Claude CodeのOpus Plan Modeとは何か?モデル自動切り替え機能の概要と特徴を解説

目次
- 1 Claude CodeのOpus Plan Modeとは何か?モデル自動切り替え機能の概要と特徴を解説
- 2 Opus Plan Modeの使い方を徹底解説:初期設定から活用フローまで完全ガイド(基本操作とTips)
- 3 Opus Plan Modeの活用例:大規模プロジェクトで実際に役立つ具体的なユースケースを徹底紹介
- 4 Opus Plan Modeによるモデル自動切り替えの利点:コスト削減とパフォーマンス向上の両立を実現
- 5 Plan Modeで変わる設計と実装のワークフロー:二段階アプローチによる新たな開発スタイルを実現
- 6 Plan Modeでできること:リードオンリー調査からプラン作成までAIに任せられる多彩なタスク
- 7 Claude Codeの主要コマンド一覧:/model・/permissions・/clearなど必須機能を解説
- 8 プランモードを有効にする手順:Opus Plan Modeの設定とShift+Tabによるモード切替方法
- 9 OpusとSonnetの役割分担:高精度プランニングと高速実行の最適な組み合わせによる運用戦略を解説
Claude CodeのOpus Plan Modeとは何か?モデル自動切り替え機能の概要と特徴を解説
Opus Plan Mode(オーパス・プラン・モード)とは、AI開発支援ツールであるClaude Codeにおける新しいモデル設定オプションの一つで、プランモード中に高性能モデル「Claude Opus 4」を、実行時には高速モデル「Claude Sonnet 4」を自動的に使い分ける機能です。通常、Opusモデルは高度な推論や長時間の複雑なタスクに優れていますが、その分応答が遅くコスト(トークン消費)が高めです。一方、Sonnetモデルは応答が速くコストも低い代わりに、長時間の深い推論ではOpusに劣ります。Opus Plan Modeはこの2種類のモデルを場面に応じて自動切り替えし、両者の長所を活かす仕組みになっています。プラン策定など「考える段階」ではOpusの卓越した推論力を活かし、実際のコード生成やコマンド実行など「手を動かす段階」ではSonnetの効率の良さで素早く処理するという“いいとこ取り”のアプローチです。このモデル自動切り替え機能により、高度な分析力と実行速度・コスト効率の両立が可能になります。
従来のClaude Codeではユーザー自ら必要に応じてモデルを変更することもできましたが、Opus Plan Modeを使えばシステムがモードに合わせて自動で最適なモデルにスイッチしてくれます。そのためユーザーはモデル選択の手間を減らしつつ、重い処理が必要な場面では高精度モデル、軽快さが求められる場面では高速モデルが裏で使われるという最適な体験を得られます。Opus Plan ModeはClaude Code v1.0.77から利用可能になった機能であり、「設計ではOpus、実装ではSonnet」を自動適用してくれるハイブリッドモードとして登場しました。この機能により、複雑な問題に取り組む際にはモデルの持つ最大能力を引き出しつつ、実装フェーズではコストを抑えて迅速に進められるよう設計されています。
Opus Plan Modeの使い方を徹底解説:初期設定から活用フローまで完全ガイド(基本操作とTips)
Opus Plan Modeを利用するための初期設定としては、まずClaude Codeでこのモデル設定を有効にする必要があります。具体的には、セッション開始時や対話中に/modelコマンドを使ってモデルをopusplanエイリアス(Opus Plan Mode)に変更します。/model opusplanと入力すると、Claude Codeが以後プランモードではOpusを、通常モード(実行モード)ではSonnetを使うようになります。この設定は一度有効にすれば以降自動で適用され、手動でOpusやSonnetを切り替える必要がなくなります。
モデル設定後、実際のPlan Modeの操作フローは以下のようになります。
1. プランモードへの切替
キーボードでShift+Tabキーを押してプランモードを有効化します。Claude Codeの入力欄でこのショートカットを押すことで、現在の対話モードが「Plan Mode」に切り替わったことを確認できます。プランモード中はプロンプト横などに表示が出て、Claudeも「今は計画のみ行うモードだ」と認識しています。
2. プランの策定
プランモードになったら、通常のプロンプトと同じようにClaudeに指示を与えます。ただしこのモードではClaudeはファイル編集やコマンド実行をせず、調査・分析と計画立案に専念します。例えば「新機能Xを実装するための計画を立てて」と依頼すれば、Claude(Opusモデル)はコードベースを読み込んだり関連情報を調べた上で、実装方針や手順を整理して提案してくれます。出力は番号付きのステップ一覧や箇条書きで構成されることが多く、フォーマットが一定でわかりやすいのも特徴です。この段階ではClaudeが勝手にコードを書いたりファイルを変更することは一切ありません。ユーザーは提示されたプランを確認し、疑問点があればさらに質問したりプランを修正するよう促すこともできます。プランモードではClaudeは必要に応じてプロジェクト内のファイルを閲覧したり(Read)、内容検索(Grep)を行うなど、情報収集を行って計画の精度を高めます。
3. プランの承認とモード解除
Claudeの提案した計画に納得できたら、再びShift+Tabキーを押してプランモードを終了します。モードを通常の「実行モード」(Act Mode)に戻すと、Claudeは「計画が承認された」とみなし実行段階に移行します。ただし、安全のためプランモードを抜ける際にClaudeが「本当にこの計画で実行して良いか」追加確認してくれることがあります。このワンクッションにより、意図しない実行を防ぐことができます。ユーザーが「はい、実行して」と明示的に指示・確認することで、初めて次のステップに進みます。
4. 計画の実行(オートモード)
プランモードを抜け通常モードに戻ったClaudeには、先ほど承認された計画に基づいて自動的に実装やファイル編集を進めさせることが可能です。具体的には、ユーザーが「では計画に従って実装してください」と促すと、Claude(Sonnetモデル)が先のプランに沿ってコードを書き始めたり、指定のファイルに変更を加えます。Opus Plan Modeを使っている場合、この実行フェーズでは自動的に高速なSonnetモデルが使われ、計画で練られた手順をスピーディーに実行します。ユーザーは進捗を見守りつつ、必要に応じて途中で介入したり調整指示を出すこともできます。
以上が基本的な活用フローです。Tipsとして、プランモード中はClaudeが提案する計画が曖昧だったり不十分と感じた場合は、追加で質問したり「この部分を詳しく検討して」と伝えることで計画を練り直させることができます。プランモードでは出力が体系立っているため、大きな課題を細かいステップにブレイクダウンさせるのにも向いています。また実行段階では、一度にすべて自動で任せるのではなく、ステップごとに確認しながら進めることも可能です。Claude Codeは本来どのコマンドやファイル編集を行う際にもユーザー承認を求める安全設計ですが、プランモードを活用することでより明確に「計画フェーズ」と「実行フェーズ」を分離でき、予測不能な挙動を防ぎつつ効率良くAIと共同作業ができます。
Opus Plan Modeの活用例:大規模プロジェクトで実際に役立つ具体的なユースケースを徹底紹介
Opus Plan Modeは、小さなコーディングタスクだけでなく大規模プロジェクトにおいて真価を発揮します。そのいくつかの具体的なユースケースを紹介します。
大規模システムのアーキテクチャ設計
新しいサービスや複雑なシステムを一から構築する際、経験豊富なエンジニアはすぐにコーディングせず全体設計を考えます。同様に、Claude Codeのプランモードを使えば、AIにプロジェクトの全貌を理解させた上で段階的な設計プランを作らせることができます。例えば「データパイプラインを構築したい」という大規模課題に対し、Opusモデルがプランモードでシステム設計の助言を行った事例があります。あるユーザーは、「複数のデータソースを統合し、スケーラブルにストリーミング処理を行うパイプライン」という難題に取り組む中で、Opusに全体アーキテクチャの検討を依頼しました。その結果、プロジェクトを段階に分ける包括的な計画が提示され、着手前に潜在的な課題(スケーラビリティやログ設計など)も洗い出せたため、当初圧倒されていたプロジェクトが「扱いやすいもの」に激変したと報告されています。このように、Plan Modeを使えばAIがシステムの設計パートナーとなり、大きな開発を進める指針を示してくれます。
大規模コードベースのリファクタリング・移行
何千行にも及ぶ既存コードの大改修や、モノリシックなコードベースからモジュール化への移行など、広範囲に影響が及ぶ作業にもPlan Modeが有用です。例えば「コードベース全体でAPI仕様を変更する」場合、まずプランモードでgrepやglobを活用して旧APIの使用箇所を全て洗い出し、それらをどの順序で書き換えるべきか計画させることができます。Claudeは読み取り専用でコードを調査できるため、実際に手を加える前に影響範囲を把握し最適なリファクタリング手順を提案してくれます。その計画に沿って実行フェーズに移れば、想定漏れによるエラーを減らしつつ効率良く変更を適用できます。実例として、UIコンポーネントの構造を一新するケースでは、Plan Modeで「現行仕様V3から新仕様V4への移行プラン」を作成し、HTML/CSS/JSファイルをディレクトリごと分割する新アーキテクチャをClaudeが提案しました。このプランをチームでレビューした後、Claudeに実装を任せることで、大規模な構造変更も抜け漏れなくスピーディに実行できています。Anthropicの検証では、Claude Opus 4が7時間に及ぶオープンソースプロジェクトの自動リファクタリングを継続的にこなした例も報告されており、Plan Modeを併用すればこのような長時間の大規模タスクも安全かつ計画的に進めることが可能です。
プロジェクト管理・タスク分割
大規模プロジェクトでは複数の開発者でタスクを分担しますが、Plan Modeを使えばAIがタスク分割やチケット作成を支援してくれるユースケースもあります。例えば先述のデータパイプラインの例では、Opusがプランモードでシステム設計をした後、その計画を基にGitHubのIssue(課題)を自動生成するよう促す使い方もされています。Claudeに計画承認後、「gh CLIを使ってサブタスクのIssueを作成し、それらを相互にリンク付けしてください」と指示すれば、AIが計画を具体的なタスク単位に落とし込み、Issueとしてプロジェクト管理システムに登録してくれます。その後、各IssueごとにSonnetモデルで実装を進める、といった計画から実装へのブリッジをAIが担うことも可能です。さらに高度な例では、Plan Modeで作成したプラン文書をプロジェクトの仕様書(仕様Markdown)として保存し、それをトリガーに複数のClaude Codeエージェントが並行してタスクを処理するという使い方も考えられています。例えば、生成された仕様書を基に10個のエージェントが同時にUIコンポーネントを実装するようなケースでは、Plan Modeが大規模並列開発の司令塔の役割を果たしています。このように、Opus Plan Modeは単なる一人分のコーディング補助に留まらず、プロジェクト全体を見通した計画立案とタスク展開に貢献する強力なツールと言えます。
Opus Plan Modeによるモデル自動切り替えの利点:コスト削減とパフォーマンス向上の両立を実現
Opus Plan Mode最大のメリットは、高性能なモデルを必要な場面だけで使い、それ以外はコスト効率の良いモデルに切り替えることで「コスト削減」と「性能向上」を両立できる点にあります。【Opus 4.1(Opusモデル)】は高度なコード理解・推論能力を誇りますが、その分トークン単価が高く応答にも時間がかかります。一方【Sonnet 4(Sonnetモデル)】はOpusほどの深い推論力は無いものの利用コストが低く応答も高速です。Opus Plan Modeでは、この2つを自動で使い分けることで無駄を省きます。
具体的には、計画立案時にのみOpusを使い、実装時にはSonnetに切り替えることで、Opusの優れた思考力は享受しつつ実行フェーズのコストを大幅に削減できます。計画段階は出力もテキスト中心で比較的短く済むため、高価なOpusモデルの使用量を最小限に抑えられます。一方、実装段階(コード生成や編集)は大量のトークンを消費しがちですが、ここでは低コストなSonnetが担当するため全体の消費量・料金を抑制できるわけです。実際にAnthropic社の公表している価格では、Opus 4系モデルはSonnet 4系モデルの約5倍の料金設定となっています(例えばOpus 4で100万トークンあたり$15、Sonnet 4で同$3程度)。この差を考えると、実装フェーズをSonnetに任せる意義は大きく、必要な時だけ「贅沢に」Opusを使い、それ以外は節約という形でコスト効率が向上します。
同時に、パフォーマンス(開発速度や成果物の質)の向上も得られます。Opusはプランニングにおいて人間の上級エンジニア並みの深い洞察を発揮し、潜在的な問題点や最適化案を事前に洗い出します。そのため、いきなり実装して後戻りするよりも最初に綿密なプランニングを行う方が結果的に手戻りが減り、効率が上がります。またSonnetは応答速度が速く、小規模なコード生成や既知のバグ修正などをテンポ良くこなせるため、実装フェーズでの開発スピードを加速してくれます。Opusで熟考→Sonnetで素早く実装という流れにより、全体として「しっかり考えて素早く作る」開発スタイルが実現し、これは単にどちらか一方のモデルだけを使う場合と比べ大きなアドバンテージです。
さらに、Opus Plan Modeなら高コストなモデルを垂れ流しにしない安心感も得られます。特に長時間の自律的なエージェント実行では、誤った方向に進んで無駄なトークンを消費するリスクがありますが、Plan Modeで逐一計画をユーザー確認させ、実行は安価なモデルに任せることで無駄打ちによるコスト浪費を防止できます。実際、Opusが詳細に立てた計画があるなら「実装はSonnetでも十分ではないか?」という指摘がありますが、その通りで、詳細なプランがある段階では高価なOpusを使わずともSonnetで事足りるケースが多いことが確認されています。これはまさにOpus Plan Modeの狙いであり、Opusの力で道筋を明確化し、その道筋に沿ってSonnetに走らせることでコストと性能のバランス最適化が図れているのです。
まとめると、Opus Plan Modeによるモデル自動切替の利点は、(1) トークン消費量・利用料金の削減(必要最低限だけ高性能モデルを使用)と、(2) 開発スピード・品質の向上(適材適所のモデル活用による)にあります。この仕組みにより、開発者は「AIアシスタントの頭脳はフル活用しつつ、財布にも優しい」という理想的な形でClaude Codeを運用できるようになっています。
Plan Modeで変わる設計と実装のワークフロー:二段階アプローチによる新たな開発スタイルを実現
Plan Mode(プランモード)の導入によって、ソフトウェア開発のワークフローは「計画」と「実装」を明確に分離した二段階アプローチへと変化します。このスタイルは、実は熟練エンジニアが普段から行っている思考プロセスをAI開発に取り込んだものだと言えます。
従来、AIコード補完を用いた開発では「プロンプトを出す → コード提案を得る → 動かしてみて調整 → …」という試行錯誤が主体でした。いわば行き当たりばったりに近いサイクルで、実装しながら問題に気付いたらまた修正するといった流れです。しかしPlan Modeを使うと、まず実装前にじっくり計画を立てるステップが半強制的に挟まるため、開発フローが「計画してから実装する」という形に再構築されます。これは「まず全体を理解し要件を整理し、アーキテクチャを考えてからコードを書く」という熟練者の流儀そのものであり、Claude CodeがそれをAIと人間の協調作業で実現するようになったのです。
具体的には、Plan ModeではClaude(Opusモデル)がコードを書く前に現状のコードや要求を読み込み、戦略を練り、設計方針を提案します。人間の開発者はそれをレビュー・修正し、合意した上で次に進みます。これにより「AIがいきなり実装を始めてしまい、後で『そんなつもりじゃなかったのに』となる」事態が防げます。まさに暴走しがちな新米エンジニアをベテランが制御するように、Plan ModeがAIの行動を計画段階で一度止めて確認する仕組みを提供することで、開発プロセスに安心感と見通しの良さをもたらします。
この二段階アプローチの成果として、設計品質の向上と実装の効率化が挙げられます。Plan Modeを経由することで、コードを書き始める時点で既に全体の設計図ができています。以降の実装フェーズはその設計図に沿って進めるだけなので、無駄な試行錯誤や大幅な作り直しが減少します。結果としてトータルの開発時間が短縮され、コードの一貫性や完成度も高まります。ある開発者は「従来の開発(コードを書いて問題が出てリファクタ…の繰り返し)に比べ、Opusで考え→Sonnetで実装→Opusでレビュー→リリースという新しいワークフローに変わった」述べています。このように考える→作る→検証するのサイクルをAIが支援しつつ明確化してくれるため、開発者自身も工程ごとに集中すべきポイントが整理されます。
さらに、このスタイルはチーム開発にも好影響を与えます。Plan Modeで作成した計画(仕様)はドキュメントとして残るため、チーム内で合意形成しやすくなります。皆が同じプランを共有してから実装に入ることで、メンバー間の認識齟齬が減り、大規模チームでも足並みを揃えやすくなります。また計画を明文化することでレビューや見直しも容易になり、必要なら計画段階に立ち返って軌道修正することもできます。これらはまさに「まず計画、次に実行」という熟練の開発プロセスであり、Claude CodeはAIアシスタントを通じてそれを促進しているのです。
総じて、Plan Modeは開発スタイルそのものをより計画駆動型に進化させるツールと言えます。AIに詳細なプランニングを任せることで、人間は戦略的な判断や創造的な発想により多くの時間を割けるようになります。「考えるフェーズ」と「作るフェーズ」を明確に分離する二段階アプローチは、大規模・複雑化する現代のソフトウェア開発において、品質と効率を両立する新しい標準になりつつあります。Claude CodeのPlan Modeはその具体的な実践手段を提供しており、まさにシニアエンジニアの思考様式をAIと共に体現するものなのです。
Plan Modeでできること:リードオンリー調査からプラン作成までAIに任せられる多彩なタスク
Plan ModeではClaudeに「調べる」「考える」「まとめる」といった多彩なタスクを任せることができます。ポイントは、Plan Mode中のClaudeは読み取り専用(リードオンリー)モードで動作し、書き込みや実行系の操作は一切しないことです。これにより、開発者はAIに安心して調査・分析を任せ、必要な知見や計画だけを引き出すことができます。具体的にPlan ModeでClaudeがこなせる主なタスクを挙げてみましょう。
コードベースのリサーチ(読み取り)
Claudeはプランモード中、プロジェクト内のファイルを自由に閲覧できます。例えば「特定の関数がどこで使われているか調べて」と指示すれば、Readツールで該当ファイルを開き内容を読み、GrepやGlob機能でコード全体を検索して該当箇所を見つけ出すことが可能です。またディレクトリ構造を把握するLSコマンドでファイル一覧を取得したり、ノートブックファイル(Jupyter Notebook)の読み取りにも対応しています。このように人間が行う下調べ的な作業をAIに任せることで、開発者はより創造的な部分に集中できます。
情報収集と分析
必要に応じて、ClaudeはWeb検索や外部情報の取得もPlan Modeで行えます。WebSearchツールでインターネット検索を実行し、WebFetchで得られたウェブコンテンツを分析することで、ドキュメントや技術ブログなどから関連知識を収集できます。例えば「最新のフレームワークXのベストプラクティスを調べて」といった指示にも、Plan Modeなら外部情報を引きに行き要点をまとめてくれるでしょう。さらにClaudeは内部にタスク管理エージェントを持ち、Taskコマンドで複雑なリサーチ指示を並列的に処理したり、TodoRead/Writeでやることリストを管理する機能も備えています。Plan Modeではこれらを活用し、必要な知見を洗い出し整理することができます。
計画・戦略の立案
Plan Modeのハイライトは、Claudeが包括的なプランを作成できることです。集めた情報やコードの現状を踏まえ、目標を達成するための手順や方針を文章化して提案してくれます。例えば「機能Yを追加する計画を立てて」と頼めば、前提条件の整理から始まり、実装ステップを順序立てて列挙し、注意点や検討事項まで盛り込んだ綿密な計画書を出力します。このプラン作成タスクこそPlan Modeの真骨頂であり、AIがプロジェクトマネージャーやリードエンジニアのように働く瞬間です。Claudeは計画を立て終わるとそれをユーザーに提示して承認を求めます。ユーザーがOKを出すまでは次に進まないため、安心してアイデアを引き出すことに専念させられます。
Q&A形式での調査対話
プラン作成の途中で、開発者が詳細を確認したい場合には対話形式で掘り下げることもできます。Plan Mode中のClaudeは質問応答にも応じてくれます。たとえば「このアプローチのメリットは何?」と尋ねれば、その場で調べた内容や知識に基づき解説してくれます。これはまさにペアプロミーティングで相談しているかのような感覚で、AIに設計レビューを依頼するイメージです。Plan Modeでは実行を伴わないため、どんな問いかけにも安全なサンドボックス内で思考実験をさせられるメリットがあります。納得のいく答えが得られるまでClaudeにあれこれ議論させ、十分に検討してから実装に移れるのです。
以上のように、Plan Modeではファイルの読み取りや検索といった低レベル作業から、情報収集・分析、計画立案、質疑応答による検証まで幅広いタスクをAIに任せることができます。そして重要なのは、その間AIは一切副作用を起こさない(ファイルを書き換えない・コマンドを実行しない)点です。Claudeは「読む・考える専門モード」として動作し、ユーザーの承認が出るまで決して勝手なアクションを起こしません。この特性ゆえに、開発者は安心して大事な調査や検討をAIにフル活用させることが可能になっています。例えば「このファイル、Plan Modeで開いて内容を理解しておいて」と指示して席を外し、戻ってきたらClaudeが内容まとめと次の提案を用意している、といった効率的な使い方もできます。Plan Modeはまさに信頼できるアシスタントに下調べと段取りを任せる感覚で、多彩なタスクをこなしてくれるのです。
Claude Codeの主要コマンド一覧:/model・/permissions・/clearなど必須機能を解説
Claude Codeには操作や設定変更のためのスラッシュコマンドが多数用意されています。ここでは特に重要な主要コマンドについて、その役割と使い方を解説します。
/model(モデル選択)
使用するAIモデルを切り替えるコマンドです。/model <モデル名またはエイリアス>の形式で使用し、例えば/model opusとすればOpusモデルに、/model sonnetとすればSonnetモデルに変更できます。Opus Plan Modeを使うには/model opusplanと指定します。コマンド実行後はそのセッション中ずっと指定モデルが使われます(Plan Mode利用時は自動で内部切替)。モデル名はAnthropic提供のバージョン文字列か、opusやsonnetといったエイリアスが利用できます。エイリアスopusplanは「プラン時Opus・それ以外Sonnet」を意味します。モデル変更は対話中いつでも可能で、必要に応じ高性能モデルに切り替えて再実行…といった使い分けもできます。
/permissions(パーミッション設定)
Claude Codeが自動的に許可された操作(ファイル編集やコマンド実行など)を管理するコマンドです。デフォルトではClaude Codeは安全のため、ファイルを書き換えたりシェルコマンドを実行する際に毎回ユーザーに許可を求めます。/permissionsコマンドを使うと現在許可されているツール一覧を表示したり、新たに許可を追加・削除できます。例えば/permissions add Editとすればファイル編集(Editツール)を常に許可リストに加えることができ、いちいち確認を出さず自動で編集を適用するようになります。逆に/permissions remove Bashとすればシェル実行を禁止するといった使い方も可能です。Plan Mode中はそもそも編集系操作は行われませんが、通常モード時にどの操作を無条件許可/禁止するかを細かく制御できるのがこのコマンドです。チームでClaude Codeを使う場合、プロジェクト設定ファイル(.claude/settings.json)でpermissionsを共有管理することもできます。適切に許可を設定することで、確認の手間を減らしつつ安全性と利便性を両立できます。
/clear(会話リセット)
現在の対話履歴を消去し、新しいセッションを開始するコマンドです。Claude Codeは対話型でコンテキストを保持しますが、/clearを実行するとそれまでの会話内容やClaudeの内部状態(思考履歴)がリセットされます。これにより、別の課題に取り組みたい時や、プロンプトが混乱してきた時にクリーンな状態から再スタートできます。なお/clearしてもファイルの内容自体は変更されません。また、/clear後にすぐ/initコマンドを実行することでプロジェクト設定(CLAUDE.mdの読み込みなど)を再初期化できます。一つのセッションで複数のタスクを扱うときは適宜/clearすることでコンテキストをリセットすると良いでしょう。
/init(プロジェクト初期化)
対話中のプロジェクトに関する情報をClaudeに読み込ませるコマンドです。実行すると、そのディレクトリにCLAUDE.mdというガイドファイルが無ければ自動生成し、あればその内容を読み込んでClaudeの記憶に反映します。CLAUDE.mdにはプロジェクトの説明や重要な設計指針などを書いておくことが推奨されており、/initによってプロジェクト固有のコンテキストをAIに覚えさせることができます。新しいリポジトリでClaude Codeを使う際は、まず/initすることで「このプロジェクトでは何をするか」「コードスタイルは?」「使用技術は?」などをClaudeに学習させてから作業を始めると効果的です。言わばAIとの共有脳内メモリをセットアップするコマンドです。
/help(ヘルプ)
利用可能なコマンド一覧や簡単な説明を表示します。初めてClaude Codeを使う際や、忘れたコマンドを確認したい時に有用です。/helpを実行すると組み込みコマンド(上述のもの含む)の一覧がカテゴリー別に表示され、それぞれの簡潔な説明も示されます。
/status(ステータス表示)
現在のモデルやユーザープラン、バージョン情報などセッションの状態を確認できます。/statusを打つと設定タブが開かれ、アカウント種別(FreeかProか等)や利用中モデル(Opus/Sonnetのバージョン)、残り実行可能なトークン量などが表示されます。Opus Plan Mode利用中に「今どちらのモデルで動いているのか?」を知りたい場合にも役立ちます(Plan Mode中ならOpusで思考中、通常モードならSonnet使用中、といった旨がステータスに表れます)。
/review(コードレビュー)
これはコード生成ではなくコード評価を行わせるコマンドです。現在の変更内容やプルリクエストをClaudeにレビューさせ、改善点やバグを指摘してもらう用途に使います。例えば/reviewだけならカレントブランチの差分に対するレビュー、/review 123ならPR番号123の変更に対するレビュー結果が得られます。人間のレビュー前にClaudeにチェックさせておくことで、見落としを減らしレビュー効率を上げるといった活用法がされています。
以上が主要なコマンドとその概要です。そのほかにも、/add-dir(追加の作業ディレクトリを指定)、/memory(長期メモリ管理用のCLAUDE.md編集)、/cost(トークン消費量の確認)など開発を助けるコマンドが豊富に揃っています。必要に応じ/helpコマンドで一覧を参照しながら使いこなしていくと良いでしょう。これらのコマンド群を活用することで、Claude Codeを自分好みにカスタマイズしつつ効率的に操作できるようになります。
プランモードを有効にする手順:Opus Plan Modeの設定とShift+Tabによるモード切替方法
Opus Plan Modeを実際に利用するには、モデル設定の変更とプランモードへの切替操作という2段階のステップが必要です。以下にその具体的な手順を整理します。
① モデル設定でOpus Plan Modeを選択
まずClaude CodeをOpus Plan Modeで動作させるため、モデルセレクターで該当の設定を選びます。対話中に/model opusplanとコマンドを打つか、設定ファイルにデフォルトモデルとしてopusplanを指定します。これにより、今後のセッションでPlan Mode時には自動的にOpus 4.1が、通常時にはSonnet 4が使用される状態になります。モデル切替が成功すると、/statusコマンド等で現在のモデル設定に「Opus Plan Mode (Opus 4.1 / Sonnet 4)」といった表示が確認できるでしょう。なお、この機能を使うにはOpusモデルが利用可能なプラン(例: Claude Pro/Maxプラン以上)である必要があります。無料ユーザーの場合Sonnetモデルしか使えないため、Opus Plan Modeの選択肢は表示されません。
② Plan Modeへの切替操作
モデル設定ができたら、実際にプランモードに入ってみましょう。エディタやターミナル上でShift + Tabキーを押すことで、モードが順送りに切り替わります。通常モード -> Plan Mode -> 自動実行モード(Auto-accept Mode)というようにモードが循環する仕組みになっており、「Plan Mode」が表示されるまでShift+Tabを押します。例えばVS Code拡張の場合、Claude Codeパネルに現在のモード名が表示されるので、「Plan Mode」となっていることを確認してください。無事プランモードに入ると、Claudeはこれ以降ユーザーが再度モード変更するまでファイル編集やコマンド実行を行わず、プランニングに徹する状態になります。
③ Plan Modeでの対話と計画作成
Plan Modeが有効になったら、通常通りプロンプトを入力してClaudeと対話します。Claude(Opusモデル)はこちらの指示に基づき、必要なファイルを読み込んだり情報を集めつつ計画を立案します。Plan Mode中である旨を改めて伝えなくても、Claude側がモード状態を把握しているため自律的に安全なリサーチ動作に限定されます。ユーザーは安心して「まずは計画を考えて」といった抽象度の高いお願いをすることができます。Claudeが提案した計画に対し、更なる質問や調整依頼も自由です。納得のいくプランが出来上がったら次に進みます。
④ Plan Modeの解除(通常モードへ戻す)
計画がまとまったら、再度Shift + Tabを押してPlan Modeを終了します。これによりClaude Codeは通常の実行モード(Act Mode)に戻り、計画を実行に移す準備が整います。Plan Mode解除時、Claudeが直前の計画について「この内容で実行してよろしいですか?」と最終確認のプロンプトを出す場合があります。ここでユーザーが「はい」や「実行して」と指示することで、初めてClaudeが実際のコード編集・生成に着手します。万一計画に修正が必要だと思った場合、この段階で「いいえ」や追加変更を指示すれば再度Plan Modeに入り計画を練り直すことも可能です。
⑤ 自動実行モードで計画の実行
承認後、Claudeは計画に沿って自動的に実装作業を開始します。Opus Plan Modeを選択している場合、ここからは裏側でSonnetモデルに切り替わって実行されます。ユーザーは適宜進行を見守り、必要に応じて途中で/stopコマンド(対話停止)や修正指示を出すこともできます。計画通り全工程が完了するとClaudeが結果を報告し、次の指示を待つ状態になります。
以上がPlan Mode有効化から実行までの一連の手順です。要約すれば、「モデルをopusplanに設定し、Shift+TabでPlan Modeに入り、計画策定→承認→Shift+Tabで解除→実行」という流れになります。もしWindows環境でShift+Tabが効かない場合(ショートカット競合など)には、代わりにコマンドパレットからモード切替を選択する方法もあります。通常はターミナルでClaude Codeを動かしている場合でも同様にShift+TabでPlan Modeに入れます。
初めはモードの切替に戸惑うかもしれませんが、一度慣れればシームレスに計画と思考のモードを行ったり来たりできるようになります。Plan Mode中はプロンプト欄が薄黄色に変化するなどUI上の表示も変わるため、モードを見失う心配も少ないでしょう。Opus Plan Modeを正しく設定・操作することで、前述の利点を最大限活かしたClaude Code体験が得られます。
OpusとSonnetの役割分担:高精度プランニングと高速実行の最適な組み合わせによる運用戦略を解説
Claude OpusとClaude Sonnetはそれぞれ得意分野と特性が異なるモデルであり、Opus Plan Modeは両者を組み合わせて使う戦略そのものです。ここではOpusとSonnetの役割分担を整理し、どのように最適運用するかを解説します。
Claude Opus 4(開発コード名:Opus)はAnthropicが提供する中で最も強力なモデルで、深い推論・複雑な問題解決・大規模コード理解に優れています。長時間にわたる連続的な思考が可能で、まさに「AIアーキテクト」として振る舞うのに適しています。Opusに任せるべきは例えば、システム全体の設計検討、新機能実装前の影響分析、難解なバグの原因究明など、高度な知的作業や戦略立案のフェーズです。Opusはひとつひとつの決定に筋道立てて考え、多角的な視点から提案を行うため、人間では見落としがちな点まで網羅した計画や解決策を導き出します。例えば前述のログ機能強化の例では、Opusが単に「ログを追加しましょう」というだけでなく、監査ログや相関ID付与など運用面を見据えたアイデアまで盛り込んで提案してくれました。このようにOpusは精度重視・思慮深さ重視の役割として位置付けられます。
一方、Claude Sonnet 4(Sonnet)は軽量で応答の速いモデルで、日常的なコーディングや素早い試作に適しています。コンテキスト理解や指示遵守の精度も高い水準にありますが、何より処理速度とコスト効率が優れているため、繰り返しの実装作業や短時間で済むタスクに向いています。Sonnetに任せるべきは例えば、具体的なコードの自動生成、シンプルなユーティリティ関数の実装、既知のバグ修正、テストコードの作成など、要件が明確になっている作業やスコープが限定されたタスクです。実際「Sonnetは迅速な職人」のようなもので、与えられた指示に対して短い時間でコードを書き上げます。例えばAPI連携のコードやボイラープレート(定型コード)の生成では、Sonnetが高速に候補を提示してくれるため開発のテンポを落としません。つまりSonnetはスピード重視・効率重視の役割を担います。
OpusとSonnetの最適な組み合わせ戦略は、「重厚な思考が必要な場面ではOpus、はっきり指示が固まったらSonnet」と切り替えることです。Plan Modeを用いることでこれは半自動的に実現できますが、開発者視点でもどのフェーズでどちらを活用するか意識しておくと良いでしょう。たとえば新規機能の実装では、まずOpusで計画段階(要件定義・設計方針決定)を行います。Opusはシニアエンジニアのように問題を解構し、必要なサブタスクや注意点を洗い出します。その後、その計画に基づいて実装段階に入ったらSonnetにバトンタッチします。Sonnetは決められた仕様に沿って手を動かすのが得意なので、Opusの作った詳細な仕様書どおりにコーディングしていきます。この流れにより、「Opusの頭脳」と「Sonnetの手足」が協働して作業するイメージになります。
もう一つの戦略は役割ごとにモデルを行き来させることです。実装途中でもし仕様変更や設計見直しが発生したら、再度Opusに戻して深く検討させ、解決策が定まったらまたSonnetに実装させる、といったループです。Opus Plan Mode環境下ではShift+Tabで容易にモードを行き来できるため、まさにOpus(考える)⇆ Sonnet(作る)の二人三脚で開発を進められます。これは人間の開発チームにたとえると、アーキテクトとプログラマが対話しながらプロジェクトを進めているようなものです。アーキテクト役のOpusが「ここはこう設計すべき」と示し、プログラマ役のSonnetが「わかりました、実装します」という関係性で、双方の強みを活かしてプロジェクトを前進させます。
運用上のポイントとして、Opusは強力ですがトークン制限や応答時間に注意が必要です。一方Sonnetは軽快ですが行き詰まったときの創造力はOpusほどではありません。そのため、まずOpusで道筋を付け、Sonnetでゴールまで走り切るのが効率的です。例えば複雑なデータ変換処理を書く場合、Opusでアルゴリズム戦略を考えさせ、Sonnetに具体的なコードを書かせる、といった具合です。実際「模型を作る前にまず設計図を引く」のと同様に、AI開発でもOpusで設計図(プラン)を描き、Sonnetで組み立てるという分業が成果を上げています。
総括すると、OpusとSonnetの役割分担は「頭脳」と「手先」の協調です。Opus Plan Modeを活用すればこの協調がシームレスになり、ユーザーは細かくモデルを意識せずとも最適な形で両モデルを使いこなせます。高精度なプランニング能力を持つOpusと、高速な実行力を持つSonnetを組み合わせることで、AIアシスタントは単一モデル利用時をはるかに超えるパフォーマンスを発揮します。この戦略により、開発者は複雑な課題に対しても計画段階から抜け目なく対処しつつ、実装は迅速かつ低コストで終えるという理想的なワークフローを手にすることができるのです。