GPT-6 Solは、OpenAIが2026年9月22日にGPT-6 Lunaと同時に公開した中位モデルで、最上位のGPT-6 Astraと同じ手法で学習しながら、単価を100万トークンあたり入力2ドル・出力10ドルに抑えています。1週間後の9月29日には改良版のGPT-6.1 Solが出ました。単価は据え置きで、推論エフォートのnoneが使えなくなっています。この記事では、6と6.1のモデルIDを差し替えたときに壊れる箇所、Astra・Lunaとの月額差、Bedrock・Azureでの扱い、3モデルへ処理を振り分ける実装までを、公式ドキュメントの記載だけをもとに整理した記事です。Astra単体の仕様はGPT-6 Astraの提供3経路とデータ境界を扱った記事にまとめています。
まとめ:GPT-6 Solを選ぶ条件と6.1 Solへの切り替えで直す箇所
結論から書きます。新規に組むならgpt-6.1-solを選び、gpt-6-solは使いません。単価は同じで、キャッシュ読みだけが0.20ドルから0.10ドルへ半分になり、OpenAIの計測ではコーディングもcomputer useも6.1が上回っています。
既存コードを6.1へ移すときに確認する点は2つ。reasoning.effortにnoneを渡している箇所は非対応の値としてエラーになるのでlowへ置き換えます。もう1つはChat Completionsでツールを呼んでいる経路で、6.1はChat Completionsでのツール呼び出しに対応していません。ツールを使う処理はResponses APIへ寄せる必要があります。
モデルの使い分けは単価の比で決まります。Astraは6.1 Solの5倍、6.1 SolはLunaの20倍。大量の定型処理はLuna、コード生成と業務エージェントは6.1 Sol、最難関の研究・画面操作だけAstra、という3層が基本形になるでしょう。
GPT-6 Solと6.1 Solの基本仕様|公開日・モデルID・推論エフォートの差
まず数値を確定させます。以下はすべて2026年10月11日時点の公式ドキュメントの記載です。
9月22日のSol・Luna公開から9月29日の6.1 Sol公開までの流れ
GPT-6 SolとLunaの公式発表は9月22日付で、ChatGPT WorkとCodexでPlus・Pro・Business・Enterprise・Eduの利用者へ同日から提供すると書かれています。FreeとGoの利用者はデスクトップアプリでLunaのみ使えます。発表時点では通常のChatには入っておらず、APIではgpt-6-solとgpt-6-lunaとして公開されました。
その7日後、GPT-6.1 Solの公式発表が出ます。位置づけは「GPT-6 Solの改良版」で、コーディングやcomputer useでAstraに近い性能をAstraの5分の1の単価で出すという説明です。9月22日の発表ページ冒頭にも6.1への案内が追記されました。
コンテキスト1,050,000トークンと922,000入力・128,000出力の共通仕様
3モデルとも枠は同じです。GPT-6 Solのモデル仕様では、コンテキストウィンドウ1,050,000トークン、最大入力922,000トークン、最大出力128,000トークン。入力はテキストと画像、出力はテキストのみで、音声と動画は扱いません。知識カットオフは6 Solが2026年4月20日、6.1 Solが4月30日、Lunaが5月18日と、モデルごとにずれています。
6.1 Solで消えたnoneとChat Completionsのツール呼び出し
差が出るのはここです。6 SolとLunaの推論エフォートはnone・low・medium・high・xhigh・maxの6段階。GPT-6.1 Solのモデル仕様ではlowからmaxまでの5段階になり、noneとminimalは非対応と明記されました。Astraと同じ並びに揃ったわけです。
Chat Completionsの扱いも変わりました。6 SolとLunaは「reasoning_effortをnoneにした場合に限り」Chat Completionsで関数呼び出しが使えます。6.1 SolはChat Completionsのエンドポイント自体は対応しているものの、ツール呼び出しは非対応。推論なしで関数を呼ぶ軽量な経路を組んでいた場合、6.1へは移せません。こうした経路はLunaに残すか、Responses APIへ書き換えることになります。
Sol・Luna・Astraの単価差と同一条件での月額試算の実額比較
単価表を並べるだけでは判断できないので、同じ処理量で月額を出します。
100万トークンあたり入力2ドル・出力10ドルという単価の内訳
| モデル | 入力 | キャッシュ読み | 出力 |
|---|---|---|---|
| GPT-6 Astra | $10.00 | $1.00 | $50.00 |
| GPT-6.1 Sol | $2.00 | $0.10 | $10.00 |
| GPT-6 Sol | $2.00 | $0.20 | $10.00 |
| GPT-6 Luna | $0.10 | $0.01 | $0.50 |
| GPT-5.6 Sol | $4.00 | $0.40 | $20.00 |
キャッシュ書き込みは3モデルとも入力単価の1.25倍で、6.1 Solなら2.50ドル。BatchとFlexは標準の50%、Fast modeは2倍です。6.1 Solには出力トークンの生成間隔を詰めるUltrafastがあり、こちらは標準の6倍。OpenAI APIの変更履歴では10月8日にResponses APIへ追加されたと記録されています。
前世代との比較では、OpenAIはSolとLunaを「GPT-5.6の期間限定価格から50%引き下げ」と説明しています。GPT-5.6 Solの入力4ドル・出力20ドルが半分になった形です。GPT-5.6 Lunaの仕様は入力0.20ドル・出力1.20ドルなので、Lunaの出力は約58%の値下げになります。前世代3モデルの構成はGPT-5.6のSol・Terra・Lunaを整理した記事を参照してください。
1件2万トークン入力・月3万件で比べた5モデルの月額請求額の試算
社内文書を参照して回答するエージェントを想定します。1リクエストの入力が2万トークンで、うち1万5千トークンは共通のシステムプロンプトと参照資料でキャッシュに当たり、出力は推論トークン込みで2千トークン、月3万件という条件です。
| モデル | 1件あたり | 月3万件 |
|---|---|---|
| GPT-6 Astra | $0.1650 | $4,950 |
| GPT-5.6 Sol | $0.0660 | $1,980 |
| GPT-6 Sol | $0.0330 | $990 |
| GPT-6.1 Sol | $0.0315 | $945 |
| GPT-6 Luna | $0.00165 | $49.5 |
6と6.1の差はキャッシュ読みの分だけで、この条件では月45ドル。GPT-5.6 Solから6.1 Solへ移すだけで請求額はほぼ半分になり、Lunaなら同じ予算で約20倍の件数を回せます。費用の積み上げ方はBedrockの課金方式と月額試算をまとめた記事の手順が使えます。
入力が272Kを超えるとリクエスト全体の単価が上がる長文脈の課金境界
3モデル共通の落とし穴があります。入力が272Kトークンを超えると、入力とキャッシュの単価が2倍、出力が1.5倍になり、しかもリクエスト全体に適用されます。6.1 Solなら入力4ドル・出力15ドル。超えた分だけ高くなるのではない点に注意してください。300Kの資料を丸ごと渡すより、検索で関連箇所を絞って272K以下に収めるほうが、費用も回答の検証もしやすくなります。
Bedrock・Azure Foundryの提供経路と国内データ境界の現状
OpenAI API以外から呼ぶ場合、モデルの世代と経路で使える機能が変わります。
Bedrockで6.1 Solを呼ぶ推論プロファイル名と経路別単価
Amazon BedrockのGPT-6.1 Solモデルカードでは、提供開始日は2026年9月29日。bedrock-runtimeはIn-Region呼び出しに対応せず、us.openai.gpt-6.1-sol(米国内の横断推論)かglobal.openai.gpt-6.1-sol(グローバル横断推論)を指定します。bedrock-mantleはus-east-1(バージニア北部)でのみIn-Region提供です。
単価はGlobal CRISがOpenAI直販と同額の入力2ドル・出力10ドル、US CRISとmantleのIn-Regionは10%増しの2.20ドル・11ドル。PriorityとFlexは非対応です。Astraはbedrock-runtimeでStructured Outputsが使えませんでしたが、6.1 SolはResponses・Chat Completions・Converseのいずれでも対応しています。
容量計画では出力トークンのバーンダウン率10倍に気をつけます。出力1トークンが上限枠の10トークン分を消費するため、長いレポートを並列生成すると枠を想定の10倍の速さで使い切ります。
Azure FoundryのデプロイはGlobal・US・EUの3系統
Microsoft FoundryでのGPT-6 Sol・Luna提供は9月22日付で、Standardデプロイは28のGlobalリージョンとUS・EUのData Zoneで使えます。単価はGlobal Standardが入力2ドル・出力10ドル、US Data Zoneが10%増し、EU Data Zoneが20%増しの2.40ドル・12ドル。このブログが扱うのはGPT-6 Solで、6.1 Solの記載はありません。
東京リージョンと日本データゾーンの記載が無い場合の国内完結要件の扱い
受託案件で最初に確認すべきはここです。Bedrockの6.1 Solのリージョン表に載っているのは米国とカナダの起点だけで、東京(ap-northeast-1)の記載はありません。Azureのブログにも日本データゾーンの言及はありません。OpenAI API側はUSとEUのデータレジデンシーに対応していますが、日本は対象外です。
2026年10月11日時点で、GPT-6系のSolを日本国内に閉じた推論で動かす正規の経路は確認できません。データ所在地を契約で縛っている案件では、機微情報を含む処理を東京リージョンで完結するモデルへ回し、公開情報の処理だけをSolへ渡す二段構えが現実的です。国内側のモデルはBedrockのモデル選定と切替判断の記事の比較軸で選べます。
Sol・Luna・Astraへ処理を振り分けるPython実装と設定値の手順
ここからは実際のコードです。3モデルを1つの関数から呼び分け、6.1の制約で落ちないようにします。
APIを呼ぶための環境変数の設定とOpenAI SDKのインストール
OpenAI APIを直接呼ぶ場合は公式SDKを入れてAPIキーを設定するだけです。Bedrock経由なら基底URLとモデル名を差し替えます。
pip install openai
# OpenAI APIを直接呼ぶ場合
export OPENAI_API_KEY="<OpenAIのAPIキー>"
# Bedrock(bedrock-runtime・東京以外の起点リージョン)経由の場合
export OPENAI_API_KEY="<Bedrockで発行した長期APIキー>"
export OPENAI_BASE_URL="https://bedrock-runtime.us-east-1.amazonaws.com/openai/v1"
タスク種別でモデルを選びeffortを補正するルーターのコード例
ポイントは、6.1 Solへnoneが渡らないよう補正する処理と、272Kの境界を呼び出し前に止める処理の2つです。
from openai import OpenAI
client = OpenAI()
# タスク種別ごとのモデルと既定の推論エフォート
ROUTES = {
"classify": ("gpt-6-luna", "none"), # 分類・抽出・要約の大量処理
"code": ("gpt-6.1-sol", "medium"), # コード生成・レビュー・業務エージェント
"hardest": ("gpt-6-astra", "high"), # 最難関の調査・長時間の画面操作
}
# none を受け付けないモデル(6.1 Sol と Astra は low〜max の5段階)
NO_NONE = {"gpt-6.1-sol", "gpt-6-astra"}
LONG_CONTEXT_LIMIT = 272_000 # 超えるとリクエスト全体の単価が上がる境界
def run(task: str, prompt: str, input_tokens: int):
model, effort = ROUTES[task]
if model in NO_NONE and effort == "none":
effort = "low" # 6.1 Sol は none 非対応のため補正する
if input_tokens > LONG_CONTEXT_LIMIT:
raise ValueError("入力が272Kを超過。検索で絞り込んでから渡すこと")
return client.responses.create(
model=model, # Bedrock経由なら "global.openai.gpt-6.1-sol" などの推論プロファイル名
input=prompt,
reasoning={"effort": effort},
)
res = run("code", "この差分のテスト観点を3つ挙げて", input_tokens=4_000)
print(res.output_text)
呼び出しはすべてResponses API経由です。Chat Completionsで関数呼び出しを組んだ既存コードは、モデル名の差し替えだけでは6.1へ移行できません。
TierのRPM・TPM上限とLunaへ逃がす定型処理の判断目安
OpenAI APIの利用ティアは10月6日にBuild・Launch・Growの3段階へ整理されました。6.1 SolはBuildで5,000 RPM・1,000,000 TPM、Launchで10,000 RPM・4,000,000 TPM、Growで15,000 RPM・40,000,000 TPMです。GPT-6 Lunaの仕様ではBuildの時点で2,000,000 TPM、Growは180,000,000 TPMと、Solより枠が大きく取られています。
上限の面からも、件数の多い定型処理はLunaへ逃がすのが合理的です。目安は、出力の正誤を人が後で確認できる処理(タグ付け・一次分類・要約の下書き)はLuna、そのまま本番へ反映する処理(コード変更・顧客向け文面)はSol。なお9月25日に6 SolとLunaの画像エンコードの不具合が修正されたため、それ以前の画像入力の評価は取り直してください。
ChatGPT Work・Codex・Copilotでの提供範囲と移行を見送る条件
APIを組まない利用者の側でも、どこでどのSolが動くかを把握しておく必要があります。
Codex・GitHub Copilotで6.1 Solを使える契約プラン
6.1 SolはChatGPT WorkとCodexで、Plus・Pro・Business・Enterprise・Eduの利用者へ9月29日から提供されています。GitHub Copilotでの6.1 Sol提供告知も同日付で、対象はCopilot Pro+・Max・Business・Enterprise。課金は従量制でプロバイダーの定価が適用されます。BusinessとEnterpriseでは新モデルが既定で自動有効化されるため、費用を管理したい組織は管理者がモデルポリシーを先に確認しておくべきでしょう。
Codex側でAzure経由のモデルを使う設定はAzure OpenAIとCodexの連携設定の記事、Claude Codeとの使い分けはCodexとClaude Codeの違いを整理した記事で扱っています。
6 Solのまま据え置く場面と6.1 Solへの全面移行を見送る条件
6.1 Solへ移すべきでないのは2つの場合です。1つは、推論なし(none)の即答を前提にレイテンシを設計している処理。6.1では最小でもlowになり、応答時間が伸びます。この処理はSolを諦めてLunaのnoneへ移すのが筋です。もう1つは、Chat Completionsの関数呼び出しで組んだ既存システムで、Responses APIへ書き換える工数を今は取れない場合。6 Solのまま据え置き、改修のタイミングで移行します。
逆に、Responses API中心で組んでいて、プロンプトキャッシュが効く長いシステムプロンプトを持つエージェントなら、移さない理由はありません。キャッシュ単価が半分になり、性能も上がるからです。どの処理をどのモデルへ振り分けるか、既存システムへどう組み込むかの整理は、生成AI導入支援で要件の洗い出しから引き受けています。
OpenAIが示すベンチマークの読み方とAstraを残す業務
公式発表ではAutomationBenchで6 Sol(xhigh)が33.2%・1タスク0.27ドルとAstra(low)の30.3%を上回り、6.1 SolはDeepSWE v1.1で6 Solの最高値を6.4ポイント上回ってAstraとほぼ同等に達したとされています。
Astraを残すべき業務もはっきりしています。OSWorld 2.0では6.1 Solが6 Solを7ポイント上回ったものの、Astraとはなお2.1ポイント差があります。科学系のTerminal-Bench Science 0.1でも最高得点はAstraの68.1%です。長時間の画面操作と難度の高い研究タスクはAstra、それ以外の大半は6.1 Solという分担が、2026年10月時点の公式数値から引ける線になります。
よくある質問
GPT-6 Solについて検索で多い質問に、公式ドキュメントの記載で答えます。
GPT-6 SolとGPT-6.1 Solはどちらを使えばよいですか?
新規に組むならgpt-6.1-solです。単価は入力2ドル・出力10ドルで同じですが、キャッシュ読みが0.20ドルから0.10ドルへ下がり、OpenAIの計測ではコーディング・computer use・事実性のいずれも6.1が上回っています。ただし6.1はnoneの推論エフォートとChat Completionsでのツール呼び出しに対応していないため、これらを使う既存コードは修正してから切り替えてください。
GPT-6 SolとGPT-6 Lunaの違いは何ですか?
単価と用途が異なります。Lunaは入力0.10ドル・出力0.50ドルで、6.1 Solの約20分の1。OpenAIはSolを複雑なコーディングとエージェント作業向け、Lunaを大量の日常業務向けと説明しています。コンテキスト1,050,000トークン・最大出力128,000トークンという枠は共通で、Lunaはnoneの推論エフォートを使えるため、即答が求められる分類や抽出に向いています。
GPT-6 SolとGPT-6 Astraの料金差はどれくらいですか?
OpenAI APIの標準単価で、Astraは入力10ドル・出力50ドル、6.1 Solは入力2ドル・出力10ドルなので5倍の差です。キャッシュ読みは1ドル対0.10ドルで10倍。本文の試算条件(月3万件)では、Astraが約4,950ドル、6.1 Solが約945ドルでした。
GPT-6 Solは東京リージョンや日本のデータゾーンで使えますか?
2026年10月11日時点では確認できません。Bedrockの6.1 Solモデルカードのリージョン表は米国とカナダの起点だけで、AzureのブログもGlobal・US・EUのData Zoneのみの案内です。OpenAI APIのデータレジデンシーもUSとEUが対象になっています。国内でのデータ完結が契約条件なら、要件定義の段階で別モデルとの併用を検討してください。
ChatGPTの通常のチャットでGPT-6 Solは使えますか?
公開時点の公式発表では、6 Solも6.1 SolもChatGPT WorkとCodexでの提供で、通常のChatでは「まだ利用できない」と書かれています。対象はPlus・Pro・Business・Enterprise・Eduです。提供範囲は段階的に広がるため、社内展開の前に最新の案内を確認してください。
関連記事
- GPT-6 Astraとは?提供3経路の料金とデータ境界の判断【2026年9月】:GPT-6系の最上位モデルの仕様と、提供経路ごとのデータ境界です。
- GPT-5.6とは|Sol・Terra・Lunaの3モデルと新機能・料金を実装目線で解説:切り替え元となる前世代3モデルの仕様と単価です。
- CodexとClaude Codeの違い|料金・使用量・設定と併用の判断【2026年版】:Codexで6.1 Solを使う前提の比較です。
- ChatGPT Workとは?GPT-5.6基盤の業務自動化エージェントの仕組み・料金・企業導入の判断を実装者視点で解説:SolとLunaが提供されるChatGPT Workの仕組みです。
- AWS Bedrockのモデル選定|Claude・Nova・OpenAI・Gemmaの選び分けと切替判断:国内側に置くモデルを決めるときの比較軸です。