Amazon OpenSearch Serviceは、オープンソースの検索・分析エンジン「OpenSearch」をAWSが運用込みで提供するサービスです。2021年9月8日に「Amazon Elasticsearch Service」から現在の名称に改称されました。この記事では、東京リージョンの単価をAWSのPrice List API(2026年10月26日公開分)から引き、検証環境・小規模本番・Serverlessの月額を実際に計算します。あわせて、2026年11月7日から古いエンジン版の延長サポート料金がインスタンス料金と同額になる件と、AWS CLIでドメインを作って検索するまでの手順を扱います。
まとめ:Amazon OpenSearch Serviceの料金と始め方の要点
- 料金の柱はインスタンス時間とストレージです。東京ではt3.small.searchが1時間0.056ドル、r7g.large.searchが0.214ドル、gp3ストレージが1GBあたり月0.1464ドル。ドメイン内のノード間通信と14日分の自動スナップショットは無料です。
- 月額の目安は、t3.small 1台の検証環境で約42ドル、r7g.large 3台の本番で約513ドル、専用マスターノード3台を足すと約896ドルです。
- Serverlessは旧来のClassicだと最低2 OCUで月約488ドルです。2026年5月28日に一般提供された次世代版は最小OCUを0にでき、10分間リクエストが無ければ計算料金が止まります。
- 延長サポート:Elasticsearch 7.1〜7.8やOpenSearch 1.0〜1.2・2.3〜2.9のドメインは、2026年11月7日から延長サポートの追加料金がインスタンス料金と同額になり、インスタンス代が実質2倍になります。版の確認とアップグレードを先に済ませます。
- 無料で試す:t2.small/t3.small.searchの単一AZ構成を月750時間、EBSを月10GBまで使える枠がありますが、無料利用枠ページでは「Paid plan」の対象として載っています。
- ドメインは停止できません。課金を止めるには削除します。
Amazon OpenSearch Serviceとは:旧Amazon Elasticsearch Serviceとの関係
Amazon OpenSearch Serviceは、検索エンジンのクラスターの作成、パッチ適用、ノード障害時の置き換え、スナップショットをAWSが受け持つマネージドサービスです。AWSのドキュメントによると、2021年9月8日にAmazon Elasticsearch ServiceからAmazon OpenSearch Serviceへ改称されました。いまも「amazon elasticsearch service」や「aws elasticsearch 料金」で調べる人が多いのはこのためで、旧称のドメインはそのまま引き継がれ、Elasticsearch 7.10までの旧エンジンも選べます。
動かせるエンジンの最新版は、2026年7月30日に対応したOpenSearch 3.7です。開発者ガイドの対応版一覧は2026年10月28日時点でまだ3.5までしか載っていないので、対応状況はWhat’s Newで確かめます。OpenSearch本体の3系の新機能や2.xからの移行はOpenSearch 3とは?最新3.9の新機能・2.xとの違いと移行手順で、Elasticsearchとのライセンスや互換性の差はElasticsearchとOpenSearchの違い|ライセンス・API互換・機能差から移行先を決めるで扱っています。AWSのもう一つの検索サービスと比べたい場合はCloudSearchとElasticsearch(OpenSearch)の違い|AWS検索サービスの選び方と移行手順【2026年版】を参照してください。
提供形態は2つです。インスタンスの種類と台数を自分で決める「マネージドドメイン」と、容量をOCU(OpenSearch Compute Unit)単位で自動増減させる「OpenSearch Serverless」です。料金の計算方法がまったく違うので、以下では分けて説明します。
料金を決める課金項目と東京リージョンの単価
マネージドドメインの請求は、インスタンス時間、EBSストレージ、データ転送の3つでほぼ決まります。下の表は、AWSのPrice List API(東京・AmazonES)の2026年10月26日公開分から抜き出した単価です。料金ページの表もリージョンを選んで単価を表示する作りなので、東京の値を見るときはリージョンの指定を忘れないでください。
| 課金項目 | 単位 | 東京の単価(USD) |
|---|---|---|
| t3.small.search(2vCPU・2GiB) | 1時間 | 0.056 |
| t3.medium.search(2vCPU・4GiB) | 1時間 | 0.112 |
| c7g.large.search(2vCPU・4GiB) | 1時間 | 0.151 |
| m7g.large.search(2vCPU・8GiB) | 1時間 | 0.175 |
| r7g.large.search(2vCPU・16GiB) | 1時間 | 0.214 |
| or2.medium.search(1vCPU・8GiB) | 1時間 | 0.121 |
| EBS gp3 | 1GB・月 | 0.1464 |
| EBS gp2 | 1GB・月 | 0.162 |
| マネージドストレージ(UltraWarm・コールド・OR系) | 1GB・月 | 0.026 |
| ultrawarm1.medium.search | 1時間 | 0.279 |
| Serverless OCU(インデックス用・検索用とも) | 1OCU・時 | 0.334 |
| 延長サポート(NIH課金の版) | 1NIH | 0.0081 |
同じAPIを自分で叩けば、記事を読んだ時点の単価を確かめられます。認証は要りません。
# 東京リージョンの単価を AWS Price List API から引く(認証不要・約1.8MB)
import json, urllib.request
URL = ("https://pricing.us-east-1.amazonaws.com/offers/v1.0/aws/"
"AmazonES/current/ap-northeast-1/index.json")
data = json.load(urllib.request.urlopen(URL))
products, ondemand = data["products"], data["terms"]["OnDemand"]
def hourly(instance_type):
for sku, p in products.items():
if p["attributes"].get("instanceType") == instance_type:
term = next(iter(ondemand[sku].values()))
dim = next(iter(term["priceDimensions"].values()))
return float(dim["pricePerUnit"]["USD"])
print(data["publicationDate"])
for t in ["t3.small.search", "m7g.large.search", "r7g.large.search"]:
print(t, hourly(t), "USD/時", round(hourly(t) * 730, 2), "USD/月")
# 実行結果(2026年10月28日)
# 2026-10-26T17:31:53Z
# t3.small.search 0.056 USD/時 40.88 USD/月
# m7g.large.search 0.175 USD/時 127.75 USD/月
# r7g.large.search 0.214 USD/時 156.22 USD/月
見落としやすい項目が3つあります。1つ目はデータ転送で、料金ページには「ドメイン内のノード間のデータ転送に対しては課金されません」とあり、マルチAZ構成でもノード間の複製は無料です。一方、ドメインへの送受信には通常のAWSデータ転送料金がかかります。2つ目はスナップショットで、自動スナップショットは14日分が無料、手動スナップショットはS3の料金になります。3つ目は設定変更です。設定変更のドキュメントによると、インスタンスタイプを変えると新旧のクラスターが並ぶ最初の1時間は両方に課金され、タイプを変えない変更なら大きいほうのクラスターだけが課金されます。
東京リージョンの月額試算:3つの構成
月730時間で計算します。どれもPrice List APIの単価をそのまま掛けた値で、税抜きの米ドル建て試算で、データ転送、手動スナップショットのS3料金、追加設定したIOPS・スループットの料金は含めていません。計算に使ったスクリプトと出力は、同じAPIの値を使えば誰でも再現できます。
検証用:t3.small 1台とgp3 10GBで月約42ドル
0.056ドル×730時間=40.88ドル、gp3 10GB×0.1464ドル=1.46ドルで、合計42.34ドルです。対応インスタンスの一覧によると、T3はスタンバイ付きマルチAZでは使えず、ドメインあたり10台まで、UltraWarm・コールドストレージ・Auto-Tuneも使えません。機能確認と小さなサイト内検索までの用途に限ります。
小規模本番:r7g.large 3台で月約513ドル、専用マスター込みで約896ドル
3つのアベイラビリティーゾーンにr7g.large.searchを1台ずつ置き、各100GBのgp3を付けると、0.214ドル×730時間×3台=468.66ドル、ストレージ300GB×0.1464ドル=43.92ドルで、合計512.58ドルです。AWSは本番ドメインに専用マスターノード3台を推奨しており、m7g.large.searchを3台足すと383.25ドル増えて895.83ドルになります。専用マスターは偶数台にしないこと、4台は3台より良くならないことも同じページに書かれています。
Serverlessの月額:Classic冗長構成は約488ドル、次世代は待機時の計算料金ゼロ
Serverlessは料金ページで2つの世代の料金が並んでいます。旧来のClassicでは、アカウントで最初のコレクションに最低2 OCU(インデックス用1 OCUと検索用1 OCU、それぞれ0.5×2の冗長構成)が課金されます。東京の0.334ドルで計算すると2 OCU×730時間で487.64ドルで、冗長スタンバイを持たない開発・テスト構成(0.5+0.5で1 OCU)でも243.82ドルです。データを1件も入れていなくてもこの額がかかります。
2026年5月28日に一般提供された次世代のOpenSearch Serverlessは、コレクショングループ単位でOCUを持ち、最小OCUの既定値が0です。スケールゼロのドキュメントによると、グループ内のすべてのコレクションに10分間リクエストが無いと計算資源が0 OCUになって課金が止まり、次の最初のリクエストには容量の復帰で10〜30秒の遅延が出ます。夜間や週末にほとんど使われない社内検索なら、常時稼働のドメインより安くなる可能性があります。ただし、応答に30秒待たせられない検索画面では最小OCUを0にできないので、その場合は最小OCUを固定した料金で比べます。ストレージはどちらの世代もOCUとは別に課金されます。東京の保存単価はClassicのS3ストレージが月0.026ドル/GB、NextGenのホットストレージが月0.36ドル/GBです。保存量が多い場合は、待機中のOCU削減額とストレージ料金の増加額を合わせて比較します。
無料利用枠で試す条件(2026年10月時点)
AWSの無料利用枠のページ(Analytics)には、Amazon OpenSearch Serviceについて「単一AZのt2.small.searchまたはt3.small.searchを月750時間」「EBSストレージを月10GB」が載っています。ただし、このページでは同サービスの枠が「Paid plan」の常時無料(Always Free)として分類されています。
AWSの請求ドキュメントでは、新規アカウントは登録時に100ドルのクレジットを受け取り、所定のアクティビティでさらに最大100ドルを得られます。Free account planは6か月またはクレジットを使い切った時点で終わり、Paid planではクレジットを超えた分が通常料金で請求されます。月750時間は対象インスタンスの合計稼働時間です。t3.small 2台を常時動かすと月1,460時間になり、750時間を超えた710時間分が課金対象になります。EBSの月10GB枠も別に確認します。検証は1台に絞り、終わったらドメインを削除してください。
料金を下げる選択肢:リザーブドインスタンスとストレージ階層
リザーブドインスタンスの割引率:r7g.largeの東京価格で約31〜52%
リザーブドインスタンスは、機能はオンデマンドと同じまま、1年または3年の利用を約束して単価を下げる仕組みです。Price List APIのr7g.large.searchの価格から年あたりの実額を出すと次のとおりです(オンデマンドは0.214ドル×8,760時間=1,874.64ドル)。
| 期間・支払い方法 | 前払い | 時間単価 | 年あたり実額 | 割引率 |
|---|---|---|---|---|
| 1年・前払いなし | 0 | 0.148 | 1,296.48 | 30.8% |
| 1年・一部前払い | 628 | 0.072 | 1,258.72 | 32.9% |
| 1年・全額前払い | 1,219 | 0 | 1,219.00 | 35.0% |
| 3年・前払いなし | 0 | 0.111 | 972.36 | 48.1% |
| 3年・一部前払い | 1,406 | 0.054 | 941.71 | 49.8% |
| 3年・全額前払い | 2,699 | 0 | 899.67 | 52.0% |
料金ページのよくある質問によると、予約はリージョン単位で、同じインスタンスタイプの使用に割引が当たります。3年契約は割引が大きい反面、途中でr8gなど別のタイプへ移ると予約が使われずに残るので、構成がまだ動きそうなドメインは1年・前払いなしから始めます。料金ページでは、ドメインとServerlessのどちらにもDatabase Savings Plans(1年の利用額コミット)が使えると案内されています。
UltraWarm・コールドストレージ:古いログをGB単価0.026ドルの層へ移す
アクセスの少ない古いログは、UltraWarmやコールドストレージに移すとGBあたりの単価がgp3の0.1464ドルからマネージドストレージの0.026ドルに下がります。ただしUltraWarmのドキュメントにあるとおり、使うには専用マスターノードが必要で、ultrawarm1.medium.searchのノード代(1時間0.279ドル、1台で月約204ドル)も別に必要です。gp3との単価差は1GBあたり0.1204ドルなので、ノード1台分を取り返すにはgp3を約1,700GB減らす計算です。同じドキュメントによると、ホット側では主シャード20GiBにレプリカ1つで約58GiBを使う一方、UltraWarmは主シャードの分しか数えないので、実際に減るgp3の容量は移したデータ量より大きくなります。ログが数TB単位で溜まるドメインで検討する選択肢です。T3のドメインでは使えません。ログを継続的に移行する場合は、インデックスを日付で分け、ISM(Index State Management)のポリシーで一定日数後に移す設計が適しています。個別のインデックスはAPIで手動移行することもできます。
2026年11月7日から延長サポートの追加料金がインスタンス料金と同額になる旧バージョン
AWSは標準サポートが終わったエンジン版に、少なくとも12か月の延長サポート(重要なセキュリティ修正とOSパッチ)を付け、その間は追加料金を取ります。2026年8月7日の発表で、すでに延長サポートに入っている版は期限が2027年11月7日まで1年延びた代わりに、2026年11月7日から追加料金がインスタンス料金と同額になりました。ストレージ料金は変わりません。
| エンジン版 | 標準サポート終了 | 延長サポート終了 | 追加料金 |
|---|---|---|---|
| ES 1.5・2.3・5.1〜5.5・6.0〜6.7・7.1〜7.8 | 2025年11月7日 | 2027年11月7日 | 2026年11月7日からインスタンス料金と同額 |
| OpenSearch 1.0〜1.2・2.3〜2.9 | 2025年11月7日 | 2027年11月7日 | 2026年11月7日からインスタンス料金と同額 |
| ES 5.6 | 2025年11月7日 | 2028年11月7日 | NIH単価 |
| ES 7.9・OpenSearch 2.11〜2.17 | 2027年11月7日 | 2028年11月7日 | NIH単価 |
| ES 6.8・7.10・OpenSearch 1.3・2.19 | 2027年11月7日 | 2030年11月7日 | NIH単価 |
| OpenSearch 3.1以降 | 未発表 | 未発表 | 対象外 |
出典は開発者ガイドのサポート期限表です。NIH(Normalized Instance Hour)は、インスタンスの稼働時間にサイズ別の係数(small=1、medium=2、large=4、xlarge=8)を掛けた値です。たとえばOpenSearch 2.11のままr7g.large 3台を動かしていると、2027年11月7日以降は0.0081ドル×4×730時間×3台=月70.96ドルが上乗せされます。OpenSearch 2.9のまま同じ構成を動かしていれば、2026年11月7日からはインスタンス料金と同額の月468.66ドルが上乗せされ、インスタンス代が2倍になります。
自分のドメインがどの版かは、次のコマンドで分かります。
# 自分のドメインのエンジン版を確認する
aws opensearch describe-domain --region ap-northeast-1 \
--domain-name my-domain --query "DomainStatus.EngineVersion" --output text
# そのドメインから上げられる版を一覧する
aws opensearch get-compatible-versions --region ap-northeast-1 --domain-name my-domain
# 本番を触らずにアップグレード可否だけ確かめる
aws opensearch upgrade-domain --region ap-northeast-1 \
--domain-name my-domain --target-version OpenSearch_3.7 --perform-check-only
アップグレードはブルー/グリーン方式で行われますが、同じインスタンスタイプ・台数のまま版だけを更新する場合、切り替え用ノードの追加料金は発生しません。2.xから3.xへ上げる前の互換性の確認はOpenSearch 3とは?最新3.9の新機能・2.xとの違いと移行手順にまとめています。
想定外の課金が出る3つのパターンと確認方法
想定外の請求につながりやすいのは、作った覚えのないServerlessの課金、止めたつもりのドメイン、構成変更の重複課金の3つです。どれも事前に防げます。
- 他のサービスが作ったServerlessコレクション:Amazon Bedrockのナレッジベースを作るときにベクトルストアの新規作成を選ぶと、OpenSearch Serverlessのコレクションが自動で作られます。Classicの世代だと、インデックスが空でも最低OCU分の課金が続きます。エクサウィザーズの事例では、検証環境の請求に月約240ドルの課金があり、原因はナレッジベースが作ったコレクションでした。
- ドメインは停止できない:AWS CLIの
opensearchコマンドには作成・更新・削除はありますが、EC2のstop-instancesに当たる停止の操作はありません。使わないドメインは手動スナップショットをS3に取ってから削除し、必要になったら復元します。 - 構成変更の1時間の重複:インスタンスタイプを何度も変えて試すと、そのたびに新旧両方の1時間分が請求されます。サイズの見直しはまとめて1回で行います。
以下は東京リージョンのコレクション一覧と、コレクショングループに属さないClassicコレクションの上限設定です。NextGenなどのコレクショングループには、このアカウント設定とは独立した上限をグループごとに設定します。Classic側の上限は料金ページにあるアカウント単位のOCU最大数で、負荷が増えてもこの値以上には増えません。
# どこかで作られたServerlessコレクションが残っていないか確かめる
aws opensearchserverless list-collections --region ap-northeast-1
# コレクショングループ未所属のClassicコレクションのOCU上限を設定する
aws opensearchserverless update-account-settings --region ap-northeast-1 \
--capacity-limits maxIndexingCapacityInOCU=2,maxSearchCapacityInOCU=2
RAGの検索基盤として使う場合の構成とコストはAmazon BedrockでRAGを実装する手順|Managed Knowledge Baseのboto3実装と東京リージョンの制約【2026年版】で、ベクトルの保存先をS3 Vectorsに替えて費用を下げる選択肢はAmazon S3 Vectors APIとは?操作一覧・料金・OpenSearch比較とRAG構築を解説【2026年GA版】で比較しています。
Amazon OpenSearch Serviceの構築手順(AWS CLI)
コンソールでも作れますが、CLIで書いておくと検証環境を作り直すときに同じ構成を再現できます。以下のコマンドはAWS CLI 1.44.87でパラメータの検証を通しています(実際の作成は課金が発生するため行っていません)。
検証用ドメインの作成:t3.small 1台構成
aws opensearch create-domain --region ap-northeast-1 \
--domain-name search-dev \
--engine-version OpenSearch_3.7 \
--cluster-config InstanceType=t3.small.search,InstanceCount=1 \
--ebs-options EBSEnabled=true,VolumeType=gp3,VolumeSize=10 \
--encryption-at-rest-options Enabled=true \
--node-to-node-encryption-options Enabled=true \
--domain-endpoint-options EnforceHTTPS=true \
--advanced-security-options 'Enabled=true,InternalUserDatabaseEnabled=true,MasterUserOptions={MasterUserName=admin,MasterUserPassword=<強いパスワード>}' \
--access-policies '{"Version":"2012-10-17","Statement":[{"Effect":"Allow","Principal":{"AWS":"*"},"Action":"es:ESHttp*","Resource":"arn:aws:es:ap-northeast-1:<アカウントID>:domain/search-dev/*"}]}'
# 作成完了(Processing が false)を待ってエンドポイントを取り出す
aws opensearch describe-domain --region ap-northeast-1 --domain-name search-dev \
--query "DomainStatus.[Processing,Endpoint]"
# 以下は次節の検索検証がすべて終わった後にだけ実行する。作成時には実行しない。
# aws opensearch delete-domain --region ap-northeast-1 --domain-name search-dev
保存時の暗号化、ノード間の暗号化、HTTPSの強制は、きめ細かなアクセス制御(advanced-security-options)を有効にするための前提条件です。この例は内部ユーザーデータベースのマスターユーザーでBasic認証する最小構成で、インターネットから到達できるパブリックアクセスのドメインになります。同じドキュメントによると、アクセスポリシーにIAMのユーザーやロールを書くと署名付きリクエストが必須になってBasic認証と衝突するため、この構成ではIAMのプリンシパルを使わないポリシーにして、認証はきめ細かなアクセス制御に任せます。社内システムから使う本番は--vpc-optionsでVPC内に置き、IAMロールをマスターユーザーにする構成に切り替えます。
REST APIによるインデックス作成・データ投入・検索
ドメインができたら、REST APIでインデックスを作ってデータを入れます。日本語の形態素解析プラグインkuromojiはすべてのドメインに同梱されているので、インストール作業は要りません。次の例はローカルのOpenSearch 3.9.0で実行し、コメントの結果を確認しました。
E=https://<ドメインのエンドポイント> # ローカル検証では http://localhost:9200
AUTH="admin:<パスワード>"
# 1) kuromoji(全ドメインに同梱)で日本語を分割するインデックスを作る
curl -s -u "$AUTH" -X PUT "$E/products" -H 'Content-Type: application/json' -d '{
"settings": {
"number_of_shards": 1,
"number_of_replicas": 0,
"analysis": {
"analyzer": {
"ja": { "type": "custom", "tokenizer": "kuromoji_tokenizer", "filter": ["kuromoji_baseform", "lowercase"] }
}
}
},
"mappings": {
"properties": {
"name": { "type": "text", "analyzer": "ja" },
"price": { "type": "integer" }
}
}
}'
# 2) Bulk APIでまとめて投入する(NDJSON・最終行にも改行が必要)
printf '%s\n' \
'{"index":{"_index":"products","_id":"1"}}' '{"name":"全文検索エンジンの入門書","price":3200}' \
'{"index":{"_index":"products","_id":"2"}}' '{"name":"ログ分析の実践ガイド","price":2800}' > bulk.ndjson
curl -s -u "$AUTH" -X POST "$E/_bulk?refresh=true" -H 'Content-Type: application/x-ndjson' --data-binary @bulk.ndjson
# 3) 全文検索(match)を必須条件(must)にし、価格条件(filter)で絞り込む
curl -s -u "$AUTH" "$E/products/_search" -H 'Content-Type: application/json' -d '{
"query": {
"bool": {
"must": [ { "match": { "name": "検索エンジン" } } ],
"filter": [ { "range": { "price": { "lte": 5000 } } } ]
}
}
}'
# => hits.total.value は 1、ヒットは _id 1「全文検索エンジンの入門書」
mustの条件はスコアに効き、filterの条件はスコアに効かず絞り込みだけを行います。主シャード数はインデックス作成後に設定を書き換えるだけでは変えられず、分割・縮小のAPIか再インデックスが要るので、本番ではデータ量の見込みから決めます。Bulk APIの部分失敗の扱いはElasticsearchのデータ投入|bulk APIのNDJSON形式と部分失敗の扱い、差分同期の設計、ひらがなと漢字の表記ゆれ対策はkuromoji_readingformとは?OpenSearchの読み仮名変換と設定例・ひらがな検索の落とし穴で詳しく扱っています。
マネージドドメインとServerlessの選び分け
判断の軸は、24時間の負荷の形と、最初の応答の遅れを許せるかどうかです。
- マネージドドメインを選ぶ:ログ分析のように昼夜を問わず取り込みが続く、プラグインやエンジン版を指定したい、UltraWarmで長期保存したい、リザーブドインスタンスで固定費を下げたい場合。
- 次世代Serverlessを選ぶ:社内検索やRAGの試作のように利用時間が偏っていて、無通信のあとの最初の検索で10〜30秒待たせても困らない場合。最小OCUを0にしたコレクショングループで使います。
- Classic Serverlessを新しく作るのは避ける:最低2 OCUで月約488ドル(東京)がかかり、同じ金額ならr7g.large 3台のドメインに近い予算になります。既存のClassicコレクションは、上の
list-collectionsで棚卸しします。
本番のクラスター設計や移行を外部に任せたい場合は、AWSのインフラ構築(AWS・Google Cloud・Azure)の支援範囲で、ドメインのサイズ見積もりからVPC設計、監視までを扱っています。性能の詰まりを調べる手順はOpenSearch Performance Analyzerとは?有効化・メトリクス取得・性能分析の手順を解説を参照してください。
よくある質問
Amazon Elasticsearch ServiceとAmazon OpenSearch Serviceは別のサービスですか?
同じサービスです。2021年9月8日にAmazon Elasticsearch ServiceがAmazon OpenSearch Serviceへ改称されました。既存のドメインはそのまま使え、Elasticsearch 7.10までの旧エンジンも選べますが、7.1〜7.8などは2026年11月7日から延長サポートの追加料金がインスタンス料金と同額になります。
OpenSearchとElasticsearchの違いは何ですか?
OpenSearchは、Elasticsearch 7.10.2とKibana 7.10.2から派生したApache License 2.0の検索・分析スイートで、現在はLinux Foundationのプロジェクトとして開発されています。ライセンス、API互換、機能差の詳細はElasticsearchとOpenSearchの違い|ライセンス・API互換・機能差から移行先を決めるで比較しています。
Amazon OpenSearch Serviceは無料で使えますか?
単一AZのt2.small.searchまたはt3.small.searchを月750時間、EBSを月10GBまで使える枠が無料利用枠ページに載っています。同ページではPaid planの対象として分類されているため、Free account planでの利用可否とクレジットの適用条件は、アカウントの請求画面で確認してください。対象インスタンスが複数台でも、月間合計750時間を超えなければ時間枠は超過しません。EBSの無料枠は別に判定されます。
ドメインを一時停止して課金を止められますか?
できません。マネージドドメインには停止の操作が無く、存在する限りインスタンス時間が課金されます。使わない期間が長いなら、手動スナップショットをS3に保存してドメインを削除し、再開時に新しいドメインへ復元します。
OpenSearch Serverlessの料金は最低いくらですか?
Classicの世代は、アカウントで最初のコレクションに最低2 OCUが課金され、東京では月約488ドル、冗長なしの開発・テスト構成で約244ドルです。次世代のコレクショングループは最小OCUを0にでき、10分間リクエストが無ければ計算料金が止まります。ストレージ料金は別にかかります。