunosy Ads、Taboola、Teads、Discovery DSP、LOGLY Ads Context、UZOUが代表的です。nendは2024年3月29日に終了しています。
Outbrainやnendは今も出稿できますか?
nendは2024年3月29日に広告配信を停止し、サービスを終えています。OutbrainはTeadsの買収を2025年2月3日に完了してTeadsブランドへ移り、2025年6月に社名もTeads Holding Co.へ変わりました。日本では東京オフィスのTeadsが窓口です。
ネイティブアドの媒体比較で見るべき項目は何ですか?
主な類型(インフィードかレコメンドか)、配信面、課金方式(CPCかCPMか)、そして媒体名が現行かどうかです。そのうえで目的に合う課金方式でテストし、記事誘導なら閲覧行動、獲得重視ならCVRとCPAを比較します。