Amazon Nova は AWS が自社開発する基盤モデル群で、Amazon Bedrock から呼び出して使います。2025年12月2日に第2世代の Nova 2 が発表され、2026年9月には第1世代の Premier・Sonic・Canvas・Reel が提供終了(EOL)を迎えました。10月5日には音声モデルの Nova 2.5 Sonic が一般提供になっています。この記事では、Amazon の技術報告書に載っているベンチマークの実数、第三者評価の現行値、AWS の料金表(Price List API)の単価をもとに、2026年10月時点でどの Nova を選ぶべきか、そもそも Nova を選ぶべきかを判断できる形で整理します。なお、英会話スクールの NOVA や同名の AI サービスとは無関係です。
まとめ
- Nova 2以降の理解・音声モデルで一般提供(GA)されているのは Nova 2 Lite・Nova 2 Sonic・Nova 2.5 Sonic の3モデル。Nova 2 Pro と Nova 2 Omni は2025年12月の発表以来プレビューのままで、2026年10月18日時点で GA の告知はありません。
- 性能は「同価格帯で勝つ」設計です。Amazon の技術報告書では、Nova 2 Lite の MMLU-Pro は80.9で Claude Haiku 4.5(80.0)を上回り、GPT-5 Mini(83.7)と Gemini 2.5 Flash(83.2)には届きません。一方で第三者の Artificial Analysis は、現行指数で Nova 2 Lite を「同価格帯の中では割高」と評価しています。
- 料金は推論プロファイルで変わります。Nova 2 Lite は米国の Global で入力0.30ドル/出力2.50ドル(100万トークン)ですが、東京から国内処理の
jp.を使うと0.396ドル/3.311ドル。データを日本に留める選択が最も高くつきます。 - Nova Premier と初代 Nova Sonic は2026年9月14日、Nova Canvas と Nova Reel は9月30日に EOL となり、呼び出しは失敗します。第1世代の Micro・Lite・Pro は Active のままです。
- Nova 2 Sonic と 2.5 Sonic は東京リージョンで使えますが、公式の対応言語に日本語はありません。日本語の音声エージェントには現時点で選ぶべきではありません。
Amazon Novaのモデル構成:2026年10月時点で使えるモデル
「Amazon Nova」の名前で検索して出てくる日本語記事の多くは、2024年12月の第1世代発表時に書かれたものです。モデル一覧からして現在と食い違うので、まず現在地を確定させます。
Nova 2系の5モデル:GAとプレビューの区別
| モデル | 提供状況 | 入力 | 出力 | コンテキスト |
|---|---|---|---|---|
| Nova 2 Lite | GA(2025-12-02) | テキスト/画像/動画/文書 | テキスト | 1M |
| Nova 2 Sonic | GA(2025-12-02) | 音声/テキスト | 音声/テキスト | 1M |
| Nova 2.5 Sonic | GA(2026-10-05) | 音声/テキスト | 音声/テキスト | 256K |
| Nova 2 Pro | プレビュー | テキスト/画像/動画/文書/音声 | テキスト | 1M |
| Nova 2 Omni | プレビュー | テキスト/画像/動画/音声 | テキスト/画像 | 1M |
Nova 2 Lite のBedrock モデルカードの値は、コンテキスト100万トークン・最大出力64Kトークン・ナレッジカットオフ2025年10月です。ライフサイクルは Active で、「EOL no sooner than(これより前に EOL にしない日)」は2026年12月2日。この日を過ぎても自動で終わるわけではありません。Legacyへの移行時に通知され、EOLまで最低6か月のLegacy期間が設けられます。
Nova 2 Pro と Nova 2 Omni は、AWS の 2025年12月の発表で「プレビュー、早期アクセスは Nova Forge の全顧客」と案内されたまま、Bedrock のモデルカード一覧にも Nova 2 のユーザーガイドのモデル表にも載っていません。料金表への単価登録だけでは、GA時の料金や提供条件が確定したとは判断できません。プレビューのアクセス条件を確認し、GAを前提に本番計画を確定させないでください。
第1世代で残る3モデル:Micro / Lite / Pro
第1世代のうち、2026年10月18日時点でモデルカードが Active なのは Nova Micro(テキスト専用・128K)、Nova Lite(300K)、Nova Pro(300K) の3つです。最大出力はいずれも10Kトークン、ナレッジカットオフは2024年10月。Nova Microの提供状況は、利用するリージョンのモデルカードとモデルライフサイクル情報で確認できます。
ただし3モデルとも「EOL no sooner than」の日付(2025年12月)はすでに過ぎており、AWS はいつでも Legacy 入りを告知できる状態にあります。告知から EOL までは最低6か月です。新規に組むシステムの主軸に据えるなら、その前提で移行先を決めておく必要があります。
Amazon Novaの性能:ベンチマークで見るNova 2の実力
ここでは、Amazon がNova 2 の技術報告書の表1に載せた数値を軸に、第三者評価と並べます。ベンダー自身の測定なので、指標の選び方には割り引きが要ります。
Nova 2 Lite:同価格帯3モデルとの実数比較
| モデル | MMLU-Pro | GPQA Diamond | AIME 2025 | IF-Bench | MultiChallenge |
|---|---|---|---|---|---|
| Nova 2 Lite | 80.9 | 79.6 | 91.0 | 70.8 | 76.6 |
| Claude Haiku 4.5 | 80.0 | 73.0 | 80.7 | 54.3 | 57.1 |
| GPT-5 Mini | 83.7 | 82.3 | 91.1 | 75.4 | 67.8 |
| Gemini 2.5 Flash | 83.2 | 82.8 | 72.0 | 50.3 | 62.6 |
| Nova 1 Lite(第1世代) | 59.0 | 43.3 | 7.0 | 34.1 | 18.7 |
Nova 2 Lite は知識系(MMLU-Pro・GPQA)で GPT-5 Mini と Gemini 2.5 Flash に2〜3ポイント届きません。差が逆転するのは指示追従で、MultiChallenge(76.6)は3モデルすべてを上回り、IF-Bench(70.8)は Claude Haiku 4.5 と Gemini 2.5 Flash を上回る一方、GPT-5 Mini(75.4)には届きません。Amazon の発表文は、公表した指標のうち Claude Haiku 4.5 に15中13、GPT-5 Mini に17中11、Gemini 2.5 Flash に18中14で同等以上としています。第1世代の Nova Lite と比べると AIME 2025 は7.0から91.0で、拡張思考を持つ推論モデルへの作り替えによる世代差がはっきり出ています。
Nova 2 Pro(プレビュー):上位帯で届く指標と届かない指標
表1の上位帯では、Nova 2 Pro の MMLU-Pro は81.6で、Claude Sonnet 4.5(87.5)、GPT-5.1(87.0)、Gemini 3 Pro Preview(89.8)に5〜8ポイント離されています。差が縮まるのは数学と指示追従で、AIME 2025 は92.3(Sonnet 4.5は87.0)、IF-Bench は80.2で比較対象の中で最も高い値です。報告書の要約が挙げる SWE-Bench Verified 70.0% は、表4の脚注のとおり推論時の計算量拡大と Amazon 社内のエージェント構成を使った条件の値で、標準の条件では61.5です(Claude Sonnet 4.5 は77.2)。τ²-bench の telecom は92.7%です。
知識量で勝負する用途なら他社の上位モデル、手順や制約を守らせる用途なら Nova 2 Pro が土俵に乗る、という読み方になります。ただし比較相手の Claude Sonnet 4.5 は、Bedrock では2026年10月8日に Legacy 入りしており(EOL は2027年4月8日)、表1自体が1世代前の相手との比較になりつつあります。
Artificial Analysisの指数:2025年12月の62と現在の14は別の尺度
第三者評価を引くときに最も間違えやすいのがここです。2025年12月の発表直後、DeepLearning.AI の The Batch は、Artificial Analysis の Intelligence Index で Nova 2 Pro Preview(推論 medium)は62、推論なしで42、第1世代の Nova Premier は32、首位の Gemini 3 Pro Preview は73と報じています。ところが2026年10月時点の同サイトのモデルページでは、指数は v4.3.2(10評価で構成)に改められ、Nova 2.0 Pro Preview(medium)は14、比較群の中央値は27です。Nova 2.0 Lite(medium)は12(中央値13)でした。
62が14に落ちたのではなく、物差しが変わっています。指数の版が違う数値を並べて「性能が下がった」「他社より何点低い」と書いている記事は、比較として成り立っていません。また現行ページの2モデルの値には「Estimated(推定)」の注記が付き、Nova 2 Pro Preview は「公開 API なし」の扱いです。第三者評価を採用判断に使うなら、同じ日付・同じ版の指数の中で比べてください。
Artificial AnalysisのNova 2.0 Lite(medium)のモデルページでは、同モデルを「同価格帯のモデルと比べて特に割高」とし、出力単価2.50ドルが比較群の中央値0.87ドルを大きく上回ると書いています。出力速度は毎秒約190トークンで、速さは上位です。AWS が強調する「価格性能比」は、少なくとも出力の多い使い方では第三者の評価と一致していません。
Nova 2 SonicとNova 2.5 Sonic:音声モデルの数値と日本語の扱い
技術報告書の表12では、Nova 2 Sonic の Big Bench Audio(音声での推論)の正答率は87.0%で、GPT-Realtime(83.0%)と Gemini 2.5 Flash Live(71.0%)を上回ります。一方、表13の最初の音声が返るまでの時間(中央値)は Nova 2 Sonic が1.39秒で、GPT-Realtime の0.98秒、Gemini 2.5 Flash Live の0.63秒より遅い結果です。正確さで勝ち、応答の速さで負けています。
2026年10月5日に GA になった Nova 2.5 Sonic は、AWS の発表で推論・指示追従・ツール呼び出しの精度向上と低遅延化、非同期のツール呼び出し、同じセッション内での音声とテキストの併用、256Kのコンテキストがうたわれています。提供リージョンは米国東部・米国西部・ストックホルム・東京の4つです。ただし発表には改善幅の数値がなく、AI サービスカードも「新しい版では自分のユースケースで再テストすること」と書いています。コンテキストは Nova 2 Sonic の1Mから256Kに縮んでいる点も、長時間の通話ログを丸ごと渡す設計では確認が要ります。
日本の利用者に効くのは言語です。サービスカードは公式サポートを英語・スペイン語・ドイツ語・フランス語・イタリア語・ポルトガル語・ヒンディー語の7言語に限り、それ以外の言語での利用は現時点で推奨しないと明記しています。Nova 2 Sonic のボイス一覧にも日本語のロケールはありません。東京リージョンで呼べることと、日本語で使えることは別です。日本語の音声対話を作るなら、日本語に対応した Amazon Transcribe(音声認識)と Amazon Polly(音声合成)でテキストモデルを挟む構成か、他社の音声モデルを候補にします。
Nova 2 Liteの拡張思考:有効化条件と追加コスト
Nova 2 Lite の拡張思考(extended thinking)は既定で無効です。ユーザーガイドのとおり、リクエストの reasoningConfig で type を enabled にし、maxReasoningEffort に low・medium・high を指定して初めて有効になります。
コストの要点は、推論に使ったトークンが出力トークンとして課金されることです。Nova 2 Lite の出力単価は入力の約8倍なので、分類や抽出で拡張思考を有効にする場合も、追加の推論コストに見合う精度改善が得られるかを比較する必要があります。high には別の制約もあり、temperature・topP・topK と併用するとエラーになり、maxTokens も外す必要があります。ガイドには、high の出力が65Kトークンを超え、128Kトークンに達した例があるとも書かれています。high を使うのは、数学の証明や複数の制約を同時に満たす設計判断のように、遅くて高くても正確さが要る処理に限るべきです。
Amazon Novaの料金:推論プロファイル別の単価差
Bedrock の料金ページは画面上の表が動的に描画されるため、ここでは AWS の Price List API(Bedrock のリージョン別オファーファイル、2026年10月18日取得)の値を載せます。Standardティアのテキストトークン単価を、各セルに「入力/出力」の順で示します。単位は100万トークンあたりの米ドルです。
| モデル | 米国東部 Global | 米国東部 Geo/In-Region | 東京発 Global | 東京発 Geo/In-Region |
|---|---|---|---|---|
| Nova 2 Lite | 0.30 / 2.50 | 0.33 / 2.75 | 0.36 / 3.01 | 0.396 / 3.311(jp.) |
| Nova 2 Pro(プレビュー) | 1.25 / 10.00 | 1.375 / 11.00 | 1.51 / 12.50 | 登録なし |
| Nova 2 Omni(プレビュー) | 0.30 / 2.50 | 0.30 / 2.80 | 0.40 / 3.00 | 登録なし |
| Nova Micro | 非対応 | 0.035 / 0.14 | 非対応 | 0.042 / 0.168 |
| Nova Lite | 非対応 | 0.06 / 0.24 | 非対応 | 0.072 / 0.288 |
| Nova Pro | 非対応 | 0.80 / 3.20 | 非対応 | 0.96 / 3.84 |
表から読める判断材料は3つあります。第一に、この表のNova 2 LiteとNova 2 Proでは、米国東部のGeo/In-Regionの登録単価がGlobalより10%高くなっています。第二に、東京から呼ぶと、Nova 2 Lite と第1世代の3モデルは米国東部の約1.2倍です。第三に、この2つが重なる jp.amazon.nova-2-lite-v1:0(東京・大阪の中だけで処理)が最も高く、米国の Global と比べて入力・出力とも約1.3倍になります。「データを国外に出さない」要件は、その分の単価を払う前提で見積もってください。
世代間の差も見落とせません。第1世代の Nova Lite(0.06ドル/0.24ドル)から Nova 2 Lite(Global で0.30ドル/2.50ドル)に移ると、入力は5倍、出力は約10.4倍です。出力の単価差の方が大きいので、分類・要約のバッチを移行する際は、入力と出力の比率に応じて費用を再計算してください。出力の多い要約処理ほど上がり幅が大きくなります。
音声モデルは課金の単位が違います。Nova 2 Sonic と Nova 2.5 Sonic は、米国東部で音声トークンが入力3.00ドル/出力12.00ドル、テキストトークンが入力0.33ドル/出力2.75ドルです(2.5は発表どおり Nova 2 Sonic と同額)。東京では Nova 2 Sonic の音声トークンが3.63ドル/14.52ドル、Nova 2.5 Sonic が約3.74ドル/約14.96ドルで、東京に限ると2.5の方がわずかに高く登録されています。テキスト単価だけを見て音声エージェントの費用を見積もると、桁を誤ります。ブラウザ操作を自動化する Nova Act はトークン課金ではなく、エージェント時間あたり4.75ドルです。
コストを抑える手当ては3つです。拡張思考を既定の無効のまま使うこと。即時性の要らない処理を Flex ティアに寄せること(Nova 2 Lite は Standard・Priority・Flex に対応し、Reserved は非対応)。システムプロンプトや長い参照文書を繰り返し送る構成ではプロンプトキャッシュを使うこと。Nova 2 Lite のキャッシュはチェックポイントが1リクエスト最大4つ、最小1Kトークン、TTL 5分で、Nova 系はキャッシュ対象が最大20Kトークンです(仕組みはAmazon Bedrockのプロンプトキャッシュとは|仕組み・対応モデル・料金・実装方法【2026年最新】で解説しています)。単価は改定されるので、見積もり前に Amazon Bedrock の料金ページで最新値を確認してください。
第1世代のEOL:2026年9月に止まったモデルと移行先
第1世代の4モデルは、予告どおり2026年9月に Bedrock から外れました。モデルライフサイクル表では、Canvas・Reel・初代 Sonic が「EOL に達したモデル」に分類されています。
| モデル | モデルID | Legacy移行日 | EOL日 |
|---|---|---|---|
| Nova Premier | amazon.nova-premier-v1:0 | 2026-03-13 | 2026-09-14 |
| Nova Sonic(初代) | amazon.nova-sonic-v1:0 | 2026-03-13 | 2026-09-14 |
| Nova Canvas | amazon.nova-canvas-v1:0 | 2026-03-30 | 2026-09-30 |
| Nova Reel | amazon.nova-reel-v1:0 / v1:1 | 2026-03-30 | 2026-09-30 |
Nova Premier の EOL 日は日本語版のライフサイクル表に2026年9月14日と載っています。英語版の現行の表からは行そのものが消え、Bedrock のモデルカード一覧にも残っていません。EOL を過ぎたモデルIDへのリクエストは全リージョンで失敗し、移行は自動では行われません。コードに古いモデルIDが残っていれば、それがそのままエラーの原因です。
移行先は用途で分かれます。初代 Sonic の後継は Nova 2 Sonic か Nova 2.5 Sonic です。Premier を最上位の理解モデルとして使っていた場合、Nova 2世代のGA済み理解モデルは Nova 2 Lite です。技術報告書の表1では、Nova 2 Lite は掲載された6指標すべてで Nova 1 Premier を上回っています(MMLU-Pro 80.9対73.3、AIME 2025 91.0対17.3など)。まず Nova 2 Lite で既存業務の品質を評価し、要件を満たさなければ他社モデルを比較します。画像生成の Canvas と動画生成の Reel には Nova 2 の GA 後継がありません。画像生成を持つ Nova 2 Omni はプレビューで、本番の受け皿にはなりません(Canvas の呼び出しエラーと移行先はAmazon Nova Canvasは2026年9月30日で廃止(EOL)|呼び出しエラーと移行先・taskType対応表で扱っています)。
この経緯から読み取るべき教訓は、Bedrock 上の Nova もモデルごとに提供終了日が異なり、世代全体を一律の利用期間で見積もれないということです。2024年12月に出た第1世代の主要モデルが2026年9月に止まりました。Nova 2 Lite の「EOL no sooner than」が2026年12月2日であることも合わせると、Nova を採用するシステムは、モデルIDを設定ファイルに出して差し替えられる作りにしておくべきです。
他社モデルとの比較:Novaを選ぶ理由と、選ばない理由
Nova は「最高精度で勝つモデル」ではありません。表1でも、上位帯の知識系指標は他社の上位モデルが5〜8ポイント上です。それでも Nova を選ぶ理由は次の3つに絞られます。
- 指示追従と長い文脈:Nova 2 Lite は複数ターンの指示追従を測る MultiChallenge で76.6と同価格帯の3モデルを上回り、1Mコンテキストでの長文コード理解(LongCodeBench 1M)は84.0です。定型の手順を守らせる業務処理や、長い文書の突き合わせに向きます。
- 東京・大阪の中で処理を完結できる:Nova 2 Lite には
jp.プロファイルがあり、東京リージョンから呼ぶと処理先が東京と大阪に限られます。国内でのデータ処理が求められる業務では選定条件を満たしやすいモデルです(単価は料金の章のとおり最も高くなります)。なお Nova 2 Lite のモデルカードでは、Bedrock の Knowledge base・Agents・Structured outputs の各機能が「非対応」の欄に並んでいます。RAG やエージェントを Bedrock のマネージド機能で組む場合は、先に対応表を確認してください。 - 速度:第三者計測で毎秒約190トークン(Nova 2 Lite)と、出力の速さは上位です。
選ぶべきでない場面もはっきりしています。知識系ベンチマークの最高スコアを選定基準にするなら、掲載比較では他社上位モデルが優先候補です。知識量が問われる質問応答や難度の高いコード生成では差が残ります。出力の多い処理で単価を最優先するなら、Nova 2 Lite は割高です。出力単価2.50ドルは第三者の比較群の中央値の約3倍で、要約や長文生成では他社の軽量モデルの方が安くなります。Nova 2世代のGA済み理解モデルに限定するなら、選択肢は Nova 2 Lite の1つで、上位帯への逃げ道がありません。日本語の音声対話には、公式サポート対象外のSonic系を採用すべきではありません。
逆に、すでに AWS 上でデータとワークロードを運用していて、手順の決まった業務処理を大量に回す組織なら、Nova 2 Lite を第一候補に置く理由があります。どのモデルが自社の業務に合うかを要件から詰めたい場合は、生成AI導入支援で検証設計から相談できます。
Nova 2 Liteの呼び出し:Bedrock Converse APIの実装例
呼び出しは Bedrock の Converse API が基本です。基本のモデルIDは amazon.nova-2-lite-v1:0 ですが、Nova 2 Lite はどのリージョンでも In-Region の直呼びに対応していません。実際のリクエストでは推論プロファイルIDを指定します。
import boto3
client = boto3.client("bedrock-runtime", region_name="ap-northeast-1")
response = client.converse(
modelId="jp.amazon.nova-2-lite-v1:0",
messages=[
{
"role": "user",
"content": [{"text": "架空の月次売上は4月100万円、5月105万円、6月300万円です。大きく変化した月を指摘し、原因はこのデータだけでは断定できないことを説明してください。"}],
}
],
inferenceConfig={"maxTokens": 2048, "temperature": 0.2},
)
print(response["output"]["message"]["content"][0]["text"])
選べるのは、地域内のクロスリージョン推論(us. / eu. / jp.)と、世界中にルーティングするグローバル推論(global.)です。東京リージョンから jp. を指定すると処理先は東京と大阪に限られます。料金の章のとおり jp. は最も高い単価なので、所在地の要件がない処理だけを global. に分けると費用を下げられます。
第1世代を東京から使う場合は注意が要ります。Nova Lite は東京で In-Region に対応しますが、Nova Micro と Nova Pro は In-Region に対応せず、地域内プロファイルは apac. だけです。Nova Pro のモデルカードでは、東京発の apac. の処理先はソウル・ムンバイ・シンガポール・シドニーを含みます。「AWS 内で完結するから安心」という理由で選んでも、プロファイル次第でデータは国外で処理されます。
拡張思考を使う場合は、モデル固有フィールドとして reasoningConfig を渡します。
response = client.converse(
modelId="jp.amazon.nova-2-lite-v1:0",
messages=[
{
"role": "user",
"content": [{"text": "架空の在庫配置問題です。倉庫AとBは各100個まで出荷でき、店舗XとYの需要は各80個です。1個あたりの輸送費はA→Xが1円、A→Yが4円、B→Xが3円、B→Yが1円です。需要を満たす輸送費最小の出荷量と総費用を示してください。"}],
}
],
inferenceConfig={"maxTokens": 8192},
additionalModelRequestFields={
"reasoningConfig": {"type": "enabled", "maxReasoningEffort": "low"}
},
)
for block in response["output"]["message"]["content"]:
if "text" in block:
print(block["text"])
print(response["usage"]["outputTokens"])
reasoningContent ブロックは最終回答とは別に返りますが、内容は [REDACTED] と表示され、推論過程そのものは公開されません。それでも推論トークンは出力として課金されるので、上のコードのように usage の outputTokens を記録し、拡張思考なしの場合と比べて費用の増え方を確かめてください。強度は low から始め、結果を見て上げます。high に上げるときは、上のコードの inferenceConfig から maxTokens を外してください。Converse API の基本形とツール利用はAmazon Bedrock Converse APIの使い方|boto3実装・ConverseStream・Tool Use・IAM権限【2026年最新】、Bedrock を初めて触る場合はAmazon Bedrockの使い方|料金・モデル・APIの始め方を4ステップで解説【2026年版】が入口になります。
ブラウザやツールを操作するエージェントを本番で動かすなら、Amazon Bedrock AgentCore APIの使い方|SDK・CLIでAIエージェントを本番デプロイ【2026年最新】が受け皿です。検索対象にテキストと画像・動画が混在するなら、埋め込みには Nova 系の選択肢があります(Amazon Nova Multimodal Embeddingsとは?使い方・料金・次元の選び方とBedrockでの制約)。
よくある質問
Amazon Novaとは何ですか?
AWS が自社開発した基盤モデル群の総称で、Amazon Bedrock から API で利用します。2024年12月に第1世代(Micro / Lite / Pro / Premier / Canvas / Reel、のちに Sonic)、2025年12月に第2世代の Nova 2(Lite / Pro / Sonic / Omni)が発表され、2026年10月に Nova 2.5 Sonic が加わりました。第1世代のうち Premier・Sonic・Canvas・Reel は2026年9月に提供を終えています。
Amazon Novaの性能は他社モデルと比べてどうですか?
同価格帯では指標によって勝ち負けが分かれます。Amazon の技術報告書では、Nova 2 Lite の MMLU-Pro は80.9で Claude Haiku 4.5(80.0)を上回り、GPT-5 Mini(83.7)と Gemini 2.5 Flash(83.2)を下回ります。複数ターンの指示追従を測る MultiChallenge(76.6)では3モデルを上回ります。上位帯の知識系指標では、Nova 2 Pro(プレビュー)は他社の上位モデルに5〜8ポイント届きません。
Amazon Novaの料金はいくらですか?
Nova 2 Lite は100万トークンあたり、米国の Global 推論で入力0.30ドル・出力2.50ドル、東京から jp. プロファイルで入力0.396ドル・出力3.311ドルです。第1世代は米国東部で Nova Micro が0.035ドル/0.14ドル、Nova Lite が0.06ドル/0.24ドル、Nova Pro が0.80ドル/3.20ドル。音声の Sonic 系は音声トークンが入力3.00ドル・出力12.00ドル(米国東部)です。
Nova 2 SonicやNova 2.5 Sonicは日本語に対応していますか?
対応していません。Nova 2.5 Sonic の AI サービスカードは、公式サポートを英語・スペイン語・ドイツ語・フランス語・イタリア語・ポルトガル語・ヒンディー語の7言語とし、それ以外の言語での利用は推奨しないとしています。東京リージョンで呼び出せることと、日本語で使えることは別です。
Nova Micro / Lite / Pro はまだ使えますか?
2026年10月18日時点では、3モデルともモデルカード上は Active で、引き続き利用できます。ただし「EOL no sooner than」の日付(2025年12月)は過ぎており、Legacy 入りが告知されれば最低6か月後に EOL になります。新規の主軸に据えるなら、Nova 2 Lite などへの移行先を決めておくのが安全です。
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