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BIM/CIMとは?BIMとの違いと原則適用の対象範囲・社内データ基盤の整え方を解説

公共系システムにおける機能一覧

BIM/CIMは、国土交通省が直轄の土木業務と工事で2023年度から原則適用している、3次元モデルを軸にした情報の受け渡しの枠組みです。用語としては建築のBIMと土木のCIMを一本化したものですが、参照する基準類も成果品の中身も建築側とは別系統です。この記事では、BIM/CIMモデルを構成する3要素、義務項目と推奨項目がどの業務にどこまで課されるのか、実施方針や取扱要領をどの順で読むのか、そしてモデルを受け取ったあと社内のどこに置いて何とつなぐのかまでを整理します。最後に、モデル作成を社内に取り込むべきでない条件も条件付きで示します。

まとめ|BIM/CIMで先に決めるべき対応範囲とデータ運用の論点

BIM/CIMは「3次元モデル・属性情報・参照資料」をひとまとまりで扱う考え方です。原則適用の対象は国土交通省直轄の業務と工事であり、小規模を除く詳細設計と工事では義務項目4つの実施が課されます。測量や地質・土質調査、概略設計、予備設計は推奨項目のみで、ここを混同したまま「すべての工事で3次元モデルが必要」と身構える会社が少なくありません。まず自社が受ける案件が義務側なのか推奨側なのかを、契約図書の共通仕様書から特定してください。

その先で効いてくるのは、モデルを作る力よりモデルを置く場所です。属性情報の項目名が案件ごとにばらつくと、2件目以降の再利用ができず、毎回ゼロから作ることになります。社内で先に決めるべき論点は3つ。保管先と版管理・権限、部材コードと属性項目の共通体系、そして工事管理や原価管理といった既存システムとの突き合わせ方です。モデル作成は外注できても、この3つは外注先に決めさせると自社に資産が残りません。

BIM/CIMの定義と、2018年にCIMから呼称が変わった経緯の整理

BIM/CIMという表記は、建築分野のBIMと土木分野のCIMを並べただけの造語ではありません。国土交通省が土木分野の国際標準化の流れを踏まえて概念を組み直した際に採った表記です。

BIM/CIMモデルを構成する3次元モデル・属性情報・参照資料の3要素

BIM/CIM取扱要領では、BIM/CIMモデルを3次元モデル・属性情報・参照資料という3つの要素からなる情報の集合体として扱います。3次元モデルは形状を持つ本体、属性情報は材質・寸法・施工年月日といった値、参照資料は図面や計算書など関連づけられた電子データです。3つが揃って初めて、後工程で検索や集計ができる状態になります。

形だけ作って属性が空、という納品物が実務では起こりがちです。見た目は完成していても、数量を拾えず維持管理にも引き継げません。要領は3次元モデルを「必要十分な程度の範囲・精度」で作るものとし、過度に精密なモデルの作成が目的化しないよう注意を促しています。作り込みの上限を先に決めておくと、確認作業に使わない部位まで細かく描いて工数を溶かす事故を避けられます。

2012年提唱のCIMが2018年5月にBIM/CIMへ改称された流れ

CIMは、建設分野の生産性を上げる取り組みとして国土交通省が2012年に提唱した用語でした。計画・調査・設計の段階から3次元モデルを導入し、施工と維持管理の各段階へ連携させることで、関係者間の情報共有を容易にする狙いがあります。

その後、土木分野でも国際標準化が進んだことを受け、平成30年(2018年)5月にCIMという呼称をBIM/CIMへ整理しました。英字表記は Building / Construction Information Modeling, Management です。産官学で議論するBIM/CIM推進委員会もこのとき設置されました。実務上は、2018年度より前の資料に出てくる「CIM」と、以降の「BIM/CIM」を同じ流れの中の名称と読み替えて差し支えありません。ただし基準類の版はそのつど更新されるため、古いCIM表記の資料を現行基準として引用しないよう気をつけてください。

建築のBIMと土木のCIMで分かれる対象物・基準類・成果品の境界

BIMとCIMを分ける線は、扱う構造物と所管する制度です。ここを取り違えると、建築向けの手順書を持ち込んで土木の納品要件を外します。

建築BIMが扱う建物とCIMが扱うインフラ構造物の対象範囲の差

BIMは建物、CIMは道路・河川・砂防・ダム・港湾といったインフラ構造物を対象にします。建物は敷地の中で完結し、階層・部屋・設備という繰り返し単位が明確です。一方の土木構造物は延長数キロにわたる線形が主役で、地形と地質という自然物を前提に形が決まります。

この違いはモデルの作り方に直結します。建築側は部材ライブラリを組み合わせる発想が中心ですが、土木側は測量成果から起こした地形面と線形に構造物を載せる発想です。i-Construction推進のための3次元数値地形図データ作成マニュアル(令和7年4月)のように、地形データ側の基準が別途整備されているのはそのためです。上位にあたる施策の全体像はi-Constructionとは?3本柱と2.0のロードマップ・着手順序を解説で扱っています。

所管が異なる建築分野と土木分野で参照する基準類と要領の使い分け

土木側のBIM/CIM基準類は、国土交通省大臣官房参事官(イノベーション)グループが取りまとめています。建築側の推進体制とは別系統です。製品層の話、つまりどのBIMソフトを選ぶかという比較検討は建築分野で議論が先行しており、そちらの整理はBIMプラットフォームの主要機能と他システムとの違いにまとめています。本記事は公共土木の制度対応に絞って進めます。

観点 建築BIM 土木BIM/CIM
主な対象 建物・建築設備 道路・河川・ダム・港湾
形状の起点 敷地と階層 地形面と線形
制度上の起点 建築分野の推進体制 直轄土木の実施方針
主な交換形式 IFC J-LandXML・IFC
公共での位置づけ 個別事業ごとの取組 2023年度から原則適用

実務で迷ったら、契約図書に土木工事共通仕様書と土木設計業務共通仕様書のどちらが引かれているかを見てください。そこがBIM/CIM側の要領に入る入口になります。

原則適用の対象範囲と、義務項目4つ・推奨項目4つの実務上の重み

「BIM/CIM義務化」と呼ばれるものの正体は、対象を絞った原則適用です。全工事が一律で対象になったわけではありません。

直轄の詳細設計と工事に義務、測量や予備設計は推奨という線引き

原則適用は2023年度(令和5年度)に始まりました。対象は国土交通省の直轄で、小規模なものを除く詳細設計と工事のすべてです。工事の種別としては、土木工事共通仕様書に基づく河川・海岸・砂防・ダム・道路の各工事、および土木設計業務共通仕様書に基づく設計・計画業務と、関連する測量業務・地質・土質調査業務が枠内に入ります。

このうち義務項目の実施が課されるのは詳細設計と工事です。測量、地質・土質調査、概略設計、予備設計では推奨項目の位置づけにとどまります。地方自治体の発注や民間工事は原則適用の枠外ですが、自治体側が独自に導入を進める例もあるため、案件ごとに特記仕様書を確認するのが確実です。

義務項目4つが視覚確認に寄っている理由と、現場での使いどころ

義務項目は次の4つです。未経験の会社でも取り組めるよう、視覚的な確認を中心に設計されています。

  • 出来上がり全体イメージの確認
  • 特定部の確認(2次元図面の確認補助)
  • 施工計画の検討補助
  • 現場作業員等への説明

4つのうち実務での効きが最も分かりやすいのは、現場作業員等への説明です。狭隘部の施工手順や重機の据付位置を口頭と2次元図面だけで伝えると認識がずれますが、3次元で見せると打ち合わせ1回分の往復が減ります。逆に、出来上がり全体イメージの確認は住民説明や関係機関協議で効く一方、施工そのものの生産性には直結しません。まず現場作業員等への説明と特定部の確認の2つで運用に慣れ、残りを広げていく順序が現実的でしょう。

推奨項目4つのうち鉄筋干渉チェックを先に選ぶべき工事の具体条件

推奨項目は、視認性の確認、点検スペース等の確認、重ね合わせによる確認、鉄筋の干渉チェックの4つです。施工条件の厳しい工事や規模の大きな事業において、1項目以上の実施を目指すという整理になっています。

4つを横並びで検討する必要はありません。橋台や橋脚のように鉄筋が密に集まる部位を含む工事なら、鉄筋の干渉チェックを最初に選んでください。配筋が納まらないことが現場で判明すると、手戻りは設計側まで及びます。逆に、土工が中心で鉄筋量の少ない工事では、干渉チェックのためにモデルを作り込む手間に見合う効果が出ません。その場合は重ね合わせによる確認、つまり地下埋設物や既設構造物との位置関係の照合を選ぶほうが実益があります。点検スペース等の確認は、供用後の維持管理を発注者が具体的に想定している事業で効いてきます。

3次元モデル成果品として納める中身と、参照する要領・基準類の順序

成果品の要件は複数の文書に分散しています。読む順序を間違えると、細かい規定から入って全体像を見失います。

必要十分な範囲と精度で作るという詳細度の考え方と作り込み過剰

詳細度の基準は、実施する項目からの逆算です。現場作業員等への説明が目的なら、施工手順が読み取れる粒度で足ります。鉄筋の干渉チェックまで踏み込むなら、配筋の径とかぶりを持った本数分のモデルが必要になります。同じ構造物でも目的によって必要な精度は変わるという前提を、社内の作成ルールに書いておいてください。

作り込み過剰は工数だけでなくファイルサイズにも跳ね返ります。数百メガから数ギガ規模になると、協議の場で開くだけで待ち時間が生じ、確認そのものが滞ります。細かく作るほど良い成果品になるという思い込みは、要領の記述とも合いません。

実施方針・取扱要領・分野別ガイドラインを読む順序と最新版の確認

読む順序は、適用範囲から詳細規定へ降りる形が効率的です。

  1. 直轄土木業務・工事におけるBIM/CIM適用に関する実施方針(令和8年3月)で、自社案件が義務側か推奨側かを確定する
  2. BIM/CIM取扱要領(令和8年3月)で、モデルの構成要素・属性・納品の扱いを押さえる
  3. 分野別のガイドライン(案)(令和4年3月・共通編、河川編、砂防及び地すべり対策編、ダム編、道路編、機械設備編、下水道編、港湾編、電気通信設備編の9編)で、該当分野の具体を確認する

版はほぼ毎年度更新されます。実施方針と取扱要領は2026年8月時点で令和8年3月版が最新ですが、分野別ガイドラインは令和4年3月版のまま据え置かれている編もあります。契約時点でどの版が適用されるかは案件ごとに異なるため、社内の作成ルールには版番号と参照日を必ず併記してください。

J-LandXMLやIFCなど成果品のデータ形式で詰まりやすい箇所

設計データの交換では、LandXML1.2に準じた3次元設計データ交換標準(J-LandXML)が使われます。2026年8月時点の最新はVer.1.7(令和7年5月)で、運用ガイドライン(案)はVer.1.4(令和3年3月)です。加えて、設計と施工の間の情報連携には4次元モデルの手引き(案)(令和4年3月)、事業全体の管理には統合モデルのガイドライン素案(令和4年3月)が用意されています。

詰まりやすいのは、ソフト間で書き出したときの属性の欠落です。形状は問題なく開けるのに、付与したはずの材質や施工区分が相手側で空になる。これはソフトの対応範囲の差で起きるため、納品前に受け渡し先の環境で開いて属性が残っているかを確認する工程を、社内手順に組み込んでおくと事故が減ります。

発注者と受注者で分かれるBIM/CIM実務の負担と、社内に残る作業

原則適用は受注者だけの話ではありません。発注者側にも指定と確認の実務が発生します。

受注者が担うモデル作成と、発注者が担う協議・確認の実務上の役割分担

受注者側は、実施する項目に応じたモデルの作成、属性情報の付与、参照資料の関連づけ、そして電子納品までを担います。発注者側は、案件ごとにどの項目を実施するかを指定し、協議の場でモデルを確認し、受け取ったデータを後続の事業段階へ引き継ぐ役割です。

ここで見落とされやすいのが、発注者側の受け取り体制でしょう。指定はしたものの、納品されたモデルを開ける端末も、次の工事へ渡す手順もない。そうなると3次元モデルは事業の中で一度きりの提出物に終わります。受発注者間で情報を共有して生産性を上げるという原則適用の狙いから外れる形です。

工事段階で発生する出来形・施工計画とモデルの突き合わせ作業の実態

工事段階では、設計で受け取ったモデルと現場の実態を突き合わせる作業が発生します。施工計画の検討補助としてモデルに仮設や重機を載せる、段階確認の記録と紐づける、出来形の計測結果と設計形状を比較する、といった流れです。

この作業は、工程・原価・写真といった既存の管理データと分断されていると二重入力になります。工事の管理情報をどこで一元化するかは、モデルを導入する前から詰めておく論点です。管理システム側の選び方は工事管理システムとは?機能・施工管理との違いから選び方・開発判断まで解説で整理しています。

モデル保管・属性管理・既存システム連携で決まるデータ基盤の要件

モデルを作れる会社は増えました。差がつくのは、作ったあとに社内へ残せるかどうかです。ここが競合記事でほとんど触れられていない領域になります。

モデルと属性情報をどこに保管するかで変わる版管理と閲覧権限の設計

3次元モデルはファイルサイズが大きく、更新頻度も高い資産です。設計変更のたびに枝分かれし、誰がどの版を正としているかが曖昧になります。共有フォルダに日付入りのファイル名を並べる運用は、案件が3件を超えたあたりで破綻します。

保管の要件は3点に絞れます。案件・工種・版が一意に決まる識別子を持つこと。発注者・協力会社・社内の閲覧範囲を分けられること。そして納品後も一定期間は元データを取り出せること。維持管理段階での参照を想定するなら、保存期間は工事完成後の数年ではなく構造物の供用期間に合わせて考える必要があります。

工事管理システムや原価管理と3次元モデルをつなぐ実務的な連携設計

モデルから拾える数量を、実行予算や工事原価の側とつなげられると、設計変更が損益にどう跳ねるかを早い段階で見られます。工事原価の費目構成と実行予算の考え方は建設業の原価管理とは?工事原価4費目と実行予算でどんぶり勘定を抜ける手順で扱っています。

連携の設計で決めるのは、突き合わせの鍵になるコードです。モデル側の部材と、原価側の工種・費目を対応づける変換表を持たないと、数量は出ても金額に落ちません。既存の基幹システムやオンプレミスの積算システムが絡む場合、この変換をどこに置くかで改修範囲が変わります。既存の業務システムと3次元データの間をどうつなぐかを含めて設計から相談したい場合は、建設業のDXコンサルティングで現行の業務フローと合わせて要件を整理しています。

維持管理まで引き継ぐ前提でモデル属性の項目を決める具体的な判断基準

属性項目は、後工程で誰が何に使うかで決めます。施工中しか使わない情報と、供用開始後の点検で参照する情報は分けて設計してください。前者は詳細に、後者は少数精鋭にするのが実務的です。

判断の基準はひとつ。「その属性を、5年後の点検担当者が検索条件として打ち込むか」です。打ち込まないなら、属性ではなく参照資料側に置けば足ります。点検スペース等の確認という推奨項目が用意されているのも、維持管理段階を見据えた設計判断を設計段階で済ませておく発想があるからです。属性項目の数を増やすほど良い基盤になるという考え方は、入力工数の増加という形で必ず跳ね返ってきます。

BIM/CIM対応を内製に寄せる条件と、外注に切り替えるべき場面

ここは条件を示して言い切ります。全社一律の正解はありませんが、判断の分岐は明確です。

モデル作成そのものを社内に取り込むべきでない受注者の3つの条件

次の3つが揃う会社は、モデル作成を内製化すべきではありません。外部委託で回してください。

  • 年間の対象案件が数件にとどまり、作業が連続しない
  • モデル作成に常時あたる要員を1名以上専任で置けない
  • 受注する工種が案件ごとに入れ替わり、テンプレートが蓄積しない

この条件下で内製に踏み切ると、ソフトの年間ライセンスと教育コストを払いながら、担当者が半年ごとに操作を忘れ直すことになります。習熟が積み上がらない領域に固定費を置くのは、投資として成立しません。義務項目は視覚的な確認が中心で外部委託しやすい内容なので、まず外注で納品要件を満たし、案件数が増えてから見直す順序が妥当です。

データ基盤側を自社資産として持つべき企業規模と案件本数の目安

一方で、モデルの置き場と属性の体系は外注先に委ねないでください。目安として、対象案件が年間10件を超える、あるいは複数拠点で同じ工種を扱う会社は、保管と属性の共通ルールを自社側に持つ価値があります。

理由は再利用の可否です。案件ごとに委託先が変わると、属性の項目名も部材コードも毎回違う体系で納品されます。個々の成果品は要領を満たしていても、社内で横断的に検索・集計できる状態にはなりません。作成は外、体系は内。この分け方が、モデル作成の内製化より先に効いてきます。

BIM/CIM対応を丸投げして失敗する発注パターンと回避の手順

失敗が最も多いのは、「要領を満たす成果品を作ってください」とだけ伝えて委託するパターンです。委託先は要領に沿って納品するので、契約上の瑕疵はありません。それでも、属性項目が委託先の標準に依存し、次の案件で別の会社に頼むと互換性が失われます。

回避の手順は3段階です。第1に、自社の属性項目リストと部材コード体系を先に確定して仕様書に添付する。第2に、納品前に自社環境でファイルを開き、属性が残っているかを確認する検収工程を契約に入れる。第3に、納品データの二次利用範囲を契約書で明示する。この3つを踏むだけで、2件目以降の作り直しはかなり減らせます。逆に、体系を決めないまま案件を重ねた会社は、あとから統一しようとしても過去分の変換作業が積み上がり、着手できないまま塩漬けになりがちです。

よくある質問

BIM/CIMの制度と実務について、検索で多く見られる質問に答えます。

BIM/CIMとBIMは何が違うのですか?

BIMは建物を対象とする建築分野の用語で、BIM/CIMは土木分野を含めて国土交通省が整理した表記です。2012年に提唱されたCIMを、平成30年(2018年)5月にBIM/CIMへ改めました。英字では Building / Construction Information Modeling, Management にあたります。実務上の違いは対象構造物と参照する基準類で、土木側は直轄土木業務・工事におけるBIM/CIM適用に関する実施方針とBIM/CIM取扱要領が起点になります。建築BIMの手順書をそのまま持ち込んでも、土木の納品要件は満たせません。

BIM/CIMは民間工事や地方自治体の工事でも義務ですか?

原則適用の対象は国土交通省の直轄業務・工事です。民間工事や地方自治体の発注は、この原則適用の枠外にあたります。ただし自治体によっては独自に3次元モデルの提出を求める例があり、対象工種や提出物の範囲は発注機関ごとに異なります。案件ごとに特記仕様書と共通仕様書を確認してください。直轄以外でも、発注者側が事業の合意形成に3次元モデルを使いたいという理由で任意提出を求めるケースはあります。

BIM/CIM管理技士などの資格は取得すべきですか?

原則適用の要件として特定の資格保有が課されているわけではありません。義務項目は視覚的な確認が中心で、実施にあたって資格は前提になっていません。資格は社内の教育指標や対外的な説明材料としての意味合いが中心です。優先順位としては、まず自社案件が義務側か推奨側かを特定し、納品要件を満たす体制を整えるほうが先でしょう。資格取得はその後の人材育成計画の中で検討してください。

BIM/CIMの導入にはどのくらいの費用がかかりますか?

費用は、ソフトのライセンス、モデル作成の外注費または人件費、保管環境、教育の4つに分かれます。金額の幅は工種と実施項目で大きく変わるため、一律の相場を出しても判断材料になりません。見積もりを取る前に、対象案件で実施する項目(義務項目4つのみか、推奨項目まで踏み込むか)と必要な詳細度を確定してください。この2つが決まらないまま相見積もりを取ると、各社の前提がばらついて比較できなくなります。

小規模な工事でもBIM/CIMの対応は必要になりますか?

原則適用は小規模なものを除く詳細設計と工事が対象です。小規模の判断は発注機関側の運用によるため、契約図書で対象かどうかを確認するのが確実でしょう。対象外であっても、狭隘部の施工や関係機関との協議が絡む工事では、3次元モデルによる説明が合意形成を早める場面があります。制度上の義務とは切り離して、協議の往復回数が多い工事から任意で試すという入り方は取れます。

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