遠隔臨場とは?国交省要領が定める対象三行為と機器要件・費用計上を解説
遠隔臨場は、人が現場へ出向く代わりに、ウェアラブルカメラの映像と音声をWeb会議システムへ流して監督職員が確認する方法です。国土交通省の直轄土木工事では令和4年度から本格実施に移り、実施要領(案)が対象の確認行為も機器の参考数値も費用の計上先も文書で決めています。「便利そうだから試す」段階はすでに終わり、要領に沿って回せるかどうかの話に変わりました。この記事では、対象となる三つの確認行為、機器と通信の具体的な数値、施工計画書への記載から当日の進め方、費用の積上げ計上、映像では判断できない確認項目までを実務目線で整理します。
まとめ|遠隔臨場を要領どおりに回すために先に決めておく三つのこと
遠隔臨場でつまずく現場のほとんどは、機器の性能ではなく事前協議の詰めの甘さが原因です。要領は「受発注者間の協議の上で判断する」という書きぶりを繰り返しており、どの工種のどの確認項目を遠隔にするかは現場ごとに決める建て付けになっています。
決めておくべきことは三つ。第一に、適用する工種と確認項目を別表の適応性を見ながら絞ること。映像と音声だけでは判断できない項目には三角が付いていて、そこを無理に遠隔へ寄せると差し戻しになります。第二に、通信が落ちたときの代替手段を先に合意しておくこと。第三に、費用の見積を先に出すこと。遠隔臨場の費用は技術管理費への積上げ計上で、管理費区分まで指定があります。
機器の選定はそのあとで構いません。要領が示す参考数値は画素数640×480以上・15fps以上で、市販のウェアラブルカメラなら大半が満たします。効いてくるのは上り回線のほう。現場の通信手段を先に測っておくと手戻りが減ります。
遠隔臨場の定義と、国土交通省が本格実施へ移行するまでの制度上の経緯
遠隔臨場の定義と、動画撮影用カメラとWeb会議システムという二要素
『建設現場における遠隔臨場に関する実施要領(案)』令和5年3月版は、遠隔臨場を「動画撮影用のカメラ(ウェアラブルカメラ等)によって取得した映像及び音声を利用し、遠隔地からWeb会議システム等を介して『段階確認』、『材料確認』と『立会』を行うこと」と定義しています。定義に含まれる要素は二つだけです。現場側の撮影機器と、それを遠隔地へ届ける配信手段。
特定の製品名は要領のどこにも出てきません。ウェアラブルカメラも「等」が付いた例示で、スマートフォンや固定カメラを排除していない書き方です。監督職員等が確認するのに十分な情報を得られるかどうかが唯一の判定基準で、得られない場合は機器の調整を試み、改善しなければ現場臨場に戻します。
試行から本格実施へ移行するまでの実施件数の推移と、対象工事の考え方
試行は令和2年度に始まりました。国土交通省の報道発表(令和4年3月29日)によれば、実施件数は令和2年度が760件、令和3年度が約1,800件と2年で倍以上に増え、移動時間の短縮などの効果が確認されたことから令和4年度に本格実施へ移行しています。あわせて実施要領(案)と監督・検査実施要領(案)が策定され、事例集も発刊されました。
対象工事の考え方は明快です。遠隔臨場の対象工種がある工事は原則すべての工事に適用する、というのが基本線。ただし通信環境が整わない現場や、工種によって不十分・非効率な確認になる恐れのある確認項目は対象外にできます。新規発注では発注時に特記仕様書へ記載し、既契約で特記に記載がない工事は、発注者が対象と判断すれば受注者へ要請したうえで設計変更で実施する流れです。受注者側から希望を出して協議する道も残されています。
段階確認・材料確認・立会という対象三行為の共通仕様書上の根拠
対象となる三つの行為は、いずれも『土木工事共通仕様書』に根拠があります。段階確認は「3-1-1-4 監督職員による確認及び立会等」の「監督職員は、設計図書に定められた段階確認において臨場を机上とすることができる」に該当する扱い。材料確認は第2編第1章第2節「工事材料の品質」による品質確認と現物確認。立会は「1-1-1-2 用語の定義」に定める立会そのものです。
材料確認には、鋼材のJISマーク表示がない場合の規定も付いています。ミルシート等が添付されているものは品質確認と現物による員数・形状寸法の確認、照合できない主要構造部材は機械試験による品質確認と現物確認、それ以外は現物確認のみです。なお要領は、三行為以外の場面で遠隔臨場を使うことを禁じておらず、現場不一致や事故等の報告時に用いることを「妨げるものではない」と明記しています。
実施要領が示す動画撮影用カメラとWeb会議システムの参考数値と機材選定
カメラの参考数値640×480以上・15fps以上と画質設定の落とし穴
要領の参考資料には、動画撮影用カメラとWeb会議システムの参考数値が表で示されています。市販のウェアラブルカメラなら仕様表を見るまでもなく満たす水準です。
| 項目 | 参考数値 | 効いてくる場面 |
|---|---|---|
| 画素数 | 640×480以上(カラー) | 黒板の文字が読めるか |
| フレームレート | 15fps以上 | 動く重機や流れる材料 |
| マイクとスピーカ | モノラル1チャンネル以上 | 双方向の読み上げ確認 |
| 通信回線速度 | 下り50Mbps・上り5Mbps以上 | 映像が届くかどうか |
| 転送レート | 平均1Mbps以上(VBR) | 映像が止まらない下限 |
要領はここに但し書きを添えています。機器の機能としては仕様を満たしていても、設定によって仕様を割ることがある、という注意です。端末の画質を「高設定」にすれば満たすが「低設定」だと満たさない場合がある、と具体例まで書かれています。通信量を惜しんで画質を落とし、現場では見えていた測定値が監督職員の画面では読めない。実務でいちばん起きやすい失敗です。
Web会議システムの回線速度要件と、発注者側の通信環境という制約
要領は画質ごとの最低限必要な通信速度も表にしています。どこまで画質を上げるかを決める目安です。
| 画質 | 画素数 | 最低限必要な通信速度 |
|---|---|---|
| 360p | 640×480 | 530kbps |
| 480p | 720×480 | 800kbps |
| 720p | 1280×720 | 1.8Mbps |
| 1080p | 1920×1080 | 3.0Mbps |
| 2160p | 4096×2160 | 20.0Mbps |
見落とされがちなのが、受注者側ではなく発注者側の環境制約です。要領は発注者の標準的な通信環境として、通信プロトコルはTCPの80番と443番でUDPは使わない、OSはWindows10、ブラウザはMicrosoft Edge、アプリケーションのインストールは原則行えない、と示しています。専用アプリ前提のサービスは監督職員側の端末で動かせない可能性があるということ。ブラウザだけで参加できる方式かどうかは、機器選定の前に確かめておく項目です。方式ごとの比較軸と費用の総額まで詰めたい場合は、遠隔臨場システムの比較と方式別の選定軸で整理しています。
現場側の通信手段を選ぶ判断軸と、上り速度のほうが先に不足する理由
現場から送るのは映像と音声、受け取るのは監督職員の音声です。データ量は圧倒的に送り側が大きい。参考値が下り最大50Mbpsに対して上り最大5Mbps以上と非対称なのは、この構造を反映しています。ところが携帯回線の実効速度は下りに比べて上りが伸びにくく、山間部やトンネル坑内では数百kbpsまで落ちることがあります。
判断軸は単純です。現場予定地で上り速度を実測し、720p相当の1.8Mbpsを安定して超えるならそのまま、超えないなら画質を360pから480pの帯に落として読み取りを黒板の拡大で補う。どちらも厳しければ対象から外して協議する。要領が「通信環境が整わない現場」を最初から対象外にできると書いているのは、この判断を現場に委ねるためです。
受発注者それぞれの実施手順と、映像記録の保存責任が分かれる境界線
施工計画書へ記載する三項目と、事前協議で決めておくべき適用範囲
受注者は施工計画書と添付資料に三つの事項を記載し、監督職員等の確認を受けます。適用種別、使用機器と仕様、段階確認等の実施方法です。適用種別には要領を適用する段階確認・材料確認・立会の項目を書き、機器の欄には現場で使うカメラとWeb会議システムを記載します。
工種と確認項目の選定には要領の「確認項目の適応性」の別表が参考になりますが、別表に拘束力はありません。現場条件によって適応性が一致しない場合を想定し、適用と不適用は受発注者間の協議で判断する、と繰り返し明記されています。変更契約の際は特記仕様書の記載例を参考に明示する流れです。
もうひとつ、時間の制約があります。監督職員等による確認・立会の実施時間は勤務時間内が原則。夜間打設のように時間帯が動かせない工種は、この一点で対象から外れることがあります。
実施当日の進め方と、黒板表示と読み上げが記録の代わりになる理由
当日の流れは要領が定めています。順序どおりに進めるだけで記録として成立する設計です。
- 事前に監督職員等と機器の仕様や通信状況を確認し、人員と資機材を用意する
- 実施前に現場周辺の状況を伝え、位置関係を把握した旨の応答を得る
- 工事名・工種・確認内容・設計値・測定値・使用材料等を黒板等に表示する
- 必要な情報を冒頭で読み上げ、実施項目の確認を得る
- 終了時に確認箇所の内容を読み上げ、実施結果の確認を得る
冒頭と終了の二回、読み上げて応答を得るのは、映像だけでは「いつ・どこを・誰が確認したか」が後から追えないからです。黒板の表示と音声のやり取りが揃って初めて、契約の適正な履行を示す施工履歴になります。段取り自体は現場臨場と変わりません。
受注者は配信のみという原則と、現場技術員が入る場合の記録手順
よく誤解されるのが記録と保存の責任です。要領の書きぶりははっきりしています。受注者は遠隔臨場の映像と音声を配信するのみであり、記録と保存を行う必要はない。録画データを納品物として扱う規定はどこにもありません。
例外は、確認実施者が現場技術員の場合です。このときは現場技術員が使用するPC等で遠隔臨場の映像(実施状況)を画面キャプチャ等により記録し、情報共有システム(ASP)等で監督職員へ提出します。従来の段階確認等資料の管理と同じ扱いです。つまり残すのは動画ではなく静止画。録画データの長期保管を前提にストレージを選ぶと、要求されていないコストを抱えます。
撮影に伴う配慮事項も列挙されています。作業員へ撮影の目的と用途を説明して承諾を得ること、プライバシーを侵害する音声や現場外の映り込みに留意すること、意図せず映り込んだ人物は特定できないよう措置すること。カメラの保持で両手が塞がり足元への注意が薄れる危険にも触れています。
遠隔臨場にかかる費用の積上げ計上ルールと、見積で通る内訳の作り方
技術管理費への積上げ計上と、管理費区分九という指定が示す扱い
費用負担のルールは一行です。遠隔臨場の実施にかかる費用の全額を技術管理費に積上げ計上する。しかも管理費区分の指定まであり、「9:全ての間接費の対象にしない場合」で計上することとされています。この区分指定を外すと間接費が二重に乗り、査定で戻されます。
計上する費用のイメージも四つ示されています。撮影機器とモニター機器の賃料(または損料)、設置費と移設費、通信費、ライセンス代や通信環境の整備といったその他。月額のサービス利用料は四つ目です。
機器はリースが原則という前提と、購入した場合の耐用年数による按分
機器の手配は基本的にリースとし、その賃料を計上します。やむを得ず購入する場合は、購入費に「機器の耐用年数に対する使用期間(日単位)割合」を乗じた額だけを計上する決まりです。すでに所持している機器を使う場合も考え方は同じ。
耐用年数は国税庁の耐用年数表を参照します。要領が挙げる例では、カメラやアプリケーションソフトが5年、ハブ・ルーター・LANボードが10年。仮に20万円のカメラを耐用年数5年で購入し工期のうち60日使ったなら、20万円×60÷1,825日で約6,600円が計上額です。購入費がそのまま乗ると考えていると、見積の桁がひとつ違ってきます。
共通仮設費に率計上済みの費用との二重計上を避ける見積書の整理
留意点として明記されているのが二重計上の禁止です。従来の立会・確認に要する費用は共通仮設費として率計上されているため、追加で必要となる費用だけを計上します。移動にかかっていた分を遠隔臨場の費用として書き出すと、この規定に触れます。
費用の計上は受注者から見積を徴収して対応し、実施に必要な最低限の費用を計上する、というのが要領の指示。見積書は、リース料と通信費と設置費を明細で分け、従来の臨場では発生しなかった項目だけを並べると協議が短く済みます。積算での費用の乗り方に関心があるなら、ICT施工における共通仮設費と現場管理費の補正の扱いも併せて見ておくと、技術管理費まわりの全体像がつかめます。
映像と音声で判断できない確認項目と、実施を見送るべき現場条件の線引き
別表で△が付く確認項目と、映像では判断できない確認行為の具体
要領の別表は、汎用的なカメラとWeb会議システムで実施できる確認項目に丸、特殊な機器または現場臨場が必要な項目に三角を付けています。
掘削工や深礎工の土(岩)質の判定は三角。同じ工種でも、変化位置を色の変化で確認する場合は丸ですが、打音検査で確認する場合は三角になります。場所打杭工と深礎工の支持地盤も三角。道路土工の路床盛土工や舗装工の下層路盤におけるプルーフローリングの実施状況も三角です。
線引きには理屈があります。丸が付くのは、寸法・員数・使用材料・基準高のように「見えれば分かる」確認。三角は、打音や地盤の締まり具合のように画面越しでは代替できない判断が入るものです。別表は試行結果のアンケートから整理されており、丸の項目で特殊な機器を使う創意工夫を妨げるものではない、とも添えられています。
遠隔臨場の適用を見送るべき三つの現場条件と、判断を下すべき時点
次の三条件のいずれかに当たる現場は、遠隔臨場を無理に適用しないほうがよい。協議の場で対象外として整理するのが正解です。
- 予定地の上り実効速度が安定して1Mbpsを下回る現場。要領の転送レート参考値そのものを割っており、機器を変えても解決しません
- 対象工種の確認項目が別表でほぼ三角に寄る現場。深礎工中心の山岳部や、打音検査が確認の中心を占める工事が該当します
- 確認回数が工期を通して数回にとどまる現場。機器のリース料と設置費を積んでも、削減できる移動時間が費用を下回ります
判断を下すべき時点は、施工計画書の作成前です。特記仕様書に記載があるからと機器を手配してから通信を測ると、リース契約だけが残ります。要領は、施工計画時点で想定できなかった通信機器の故障の可能性(夏場の気温上昇、地下水の多量出水が例示されています)が生じた場合にも協議して実施可否を検討すると定めています。判断のやり直しは制度上認められている、ということ。
定着する現場と一度きりで終わる現場を分ける運用面の三つの要因
件数が伸びた一方で、一度実施しただけで元に戻る現場もあります。分かれ目は機器の性能ではありません。
ひとつ目は、中断時の手順を先に決めてあるかどうか。要領は、電波状況等により中断した場合の対応を事前に協議すると定め、確認箇所を画像・映像で記録してメール等で共有し机上確認する方法も認めています。この合意がないと、一度の中断で「やはり現場に来てもらおう」に戻ります。
ふたつ目は、撮影担当を固定しているかどうか。黒板の見せ方と読み上げの間合いは慣れで決まるため、毎回担当が変わる現場は確認のたびに撮り直しが起きます。三つ目は、監督職員側の受け入れ準備。発注者はアプリケーションのインストールが原則できない環境で参加するので、接続方法が現場ごとに違うと立ち上がりで時間を取られます。逆に言えば、この三点を初回で整えた現場は二回目以降が速い。定着の可否は初回の段取りにほぼ規定されます。なお故意に不良箇所を撮影しないといった行為は『建設業者の不正行為等に対する監督処分の基準』(令和3年9月30日 国不建第273号)等に従い監督処分の対象になり得ます。
工事検査への適用拡大と、蓄積される記録を社内システムで受け止める設計
遠隔書類検査と遠隔実地検査の違いと、360度カメラが加わった理由
遠隔臨場の枠は段階確認等にとどまりません。国土交通省 大臣官房技術調査課は令和6年3月に『遠隔臨場による工事検査に関する実施要領(案)』を策定しました。令和5年度の試行を経て、直轄土木工事を対象に本文書へ移行したものです。
対象は完成検査・中間技術検査・既済部分検査・完済部分検査で、それぞれの工事実施状況・出来形・品質・出来ばえの各検査項目。方式は二つです。遠隔書類検査は、対象書類の電子化を原則として情報共有システム(ASP)等で共有し、Web会議システムの画面共有機能で検査する方式。遠隔実地検査は、カメラの映像と音声を介して現物を検査する方式です。実地検査では、ウェアラブルカメラに加えて360度カメラが機器の例示に加わりました。構造物の全景と位置関係を一度に見せる必要があるためで、狭い画角を振り回す段階確認とは撮り方が違います。なお紙など電子データ以外の書類が残る場合に備えて書類撮影用のカメラも用意し、検査書類限定型工事(令和3年3月23日付け 国技建管第24号)の適用も併用できると明記されています。
情報共有システムに集まる記録を工事台帳へつなぐ内製と外注の線引き
ここまでの制度対応を通すと、ASPには段階確認のキャプチャ、検査の電子書類、工事写真が工事単位で積み上がります。問題はその先です。ASPは工事期間中の共有には向いていても、完成後の原価分析や次工事の見積根拠として横断的に引くようにはできていません。年間十数件を回す会社ほど、この分断が効いてきます。
線引きははっきりしています。ASPそのものを自前で作る意味はありません。共有と提出の機能は標準化済みで、内製しても優位が出ないからです。手を入れる価値があるのは、ASPから工事台帳・原価管理へデータを引き出す部分。工事番号と工種のコード体系を自社側で固定し、確認記録と実行予算を突き合わせられる形にするところが受託開発の領域です。どこから着手するか迷う場合は、投資の順序から整理した建設DXにおける着手順と投資判断の線引きを先に読むと判断しやすくなります。既存の工事台帳の作り込み状況を踏まえて連携方式を決めたい場合は、建設業のシステム連携を扱うDXコンサルティングで現状の棚卸しから相談できます。
よくある質問
実務でよく挙がる質問を、実施要領(案)の記載に沿って整理しました。
遠隔臨場はすべての公共工事で必ず実施しなければならないのですか?
要領は「遠隔臨場の対象工種がある工事は原則、全ての工事に適用する」としていますが、通信環境が整わない現場や、工種によって不十分・非効率な確認になる恐れのある確認項目は対象としないと明記しています。新規発注工事では発注時に特記仕様書へ記載されますが、通信環境が整わないことが明確な場合はこの限りではありません。適用の可否は最終的に受発注者間の協議で決まります。
遠隔臨場に使うカメラやWeb会議システムは発注者が用意してくれますか?
原則は受注者側の準備です。要領は「遠隔臨場に使用する動画撮影用のカメラ(ウェアラブルカメラ等)の資機材は受注者が準備、運用するものとする」と定めています。ただし発注者側で用意している撮影機器やすでに使用しているWeb会議システムがある場合、特記仕様書等に資機材準備の別途記載がある場合はこの限りではありません。どちらを使うかは事前確認とあわせて協議で決めます。
遠隔臨場の映像は受注者側で録画して保存する必要がありますか?
必要ありません。要領は「受注者は、遠隔臨場の映像と音声を配信するのみであり、記録と保存を行う必要はない」と明記しています。ただし確認実施者が現場技術員の場合は、PC等で実施状況を画面キャプチャ等により記録し、情報共有システム(ASP)等で監督職員へ提出します。残すのは動画ではなく静止画で、従来の段階確認等資料の管理と同じ扱いです。
通信が途切れて遠隔臨場が中断した場合はどのように扱われますか?
電波状況等により中断した場合の対応は、事前に受発注者間で協議しておく決まりです。要領が示す代替手段は、確認箇所を画像・映像で記録したものをメール等で共有し、監督職員等が机上で確認する方法。この方法をとれば、その場での確認をやり直さずに済みます。ただし協議のうえで別日の現場臨場へ切り替えることも妨げないため、どちらを選ぶかは工程への影響を見て判断します。事前合意のない現場ほど、中断のたびに止まりがちです。
遠隔臨場の費用はどこに計上され、どのように算出するのですか?
費用の全額を技術管理費に積上げ計上し、管理費区分は「9:全ての間接費の対象にしない場合」で計上します。機器の手配は基本的にリースとして賃料を計上し、やむを得ず購入する場合は購入費に耐用年数に対する使用期間(日単位)の割合を乗じた額を計上します。計上対象は撮影機器とモニター機器の賃料、設置費と移設費、通信費、ライセンス代などその他の四区分。従来の立会・確認費用は共通仮設費として率計上済みのため、追加で必要となる分だけを計上します。
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