オフショア開発の費用相場は?国別の人月単価と内訳・国内受託との総額比較を解説
オフショア開発の費用を調べると、ベトナムのプログラマー単価が26万円と書かれた記事と53万円と書かれた記事が同時に並びます。どちらも嘘ではありません。参照している「オフショア開発白書」の年版が違うだけです。この記事では、人月単価と工数という計算式の確認から始めて、見積書に並ぶ費目の内訳、6か国の職種別単価の実数値と3か年の推移、そして国内受託開発と並べたときの総額比較までを順に整理しました。加えて、発注側の社内工数を足し戻した実質単価の出し方と、実装5名・6か月という損益分岐の試算を示します。国内で受託開発を手がける立場から、安く見える見積が結局高くつく条件まで言い切っていきます。
まとめ:オフショア開発の費用相場と発注判断の要点
費用は「人月単価×工数」で決まりますが、オフショア開発ではこの式に実装者以外の費目が乗ります。ブリッジSE、日本側のプロジェクト管理、翻訳、そして発注側が社内で負担するレビュー工数です。オフショア開発白書2025年版の集計では、ベトナムのプログラマーが40万円前後、ミャンマーが27万円台、中国が58万円台で、同じ国でもブリッジSEになると実装者の1.5倍前後まで上がります。国内のプログラマーが60万〜100万円という水準に対して、実装者だけを見れば半額以下に見えるのはこのためです。
ところが、ブリッジSE1名分の固定費と、日本側で仕様確定と検査に張り付く工数を足し戻すと、絵柄は変わります。実装単価の差を月30万円と置いた試算では、立ち上げの一時費用200万円前後とブリッジSE・日本側増分の月109万円前後を回収するのに、実装者5名・6か月規模がおおよその分岐点になりました。これを下回る案件、つまり実装2〜3名で数か月の開発では、国内受託に出したほうが総額で安く収まります。旧正月の連休と離職に伴う引き継ぎで年間の実稼働が1割前後削られる点も、単価表には出てきません。本文では各費目の内訳、6か国の実数値、実質単価の計算手順、そして削ると総額が増える費目を具体的に示します。
オフショア開発の費用を決める計算式と見積書に並ぶ費目の内訳構造
単価表を眺める前に、見積の骨組みを押さえておくと数字の読み違いが減ります。オフショア開発の見積は、実装者の単価だけでは組み上がらないためです。
人月単価と工数の掛け算に管理系の費目が上乗せされる基本構造と計算例
費用の基本式は「人月単価×投入人月」です。1人が1か月働く量を1人月と数え、そこに職種別の単価を掛ける計算です。オフショア開発が国内と違うのは、この式が職種ごとに別々の単価で走る点にあります。ベトナムに実装者3名を6か月置くなら実装費は3×6×40万円前後で720万円前後、そこに日本語で要件を通訳するブリッジSEを1名6か月置けば59万円前後×6で354万円前後が別に乗ります。
つまり実装者の頭数だけで見積を推測すると、実際の請求額とは3割から5割ずれます。人月という単位そのものの数え方や、国内での単価水準の見方については人月の計算方法と単価相場を整理した記事で扱いました。ここで押さえておきたいのは、オフショアでは「実装費+通訳・調整費+管理費」の3層で見積が構成され、後ろの2層が国内より厚くなるという構造です。
見積書に明記される費目とブリッジSEが価格を押し上げる理由の内訳
提示される見積書には、おおむね次の費目が並びます。会社によって呼び名は変わりますが、中身はほぼ共通です。
- 実装者(プログラマー・テスター)の人月費用
- ブリッジSEの人月費用(日本語と現地語の橋渡し、仕様の翻訳と展開)
- 現地プロジェクトマネージャーの人月費用
- 日本側窓口・アカウント担当の稼働費(月額固定または人月)
- 開発環境・回線・端末などのインフラ費用
- 翻訳・通訳の実費(ブリッジSEと別建ての場合)
この中でブリッジSEは、実装者の1.5倍前後の単価が付きます。白書2025年版の集計でも、ベトナムは実装40.1万円に対しブリッジSE59.0万円、バングラデシュに至っては実装33.8万円に対しブリッジSE82.5万円と2.4倍の開きがありました。日本語で仕様を詰められる人材が現地で希少だからです。見積の総額を下げたい発注者がまずブリッジSEを削ろうとするのは自然な発想ですが、後述するとおりここは削ってはいけない費目にあたります。
見積書に載らずに後から発生する渡航費や稼働ロスの実額を試算する方法
契約時の見積に含まれず、進行中に発生する費用があります。金額の大きい順に4つ挙げます。第一に、旧正月の連休です。ベトナムのテトは前後を含めて1週間から10日程度稼働が止まり、中国の春節も同程度になります。年間で見ると実稼働は11.5か月前後まで落ちるため、12か月分の単価を払って11.5か月分の成果を受け取る計算になります。
第二に、離職に伴う引き継ぎロス。交代要員が戦力になるまでに1〜2か月かかり、その間の単価は満額請求されます。第三が渡航費で、キックオフと受け入れ検査で年2回、2名が現地に行けば航空券と宿泊で数十万円規模になるでしょう。第四に国際送金手数料と為替差です。USD建て契約であれば、円安局面では円換算の支払額がそのまま膨らみます。これら4つを合計すると、契約金額の1割前後を別枠で見ておく必要が出てきます。
国別の人月単価相場と職種別の価格差|2025年版白書ベースの実数値
ここからが数字の本体です。単価は国と職種の2軸で動きます。まず表で全体を押さえ、記事ごとに数字が食い違う理由に触れます。
主要6か国の職種別人月単価と実装者からブリッジSEまでの開き
オフショア開発白書2025年版の集計値を職種別に並べたものが次の表です。2026年2月時点で公開されている最新版にあたります。
| 国 | 実装者 | SE | ブリッジSE | PM |
|---|---|---|---|---|
| ベトナム | 40.1万円 | 50.0万円 | 59.0万円 | 71.4万円 |
| フィリピン | 37.2万円 | 47.5万円 | 60.5万円 | 63.5万円 |
| インド | 37.5万円 | 45.0万円 | 60.0万円 | 67.5万円 |
| 中国 | 58.3万円 | 71.7万円 | 75.8万円 | 84.6万円 |
| ミャンマー | 27.5万円 | 40.0万円 | 40.0万円 | 57.5万円 |
| バングラデシュ | 33.8万円 | 52.5万円 | 82.5万円 | 72.5万円 |
最安はミャンマーで、実装者27.5万円はベトナムの7割弱にとどまります。反対に中国は実装者58.3万円と、国内の下請けプログラマー水準に迫るところまで上がりました。人件費の安さだけで選ぶならミャンマーやバングラデシュですが、バングラデシュのブリッジSEが82.5万円と全体で最も高い点は見落とされがちです。実装者を安く並べても、日本語窓口の単価で総額が戻る構造になっています。国ごとの技術者層の厚さや日本語対応の実情はオフショア開発の仕組みと発注国ごとの特徴をまとめた記事で個別に整理しました。
実装者単価の3か年推移とインドの下落・中国の上昇という変化の背景
単価は年ごとに動きます。白書の2023年版から2025年版までを並べると、国ごとに逆方向の動きが出ていました。
| 国 | 2023年版 | 2024年版 | 2025年版 |
|---|---|---|---|
| インド | 50.8万円 | 53.3万円 | 37.5万円 |
| ベトナム | 40.2万円 | 39.4万円 | 40.1万円 |
| フィリピン | 35.8万円 | 43.0万円 | 37.2万円 |
| 中国 | 50.0万円 | 44.4万円 | 58.3万円 |
| ミャンマー | 27.5万円 | 26.9万円 | 27.5万円 |
| バングラデシュ | 44.1万円 | 35.0万円 | 33.8万円 |
目を引くのはインドの下落幅です。2024年版の53.3万円から2025年版で37.5万円へ、およそ3割落ちています。反対に中国は44.4万円から58.3万円へ跳ね上がりました。ベトナムとミャンマーはこの3年でほぼ横ばいで、予算を組む側から見れば読みやすい国だと言えます。複数年の推移を見て、変動の小さい国を選ぶほうが中期の予算計画は立てやすいでしょう。
記事ごとに単価が26万円から53万円までばらつく原因と読み分け方
検索して出てくる費用記事は、同じ「ベトナムの実装者単価」について31.7万円、39.4万円、40.2万円、40.1万円と別々の数字を出します。矛盾しているように見えますが、原因はほぼ単一です。参照している白書の年版が違うだけで、31.7万円は独自集計、39.4万円は2024年版、40.2万円は2023年版、40.1万円が2025年版にあたります。
読み分けの手順は単純です。単価が書かれた記事を見たら、まず出典の年版と公開日を確認してください。年版が書かれていない記事の数字は、いつの調査かわからないため予算根拠には使えません。加えて、USD建てで単価を示す記事もあります。1USD=150円換算でベトナムのエンジニアを月3,200〜4,000ドルとする公開値があり、円換算では48万〜60万円と、円建て集計より高く出ました。円建て契約かUSD建て契約かで為替リスクの持ち手が変わるので、見積を受け取る段階で通貨を確認しておくと後の増減に驚かずに済みます。
国内受託開発の単価と並べた総額比較と自社工数を含む実質単価の出し方
安いかどうかは、国内に出した場合の総額と並べて初めて判定できます。職種別の国内単価を確認したうえで、発注側の社内工数を足し戻す計算に進みます。
国内の職種別人月単価とオフショア実装者との金額差の実寸を比較する基準
国内のシステム開発では、下請けやフリーランスのプログラマーが40万〜80万円、大手企業所属のプログラマーが60万〜100万円という水準で動いています。システムエンジニアは初級80万〜100万円、中級100万〜120万円、上級120万〜200万円が2026年6月時点で公開されている集計値でした。全体の相場としては80万〜120万円に収まる案件が多数を占めます。
ベトナムの実装者40.1万円と国内の下請けプログラマー60万〜80万円を並べると、1人月あたり20万〜40万円の差になります。中央値をとって30万円と置くのが、以降の試算の前提です。国内側の単価がどう積み上がるか、規模別の総額がどう変わるかはシステム開発の費用相場と見積の妥当性を扱った記事で詳述しています。
発注側の受け入れ工数を単価に足し戻して求める実質単価の計算手順
費用記事のほとんどが触れないのが、発注側の社内コストです。オフショア開発では、日本側に仕様を確定させる担当者と成果物を検査する担当者が必要で、その人件費は見積書に一切現れません。しかし実際には支払っています。手順は次のとおりです。
- 見積総額(実装費+ブリッジSE+PM+環境費)を月額に直す
- 日本側で張り付く人数を、兼任なら稼働割合で換算する(週20時間なら0.5名)
- 換算した人数に自社の人件費単価を掛け、月額に足す
- 立ち上げの一時費用(要件文書の整備、環境構築、トライアル)を期間で割って足す
- 合計を投入人月で割り、実質単価を出す
実装8名・ブリッジSE1名・PM1名をベトナムに6か月置く例で計算します。月額は8×40.1+59.0+71.4で451.2万円前後、6か月で2,707万円前後。日本側に専任1名相当を100万円で置けば600万円、立ち上げ一時費用を200万円と見込むと総額3,507万円前後になります。60人月で割れば実質58.5万円前後。単価表の40.1万円とは18万円以上の開きが出ました。
実装5名6か月という損益分岐と小規模案件で逆転が起きる条件を見極める基準
ここが独自の結論にあたります。実装単価の差を1人月30万円、ブリッジSEを月59万円、日本側の増分負担を月50万円、立ち上げ一時費用を200万円と置いた試算では、損益分岐は次の式で求まります。実装人数N、期間M(か月)として、回収額はN×30×M万円、上乗せ額は200+109×M万円です。
M=6を代入するとN×180=854となり、Nは4.7。M=12ならNは4.2、M=3ならNは5.9でした。つまり実装者5名・6か月、人月換算でおよそ30人月が実務上の分岐点になります。これを下回る規模、たとえば実装2名を6か月というよくある小規模案件では、ブリッジSEの固定費と立ち上げ費用を薄める母数が足りず、国内受託に出したほうが総額で安く収まりました。前提となる単価を変えれば分岐点も動くため、この数字は自社の条件で置き換えて使う推計です。ただし「30人月に満たない開発ならオフショアの費用優位は消える」という結論そのものは、前提を多少動かしても覆りません。当社でも業務用・Webアプリの受託開発を国内体制で手がけており、小規模案件をオフショアから戻したいという相談を受けることがあります。
ラボ型と請負で変わる費用の出方と追加費用が発生する契約上の条件
同じ国・同じ人数でも、契約形態が違えば支払いのタイミングとリスクの持ち手が変わります。総額の見え方も別物になるため、形態ごとに分けます。
ラボ型の月額固定で発生する稼働率のリスクと最低契約期間を確認する視点
ラボ型は、月額いくらで何名を確保するという契約です。人数×単価がそのまま毎月の請求になり、開発量が少ない月でも金額は変わりません。仕様変更を織り込みながら継続開発する体制には向きますが、発注側が要件を出し切れない月は稼働が余り、その分は費用の取りこぼしになります。最低契約期間を6か月や12か月と定める会社が多く、途中解約に違約金を設ける契約も見かけます。
ラボ型は成果物ではなく稼働時間を対価とするため、契約類型としては準委任にあたるのが一般的です。指揮命令の線引きや成果物責任の範囲がどうなるかは準委任契約と請負契約の使い分けを整理した記事で押さえられます。費用面の判断としては、毎月チームを埋められるだけの要件ストックがあるかどうかが分かれ目です。要件が月に数本しか出せない状態でラボ型を選ぶと、単価の安さは稼働率の低さで打ち消されます。
請負契約で追加費用が請求される仕様変更と検収条件の境界を見分ける基準
請負は成果物単位で金額を固定する契約です。総額が読めるのが利点ですが、要件が動いた瞬間に追加見積が立ちます。国内の受託開発でも同じ構図ですが、オフショアでは仕様のやり取りが翻訳を経由するぶん、認識のずれが仕様変更として顕在化しやすくなります。
追加費用が請求される境界は、契約書の要件定義書と検収条件に書かれた範囲です。画面数や機能一覧が別紙で確定していれば、そこに無いものはすべて追加になります。反対に「〜等」「〜を含む一式」といった曖昧な記述が残っていると、どちらの負担かで揉めて工程が止まります。契約前に、要件定義書の粒度と検収の合格基準を書面で詰めておいてください。見積書そのものの読み方や相見積もりの比べ方は、国内案件と共通の作法として整理してあります。
費用を下げる打ち手と削ると総額が増える費目・見送る条件の判断基準
最後に、支払額を実際に動かす手を効く順に並べ、削ってはいけない費目と、そもそも見送るべき条件まで示します。
支払額に効く順に並べた3つの打ち手と要件を絞る具体的な線引き
いちばん効くのは、作る機能を減らすことです。単価を1割下げる交渉より、機能を2割削るほうが総額への影響は大きくなります。初回リリースに載せる機能を、業務が回る最小限まで絞ってください。判断の線引きは「この機能が無いと運用が止まるか」で、止まらないものは次期に回します。
次が期間の延長です。ラボ型では長期契約で単価を下げる交渉が成立しやすく、6か月から12か月に延ばして数%の減額を得られる場合があります。3番目が国の見直しで、ベトナムからミャンマーに移せば実装者単価は12万円前後下がります。ただし国を変えると技術者層と日本語対応の水準も変わるため、金額だけで決められません。会社ごとの体制差や見積の粒度をどう比べるかはオフショア開発会社の選び方と比較チェック項目をまとめた記事で扱いました。
ブリッジSEとテスト工程を削ると総額が増える構造とその金額感
削ってはいけない費目を明示します。ブリッジSE、テスト工程、そして日本側の受け入れ検査です。順に理由を示します。
ブリッジSEを外して英語や翻訳ツール経由で直接やり取りする構成は、月59万円前後を節約できるように見えます。しかし仕様の解釈違いによる作り直しが1回発生すると、実装2名分の1か月、つまり80万円前後が消えます。月に1回の手戻りで元が取れません。テスト工程を発注側に寄せる見積も同様で、単価表からテスターの行が消えるぶん安く見えますが、日本側の検査工数がそのまま増えるだけです。見積の総額が下がっても、自社の人件費に付け替わっただけであれば、実質単価はむしろ上がります。安い見積を見つけたときは、どの工程が誰の負担に移っているかを先に確認してください。削られた工程がどんな失敗として表面化するかはオフショア開発の失敗の原因と立て直しの判断を整理した記事にまとめました。
費用面でオフショアを選ぶべきでない案件の条件と国内へ戻す判断
結論を言い切ります。次の条件のいずれかに当てはまる案件は、費用面でオフショアを選ぶべきではありません。第一に、投入人月が30人月に満たない開発。前述の試算どおり、固定費を薄める母数が足りず逆転します。第二に、要件が固まっておらず、仕様が週単位で動く開発。翻訳を挟んだ往復が手戻りを増幅し、単価差を上回るロスが出ます。第三に、業務知識の共有が前提となる基幹業務の刷新。仕様書に書ききれない現場の慣行を伝える工数が、日本側に集中します。
これらに該当するなら、国内の受託開発か、国内地方拠点に出すニアショアを先に検討してください。海外と国内地方のどちらに出すかで迷う段階であれば、比較の判断軸を整理した記事が使えます。すでにオフショアで走っていて費用対効果が合わないと感じている場合は、契約更新のタイミングで委託範囲を絞り、コア部分だけ国内に戻す形も選べます。全部を戻す必要はありません。工程で切れ目を入れ、設計と検査を国内、実装を海外に置く併用に組み替えるだけで、手戻りの費用は目に見えて減ります。
よくある質問
オフショア開発の費用について、発注検討の場でよく挙がる質問に答えます。
オフショア開発にすると費用は何割くらい安くなりますか?
実装者の単価だけを比べれば、ベトナムで国内の5割から6割前後に収まります。ただし総額での削減幅はこれより小さくなります。ブリッジSEとPMの固定費、日本側の受け入れ工数、立ち上げの一時費用を足し戻すと、実装8名・6か月規模の試算では実質単価が58.5万円前後となり、国内の80万〜120万円に対しておよそ3割減という結果でした。規模が小さいほど削減幅は縮み、30人月を下回ると逆転します。「半額になる」という前提で予算を組むと、着地でずれます。
ベトナムとミャンマーではどちらが費用面で有利ですか?
単価だけならミャンマーです。実装者27.5万円はベトナムの40.1万円より12万円以上安く、ブリッジSEも40.0万円とベトナムの59.0万円を下回ります。10名規模なら月に100万円以上の差が出る計算です。一方でベトナムは日本向けの開発実績を持つ会社の数が多く、日本語対応の人材層も厚いため、体制の立ち上げに要する期間と手戻りのリスクは低く見積もれます。半年以内に確実に立ち上げたい案件ではベトナム、期間に余裕があり単価を優先するならミャンマーという分け方が実務的でしょう。
ブリッジSEの費用は必ず発生しますか?
日本語で要件をやり取りする限り、名称は違っても実質的には必ず発生します。ブリッジSEという行が見積に無い場合、日本側窓口の稼働費や管理費に含まれているか、翻訳の負担が発注側に寄せられているかのどちらかです。単価表で最も高いのはバングラデシュの82.5万円、最も安いのはミャンマーの40.0万円でした。見積を比べるときは、この費目が明示されているかを最初に確認してください。含まれていない見積は、安いのではなく見えていないだけです。
ラボ型と請負ではどちらが総額で安く済みますか?
開発が継続し、要件を毎月出し続けられるならラボ型が安くなります。稼働率が保てるうえ、長期契約で単価の交渉余地が生まれるためです。反対に、要件が確定していて納品後の変更がない単発開発では請負が有利になります。ラボ型は開発量の少ない月も満額を支払う契約なので、月に数本しか要件を出せない状態では稼働の空きがそのまま損失です。判断基準は「毎月チームを埋められる要件ストックがあるか」の一点で足ります。
予備費はどのくらい積んでおけばよいですか?
契約金額の1割前後を目安にしてください。内訳は、旧正月の連休による稼働ロス、離職に伴う交代要員の立ち上がり期間、キックオフと受け入れ検査の渡航費、国際送金手数料と為替差の4つです。USD建て契約であれば、為替の変動幅を見込んで1割では足りない場合もあります。円建て契約に切り替えられるかを見積段階で確認しておくと、為替リスクを相手側に置けます。予備費を積んでいない計画は、初年度の途中で必ず調整が必要です。
関連記事
- オフショア開発とは?メリット・デメリットと国内受託開発との使い分けを発注者視点で解説:海外委託の仕組み、発注国ごとの特徴、体制づくりの前提を扱っています。
- オフショア開発会社の選び方は?比較チェック項目と見極め基準を発注者視点で解説:見積の粒度やブリッジ体制をどう比べて1社に絞るかをまとめた記事です。
- オフショアとニアショアの違いは?コスト・品質・納期で比較し発注先を選ぶ判断軸を解説:海外と国内地方のどちらに出すかを6軸で比較した記事です。
- ニアショア開発とは?オフショア開発との違いと国内委託が向くケースを発注者視点で解説:国内地方拠点への委託が費用面で成立する条件を解説しています。
- システム開発の見積もりとは?見積書の見方・依頼方法・相見積もりの比較を発注者視点で解説:見積書の読み方と相見積もりの比べ方を国内案件の作法として扱っています。