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Gemini Nanoとは?使い方・ダウンロード・対応機種をChromeとAndroid別に解説【2026年10月】

Gemini Nanoとは?使い方・ダウンロード・対応機種をChromeとAndroid別に解説【2026年10月】

Gemini Nano(ジェミニナノ)は、GoogleがGeminiファミリーの中で端末上での実行用に用意した最小のモデルです。動く場所はPCのChromeとAndroidスマートフォンの2系統で、ChromeではJavaScriptのPrompt API、AndroidではML Kit GenAI APIから呼び出します。2026年10月時点の公式情報をもとに、読み方・性能から、Chrome 151で変わったフラグ名、Androidの対応機種とモデル世代(nano-v2〜v4)、両方のコード例までを整理しました。

まとめ

  • 読みは「ジェミニナノ」。端末の中で推論するので、入力が外部へ送られず、通信なしでも動き、呼び出しごとの課金もありません。
  • 使える場所は、PC版Chrome(Windows 10/11・macOS 13以降・Linux・Chromebook Plus)とAndroidの対応機種です。iPhoneとスマホ版Chromeでは使えません。
  • 単体のダウンロードやインストーラーはありません。ChromeはサイトやアプリがAPIを初めて呼んだときに、AndroidはAICoreがモデルを取得します。重みは配布されていません。
  • Chromeのフラグ名は版で変わりました。Chrome 150までは #prompt-api-for-gemini-nano、151からは #prompt-api。古い記事の BypassPerfRequirement は154以降の画面にありません。
  • Androidでは端末ごとにモデル世代が違い、Prompt APIの対応はnano-v2・v3・v4に分かれます。Pixel 11とGalaxy Z Fold8などがnano-v4(Gemma 4ベースのGemini Nano 4)です。
  • 向いているのは要約・分類・書き換え・構造化抽出です。正確な知識が要る回答には使わず、クラウドのGeminiと役割を分けてください。

Gemini Nano(ジェミニナノ)とは:端末内で動くGeminiの最小モデル

読み方とクラウド版Gemini・Gemma・Nano Bananaとの違い

「Gemini Nano」はジェミニナノと読みます。「ジェミニ なの」「geminiなの?」で検索されることが多いのですが、指しているのはこのモデルです。クラウドで動くGemini 3系(Pro・Flash)とは別物で、Googleのサーバーではなく、利用者のPCやスマートフォンの中で推論します。クラウド版の位置づけはGemini 3とは?Google最新AIモデルの特徴・ラインアップ・料金と3.1への進化にまとめています。

名前が似ている2つとも区別が必要です。Nano Bananaは画像生成モデル(Gemini 2.5 Flash Image/3.1 Flash Image)の愛称で、クラウドで動くため、端末内のGemini Nanoとは関係がありません。詳しくはNano Banana 2(Gemini 3.1 Flash Image)とは?GA版モデルIDと料金・API実装を解説【2026年9月】を参照してください。もう1つのGemmaは重みが公開されたオープンモデルです。Gemini Nanoの重みは配布されていないため、GGUFに変換してOllamaで動かすことはできません。ローカルで自由に動かしたいならGemmaを選ぶことになります(Gemma 4とは|モデル一覧・必要スペック(VRAM)・量子化(GGUF/AWQ)・ローカル実行を解説【2026年版】)。

性能とモデル規模:公表値と世代の変化

パラメータ数が公表されているのは初代だけです。Gemini 1の技術報告は、Nano-1を18億、Nano-2を32.5億パラメータとし、配備時に4bit量子化すると書いています。その後の世代は数値が出ていない代わりに、ベースにしたモデルが示されています。Android Developers Blog(2026-01-28)は「Gemini Nano V3 is a quality optimized version of the highly acclaimed Gemma 3N model」と説明しています。2026-04-02の発表では、Gemma 4が次世代のGemini Nano 4の基盤になり、前の版と比べて最大4倍速く、電池消費は最大60%少ないとされました。同じ記事によると、Gemini Nanoが載った端末は1.4億台を超えています。

得意なのは、要約・分類・短い書き換え・画像の短い説明・JSONでの抽出です。知識を答えさせる用途には向きません。Chromeのフラグ説明文にも、Prompt APIは「NOT suitable for use cases that require factual accuracy」と明記されています。Chrome版で入出力に指定できる言語は英語・日本語・スペイン語・ドイツ語・フランス語の5つです。

Gemini Nanoが動く2つの場所:PC版ChromeとAndroid

同じ「Gemini Nano」でも、ChromeとAndroidではモデルの配り方も呼び出すAPIも別です。手元の環境がどちらに当たるかを先に確認してください。

項目 PC版Chrome Android
呼び出し口 Prompt API(JavaScript) ML Kit GenAI API(Kotlin/Java)
提供段階 Web版はChrome 148で出荷 beta(後方互換を破る変更の可能性あり)
モデルの管理 Chromeが取得・更新 AICore(システムサービス)
対象 Windows・Mac・Linux・Chromebook Plus Pixel 9以降など公式一覧の機種
入力 テキスト・画像・音声 テキスト・画像
非対応 Android版・iOS版Chrome 一覧にない機種

PC(Chrome)でGemini Nanoを使う手順

対応OSと必要スペック(Windows・Mac・Linux)

Chromeの公式ドキュメントが挙げる条件は次のとおりです。ストレージの22GBは空き容量の条件で、モデル本体の大きさではありません。実際のサイズは chrome://on-device-internals で確認できます。取得したあとで空きが10GBを切ると、モデルは自動で削除されます。

項目 条件
OS Windows 10/11・macOS 13以降・Linux
ChromeOS Chromebook Plusのみ(16389.0.0以降)
空き容量 Chromeプロファイルのある領域に22GB以上
GPUで動かす場合 VRAMが4GBを超えること
CPUで動かす場合 RAM 16GB以上かつ4コア以上
音声入力 GPUが必須
通信 初回の取得時だけ。従量制回線は不可

Windowsで「gemini nano pc」を調べてEdgeを使っている場合は、条件が別になります。EdgeのPrompt APIはCanary/Devチャネルの開発者プレビューで、使われるモデルはGemini Nanoではなく、Phi-4-miniなどMicrosoftが提供するモデルです。バージョン150.0.4070以降では、プレビュー版のAion-1.0-Instructも選択できます。同じコードでも、Chromeとは結果が変わります。

chrome://flagsの設定と版別のフラグ名

Prompt APIはWeb版がChrome 148、拡張機能版がChrome 138で出荷済みです。安定版のChromeで普通に使う限り、フラグを触る必要はありません。フラグが必要になるのは、マルチモーダル入力やツール利用など、個別のフラグが残っている機能を試すときです。困るのは、ネット上の手順書の多くが古いフラグ名のまま残っていることです。Chromiumの版タグごとのソースで確認したフラグの変遷を表にしました。照合したのは150.0.7871.24・151.0.7922.34・153.0.8010.12・154.0.8037.17・156.0.8078.12などの版タグで、各版の about_flags.cc にあるフラグ名を比べています。

フラグ あった版
#prompt-api-for-gemini-nano 150まで
#prompt-api 151から
#optimization-guide-on-device-model 153まで
#gemma4-for-built-in-ai 153から

Chrome 154以降のフラグ画面には、古い手順書にある「#optimization-guide-on-device-model を Enabled BypassPerfRequirement にする」という項目自体がありません。動作対象かどうかは、公式のハードウェア要件で判断してください。Chrome 153で入った #gemma4-for-built-in-ai は、説明文が「Enables all built-in AI APIs (Prompt, Summarizer, Writer, etc.) to use the Gemma 4 model.」で、既定では無効です。組み込みAIのモデルがGemma 4ベースへ移る準備と読めますが、切り替えの時期は公表されていません。

モデルのダウンロード状況と確認画面

Gemini Nanoに「ダウンロード」ボタンはありません。サイトがAPIを初めて呼んだときに、Chromeがモデルを取りに行きます。状況は chrome://on-device-internals で確認します。取得されないときは、まず上の表の空き容量と従量制回線の条件を見直してください。コードの側では、LanguageModel.availability() が unavailable なら端末が非対応、downloadable ならまだ取得していない状態です。

Prompt APIでGemini Nanoを呼び出すJavaScript

availability()による利用可否の確認とセッション作成

守るべき点は2つあります。availability() には、create() と同じ言語・モダリティの指定を渡すこと。create() は、クリックなどのユーザー操作の中で呼ぶことです。最初の呼び出しでモデルの取得が始まるので、monitor で進捗を表示します。

const options = {
  expectedInputs: [{ type: "text", languages: ["ja"] }],
  expectedOutputs: [{ type: "text", languages: ["ja"] }],
};

button.addEventListener("click", async () => {
  // "available" / "downloadable" / "downloading" / "unavailable"
  if (!("LanguageModel" in globalThis)) {
    status.textContent = "このブラウザではPrompt APIを使えません";
    return;
  }
  const availability = await LanguageModel.availability(options);
  if (availability === "unavailable") {
    status.textContent = "この端末ではGemini Nanoを使えません";
    return;
  }

  const session = await LanguageModel.create({
    ...options,
    initialPrompts: [{ role: "system", content: "あなたは社内文書の要約担当です。" }],
    monitor(m) {
      m.addEventListener("downloadprogress", (e) => {
        status.textContent = `モデル取得中 ${Math.round(e.loaded * 100)}%`;
      });
    },
  });

  const result = await session.prompt(`次の文章を3行で要約してください。\n${text}`);
  output.textContent = result;
  console.log(`${session.contextUsage} / ${session.contextWindow}`);
  session.destroy();
});

会話を続けると、contextWindow を超えたところで古いやり取りから順に削られます(システムプロンプトは残ります)。削れなかった場合は QuotaExceededError になります。

promptStreaming()と構造化出力(responseConstraint)

長い出力は promptStreaming() で少しずつ受け取ります。分類や抽出では、受け取りたい項目をJSON Schemaで定義して responseConstraint に渡すと、出力の形を固定できます。受け取った値はアプリ側でも検証してください。次のコードは、前の例のクリックハンドラー内で session.destroy() を呼ぶ前に置く追加例で、単独では動きません。

// 逐次出力
for await (const chunk of session.promptStreaming("製品紹介文を200字で")) {
  output.textContent += chunk;
}

// JSON Schemaで出力を固定する
const schema = {
  type: "object",
  properties: { rating: { type: "number", minimum: 0, maximum: 5 }, reason: { type: "string" } },
  required: ["rating", "reason"],
};
const json = await session.prompt(
  "この口コミを0〜5で評価して:料理はおいしいが提供が遅い",
  { responseConstraint: schema }
);
console.log(JSON.parse(json).rating);

スキーマもコンテキストを消費します。消費量は session.measureContextUsage() で測れます。

旧window.ai APIとinputUsageからの書き換え

2024年ごろの記事で紹介された window.ai 系のコードは、現行のChromeでは動きません。書き換えの対応は次のとおりです。

旧コード 現行
window.ai.canCreateTextSession() LanguageModel.availability()
window.ai.createTextSession() LanguageModel.create()
readily / after-download / no available / downloadable / unavailable
inputUsage / inputQuota contextUsage / contextWindow

Webページと拡張機能で違う点

Webページでは temperature や topK を数値で指定できません。指定できるのは拡張機能だけで、LanguageModel.params() も拡張機能だけのAPIです。Webで出力のばらつきを調整したい場合は、オリジントライアルに登録したうえで samplingMode("predictable"・"creative" などの列挙値)を使います。このほか、Web Workerからは呼べません。他オリジンのiframeで使うには allow="language-model" が要ります。Summarizer・Translatorなど用途別のAPIの出荷段階と実装はChrome Built-in AIとは?7つのAPIの出荷段階と実装手順【2026年8月】で扱っています。

Android(スマホ)のGemini Nano:AICoreとML Kit GenAI API

対応機種とGemini Nanoの世代(nano-v2・v3・v4)

AndroidのGemini Nanoは、AICoreというシステムサービスの中で動きます。アプリごとにモデルを持つのではなく、端末の中の1つのモデルを全アプリで共有する仕組みです。ML Kit GenAIの公式一覧(2026-10-08更新)では、汎用のPrompt APIの対応機種がモデル世代ごとに分かれています。

世代 主な対応機種(抜粋)
nano-v4 Pixel 11シリーズ、Galaxy Z Flip8・Z Fold8
nano-v3 Pixel 9・10シリーズ、Galaxy S26、Xperia 1 VIII、AQUOS R11
nano-v2 Galaxy Z Fold7、OnePlus 13、Xiaomi 15

要約・校正・書き換え・画像説明の専用APIは、上の機種に加えてGalaxy S25シリーズなどでも使えます。同じプロンプトでも世代によって出力が変わるので、アプリ側では getBaseModelName() で世代を取得し、世代ごとに品質を確かめる必要があります。Prompt APIの思考モード(enableThinking)が使えるのはGemini Nano V4以降の端末だけです。

KotlinでPrompt APIを呼ぶ手順

依存関係は com.google.mlkit:genai-prompt で、2026年10月時点の最新は1.0.0-beta4です(Android API 26以上)。手順は公式のGet startedのとおりで、状態を確認し、必要ならダウンロードしてから生成します。

// build.gradle.kts
implementation("com.google.mlkit:genai-prompt:1.0.0-beta4")
implementation("org.jetbrains.kotlinx:kotlinx-coroutines-android:1.11.0")

// Kotlin(コルーチン内)
val model = Generation.getClient()
when (model.checkStatus()) {
    FeatureStatus.AVAILABLE -> {
        val response = model.generateContent("次の通知を20字で要約して:$text")
        summaryView.text = response.candidates.firstOrNull()?.text ?: "結果を取得できませんでした"
    }
    FeatureStatus.DOWNLOADABLE -> model.download().collect { status ->
        when (status) {
            is DownloadStatus.DownloadProgress ->
                Log.d(TAG, "${status.totalBytesDownloaded} bytes")
            DownloadStatus.DownloadCompleted -> {
                val response = model.generateContent("次の通知を20字で要約して:$text")
                summaryView.text = response.candidates.firstOrNull()?.text ?: "結果を取得できませんでした"
            }
            else -> Unit
        }
    }
    FeatureStatus.DOWNLOADING -> Log.d(TAG, "取得中")
    else -> handleUnavailable()  // UNAVAILABLE:非対応機種。クラウドへ送ってよい処理だけ切り替える
}

Android特有の制約:前面実行・クォータ・beta

推論できるのは、アプリが最前面にいるときだけです。フォアグラウンドサービスを含め、バックグラウンドから呼ぶと BACKGROUND_USE_BLOCKED が返ります。短時間に呼びすぎると BUSY が、1日あたりの上限などを超えると PER_APP_BATTERY_USE_QUOTA_EXCEEDED が返るため、指数バックオフで再試行するように作ります。APIはbetaで、SLAも非推奨化のポリシーもありません。後方互換のない変更が入る前提で、バージョンを固定して運用してください。Androidアプリ開発の段階から端末内AIを組み込む場合も、非対応機種で何を代わりに使うかは最初に決めておく必要があります。

Gemini Nanoを採用すべき場面・避けるべき場面

採用してよいのは、入力を外部に出せず、出力の正確さを人が確認できる処理です。チャット下書きの言い換え、問い合わせの分類、画面の文章の要約、領収書画像からの項目抽出(JSON Schemaで固定)がこれに当たります。どれも、端末内で済むこと自体が価値になります。

避けるべきなのは次の3つです。1つ目は事実の正確さが要る回答で、製品仕様のQ&Aや法令の説明がこれに当たります。Chromeのフラグ説明文自身が不向きと書いています。2つ目は利用者の大半が要件を満たさないサービスです。iPhoneとスマホ版Chromeは非対応で、PCもVRAM 4GB超のGPUか、RAM 16GB以上・4コア以上のCPUが必要です。3つ目は、全端末で出力をそろえる必要がある処理です。Androidでは機種によってnano-v2〜v4が混在し、Chromeもモデルの更新で出力が変わります。

クラウドへの送信が許される処理では、端末で動かなければクラウドのGeminiへ切り替える構成を選べます。入力を外部に出せない処理では自動転送せず、機能を停止するか、端末内で完結する代替処理を用意してください。Androidでは公式もFirebase AI Logicのハイブリッド推論を案内しています(Firebase AI Logicとは|クライアント直呼びの構成とApp Check強制への移行【2026年8月時点】)。ブラウザ以外も含めた端末内AI全般の導入判断はオンデバイスAIとは?端末内で動くAIの仕組みと業務導入の判断基準で整理しています。

よくある質問

Gemini Nanoの読み方は?

「ジェミニナノ」です。Geminiファミリーのうち、端末の中で動かすための最小モデルを指します。

Gemini Nanoを有効化するにはどうすればいいですか?

PCでは、対応するChromeでサイトや拡張機能を開き、生成ボタンなどの操作を通じてアプリがセッションを作成すると、必要に応じてモデルのダウンロードが始まります。フラグを使うのは未出荷機能を試すときだけで、Chrome 151以降の名前は #prompt-api です。Androidでは、対応機種でML Kit GenAI APIを使うアプリが download() を呼ぶと、AICoreがモデルを取得します。

Gemini Nanoは無料?ダウンロードは必要?

無料で、呼び出しごとの課金もありません。単体のダウンロードはなく、ChromeやAICoreが初回に自動で取得します。Chromeでは、取得時に空き容量22GB以上と従量制でない回線が必要です。

スマホで使える?対応機種は?

Androidの対応機種なら使えます。Pixel 9以降、Galaxy S25・S26シリーズ、Xperia 1 VIII、AQUOS R11などが公式一覧に載っています。iPhoneと、Android版・iOS版のChromeでは使えません。

Gemini NanoとNano Bananaの違いは?

Gemini Nanoは端末内で動く小型モデルで、APIやモデル世代に応じて画像や音声も扱えます。Nano Bananaはクラウドで動く画像生成モデルの愛称で、名前が似ているだけで別物です。

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