Microsoft 365 Copilotは、Word・Excel・PowerPoint・Outlook・Teamsに組み込まれ、利用者が閲覧できる社内のメール・ファイル・会議を参照して文書作成や要約を行う有償のAIです。Microsoft 365の契約に追加するアドオンで、法人向けの価格は1ユーザーあたり月額4,497円(年払い相当・税抜)です。
2026年は製品の中身と呼び名が大きく動きました。Microsoft Learnでは「Microsoft Copilot」への改称が明記され、9月25日には作業の起点となるHome、Copilotアプリの中で使うWord・Excel・PowerPoint(Office in Copilot)、アプリを作るCode、常時動くエージェントのAutopilotが発表されています。この記事では検索で使われることの多い「Microsoft 365 Copilot」の名前のまま、料金・前提ライセンス・無料版との境界・できること・導入手順を、2026年10月21日時点の公式情報で整理します。
まとめ:Microsoft 365 Copilotの要点(2026年10月時点)
- 中身は「Copilot Chat+社内データの自動参照+Office各アプリでの優先アクセス+業務データを使うエージェント」です。社内データを自動で参照できるのは有償ライセンスだけです。
- 料金は法人向けが月額4,497円(年払い相当)。300ユーザーまでのBusiness版は通常3,148円で、2026年12月31日までの年契約は初年度だけ2,698円です(いずれも税抜)。
- 単体では契約できず、Microsoft 365 E3/E5、Business Basic/Standard/Premium、Apps for business、Office 365 E1/E3/E5などの前提ライセンスが要ります。
- ライセンスの定額に入るのはChatとWord・Excel・PowerPoint・Outlook・Teams内のCopilotです。Cowork・Code・Autopilotと一部の上位モデルは、Copilotクレジットによる従量課金です。
- Home・Office in Copilot・CodeはFrontier(先行提供プログラム)から順に提供中で、全社展開の前提にはまだできません。
- 導入前の最重要作業はSharePointの過剰共有の解消です。Copilotは利用者の権限どおりに社内データを拾うため、権限が緩いままだと閲覧できてしまう情報が回答に出ます。
Microsoft 365 Copilotの仕組みと呼び名の変遷
Microsoft GraphとWork IQで社内データを参照する仕組み
Microsoft Learnの概要ページは、有償のCopilot(Premium)がMicrosoft GraphとWork IQを通じて組織のデータを自動的に回答の根拠にすると説明しています。対象はメール・ファイル・会議・予定表・Teamsのチャットなどで、利用者がファイルをアップロードし直す必要はありません。参照できる範囲は利用者本人のアクセス権と同じで、Copilotだけが見られるデータはありません。
回答に使うモデルは画面のモデル選択で切り替えられ、既定の「Auto」はリクエストごとに精度・速度・コストを比べて適したモデルを選びます。2026年9月22日にはAnthropicのClaude Opus 5.5とOpenAIのGPT-6 SolがWord・Excel・PowerPoint・Chat・Cowork・Copilot Studioに追加され、9月30日にはGPT-6.1 SolとClaude Sonnet 5.5も加わりました。いずれも「ライセンス・アクセス・地域によって提供状況が異なる」と注記されており、自社テナントで選べるかはモデル選択の画面で確かめます。
いつから使えるか:Copilot for Microsoft 365からMicrosoft Copilotまでの改称履歴
同じ製品が時期によって別の名前で書かれているため、古い記事や社内資料を読むときは次の対応で読み替えます。
| 時期 | 名称・出来事 |
|---|---|
| 2023年3月 | Microsoft 365 Copilotとして発表 |
| 2023年11月1日 | 大企業向けに一般提供(月額30ドル・300席以上) |
| 2024年1月15日 | 300席の最低購入数を撤廃し、1席から購入可能に |
| 2023年11月〜2024年9月 | Copilot for Microsoft 365と呼ばれた時期 |
| 2025年12月1日 | 300ユーザーまでのCopilot Businessを発売 |
| 2026年 | 画面ラベルにPremium・Basicが付く |
| 2026年10月時点 | Learnでの表記がMicrosoft Copilotへ |
中小企業が少人数で使い始められるようになったのは2024年1月15日からで、それ以前は300席の購入が条件でした。Learnのアプリ展開ページは、Microsoft 365 CopilotをMicrosoft Copilotへ、Microsoft 365 Copilot ChatをMicrosoft Copilot Chatへ改称したと明記し、アプリの主要URLもcopilot.cloud.microsoftへ移行中です。一方、日本の価格ページは2026年10月21日時点でも「Microsoft 365 Copilot」「Microsoft 365 Copilot Business」の名前で販売しています。見積書や稟議書は、購入画面の製品名に合わせて書くのが安全です。
無料のCopilot ChatとPremium・Basicの違い
Microsoft Learnの概要ページは、Copilotの体験を3種類のラベルに分けています。社内データを自動参照できるのはPremiumだけで、BasicのふたつはWebデータが中心です。
| 項目 | Copilot Chat (Basic) | Microsoft 365 Copilot (Basic) | Microsoft 365 Copilot (Premium) |
|---|---|---|---|
| Copilotアドオン | なし | なし | あり |
| 参照データ | Web+手渡しのファイル | Web+手渡しのファイル | Web+Graph・Work IQ |
| Word・Excel等の中 | 使えない | 標準アクセス | 優先アクセス |
| 業務データのエージェント | 従量課金 | 従量課金 | ライセンスに含む |
| 管理者向け分析 | 基本 | 基本 | 高度な管理と分析 |
Basicの2つの違いは、Word・Excel・PowerPoint・OneNoteの中でCopilotを使えるかどうかです。アドオンを持たない利用者にどちらが表示されるかは、テナントの構成で決まります。標準アクセスはサービスの混雑に左右され、サポート記事は「ファイルのアップロード、画像生成、音声、モデル選択、高度な推論」などが制限対象になり得ると書いています。
無料版で足りる業務の線引きや、ライセンスなしでエージェントを使うときのクレジット課金はMicrosoft 365 Copilot Chatとは?無料版と有償版の違い・エージェント課金と全社展開の判断【2026年10月】で詳しく扱っています。
Microsoft 365 Copilotの料金と前提ライセンス
法人向けとBusiness版の価格(2026年10月21日確認)
日本のMicrosoft公式価格ページ(ビジネス向け・エンタープライズ向け)の表示は次のとおりです。いずれも消費税別で、年払い相当額は年間サブスクリプション(自動更新)の価格です。
| 製品 | 年払い相当(月額) | 月払い | 対象規模 |
|---|---|---|---|
| Microsoft 365 Copilot | 4,497円 | 4,722円(年契約) | 1ユーザーから・上限なし |
| Microsoft 365 Copilot Business | 3,148円(期間限定2,698円) | 3,778円 | 最大300ユーザー |
| Business Standard+Copilot Business | 3,523円 | 4,228円 | 最大300ユーザー |
| Business Premium+Copilot Business | 4,797円 | 5,756円 | 最大300ユーザー |
Business版のプロモーション価格2,698円は2026年7月1日から12月31日までの年契約が対象で、価格ページの注記では初年度のみ適用され、試用版には使えません。2年目からは通常価格の3,148円に戻る前提で予算を組みます。Business版には1か月の無料試用があり、終了後は自動で有料に切り替わります。米国の価格は法人向けが1ユーザー月額30ドル、Business版が通常21ドル(プロモーション18ドル)です。
Copilotの定額対象機能と従量課金対象
2026年9月25日のMicrosoft公式ブログは、課金を2つに分けて説明しています。月額のユーザーライセンス(USL)で使えるのは、ChatとWord・Excel・PowerPoint・Outlook・TeamsのCopilot、モデル選択とAutoです。Cowork・Code・Autopilotと、AstraやFableといった最先端(frontier)のモデルは使用量に応じた従量課金(UBB)で動きます。日本の価格ページのFAQも、従量課金の対象を「Copilot Cowork、Copilot Code、Copilot Autopilot、Work IQ APIなど」と書いています。
予算の組み方としては、ライセンス費は人数×月額で確定し、従量課金分は管理者が支出ポリシーで上限を決める、という二段構えになります。Coworkを全員に開放してから上限を考えると請求が読めなくなるため、従量課金の機能は使う部署と上限を先に決めてから有効にします。Coworkのクレジット単価と支出ポリシーの設定はCopilot Coworkのライセンスと料金|必要な契約とクレジット従量課金の仕組み・見積もり方【2026年10月】にまとめています。
アドオンを追加できる前提ライセンス
Microsoft 365 Copilotは単体契約ができず、Microsoft Learnのライセンスオプションに載っている前提ライセンスへの追加になります。
- Business版の前提:Microsoft 365 Business Basic/Standard/Premium、Microsoft 365 Apps for business、Microsoft Teams Essentials
- 法人向けの前提:Microsoft 365 E3/E5、Microsoft 365 Apps for enterprise、Office 365 E1/E3/E5など
- 現場向け:Microsoft 365 F1/F3、Office 365 F3
- 教育機関:Microsoft 365 A1/A2/A3/A5、Office 365 A1/A3/A5
Officeのデスクトップアプリだけを契約するMicrosoft 365 Apps for businessでも、Business版のCopilotを追加できます。逆に、300ユーザー以下でもE3/E5を契約している組織はBusiness版の前提に当たらないため、法人向けアドオンを買います。
Microsoft 365 E7は2026年5月1日発売で、E5・Microsoft 365 Copilot・Agent 365・Entra Suiteをまとめたスイートです。米国の小売価格は月額99ドル、日本の価格はTeamsありで月額14,842円、Teamsなしで13,560円(年払い相当・税抜)です。エージェント統制まで一度に揃える大企業向けで、Copilotだけが目的なら既存のE3/E5へのアドオンで足ります。Agent 365の中身はMicrosoft Agent 365とは|SDK・CLIで自社エージェントを登録する手順と料金で解説しています。
個人向けプランの料金と法人向けとの違い
個人や家族で使う場合はMicrosoft 365 Copilotではなく、個人向けのMicrosoft 365 Personal・Family・Premiumが対象です。いずれもCopilotを搭載したWord・Excel・PowerPoint・Outlook・OneNoteを使えます。
| プラン | 月額 | 年額 | Copilotの違い |
|---|---|---|---|
| Personal | 2,130円 | 21,300円 | 本人のみ |
| Family | 2,740円 | 27,400円 | AI機能は所有者のみ |
| Premium | 3,200円 | 32,000円 | 調査・分析のエージェント付き |
価格は日本の個人向け比較ページの税込表示です。FamilyとPremiumのAI機能はサブスクリプションの所有者だけが使え、共有相手には付きません。Microsoftは2025年10月1日にPremiumを発表し、同時に個人向けのCopilot Proの新規販売を終えました。個人向けは個人のMicrosoftアカウントで使う製品で、組織のMicrosoft Graphを横断参照する権利は付きません。ただし、対応アプリで複数アカウントアクセスが許可されていれば、個人契約のCopilotを職場の文書に使えます。この場合のデータ保護はファイルにアクセスした職場のIDに基づいて適用され、管理者はCloud Policyで複数アカウントアクセスを禁止できます。業務データを扱うなら法人向けを選びます。
Word・Excel・PowerPoint・Outlook・Teamsでできること
アプリ別の機能と依頼の例
Microsoft Learnが挙げるアプリ内機能と、Premiumで社内データを材料にした依頼の例を並べます。BasicとPremiumで機能の種類は共通ですが、Premiumは優先アクセスで、社内のメールやファイルを自動で参照材料にできます。
| アプリ | 主な機能 | 依頼の例 |
|---|---|---|
| Word | 下書き・書き直し・要約 | 先週の定例の議事録から報告書の骨子 |
| Excel | 分析・数式・グラフ化 | 売上表を地域別に集計してグラフ化 |
| PowerPoint | 文書からの資料作成・書式統一 | 提案書Wordから10枚の説明資料 |
| Outlook | 下書き・スレッド要約 | 未読の長いスレッドの論点と期限 |
| Teams | 会議の要約・アクション抽出 | 遅れて入った会議のここまでの決定事項 |
| OneNote・Forms | 計画の下書き・設問作成 | 研修後アンケートの設問10個 |
Premiumなら会議やファイルをGraphから探して参照します。Basicではファイルのアップロード、TeamsやOutlookで開いている内容の利用、従量課金のエージェントのいずれかで、材料を明示的に渡す必要があります。会議ツールごとのAI議事録の比較は会議ツール別のAI議事録|Zoom・Teams・Meet・Notionのプランと使い分けで扱っています。
Word・Excel・PowerPointのエージェント機能(2026年4月22日に一般提供)
2026年4月22日、MicrosoftはWord・Excel・PowerPointのエージェント機能の一般提供を発表しました。提案を返すだけだった従来のCopilotと違い、書式の変更・構成の組み替え・グラフの作成・データの変換を、文書やブックの中で複数手順にわたって実行します。変更は利用者が確認して残すものを選べます。
この体験はMicrosoft 365 CopilotとMicrosoft 365 Premiumの既定になり、個人向けのPersonal・Familyでも使えます。発表時にMicrosoftが公表した直近1か月の変化は、1人あたり週の試行回数がWordで52%、Excelで67%、PowerPointで11%増えたというものです(同社測定)。Excelで依頼するときは「この表に地域別の小計を足して、前年比の列を作り、伸びた上位3地域をグラフにして」のように、作業の手順と完成形をまとめて渡します。
Premiumに含まれるエージェントとCowork
Business版の価格ページは、ライセンスに含まれる既成エージェントとして「リサーチツール(Researcher)」「アナリスト(Analyst)」「ファシリテーター(Facilitator)」を挙げています。Researcherは社内データとWebを横断して調査レポートをまとめ、Analystは表データを推論モデルで分析します。Researcherの動き方はCopilot リサーチツール(Researcher)とは?Critique・Model Councilの使い方と月25回の上限【2026年10月】で解説しています。
Microsoft 365環境の中で利用者の代わりに複数の作業を実行するCopilot Coworkは、上で触れたとおりライセンスとは別の従量課金です。自社業務に合わせたエージェントを作るなら、ノーコードのCopilot Studioとは?基本機能・トピックの作り方・料金・始め方まで解説が入口です。
2026年9月発表の新しいCopilot:Home・Office in Copilot・Code・Autopilot
2026年9月25日、MicrosoftはCopilotアプリを作り直す発表をしました。4つの機能の中身と、10月21日時点の提供状況は次のとおりです。
| 機能 | 中身 | 提供状況 | 課金 |
|---|---|---|---|
| Home | ChatとCoworkの共通の起点 | Frontierから順次 | Coworkは従量課金 |
| Office in Copilot | アプリ内でWord・Excel・PowerPoint | Frontierで提供開始 | 個別の記載なし |
| Code | 自然文でアプリや自動化を作成 | Frontierから順次 | 従量課金 |
| Autopilot | 常時動く個人用エージェント | 非公開プレビュー | 従量課金 |
Office in Copilotは米国時間2026年10月9日にFrontierの顧客向けにChatとCoworkで提供が始まりました。Copilotに「調査メモから顧客向けの概要書を作って」と頼むとWord文書が会話の横に開き、そのまま編集・コメント・共同編集ができます。ファイルはOneDriveに保存され、秘密度ラベルや共有のアクセス許可もそのまま引き継がれます。
CodeはGitHub Copilotと同じ基盤で、ダッシュボードや社内向けの小さなアプリを自然文で作り、テナント内で安全に動かすための仕組みです。動かす基盤のCopilot Managed RuntimeはCopilot Managed Runtimeとは?ms CLIでの作成手順と統制の既定値・課金を実装者向けに解説【2026年10月時点】で扱っています。AutopilotはScoutと呼ばれていたエージェントの改称で、独自のIDとメモリを持ち、利用者が操作していない間もTeamsやOutlookで定型業務を続けます。変更点と統制はMicrosoft Copilot Autopilotとは?Scoutからの変更点・従量課金と導入前に決める統制【2026年10月】にまとめています。
組織でFrontierの機能を使うには、Learnの管理者ガイドのとおりCopilotライセンス(またはCopilotへのアクセスを含むライセンス)が必要です。先行提供の機能は一般提供までに範囲や仕様が変わり得るため、稟議の費用対効果は一般提供済みのChat・アプリ内Copilot・Researcherで組み、Home・Code・Autopilotは希望者だけで試すのが妥当です。
Microsoft 365 Copilotの導入手順と事前準備
購入から利用開始までの管理者の作業
Learnの「License Options」と「Set up Microsoft Copilot」が示す流れを、管理者の作業順に並べると次のようになります。
- 前提ライセンスの確認:対象ユーザーが前提ライセンスを持っているかを確認します。Learnは診断ツール「Copilot License Details」(aka.ms/CopilotLicenseDetails)で個別アカウントの要件を確かめるよう勧めています。
- 過剰共有の棚卸し:「全員」に共有されたままのSharePointサイトを洗い出します。Premiumに付くSharePoint Advanced Managementで不要サイトを整理し、レビュー中のサイトは制限付きコンテンツ検出(RCD)で、組織全体の検索結果とCopilotの回答に出にくくできます。ただしRCDは既存のアクセス権を変えないため、サイトを直接開ける利用者は引き続き閲覧でき、権限の是正は別の作業として残ります。
- ネットワークの許可:アプリのURL移行に備え、
*.cloud.microsoftをドメインごと許可リストに入れます。Microsoftはこのドメイン配下の一部URLだけを許可する構成をサポートしていません。 - ライセンスの購入と割り当て:Microsoft 365管理センターのCopilotセットアップガイドに沿って購入し、ユーザーへ割り当てます。
- 従量課金の上限設定:CoworkやCodeを使わせる場合は、支出ポリシーで対象者と上限を決めてから有効にします。
- 利用状況の計測:Microsoft Copilot使用状況レポートでアプリ別の利用を追い、使われていないライセンスを再配分します。
Copilotの管理だけを任せたい担当者には、全体管理者でなく「AI管理者」ロールを割り当てられます。過剰共有対策の具体的な設定手順はMicrosoft 365 Copilotの情報漏洩対策|過剰共有の可視化とRCD・DLPの設定手順、管理センター全体の初期設定はMicrosoft 365 管理センターの初期設定|導入直後に情シスがやる順番と権限設計を参照してください。
導入後に使われなくなる失敗と防ぎ方
ライセンスを配っただけで終わる導入は、更新時期に「誰がどれだけ使ったか」を説明できずに減席の対象になります。避けたい失敗は次の3つです。
- 用途を決めずに全社へ一斉配布する:数回チャットを試しただけでは、自分の業務で使う場面を見つけられず、利用が止まるおそれがあります。会議の多い管理職、提案書を量産する営業など、Graph参照が効く職種から始めます。
- 計測の指標を決めていない:使用状況レポートではアプリ別の利用状況を追えます。導入前に「週1回以上使う人の割合」のような判断基準を決め、30日ごとに利用状況を点検し、再割り当ては契約条件を確認して行います。オンラインサービスの共通条項では、休職者の代替などの例外を除き、直前の割り当てから90日以内の再割り当ては認められていません。
- 依頼の型を共有しない:下の4要素の書き方で、部署ごとによく使う依頼文を5〜10本の社内テンプレートにして配ると、最初の1回目で結果が出やすくなります。
前提ライセンスの選定から過剰共有の点検、部署ごとの展開計画までを外部に任せる場合は、Microsoft 365・Copilot導入支援のような導入支援サービスを使う方法もあります。
Microsoft 365 Copilotのプロンプトの書き方
Microsoftのサポート記事「Write a great prompt in Microsoft Copilot」は、プロンプトを「目標」「コンテキスト」「情報源」「期待」の4要素で組み立てるよう勧めています。
| 要素 | 問い | 書き方の例 |
|---|---|---|
| 目標 | 何をしてほしいか | 報告書の骨子を作って |
| コンテキスト | なぜ必要で誰が関わるか | 部長会議で予算増額を通すため |
| 情報源 | 何を材料にするか | /第3四半期実績.xlsx と先週の会議 |
| 期待 | どんな形で返すか | 見出し5つ、各3行以内 |
社内データを参照できるPremiumでは、情報源を指定すると参照範囲を意図したファイルに絞れます。プロンプト内で「/」を入力するとファイルや会議を候補から選んで指定でき、ファイル名で狙いを絞れば、無関係な古い資料を拾う失敗を減らせます。返ってきた案の根拠が見えなければ「数字の根拠を表にして」、長すぎれば「前半を半分に」と、問題に合わせて追加で指示します。業務で使う前には、回答に出た数値と引用を参照元のファイルで必ず確かめます。Copilotは参照したファイルを出典として示すので、そこから元の箇所を開けます。
Business版・法人向け・E7の選び方と導入を見送る条件
同じCopilotでも、組織の規模と前提ライセンスで最安の買い方が変わります。判断は次の順で行います。
- 300ユーザー以下でBusiness Basic/Standard/Premium、Apps for business契約:Business版を選びます。法人向けとの差額は通常価格でも1人月1,349円、年間で1人16,188円です。2026年12月31日までの年契約ならプロモーション価格で始められます。
- E3/E5契約済み:人数に関係なく法人向けアドオンを、必要な人数分だけ買います。全員分を一度に買う必要はなく、利用頻度の高い部門から割り当てるのが定石です。
- E5契約済みでAgent 365も入れる予定:E7への切り替えを検討します。Agent 365を使わないならE5+アドオンのほうが安上がりです。
導入を見送るべき場面もはっきりしています。1つ目は、社内の文書がほぼSharePoint・OneDrive・Exchangeの外(ファイルサーバーや他社クラウド)にあり、Copilotコネクターでの連携もまだ整っていない組織です。コネクターを使えば外部システムのデータもGraphに取り込めますが、その構築費用まで含めて見積もらないと、Graph参照という最大の差分が活きません。2つ目は、共有権限の棚卸しが終わっていない組織です。この状態で全社に配ると、人事評価や給与のファイルが「閲覧はできるが誰も気づいていない」状態から、Copilotの回答で目に入る状態に変わります。どちらの場合も、無料のCopilot Chatで利用習慣を作りつつ、先に文書の置き場所と権限を整えるほうが投資対効果は高くなります。
GitHub Copilot・Copilot Studio・ChatGPTとの区別
「Copilot」の名前を持つ製品は複数あり、Learnの概要ページは次の3製品がMicrosoft 365 Copilotのライセンスとは独立して契約するものだと明記しています。
- GitHub Copilot:コードを書くためのAIで、開発者がGitHubの契約で使います。新しいCopilotのCodeは同じ基盤ですが、開発者の日常の開発は引き続きGitHub Copilotが担うとMicrosoftは説明しています。
- Microsoft Copilot Studio:エージェントをローコードで作る開発ツールです。
- Microsoft Security Copilot:インシデント対応や脅威ハンティングを支援するセキュリティ担当者向けの製品です。
ChatGPTやGeminiとの違いは、モデルの性能よりも「どのデータに触れられるか」にあります。Microsoft 365 CopilotはOpenAIとAnthropicの両方のモデルを選べるうえ、Exchange・SharePoint・Teamsの権限とMicrosoft Purviewの機密ラベルをそのまま引き継ぎます。Microsoft 365中心の組織にとっての差はこの点です。各サービスの料金と機能の比較はChatGPT・Gemini・Claude・Copilotを徹底比較|対話型AIの違い・料金・選び方【2026年版】にまとめています。
よくある質問
Microsoft 365 Copilotの料金はいくらですか?
法人向けは1ユーザーあたり月額4,497円(年払い相当・税抜)です。300ユーザーまでの組織向けのMicrosoft 365 Copilot Businessは通常月額3,148円で、2026年7月1日から12月31日までの年契約は初年度だけプロモーション価格2,698円です。どちらも前提となるMicrosoft 365のライセンスが別に必要で、Cowork・Code・Autopilotは別途従量課金です。
Microsoft 365 Copilotは無料で使えますか?
社内データを自動で参照する有償版は有料です。日本の価格ページにはBusiness版の1か月無料試用(終了後は自動で有料に切り替わる)があります。また、Microsoft 365 E3やBusiness Standardなどの対象ライセンスを持つ組織のユーザーは、Webデータを中心に回答するCopilot Chatを追加料金なしで使えます。
Microsoft 365 Copilotはいつから使えますか?
大企業向けの一般提供は2023年11月1日で、1席から購入できるようになったのは2024年1月15日です。300ユーザーまでの組織向けのCopilot Businessは2025年12月1日に発売され、12月2日に公式ブログで紹介されました。今から契約する場合は、前提ライセンスと利用環境の要件を満たしたうえで、管理センターで購入・割り当てを行います。アプリによってはCopilotの表示まで最大24時間かかり、再起動や更新が必要な場合があります。
Copilot for Microsoft 365とMicrosoft 365 Copilotの違いは何ですか?
同じ製品の旧名と新名です。2023年11月から2024年9月まで「Copilot for Microsoft 365」と呼ばれ、その後「Microsoft 365 Copilot」に戻りました。2026年10月時点のMicrosoft Learnでは、さらに「Microsoft Copilot」への改称が明記されています。
Microsoft 365 E3やApps for businessのユーザーはMicrosoft 365 Copilotを使えますか?
使えます。E3は法人向けアドオンの、Microsoft 365 Apps for businessはBusiness版の前提ライセンスに含まれるため、Copilotのライセンスを購入して割り当てれば有償版を利用できます。追加しない場合でもCopilot Chatは使えます。
関連記事
- Microsoft 365 Copilot Chatとは?無料版と有償版の違い・エージェント課金と全社展開の判断【2026年10月】
- Microsoft 365 Copilotの情報漏洩対策|過剰共有の可視化とRCD・DLPの設定手順
- Copilot Coworkのライセンスと料金|必要な契約とクレジット従量課金の仕組み・見積もり方【2026年10月】
- Microsoft Copilot Autopilotとは?Scoutからの変更点・従量課金と導入前に決める統制【2026年10月】
- Microsoft 365 Business Standardとは|Basic・Premiumとの違いと選び方