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Azure OpenAI Serviceのモデル一覧と選び方|GPT・推論・埋め込み・音声を用途別に整理

Azure OpenAI Serviceのモデル一覧は、Microsoft Learnの「Azureが販売する Foundry Models」に集約されています。ただしカタログを眺めるだけでは、どれを本番に載せるかは決まりません。GPT-5.6系の104万トークンとGPT-4o系の12.8万トークンでは設計が変わり、同じモデルでもデプロイの種類が違えばデータの処理範囲と単価が変わるからです。この記事では2026年8月時点の公式ドキュメントの実測値をもとに系統別の一覧・コンテキスト長・レート制限・提供終了日を整理し、選定の順序と見送るべき条件まで示します。

まとめ:モデル一覧の読み方と選定の順序

モデル一覧は「系統 → コンテキスト長 → デプロイの種類 → 提供終了日」の順に絞り込みます。系統を先に決めれば候補は数個に落ちるため、最初から個別モデルの単価表を突き合わせる必要はありません。

汎用の会話・要約・抽出ならGPT-5.6系かGPT-5.4系、長文の一括処理なら104万トークン帯、コスト優先の分類ならminiやnano、ベクトル検索ならtext-embedding-3-large。当たりを付けたらGlobal Standardを既定に置き、データ所在地の制約があるときだけData Zoneや単一リージョンへ落とします。

最後に確認するのは提供終了日です。GPT-4o(2024-05-13版)とo3-miniは2026年10月1日に廃止予定で、日付から逆算して移行を組まない構成は半年後に動かなくなります。

Azure OpenAIでデプロイできるモデル系統の全体像と分類の軸

Azure OpenAIのモデルは現在、Microsoft Foundryの「Azureが販売するモデル」の一部として掲載され、同じページにBlack Forest Labs・Cohere・DeepSeek・Meta・Mistral・xAIが並びます。OpenAI系だけを見るにはピボットで絞り込みます。

モデル一覧を切り分ける5つの分類軸と実務で確認すべき優先順序

実務で効く軸は5つあり、この順に見れば候補は数個へ収束します。

  • 系統:GPT・推論・埋め込み・画像・動画・音声のどれかで最初に分岐する
  • コンテキストウィンドウ:入力側と出力側が別枠で決まる
  • 対応API:codex系のようにResponses API限定のモデルがある
  • ライフサイクル:プレビュー表記は本番非推奨と明記されている
  • デプロイの種類:データ処理範囲・課金・クォータが決まる

逆に、ベンチマークスコアから入る選び方は勧めません。Azure側ではトークン上限とクォータが先に効くからです。

Azure OpenAIとFoundry Modelsの関係およびカタログ上の位置づけ

2026年時点のドキュメントでは、Azure OpenAIはFoundryのモデル群に統合された形で記載されます。カタログの構造から確認したい場合はMicrosoft Foundry(Azure AI Foundry)の全体像を先に読むと迷いません。サービス自体の定義・料金体系・導入事例はAzure OpenAI Serviceの基礎解説にまとめてあります。

統合で実務上変わったのはオープンウェイトモデルの扱いです。gpt-oss-120bのデプロイにはFoundryプロジェクトが必要と明記され、従来のAzure OpenAIリソースだけでは完結しません。

GPT系チャットモデルの一覧とコンテキスト長・出力上限の対応

テキスト生成の主力はGPT-5系です。2026年8月時点のカタログはGPT-5.6系からGPT-5.1系までが並び、旧世代としてGPT-4.1系とGPT-4o系が残ります。

GPT-5.6系とGPT-5.5に共通する104万トークン帯の設計上の注意

GPT-5.6系はgpt-5.6-solgpt-5.6-terragpt-5.6-lunaの3種(いずれも2026-07-09版)です。

モデルID コンテキスト 入力/出力 学習データ
gpt-5.6-sol・terra・luna 2026-07-09 1,050,000 922,000/128,000 2026年6月
gpt-5.5 2026-04-24 1,050,000 922,000/128,000 2025年12月
gpt-5.4・gpt-5.4-pro 2026-03-05 1,050,000 922,000/128,000 2025年8月
gpt-5.4-mini・nano 2026-03-17 400,000 272,000/128,000 2025年8月

注意すべきは、1,050,000がそのまま使える予算ではない点です。GPT-5.5のResponses API実装では実効予算が約922,000トークンとされ、生成予算は「922,000 − プロンプトトークン」で概算します。プロンプトが921,549トークンなら、max_output_tokensを128,000に設定していても451トークンまでしか返りません。

この上限に達してもHTTPエラーにはならず、200のまま不完全な応答が返る挙動です。実装側ではstatusincompleteか、理由がmax_output_tokensかを毎回確認する分岐を入れます。

GPT-5.4系とGPT-5.1系が占める40万トークン帯の実務での使い分け

gpt-5.4-minigpt-5.4-nanoは400,000トークン(入力272,000・出力128,000)で、上位のgpt-5.4とは帯が違います。GPT-5.2系・GPT-5.1系・GPT-5系も同じ400,000トークン帯で、既存実装からの入れ替えならトークン設計を変えずに移れます。

mini・nanoの選定基準と料金の実測はGPT-5.4 mini・nanoの使い分けで個別に扱いました。分類・抽出・短文要約のように出力が短いタスクなら、上位モデルを載せる理由はほぼありません。なおGPT-5.1では既定の推論強度がnoneのため、旧推論モデルから移す際は強度を明示的に渡す修正が要ります。

GPT-4.1系とGPT-4o系に残る用途と移行時期を判断する条件

GPT-4.1系(2025-04-14版のgpt-4.1gpt-4.1-minigpt-4.1-nano)は最大1,047,576トークンですが、標準デプロイでは300,000、プロビジョニング済みとバッチでは128,000に制限されます。最大出力は32,768トークン。既知の問題として、ツールや関数定義が300,000トークンを超えるとエラーが出ます。

GPT-4o系は入力128,000・出力16,384で、GPT-5系の半分以下の帯です。新規案件でGPT-4o系を選ぶ理由は、既存の微調整済み資産があるかリージョン都合で他が使えない場合に限られます。移行先には公式にgpt-5.1が示されました。

推論モデルとコード特化モデルの一覧および実装での使い分けの基準

oシリーズとcodex系は汎用チャットと別枠で考えます。API対応の制約が実装コストへ直結します。

oシリーズ推論モデルの入出力トークン上限と廃止予定日の確認手順

oシリーズはo3o4-minio3-proo3-minio1などで構成され、主力の上限は入力200,000・出力100,000です。o1-miniは入力128,000・出力65,536と一段低くなります。

選定の分かれ目は廃止時期です。o1o1-proo3は2026年10月21日で提供終了予定、交換先はgpt-5.6-solo3-miniは2026年10月1日(交換先o4-mini)で、そのo4-mini自体も2026年10月16日が期限です。新規にoシリーズを選ぶ判断は、この日付を見る限り勧められません。

codex系モデルのResponses API限定という制約と採用する条件

gpt-5.3-codexgpt-5.2-codexgpt-5.1-codexgpt-5.1-codex-minigpt-5.1-codex-maxはいずれも400,000トークン帯です。ただしGPT-5.1系のcodexはResponses APIのみ対応と明記されており、Chat Completions前提の既存実装からは呼び出せません。

クライアント実装の具体はOpenAI Python SDKでのResponses API対応にまとめました。gpt-5.1-codex-maxは推論強度にxhighを指定でき、代わりにnoneは非対応という非対称な仕様です。

推論強度の既定値の差分が移行時にもたらす挙動の変化とその対処

GPT-5.6系とGPT-5.5には実装を止めやすい仕様があります。Chat Completions APIと関数ツールの両方に対応してはいるものの、推論強度がnoneでない限り両者を同時には使えません。ツール呼び出しを伴う構成ではResponses APIを選びます。タイムアウトの公式指針は推論モデルが最大29分、非推論モデルはストリーミングで最大60秒。既定値のままのHTTPクライアントでは長い推論が途中で切れます。

埋め込み・画像生成・音声モデルの一覧と実装時に効いてくる制約条件

テキスト生成以外の3系統は選択肢が少なく、制約が細かく決まっています。

埋め込みモデル3種の出力次元とベンチマーク数値の実務での読み方

埋め込みはtext-embedding-3-largetext-embedding-3-smalltext-embedding-ada-002の3種です。

モデルID 最大トークン 出力次元 MIRACL平均 MTEB平均
text-embedding-3-large 8,192 3,072 54.9 64.6
text-embedding-3-small 8,192 1,536 44.0 62.3
text-embedding-ada-002 v2 8,192 1,536 31.4 61.0

日本語を含む多言語検索ではMIRACLの差が効きます。ada-002の31.4に対し3-largeは54.9で、世代差がそのまま検索精度の差です。第3世代ではdimensionsパラメータで次元を削れるため、コストを落としながら精度を保てます。

落とし穴が1つあります。埋め込みモデル間のアップグレードという概念はなく、ada-002から3-largeへ移すにはベクトルを全件生成し直します。1回の呼び出しで送れる配列は最大2,048件。提供終了予定は3種とも2028年2月9日です。

画像生成と動画生成のモデルIDおよび入力文字数4,000の上限

画像生成はgpt-image-1gpt-image-1-minigpt-image-1.5gpt-image-2が掲載され、最大リクエストは4,000文字です。動画生成はSoraでsorasora-2があり、こちらもプレビュー段階かつ4,000文字が上限。プロンプトが頭打ちになるため、参照画像や編集エンドポイントを併用する構成へ寄せるほうが現実的です。

音声モデルの用途別の分岐とリアルタイム系における課金単位の差

音声は用途で3つに分かれます。低遅延の双方向会話ならリアルタイム系(gpt-realtime-2.1gpt-realtime-1.5など、入力32,000・出力4,096)、音声とテキストの生成ならgpt-audio-1.5(入力128,000・出力16,384)、ファイルの文字起こしならwhispergpt-transcribeで最大25MBです。リアルタイム文字起こしは2026-07-29版のgpt-live-transcribeが推奨と明記されました。

課金体系にも差があります。gpt-realtime-translategpt-realtime-whispergpt-live-transcribeは時間ベース課金、その他の多くはトークンベース課金です。見積り時に単価表の列を取り違えると桁がずれます。

デプロイの種類とレート制限で決まる実効スループットと単価の関係

同じモデルでもデプロイの種類が変われば、処理範囲と課金が変わります。

9種類のデプロイの種類とデータ処理範囲および課金方式の対応表

公式のデプロイの種類は9種類が示されています。保存データは指定リージョンに残る一方、推論データの処理範囲は種類によって変わります。

デプロイの種類 データ処理 課金
グローバル標準 任意のリージョン トークン従量
グローバルPTU 任意のリージョン 予約PTU
グローバルバッチ 任意のリージョン 50%割引・24時間
データゾーン標準 データゾーン内 トークン従量
データゾーンPTU データゾーン内 予約PTU
データゾーンバッチ データゾーン内 50%割引
標準 単一リージョン トークン従量
リージョンPTU 単一リージョン 予約PTU
開発者 任意のリージョン トークン従量

コード上のSKU名は GlobalStandard、GlobalBatch、DataZoneStandard、Standard、ProvisionedManaged、DeveloperTier などです。データゾーンは米国・EU・アジア太平洋の3区分。Microsoftは事前通知なしにデータゾーンへリージョンを追加できると明記しているため、監査要件が厳しい案件では単一リージョンのStandardまで落とす判断もあり得ます。

TPMとRPMの既定クォータおよび429発生時における再試行の設計

レート制限は1分あたりトークン数(TPM)と1分あたり要求数(RPM)、同時要求数の3つで決まります。Foundryモデルの既定値は「残りのモデル」でTPM 400,000・RPM 1,000・同時300。Azure OpenAIモデルはモデルとSKUで異なります。リソース側は、サブスクリプションかつリージョンあたりFoundryリソース100、リソースあたりプロジェクト250、デプロイ32が上限です。

2026年5月7日以降、クォータ管理はサブスクリプション単位へ移りました。Global Standardでは同一モデル・同一バージョンのデプロイが全リージョンで1つのクォータプールを共有し、Data Zone Standardではデータゾーンごとに共有します。リージョンを分散させてクォータを稼ぐ設計は、この変更で効かなくなりました。429が返ったときは指数バックオフでの再試行とRetry-Afterヘッダーの利用が公式の推奨です。

バッチ50%割引とPTU予約が損益分岐に届く条件の実務的な見極め

単価はモデル別のトークン価格だけでは判断できません。同じモデルでもGlobal Batchなら50%低コストで、目標ターンアラウンドは24時間、リアルタイムのSLAはなし。日次のバッチ要約や大量の分類のように即時性が不要な処理は、ここへ寄せるだけでコストが半分になります。

PTU(プロビジョニング済みスループットユニット)の予約が有利になるのは、トラフィックが安定して高い場合だけです。可変・バースト型で予約を組めば遊休分をそのまま払います。まずGlobal Standardの従量で実測し、月次のトークン消費が安定してからPTUを検討する順序が堅実です。

提供終了スケジュールを前提にしたモデル固定と移行設計の組み方

モデル一覧は静的な表に見えますが、実際には半年単位で入れ替わる台帳です。選定と同時に退場計画を書きます。

提供終了日と交換モデルの組から逆算する移行計画の具体的な立て方

公式の引退スケジュールにはモデル・版・提供終了日・交換先が組で載ります。2026年後半に期限を迎える主なものを抜き出します。

モデル 提供終了日 交換先
gpt-4o 2024-05-13 2026-10-01 gpt-5.1
o3-mini 2025-01-31 2026-10-01 o4-mini
gpt-4.1-nano 2025-04-14 2026-10-14
o4-mini 2025-04-16 2026-10-16
o1・o1-pro・o3 各版 2026-10-21 gpt-5.6-sol
gpt-4.1・gpt-4o-mini 各版 2027-04-14

微調整済みモデルは扱いが別で、トレーニングとデプロイの2段階で終了します。廃止という制度そのものの仕組みと、廃止前に踏む移行手順はAzure OpenAIのモデル廃止に備える方法で扱っています。gpt-4o(2024-08-06版)ならトレーニングが2027年4月1日より前、デプロイ終了が2027年10月1日という組です。この二段構えの期限を前提に償却期間を見積もります。学習パイプラインごと自社で持つ選択肢と比べたいときは、Azure Machine Learningの守備範囲も確認してください。

モデルIDを固定しない運用設計が実際に破綻する具体的な場面の例

「常に最新版を使う」設計は一見すると保守が楽ですが、実際には破綻します。gpt-chat-latestのようなプレビューの自動更新系は、2026-08-06版の提供終了予定が2026年12月2日と3〜4か月刻みで切り替わるためです。プロンプトの挙動が黙って変わる構成では、出力フォーマットに依存した後段処理が壊れます。

採るべきはモデルIDとバージョンを固定し、廃止日をカレンダーに載せる運用です。交換先への切り替えを回帰テスト付きで実施すれば、GPT-5.1の推論強度のような差分も計画的に吸収できます。

上位モデルの採用を見送るべき条件と過剰投資になる構成の見極め

言い切ります。次の3条件のいずれかに当てはまるなら、GPT-5.6系やGPT-5.5の採用は見送るべきです。

  1. 1リクエストの入力が10万トークンに届かない:104万トークン帯の利点が出ない
  2. 出力が定型の分類ラベルや短い抽出結果:nanoやminiで精度が足り上位は過剰
  3. クォータ階層がTier5未満:申請が通るまで本番投入できず日程が読めない

採用すべき条件も明確です。契約書や仕様書の全文を一度に読ませる、ツール呼び出しを多段で回す、画像を含む入力を扱う。このいずれかがあるなら上位モデルの価値は出ます。

失敗パターンとして多いのは、PoCで最上位モデルを使い本番でもそのまま載せる構成です。PoCは精度の上限を見る場なので上位で構いませんが、本番前にminiやnanoへ落として精度差を実測する工程を挟みます。この1工程で月額が数分の1になる案件も珍しくありません。モデル選定から実装・移行までの設計を一緒に組みたい場合は、生成AI開発・AI受託開発で個別の要件に沿って対応します。

よくある質問

Azure OpenAI Serviceのモデル一覧について、実装前によく確認される点をまとめます。

Azure OpenAI Serviceで今使えるモデルはどこで確認できますか?

一次情報はMicrosoft Learnの「Azureが販売する Foundry Models」です。系統別のモデルID・コンテキストウィンドウ・最大出力トークン・学習データの時点が掲載されます。廃止日は別ページの「モデル引退スケジュール」にあり、両方の突き合わせが要ります。デプロイ可否はリージョンとクォータ階層に依存するため、最終確認はFoundryポータルで行ってください。

GPT-4oはいつまで使えますか?

版によって異なります。2024-05-13版は2026年10月1日が提供終了予定で、交換先としてgpt-5.1が示されました。2024-08-06版と2024-11-20版は2027年4月14日まで、gpt-4o-mini(2024-07-18版)も同日までです。同じ「GPT-4o」でも1年半以上の差があるため、デプロイ中の版を確認したうえで移行時期を決めてください。

モデル一覧に載っているのにデプロイできないのはなぜですか?

理由は主に3つです。第1にリージョンで、モデルはグローバル、データゾーン、単一リージョンの順に提供され、単一リージョンは最後に来ます。第2にクォータ。GPT-5.6系やGPT-5.5はTier5・Tier6以外では申請が必要です。第3にアクセス制限で、computer-use-previewのように登録申請と承認を要するモデルもあります。

モデルごとの料金はどこを見れば比較できますか?

単価はAzure OpenAI Serviceの価格ページで公開され、入力トークンと出力トークンで別レートです。比較では3点を揃えてください。デプロイの種類(Global Batchは50%低コスト)、課金単位(リアルタイム翻訳・文字起こし系は時間ベース)、実際に流れるトークン量です。

日本国内でデータを処理したい場合はどう選べばよいですか?

単一リージョンのStandardまたはリージョンPTUを選び、日本のリージョンへデプロイします。グローバル系は任意のAzureリージョンで、データゾーン系はアジア太平洋の範囲内で推論データを処理するため、国内限定の要件には合いません。ただし単一リージョンは提供が最も遅く、選べるモデルが限られます。要件が「国内」か「アジア太平洋圏内」かを先に確定させてください。

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