テレビのゴールデンタイムは、19時から22時(午後7時〜10時)までの3時間です。毎日ある枠なので、1週間では3時間×7日で合計21時間になります。視聴率調査を行うビデオリサーチの用語集は「1日の時間区分のうちの19時~22時の3時間の通称」と定義しています。この記事では、プライムタイム・全日との違いに加えて、2025年の時刻別の視聴データ、ゴールデン帯の年間1位争い、放送基準での扱い、CM料金のクラスまでを一次情報で確かめます。
まとめ:テレビのゴールデンタイムの要点
- 時間帯:19時〜22時の3時間。1週間では合計21時間(プライムタイムは28時間、全日は126時間)。
- プライムタイムとの違い:プライムタイムは19時〜23時の4時間。違いは22時台を含むかどうかだけ。
- 視聴が集まる根拠:NHKの2025年調査の15分刻みデータでは、平日は男女・年層別14区分のうち12区分で、テレビ視聴の山が19時〜22時に入る。
- 2025年の年間1位:関東地区のゴールデン帯の個人全体視聴率はテレビ朝日と日本テレビがともに5.2%。世帯視聴率ではテレビ朝日が8.8%で上回った。
- 放送基準での扱い:「ゴールデンタイム」という区分そのものに専用の規制はない。CM時間量の基準と、17時〜21時の青少年への配慮が、この時間帯に重なっている。
以下、それぞれの根拠を順に見ていきます。
ゴールデンタイムは19時〜22時|呼び方と1週間の合計時間
ビデオリサーチの定義とG帯・ゴールデン帯という呼び方
ゴールデンタイムは、視聴率を時間帯ごとに比べるための区分です。ビデオリサーチの用語集では19時〜22時の3時間とされ、定義に曜日の区別はありません。業界では「ゴールデン帯」「G帯」とも呼び、この時間に放送される番組を「ゴールデン番組」と言います。
ビデオリサーチの解説記事「HUT・PUTとは?」は、ゴールデンタイムを「テレビ視聴が多くなる19時~22時までの時間帯」と説明し、ゴールデンとプライムを合わせた略称として「GP帯」を挙げています。
1週間あたりの合計は21時間
ゴールデンタイムは曜日を問わず毎日あるため、1週間では3時間×7日=21時間です。同じ計算で、22時台まで含むプライムタイム(1日4時間)は28時間、全日(1日18時間)は126時間になります。
ゴールデンタイム・プライムタイム・全日の時間帯比較
視聴率の発表で使われる3つの区分を並べると、次のとおりです。いずれもビデオリサーチの用語集の定義です。
| 区分 | 時間帯 | 1日 | 1週間 | 略称 |
|---|---|---|---|---|
| ゴールデンタイム | 19:00〜22:00 | 3時間 | 21時間 | G帯 |
| プライムタイム | 19:00〜23:00 | 4時間 | 28時間 | P帯 |
| 全日 | 6:00〜24:00 | 18時間 | 126時間 | なし |
ゴールデンタイムはプライムタイムの中に丸ごと含まれ、両者の差は22時〜23時の1時間です。プライムタイムの意味や英語のprime timeとの違いはプライムタイムとは?何時から何時まで・意味とゴールデンタイムとの違いで詳しく扱っています。
19時〜22時に視聴が集まる根拠|2025年の生活時間データ
男女・年層別に見たテレビ視聴のピーク時刻
NHK放送文化研究所の「2025年国民生活時間調査」(2025年10月実施、全国10歳以上7,200人を対象に郵送法、有効3,795人)は、15分刻みで「その時刻にテレビを見ていた人の割合(行為者率)」を公開しています。ここでのテレビはリアルタイムの放送視聴です。国民生活時間調査サイトの公開データ(15分刻みのCSV)を本記事で集計すると、平日は男女×年層の14区分のうち12区分で、行為者率が最も高い15分が19時〜22時に入りました。例外は男性30代(22:00〜22:15が最大)と女性10代(朝7:15〜7:30が最大)の2区分だけです。日曜は14区分すべてで最大値が19時〜22時に入ります。
ただし山の高さは年層で大きく違います。平日の最大値は、男性70歳以上が20:15〜20:30の63.9%、女性70歳以上が20:00〜20:15の59.1%なのに対し、男性20代は19:45〜20:00の15.7%です。同じ「ゴールデンタイム」でも、高齢層では6割前後、20代では1〜2割弱という開きがあります。層別の値は区分ごとの回答者が少ないため、数ポイントの差で層の優劣を判断しないほうが安全です。
家族が同じ時間にそろうことも数字に出ています。ビデオリサーチは、関東地区の平日の分析例で、総世帯視聴率(HUT)に対する総個人視聴率(PUT)の比率が、朝7〜8時と19時〜22時で6割程度になると説明しています。早朝・深夜・昼間はHUTの半分前後かそれ以下にとどまります。
平日のリアルタイム視聴者割合の推移
同じ調査で、平日にリアルタイムでテレビを見た人の割合(1日の行為者率)は、2015年の85%から2020年は79%、2025年は71%へ下がりました(NHK放送文化研究所「2025年国民生活時間調査」結果概要)。16〜19歳は27%、20代は33%、30代は43%で、30代以下はどの層も5割を下回っています。70歳以上は92%です。数値は結果概要の資料(PDF)の年層別グラフによります。
一方、国民全体の平日のテレビ視聴時間(全員平均)は、2020年の3時間1分から2025年は3時間14分へ増えました。見る人は減ったのに平均時間は延びています。年層別に見ると、70歳以上で視聴時間が増え、16歳以上40代以下で減りました。ゴールデンタイムは今も視聴の山がある時間帯ですが、その時間にテレビを見ている人の割合は、前の節のとおり高齢層ほど高くなっています。
視聴率の三冠と2025年のゴールデン帯1位
三冠は全日・ゴールデン・プライムの3区分すべてで首位
三冠とは、全日・ゴールデンタイム・プライムタイムの3つの区分で、同じ地区の放送局の中で視聴率トップになることです。ビデオリサーチの用語集は「放送局別世帯視聴率のトップ」と世帯視聴率で定義していますが、現在は個人全体視聴率での三冠も発表されています(テレビ朝日は2024年・2025年の年間で、個人全体と世帯の両方の三冠を掲げています)。どの指標での三冠かを確かめずに比べると、別々の物差しを並べることになります。
2025年年間のゴールデン帯個人全体視聴率(関東地区)
2025年の年間(2024年12月30日〜2025年12月28日、関東地区)の数字は、テレビ朝日ホールディングスの決算説明資料(2026年5月20日)に在京5局分が載っています。
| 2025年年間 | テレビ朝日 | 日本テレビ | TBS | フジテレビ | テレビ東京 |
|---|---|---|---|---|---|
| ゴールデン 個人全体 | 5.2% | 5.2% | 4.5% | 3.4% | 2.9% |
| ゴールデン 世帯 | 8.8% | 8.1% | 7.0% | 5.4% | 4.8% |
| プライム 個人全体 | 5.2% | 4.8% | 4.3% | 3.3% | 2.5% |
| 全日 個人全体 | 3.5% | 3.4% | 2.8% | 2.1% | 1.1% |
テレビ朝日は個人全体・世帯の両方で三冠を発表し、日本テレビも同じ期間について「ゴールデン帯の個人全体視聴率5.2%で年間1位」と発表しました(日本テレビホールディングスの決算説明資料の32ページにも「ゴールデン(19~22時)5.2」と1位の表記があります)。小数第1位までで同率なので、どちらの発表も表の数字と矛盾しません。ゴールデン帯で両局の差が開くのは世帯視聴率のほうで、テレビ朝日8.8%に対し日本テレビ8.1%です。「ゴールデン1位」という見出しを見たら、個人か世帯か、年間か年度か、どの地区かの3点を確かめるのが確実です。
世帯視聴率から個人・コア視聴率へ|ゴールデンの評価軸の変化
2020年3月30日の調査リニューアルと現在の調査規模
ビデオリサーチは2020年3月30日に視聴率調査を刷新し、関東地区の調査世帯を900世帯から2,700世帯へ増やしました。機械式の個人視聴率の提供も、関東・関西・名古屋・北部九州の4地区から他の23地区へ広げています(ビデオリサーチのリリース)。現在の調査仕様は、関東2,700世帯、関西1,200世帯、名古屋700世帯、北部九州・札幌各400世帯、その他27地区は各200世帯です。
個人視聴率が全地区でそろったことで、局は「何世帯が見たか」より「誰が見たか」で番組を評価するようになりました。世帯と個人の違いや広告取引での使い分けはTRPとは?テレビCMの計算式・ターゲット区分とGRPとの違いで整理しています。
局ごとに違うコアターゲットの年齢
広告主が重視する層として、各局は独自のコア指標を置いています。対象年齢は局によって異なる場合があり、「コア」を比べるときは対象年齢に加えて地区・期間・時間帯をそろえる必要があります。
| 局 | 指標名 | 対象年齢 |
|---|---|---|
| 日本テレビ | コア視聴率 | 13〜49歳男女 |
| フジテレビ | コアターゲット視聴率 | 13〜49歳男女 |
| TBS | 新ファミリーコア → LTV4-59 | 4〜49歳 → 4〜59歳 |
日本テレビは2024年1月5日のリリースで「コア(13歳〜49歳男女層)視聴率」を、フジテレビは2026年1月5日のリリースで「コアターゲット視聴率(男女13-49歳)」を使っています。TBSは2023年度の決算資料で新ファミリーコア(4〜49歳)、2025年度の決算資料ではLTV4-59(4〜59歳)を掲げています。前の章のNHKデータのとおり、ゴールデンタイムの視聴者の厚みは高齢層にあるため、個人全体で強い番組がコア指標でも強いとは限りません。
ゴールデンタイムに関わる放送基準|CM時間量と青少年への配慮
CM時間量の「プライムタイム」は局が決める連続3時間半
「ゴールデン帯はCMの量に制限がある」と言われることがありますが、正確には違います。日本民間放送連盟(民放連)の放送基準(2023年5月24日改正、2024年4月1日施行)は、第147条でテレビの週間のCM総量を総放送時間の18%以内とし、第148条でプライムタイムのCM時間量の標準を番組の長さ別に定めています。30分以内の番組で3分、60分以内の番組で6分です(SB枠を除く。スポーツ番組と特別行事番組は各局の定めによる)。
この第148条の「プライムタイム」は、「局の定める午後6時から午後11時までの間の連続した3時間半」と注記されています。視聴率で使う19時〜23時の4時間とは別の定義で、ゴールデンタイムという語は放送基準に出てきません。CMの量で縛られているのは「局ごとに決めた夜の3時間半」であって、19時〜22時という区分そのものではありません。
17時〜21時は青少年の視聴に配慮する時間帯
番組内容では、民放連が1999年6月の「『青少年と放送』問題への対応策」で、17時〜21時に放送する番組は「児童および青少年、とりわけ児童の視聴に十分、配慮する」と決めました。テレビ東京は自社の編成基準で、この時間帯は「暴力表現」や「性表現」等に特に注意して編成するとし、青少年を15歳以下と定めています。
ゴールデンタイムとの重なりは19時〜21時の2時間で、21時〜22時はこの配慮時間帯から外れます。21時台の番組を考えるときは、「ゴールデンだから規制がある」ではなく「17時〜21時の重点的な配慮時間帯が21時で終わる」と捉えるほうが制度に沿っています。ただし放送基準の第18条は「放送時間帯に応じ、児童および青少年の視聴に十分、配慮する」と定めており、21時以降も配慮が不要になるわけではありません。
ゴールデンタイムのCM料金と出稿の判断
局別料金表の料金クラス
テレビCMの料金は、局が曜日・時間帯ごとに定める料金クラス(タイムランク)で決まります。ビデオリサーチの用語集はタイムランクを「放送広告料金の基準のための時間区分」とし、Aタイム・特Bタイム・Bタイム・Cタイムを挙げています。どの時刻をAにするかは局が決めるもので、ゴールデンタイムやプライムタイムの定義とは独立しています。
料金表を公開している例として、福島テレビの放送料金表では平日の19時〜23時がAクラス(土日は18時から)で、15秒スポットはAクラスが26万円〜、Cクラスが6万円〜(税別)です。最上位と最下位で4倍強の差があり、ゴールデンタイムはその最上位に入っています。料金表の金額は「〜」付きの基準額なので、実際の金額は枠や時期ごとの見積もりで確かめます。
ゴールデンを買うべき場面と避けるべき場面
ゴールデンタイムが向くのは、年齢を問わず一度に多くの人へ届けたい認知の出稿です。1本あたりの視聴率が高いので、延べ視聴率(GRP)を少ない本数で積み上げられます。GRPの計算と費用の見積もり方はGRP(延べ視聴率)とは?計算式・目安とCM費用の出し方で確認できます。
反対に、20〜30代だけを狙う商材でゴールデン一択にするのは避けるべきです。NHKの2025年データでは、平日のゴールデンタイムに男性20代でテレビを見ている人は最大でも15.7%で、70歳以上の4分の1ほどです。料金はAクラスでも、狙う層に届く割合は全体の視聴率ほど高くありません。若年層が目的なら、対象年齢別の視聴率と見積額で候補枠を比べ、配信広告との組み合わせも検討します。
テレビのゴールデンタイムに関するよくある質問
テレビのゴールデンタイムは何時から何時までですか?
19時から22時(午後7時〜10時)までの3時間です。ビデオリサーチの定義に曜日の区別はありません。
ゴールデンタイムは1週間あたり合計何時間ありますか?
1日3時間が毎日あるので、3時間×7日で合計21時間です。プライムタイム(19時〜23時)なら1週間で28時間になります。
ゴールデンタイムとプライムタイムの違いは何ですか?
ゴールデンタイムは19時〜22時、プライムタイムは19時〜23時です。違いは22時台を含むかどうかで、ゴールデンタイムはプライムタイムの一部にあたります。
ゴールデン帯・G帯・GP帯とは何ですか?
ゴールデン帯とG帯はどちらもゴールデンタイム(19時〜22時)の別称です。GP帯はゴールデンタイムとプライムタイムを合わせた呼び方で、19時〜23時の夜の主要時間帯を指します。
ゴールデンタイムはなぜ視聴率が高いのですか?
起きて家にいる人の割合が高い時間帯には、テレビ視聴も増える傾向があるためです。NHKの2025年調査では、平日の男女・年層別14区分のうち12区分で、テレビを見ている人の割合の山が19時〜22時に入っています。総世帯視聴率(HUT)に対する総個人視聴率(PUT)の比率が、ビデオリサーチが示す関東地区の平日の分析例では19時〜22時に6割程度になることも、家族がそろって見ている手がかりです。