17 人が閲覧(直近 30 日) 広告

TRPとは?テレビCMの計算式と%TRPの意味、ターゲット区分とGRPとの違い

TRPとは?テレビCMの計算式と%TRPの意味、ターゲット区分とGRPとの違い

TRP(ティーアールピー/Target Rating Point)は、テレビCMが狙った層にどれだけ届いたかを、個人視聴率の合計で表す延べ視聴率です。式は「ターゲット個人視聴率×放送本数」の一行で済みます。実務で迷うのは式ではなく、資料のTRPが個人全体の数字なのか、F1などに絞った数字なのか、どの地区のいつからの数字なのかが読み取れない点です。この記事では、ビデオリサーチの用語集と調査仕様を根拠に、計算例、%TRPの読み方、ターゲット区分、GRPやP+C7との違い、TRP建てで単価が変わる理由までを順に扱います。

まとめ:TRPの要点

  • TRPは「ターゲット個人視聴率(%)×放送本数」を期間内で合計した延べ値です。複数番組なら番組ごとに掛けて足します。
  • TARPとTRPは同じ指標です。ビデオリサーチの用語集はTARPの項に「TRP(Target Rating Point)とも呼ぶ」と書いています。
  • 同用語集の定義は「個人を対象にした延べ視聴率」で、性年齢の絞り込みを条件にしていません。資料に「TRP」とだけあれば、個人全体か特定区分かを確認します。
  • %TRPは100を超えます。TRP÷到達率(%)が平均接触回数で、300TRPで到達率60%なら平均5回です。
  • スポットCMの取引指標P+C7は「算出基準は個人全体」です。「TRP単位で買う」と言われても、中身がF1などとは限りません。
  • 同じ枠を同じ金額で買っても、積み上がるTRPは区分ごとに違うので1TRPあたりの費用も変わります。令和7年度の総務省調査では、平日のテレビ(リアルタイム)視聴は20代46.3分、60代249.3分と約5.4倍の差があります。
  • 機械式の個人視聴率(PM調査)は地区ごとに開始時期が違い、宮崎・山梨・福井・佐賀・徳島は2021年10月からです。過去推移は地区ごとの起点を確かめてから比べます。

TRPの定義|読み方・略語とTARPとの関係

TRPは「Target Rating Point」の略で、読み方は「ティーアールピー」です。日本語では「ターゲット延べ視聴率」と訳されます。同じ3文字は東京レインボープライド、自転車ブレーキのブランド、生体のTRPチャネルにも使われるため、検索結果には広告と無関係なページが混ざります。

ビデオリサーチ用語集の定義|TARPと同一でターゲット限定の条件なし

視聴率調査を行うビデオリサーチの用語集(S〜T)は、TARPを「Target Audience Rating Pointの略。個人を対象にした延べ視聴率。TRP(Target Rating Point)とも呼ぶ。」と定義しています(出典表記は日本インタラクティブ広告協会のインターネット広告基礎用語集 2022年度版)。同じページのTRPの項は「個人視聴率の指標で、世帯視聴率のGRPに相当する。ある期間中に放送したテレビCMの各回個人視聴率の合計。」です。

どちらの項にも「特定の性年齢層に絞る」という条件は入っていません。TARPの項には「主にTARPはマーケティングデータとして使われ、GRPは広告取引に使われる」という一文もあります。

広告主向け解説の定義|「特定のターゲット層」に絞る書き方

インテージの用語集は、TRPを「特定のターゲット層(年齢・性別など)にテレビCMがどれだけ届いたかを示す指標」と説明します。この説明は、広告主が設定した性年齢などの区分を対象にしています。

資料のTRPを比較する際は、個人全体か特定の性年齢区分かをそろえてください。区分を取り違えたまま前年実績と比べると、増減がターゲット設定の違いによるのか、出稿量の違いによるのかを切り分けられなくなります。

TRPの計算式と計算例|ターゲット個人視聴率×放送本数

1本ごとに「その時間帯のターゲット個人視聴率」を取り、期間内で合計します。式にすると次のとおりです。

TRP = 各放送回のターゲット個人視聴率(%)の合計 = 各放送回のターゲット個人視聴率の平均値(%)× 放送本数

1番組と複数番組の計算例

月曜から金曜まで1日1本ずつ流し、各回のターゲット個人視聴率が5%、5%、10%、10%、8%だったとします。この5本のTRPは5+5+10+10+8=38です。

複数の番組に出稿するときは、番組ごとに「視聴率×本数」を出してから合計します。F1をターゲットにした次の例では、合計45TRPになります。

出稿先 F1個人視聴率 本数 TRP
番組A 4% 6本 24
番組B 7% 3本 21
合計 - 9本 45

15秒と30秒が混ざるときの換算

取引では15秒を1単位とするのが慣行です。テレビ朝日のセールス向けコラムはGRPの説明で「30秒CMを流した場合は10GRP。15秒CMが1単位という概念から、15秒2本分の価値として算出します」と書いています。TRPも同じ数え方で、F1個人視聴率6%の枠に30秒CMを2回流せば、6×2回×2単位=24TRPです。

ただし、この尺換算は取引の単位です。後で出てくる到達率や平均接触回数と組み合わせるときは、換算前の実際の放送回数で数えます。

目標TRPからの必要放送本数の逆算

計画段階では式を逆に使います。必要本数=目標TRP÷想定ターゲット個人視聴率です。F1で300TRPを積みたいとき、想定する枠の平均F1個人視聴率が4%なら75本(15秒換算)が必要です。平均が3%に落ちる時間帯へ寄せると100本に増えます。本数と枠の組み合わせ方は、時間帯の区分(テレビのゴールデンタイムとは?何時から何時まで・1週間の合計時間とプライムとの違い)と合わせて検討します。

%TRPの意味|100を超える延べ値と到達率・接触回数

集計ツールや提案書では「%TRP」「%TRP」と書かれることがあります。視聴率(%)を足し上げた値なので%が付きますが、延べ値なので簡単に100を超えます。38TRPの計画を4週続ければ152TRPです。これは「ターゲットの152%が見た」という意味ではありません。

何%の人に届いたかは到達率(リーチ)で見ます。ビデオリサーチ用語集の累計到達率の項は「最大でも100%で100%を超えることはない」と明記しています。延べ値と到達率の間には次の関係があります。

平均接触回数(到達者ベース)= 尺換算前のTRP ÷ 同じ対象・地区・期間・視聴条件の到達率(%)

300TRPで到達率が60%なら、届いた人は平均5回見た計算です。同じ300TRPでも到達率が40%なら平均7.5回で、少数に繰り返し当たっていることになります。TRPの数字だけで出稿の良し悪しを判断しないでください。到達率の考え方はリーチとは?ビジネス・SNS広告での意味とインプレッションとの違い・リーチ率の計算、適正回数の決め方はフリークエンシーとは?計算式とリーチとの違い・適正回数の判断基準で扱っています。

ターゲット区分の年齢定義|C・T・F1〜F3・M1〜M3の8区分

TRPを出すには、先に「誰を数えるか」を決めます。日本のテレビ広告では、ビデオリサーチの集計区分が共通言語です。年齢の境目は用語集のF1、F2、F3とM1、M2、M3の各項に書かれています。

区分 対象 年齢
C(Child) 男女 4〜12歳
T(Teen) 男女 13〜19歳
F1/M1 女性/男性 20〜34歳
F2/M2 女性/男性 35〜49歳
F3/M3 女性/男性 50歳以上

個人視聴率の調査対象は4歳以上で、3歳以下はどの区分にも入りません。性年齢で分けずに全員をまとめたものが「個人全体(ALL)」です。各局が独自に設定する「コア視聴率」はこの8区分とは別物で、年齢の切り方が局ごとに違い、改編期に変わることもあります。

TRPとGRPの違い|世帯か個人かとP+C7の中身

掛け算の形は同じで、違うのは視聴率の分母です。

指標 元にする視聴率 数える対象
GRP 世帯視聴率 テレビをつけていた世帯
TRP/TARP 個人視聴率 個人全体、またはF1などの区分
P+C7 個人全体のP+C7 4歳以上の個人全体

世帯視聴率はテレビ所有世帯のうち対象の番組・時間帯を視聴した世帯の割合、個人視聴率はその世帯内の4歳以上の家族のうち対象の番組・時間帯を視聴した人の割合です。テレビが1台ついていれば1世帯と数えるのが前者、人単位で数えるのが後者なので、同じCMでも数字は一致しません。GRP側の計算・目安・パーコスト・PRPとの比較はGRP(延べ視聴率)とは?計算式・目安とPRPとの違い、CM費用の出し方にまとめています。

P+C7は「個人全体」のリアルタイム+7日内のCMタイムシフト

テレビ朝日のセールスサイトは「2018年4月より、スポットCMの買い付けがGRP単位でなくTRP単位に変更された」と説明しています。このとき置き換わったベースが、ビデオリサーチ用語集のP+C7です。定義は「リアルタイムの番組枠平均視聴率(P)+7日間内のCM枠平均タイムシフト視聴率(C7)。スポットCMの取引指標として一部地区で導入されている。算出基準は個人全体。」です。

読み取れることは2つあります。1つは、取引の中身がF1などの区分ではなく個人全体だという点。もう1つは、録画などで放送後7日以内にCM枠が再生された分を含む点です。「TRPで買い付けた」という報告を受けたら、区分(ALLか特定区分か)と、タイムシフトを含むかの2点を確認してください。リアルタイムだけで計算した社内のTRPと、P+C7で取引した数字をそのまま並べると、差がタイムシフト分なのか効果の差なのか分からなくなります。

TRP建ての単価がターゲット区分で変わる理由|年代別のテレビ視聴時間

TRPあたりの費用(パーコスト)は「広告費÷TRP」です。ビデオリサーチ用語集のパーコストの項は「世帯(個人)視聴率1%を獲得するために要する費用」と定義しています。同じ枠を同じ金額で買っても、ターゲットの区分によって積み上がるTRPが違うので、1TRPの値段も変わります。

差の大きさは年代別のテレビ視聴時間から見当がつきます。総務省情報通信政策研究所の令和7年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査(2026年6月26日公表。調査対象は13〜79歳の1,800人、日記式調査の期間は2025年12月1日〜7日)による、平日のテレビ(リアルタイム)視聴の平均利用時間は次のとおりです。

年代 平日の平均視聴時間
10代 43.4分
20代 46.3分
30代 78.0分
40代 112.3分
50代 152.7分
60代 249.3分
70代 313.5分
全年代 156.1分

数値は同調査の報告書概要(PDF)にある「主なメディアの平均利用時間(全年代・年代別)」の令和7年度・平日の値です。20代と60代では約5.4倍の開きがあります。視聴率の調査とは方法も対象も違う日記式の調査ですが、若年層のテレビ視聴時間が短い傾向を示す参考にはなります。ただし、この年代別集計だけで、性別や出稿時間帯を指定したF1・M1とF3・M3の視聴率の大小は確定できません。仮に同じスポット100本を1,000万円で買い、F3では600TRP、F1では150TRPが積み上がったとすると、1TRPあたりはF3で約1.7万円、F1で約6.7万円です(数値は説明用の仮定)。

実務での判断は次のとおりです。若年層向けの商材で目標TRPを前年と同じに置く場合、購入枠の平均ターゲット個人視聴率が下がれば必要本数は増えます。費用も増えるかは、枠単価や購入条件によります。F1・M1のTRPを積むことが目的化しているなら、目標値を見直すか、到達率で目標を置き直してください。テレビ以外の媒体と組み合わせて買い方を組み直す場合はメディアバイイングとは?広告枠の買い付け方と予約型・運用型・プログラマティックの違いが参考になります。

地区ごとのTRPの起点|PM調査の開始時期と調査世帯数

ターゲット別の個人視聴率は、どの地区でも昔から取れた数字ではありません。ビデオリサーチのテレビ視聴率の調査仕様によると、PM(ピープルメーター)による機械式調査の開始時期と、現在の調査世帯数は次のとおりです。

地区 PM調査開始 調査世帯数
関東 1997年4月 2,700世帯
関西 2001年4月 1,200世帯
名古屋 2005年4月 700世帯
北部九州 2019年4月 400世帯
札幌 2020年4月 400世帯
仙台・広島・静岡など22地区 2020年4月 各200世帯
宮崎・山梨・福井・佐賀・徳島 2021年10月 各200世帯

2020年4月の拡大は、同年2月6日のプレスリリースで「2020年3月30日より」と発表されたリニューアルで、関東の調査世帯は900から2,700へ、関西は600から1,200へ増えました。残る5地区は2021年7月5日のリリースで、2021年10月4日データから新しい調査を始めると発表されています。現在は全国32地区です。

この起点が効くのは過去比較です。たとえば徳島の2019年のF1のTRPは、機械式の個人視聴率では存在しません。5年分の推移をTRPで示した資料は、地区ごとの起点より前の年が同じ条件で並んでいるかを確かめてください。

小標本地区のターゲット別TRP|標本誤差を踏まえた評価条件

視聴率は標本調査なので誤差を含みます。ビデオリサーチ用語集の標本誤差の項は「調査対象世帯数が2,700世帯で、世帯視聴率が10.0%の時、信頼度95%での標本誤差は±1.2%になる」と例示しています。誤差は標本数の平方根に反比例するので、200世帯で同じ条件なら単純計算で約3.7倍、±4%台になります。F1やM1に絞ると対象者はさらに少なくなります。

200世帯の地区でF1のTRPを買い付けや成果の条件に置くなら、事前に2点を代理店と決めておきます。1つは、その区分の標本人数と集計期間。もう1つは、目標との差がどこまでなら誤差の範囲として扱うかです。本数が少ない短期の出稿ほど1本ごとの誤差が平均化されにくく、数TRPの過不足を成果の差と読み違えやすくなります。関東・関西の結果は傾向の参考にはなりますが、調査対象の地域が違うので、その地区のターゲットに届いたかの検証には使えません。

TRPを買い付けと検証に使う流れ|計画・発注・放送後の確認

TRPは計画、発注、放送後の検証の3段階で使います。段階ごとに確認することを並べます。

  • 計画:ターゲット区分と目標TRP、目標の到達率を決めます。区分を決めずに目標TRPだけを置かないでください。
  • 発注:提案書のTRPについて、地区、分母(個人全体か特定区分か)、タイムシフトを含むか(P+C7か)を確認します。3点が空欄のTRPは、他の案件とも前年実績とも突き合わせられません。
  • 放送後:買い付け時のTRPと実際に積み上がったTRPの差を確認します。この実績値を広告実務では「アクチュアル」と呼びます(アクチュアルとは?ビジネスでの意味と会計・広告での使い分け)。差が出たら、到達率と平均接触回数まで分けて原因を見ます。

テレビ朝日のコラムは、GRPについて「個人全体視聴率(+タイムシフト視聴率)が使われていて」と書く一方、パーコストは「世帯視聴率1%の値段」と説明しています。放送局の解説でも分母の表記はこれだけ揺れるので、呼び名でなく数字ごとに分母を聞くのが確実です。

よくある質問

TRPの読み方と略は?

「ティーアールピー」と読み、Target Rating Point(ターゲット・レイティング・ポイント)の略です。日本語では「ターゲット延べ視聴率」と訳されます。

TRPの計算式は?

放送1本ごとのターゲット個人視聴率(%)の合計で、平均視聴率×放送本数と同じ値になります。複数の番組に出稿した場合は番組ごとの「視聴率×本数」を合計します。F1視聴率4%の番組に6本、7%の番組に3本なら24+21で45TRPです。30秒CMは15秒2本分として数えます。

TARPとは何ですか?TRPとは違いますか?

TARP(Target Audience Rating Point)はTRPの別表記で、同じ指標です。ビデオリサーチの用語集はTARPの項に「TRP(Target Rating Point)とも呼ぶ」と書いています。表記の違いより、どの区分の個人視聴率で計算したかを確認してください。

%TRPとは何ですか?

視聴率(%)を足し上げた延べ値をTRPと書くときの表記です。100を超えるので到達率ではありません。TRPを到達率で割ると平均接触回数になり、300TRPで到達率60%なら平均5回です。

TRPとGRPのどちらで買い付けますか?

地区と取引によります。テレビ朝日は「2018年4月より、スポットCMの買い付けがGRP単位でなくTRP単位に変更された」と説明していますが、その取引指標P+C7の算出基準は個人全体です。性年齢で絞った区分のTRPで買うのか、個人全体のTRPで買うのかを提案書で確認してください。

関連記事

お気に入りに入れた記事の一覧

この記事は以下の記事からリンクされています

資料請求

今日のトレンド記事 直近 24 時間で、いつもより多く読まれている記事

  1. 2026.10.23 テックブログ Renta!不正アクセスでサービス停止:再開未定の現状と運営側の停止判断・証拠保全・段階的再開
  2. 2026.10.21 テックブログ ふるさとチョイス不正アクセスで445万件流出:対象確認・パスワード変更と再開時期
  3. 2026.10.24 テックブログ カプコン不正アクセス:CAPCOM ID 1,177万件漏えいと196件の乗っ取りへの対処
  4. 2026.10.24 テックブログ ブラストメール不正アクセス:配信先288件の漏えいと利用企業の報告・通知の手順
  5. 2026.10.14 テックブログ ローソンID不正アクセス:215万件漏えいの対象確認と本物メールの見分け方

RELATED POSTS 関連記事

目次