AIによる概要(AI Overview)は、Google検索の結果ページ上部に、生成AIがまとめた回答を数行で表示する機能です。日本語の検索画面で見出しとして表示される「AIによる概要」と、英語名の「AI Overview(複数形はAI Overviews)」は同じ機能を指します。米国では2024年5月に一般提供が始まり、日本では2024年8月に日本語対応で導入されました。本記事はこの機能の定義・仕組み・表示される条件・非表示にする方法・SEOへの影響と対策までを、2026年時点の一次情報で整理します。引用される記事づくりの具体手順はAI Overview対策とは?AIに引用される記事構造と企業サイトの打ち手で詳しく扱います。
まとめ:AIによる概要(AI Overview)の要点
- 正体は「Google検索に組み込まれた生成AIの要約」。日本語UIの「AIによる概要」=英語の「AI Overview」で、同じ機能です。
- 提供時期:米国2024年5月、日本2024年8月(日本語)。対象クエリは段階的に拡大中です。
- 生成の仕組み:GeminiのカスタムモデルがWeb上の情報を統合して要約し、出典リンクを併記します。
- SEOへの影響は無視できない:Ahrefsの2025年12月調査では1位ページのクリック率が約58%低下。ゼロクリック(検索で完結して離脱)が増えています。
- それでも上位表示の価値は消えない:概要に引用されるページの多くは従来検索でも上位のページで、対策の土台は既存のSEOです。
- 非表示にする公式設定は無い:ウェブ検索フィルタや
&udm=14で従来型の結果に切り替えるのが現実的です。
以下、名称の整理から順に、仕組み・表示条件・非表示方法・影響データ・対策の考え方を見ていきます。
AIによる概要(AI Overview)とは何か
AIによる概要は、検索キーワードに対してGoogleの生成AIが複数のWebページを読み取り、数行〜十数行の回答文にまとめて検索結果の最上部に表示する機能です。従来の「10本の青いリンク」の前に、要点をまとめた文章と参照元へのリンクが差し込まれる形になります。
日本語版の名称「AIによる概要」と表記ゆれ
日本語のGoogle検索で表示される見出しは「AIによる概要」です。英語圏では「AI Overview」または複数形の「AI Overviews」と呼ばれ、検索で見かける「aiオーバービュー」「AI概要」「AIによる概要」はいずれも同一機能を指す表記ゆれです。前身にあたる実験機能「SGE(生成AIによる検索体験)」を経て正式機能化されたもので、SGEという旧称は現在は使われていません。
提供開始の時期と現在地
AIによる概要は、2024年5月の米Google I/Oで米国向けに一般提供が始まりました。日本へは2024年8月に、日本を含む複数国への拡大とあわせて日本語対応で導入されています。導入当初はごく一部のクエリに限られていましたが、対象となる検索の範囲は継続的に広がっています。2025年以降はさらに対話型の「AIモード」も加わり、Google検索全体がAIによる回答生成へ軸足を移しつつあります(AIモードとの違いは後述)。
AIによる概要が表示される仕組み
AIによる概要は、単に上位ページの文章を抜き出して並べているわけではありません。GoogleのAIモデルが複数の情報源を突き合わせて回答を組み立てる、生成AIならではの処理が入っています。
Geminiとクエリファンアウトによる生成
回答文の生成には、Googleの生成AIであるGeminiをベースにしたカスタムモデルが使われています。特徴的なのが「クエリファンアウト(query fan-out)」と呼ばれる処理で、1つの検索質問を複数の関連するサブ検索に分解し、それぞれの結果を並行して取得したうえで統合し要約します。このため、ユーザーが入力した1語では上位に出ないページでも、分解された下位の検索で拾われて概要の情報源になることがあります。検索アルゴリズムの仕組みとランキング要因を押さえておくと、この挙動の背景を理解しやすくなります。
出典リンクの併記
AIによる概要には、要約の根拠となったページへのリンク(出典)が併記されます。ユーザーはリンクをたどって一次情報を確認できますが、後述のとおりこのリンクが実際にクリックされる割合は低く、要約だけで検索を終える「ゼロクリック」が増える要因になっています。
AIによる概要が表示される条件・表示されないケース
AIによる概要はすべての検索で出るわけではありません。どのようなクエリで出やすく、どのようなクエリで抑制されるかを押さえておくと、自社ページが影響を受ける範囲を見積もれます。
表示されやすいのは、複数の情報源をまとめたほうが有用な「情報探索型(インフォメーショナル)」のクエリです。「〜とは」「〜 方法」「〜 比較」のように、単一ページの引用より要約が役立つ質問で出やすくなります。逆に、特定サイトへ行きたいだけの指名・ナビゲーション検索や、答えが一意に決まる単純な検索では表示されにくい傾向があります。医療・健康・金融など判断を誤ると影響が大きいYMYL領域では、Googleが慎重に扱い表示を抑える場合があります。ただし対象範囲はGoogleの調整で変わるため、「このクエリでは絶対に出ない/必ず出る」と固定的に考えず、自社の主要キーワードで実際の表示有無を定期的に確認することが実務的です。
AIによる概要の使い方と非表示(オフ)にする方法
AIによる概要は検索するだけで自動的に表示されるため、特別な操作は不要です。一方で「邪魔なので消したい」「従来の検索結果だけ見たい」というニーズも多く、その手段を整理します。
ユーザー側の使い方(展開・出典確認・AIモード切替)
表示された概要は、末尾の展開操作でより詳しい内容を読めます。要約の脇にある出典リンクから元記事へ移動して裏を取ることもできます。さらに踏み込んで対話形式で質問を重ねたい場合は、後述のAIモードへ切り替えると継続的な深掘りができます。
AIによる概要を非表示にする方法
2026年時点で、AIによる概要を検索設定から完全に無効化する公式スイッチは用意されていません。実務的には次の方法で従来型の結果に切り替えます。最も確実なのは、検索結果ページ上部のメニューから「ウェブ」フィルタを選ぶ方法で、AIによる概要を含まないリンク中心の結果に切り替わります。同じ結果はURL末尾に&udm=14を付けることでも得られ、ブックマークやブラウザの検索エンジン設定に組み込めば毎回この表示にできます。加えて、AIによる概要の表示を抑制するChrome拡張機能も公開されています。いずれも自分の画面での見え方を変えるだけで、他ユーザーの検索結果や自社ページの評価には影響しません。
AIによる概要がSEO・検索流入に与える影響【データ】
AIによる概要の登場でもっとも変わったのは、検索順位とクリック(サイト流入)の関係です。「上位に出ているのにクリックが増えない」という現象が各種調査で裏付けられています。ここは推測を避け、実測データで確認します。
クリック率とゼロクリックの実データ
Ahrefsが2025年12月に公表した分析では、AIによる概要が表示される検索で、1位ページの平均クリック率が約58%低下していました(同社の2025年4月時点の値は34.5%低下で、影響が拡大しています)。Pew Research Centerが2025年3月の米国成人約900人のブラウジング記録を分析した調査(2025年7月公表)では、AIによる概要が表示された検索で概要内外いずれかのリンクがクリックされた割合は8%(非表示時は15%)で約半減し、うち概要内に埋め込まれたリンクのクリックはわずか1%でした。さらにAIによる概要が出た検索の26%は、そのままブラウジングを終えています(概要が無い場合は16%)。Seer Interactiveが2025年9月に42社・2510万インプレッションを分析した調査でも、AIによる概要出現時にオーガニックのクリック率が1.76%から0.61%(約61%減)へ落ちています。Gartnerは2026年までに従来型の検索ボリューム(検索回数)が25%減少すると予測しており、方向性は各調査で一致しています。これらの数値は調査手法や対象クエリで幅がありますが、いずれも二桁のクリック減を示しています。
それでも順位が無価値にならない理由
クリックが減る一方で、「もう検索順位は意味がない」という結論は誤りです。AIによる概要に引用されるページの多くは、従来の検索でも上位に表示されている高品質なページだからです。つまり概要の情報源に選ばれる前提条件が上位表示であり、SEOの土台はむしろ重要度を増しています。影響が相対的に小さいのは、指名検索やコンバージョンに近い比較・購入検討クエリです。要約で答えが完結してしまう「情報要約型」の無償トラフィックに依存している記事ほど打撃が大きいため、流入構造を指名検索・検討層・一次情報での差別化へ寄せる見直しが必要になります。自然検索の全体像はオーガニック検索の仕組みと増やし方もあわせて確認してください。
AIによる概要に引用されるための対策の考え方
AIによる概要の情報源に選ばれるための最適化は、AIO・GEO・LLMOなどと呼ばれますが、やることの土台は従来のSEOと大きく変わりません。前述のとおり引用元は上位表示ページが中心のため、SEO対策の基本(品質・E-E-A-T・被リンク)を満たすことが出発点になります。そのうえでAI向けに効くのが、結論を冒頭に置いて簡潔に書くこと、独自データや一次情報で他ページにない具体を持つこと、JSON-LDなどの構造化データで機械が内容を理解しやすくすることです。生成AIに引用される最適化の全体像はLLMOとは?SEOとの違いと生成AIに引用される記事の作り方、生成AI検索台頭の背景と定義はGEOの定義と生成AI検索台頭の背景で扱っています。AI Overviewに絞った記事構造と企業サイトの打ち手はAI Overview対策とは?AIに引用される記事構造と企業サイトの打ち手にまとめています。
よくある質問
「AIによる概要」と「AI Overview」は同じものですか?
同じ機能です。日本語のGoogle検索では「AIによる概要」と表示され、英語では「AI Overview(複数形AI Overviews)」と呼ばれます。「aiオーバービュー」「AI概要」も同じものを指す表記ゆれです。
AIによる概要はいつから日本で使えますか?
日本では2024年8月に日本語対応で提供が始まりました。米国での一般提供は2024年5月です。導入以降、表示対象となる検索の範囲は段階的に拡大しています。
AIによる概要を非表示にできますか?
設定から完全に無効化する公式スイッチは2026年時点でありません。検索結果上部の「ウェブ」フィルタを選ぶ、URLに&udm=14を付ける、Chrome拡張を使う、といった方法で従来型の結果に切り替えられます。自分の画面表示が変わるだけで、他者の検索や自社評価には影響しません。
AIによる概要とAIモードの違いは何ですか?
AIによる概要は検索結果の上部に要約を1回表示して終わる機能です。AIモード(日本語提供は2025年9月開始)は、対話形式で質問を重ねながら深掘りできる別モードで、音声や画像での検索にも対応します。要約を「見る」のがAIによる概要、AIと「やり取りする」のがAIモード、という関係です。
自社サイトをAIによる概要に表示させるには?
引用元は従来検索の上位ページが中心のため、まず基本的なSEO品質を満たすことが前提です。そのうえで結論先出し・独自の一次情報・構造化データ(JSON-LD)が効きます。具体的な記事構造は「AI Overview対策とは?」の記事で解説しています。