ChatGPT検索(ChatGPT search)は、ChatGPTが質問に応じてWebを検索し、複数のページを読んだうえで出典付きの回答を返す機能です。前身はSearchGPTという名前の検索プロトタイプでした。SearchGPTを調べると、OpenAIの公式発表ページにはたどり着くのに、実際に使う入り口がどこにも見つからない。この行き止まりは調べ方の問題ではありません。SearchGPTは2024年7月に公開された期間限定のプロトタイプで、同年12月にChatGPTの検索機能へ吸収され、単独の製品としては役目を終えているためです。実際に searchgpt.com へアクセスすると、302リダイレクトで chatgpt.com/search に転送されます。この記事では、統合までに何が起きたのか、ChatGPT検索がどう動いて引用元を選んでいるのか、Google検索のAI Overviewとは参照の経路がどう違うのか、そして自社サイトをChatGPTの検索結果に載せる/外すためのrobots.txt設定までを、公式ドキュメントで確かめながら扱います。
まとめ|ChatGPT検索の正体・仕組みと引用元に選ばれる条件
- ChatGPT検索は、ChatGPTの中で動くWeb検索機能です。前身のSearchGPTは2024年7月25日に「期間限定のプロトタイプ」として発表され、2024年12月にChatGPTへの統合が完了しました。
searchgpt.comは現在chatgpt.com/searchへ302で転送されます(2026年8月17日実測)。SearchGPTという単独サービスは現存しません。- ChatGPT検索は無料プランで使えます。アカウントなしの利用は2025年2月5日に開放されました。
- 引用元の候補に入る前提は、OpenAIの検索用クローラー
OAI-SearchBotにページを取得させていることです。学習用のGPTBotとは系統が異なり、混同すると検索結果への露出を自分で削る設定になります。 - Google検索のAI Overviewは、Googleのインデックスとスニペット表示の可否に従います。ChatGPT検索とは参照する経路も制御する手段も別なので、対策は片方で済みません。
- App StoreやGoogle Playにある「SearchGPT」という名前のアプリは、OpenAI公式ではない第三者の製品です。
以下では、この6点それぞれの根拠と、実務で必要になる設定手順を順に見ていきます。
ChatGPT検索の概要とSearchGPTからChatGPT searchへの統合経緯
SearchGPTは、OpenAIがGoogleやBingの領域へ踏み込むために公開した検索エンジンのプロトタイプです。注目すべきは、OpenAI自身がSearchGPTの発表ページで、これを恒久的な製品と位置づけず「temporary prototype(期間限定のプロトタイプ)」と表現していた点にあります。得られた知見をChatGPTへ取り込むことが最初からの前提であり、実際そのとおりに畳まれました。現在「ChatGPT検索」と呼ばれているのは、この統合後の機能です。
プロトタイプ公開から一般開放までの時系列(2024年7月〜2025年2月)
| 時期 | 出来事 | 対象・状態 |
|---|---|---|
| 2024年7月25日 | SearchGPTをプロトタイプとして発表 | 少数のテストユーザーと提携出版社 |
| 2024年8月中旬 | ウェイティングリストを締め切り | 既存の参加者のみ |
| 2024年10月31日 | ChatGPT searchの提供開始 | ChatGPT Plus・Team |
| 2024年12月16日 | ChatGPTへの統合が完了 | ログイン済みの全プラン |
| 2025年2月5日 | アカウント不要での利用を開放 | ログアウト状態でも利用可 |
公開から統合完了まで、わずか5か月。2024年12月16日と2025年2月5日の開放は、OpenAIのChatGPT searchの発表ページに追記として残っています。テストユーザーの規模はOpenAIの発表ページには書かれておらず、当時の報道が1万人規模と伝えています。公式ページ側の表現は「少数のユーザーと出版社」に留まる点に注意してください。
searchgpt.comの現在の転送先と、古い解説記事を見分ける方法
製品が畳まれたかどうかは、ドメインの挙動を見るのが最も確実です。2026年8月17日時点で https://searchgpt.com/ が返すレスポンスヘッダは次のとおり。
HTTP/2 302
date: Mon, 17 Aug 2026 21:03:11 GMT
location: https://chatgpt.com/search
server: cloudflare
302はGoogleがサイト移転として扱わない一時的な転送ですが、実利用の観点では明確です。SearchGPT専用の画面はもう存在せず、たどり着く先はChatGPTの検索画面になります。一方でOpenAIの発表ページ自体は削除されておらず、日本語で「searchgpt」を検索すると今も上位に表示されます。公式ページが生きていることと、製品が使えることは別の話。冒頭のような行き止まりは、この二つを同じものとして読んでしまったときに起きます。
SearchGPTを紹介する日本語記事の多くは2024年7月から8月に書かれました。そのため「これから一般公開される」「ChatGPTと統合予定」といった当時の見通しが、更新されないまま残っている記事があります。SearchGPTの情報を読むときは、まず記事の日付が2024年11月より前かどうかを確認してください。それより前の記事は、待てば使えるようになる前提で書かれています。
ChatGPT検索が質問を受けてから出典付きの回答を組み立てる3段階
ChatGPT検索が質問を受け取ってから回答を返すまでには、最大3段階の処理が入ります。どの段階で何が起きているかを知っておくと、回答の癖や、自社サイトが引用されない理由を切り分けられるようになります。
段階1:Web検索が必要かをモデルが判断し、利用者も手動で指定できる
まず、質問内容に応じてChatGPTが「Web検索が必要か」を自分で判断する段階。天気・株価・ニュースのように鮮度が問われる質問では検索に進みやすく、一般的な知識で答えられる質問では検索せずに回答することがあります。判断に任せず確実に検索させたい場合は、入力欄のWeb検索アイコンを押して手動で指定できます。
段階2:質問を絞り込んだ検索クエリに書き換えて外部へ送信する
次が検索の実行です。OpenAIはヘルプセンターで、ChatGPT検索が場合により他の検索プロバイダと提携すること、そのときは多くの場合、質問を1つ以上の絞り込んだクエリへ書き換えて送ることを説明しています。「Google検索で同じ言葉を入れたのに結果が違う」という現象の原因はここ。検索されているのは利用者が打った文字列そのものではなく、モデルが再構成したクエリだからです。書き換え後のクエリは利用者に見えないため、同じ質問文でも到達する情報源が変わります。1つの質問を複数の検索へ分解する考え方は、Google側ではクエリファンアウトと呼ばれており、AI検索に共通する設計になりつつあります。
段階3:取得したページから文章を組み立て、インライン引用を添える
最後に、取得した情報をもとに文章を組み立て、出典を添えて返します。出典はインライン引用として本文中に挿入され、カーソルを合わせると情報源が表示されます。インライン引用が出ないときは、回答の下にある「Sources」から参照先の一覧を開くことが可能です。回答の妥当性を判断するときは、この出典パネルを開いて実際のページを確認してください。文章が整っていることと、引用元が主張を裏づけていることは一致しません。
ChatGPT検索の引用元はどう選ばれるか:候補に入る前提と選ばれ方
「ChatGPT検索とは」を調べる人の中には、利用者ではなく、自社サイトがChatGPTの回答に出てこない理由を知りたいWeb担当者も多いはずです。OpenAIは引用元の選定ロジックを公開していないため、順位の付け方を断定することはできません。ただし公開されている情報から、候補に入るための前提条件と、選ばれ方に影響する要素は整理できます。
前提条件:OAI-SearchBotがページを取得できる状態になっているか
OpenAIのクローラー一覧のドキュメントは、OAI-SearchBot を「ChatGPTの検索機能で検索結果にWebサイトを表示するために使う」ボットと説明しています。つまり、このボットをrobots.txtで拒否しているサイトは、回答内の引用元の候補から外れます。WAFやCDNのボット対策で OAI-SearchBot の取得を止めてしまっている例もあるため、robots.txtだけでなく、実際にアクセスログへ巡回が記録されているかまで確かめるのが確実です(手順は後述)。
もう一つの前提が、本文がHTMLとして取得できることです。JavaScriptの実行後にしか本文が出ないページや、ログインの内側にある情報は、検索用クローラーから読めない可能性が高くなります。この点はGoogle向けのSEOと同じで、robots.txtによるクロール制御とあわせて、取得される側の状態を先に整えるのが筋です。
選ばれ方:書き換えクエリに答える段落を持っているかで分かれる
候補に入ったページのうち、どれが引用されるか。段階2で見たとおり、ChatGPT検索は利用者の質問をそのまま検索せず、絞り込んだクエリに書き換えて情報を集めます。そのため引用されやすいのは、サイト全体の評判よりも、書き換え後のクエリに対して1段落で答えられる記述を持つページです。定義・数値・手順・条件分岐が見出しの直下に短くまとまっているページは、回答文の一部として切り出しやすくなります。
逆に、結論が長い前置きの奥にある記事や、出典のない数値を並べた記事は、文章として整っていても根拠に使いにくくなります。生成AIの回答に引用されるための書き方は、LLMOの考え方と記事の作り方で掘り下げています。
情報取得の例外経路:提携パートナーの情報と外部の検索プロバイダ
OpenAIはChatGPT searchの発表ページで、検索モデルがGPT-4oを微調整したものであること、そして第三者の検索プロバイダに加えて、提携パートナーから直接提供されるコンテンツを使うことを明かしています。天気・株価・スポーツ・ニュース・地図といったカテゴリでは、ニュース・データの提供者と提携して専用の表示を加えたとも書かれています。この種のカテゴリでは、一般のWebページより提携先の情報が優先して表示される場面がある、と理解しておくと期待値を誤りません。
出典付きで回答する検索型AIはChatGPTだけではなく、Perplexityの出典付き回答の仕組みも考え方は近いものです。いずれも「取得できること」と「1段落で答えられること」の二つが、引用元に選ばれる側の条件として共通しています。AI検索からの引用と問い合わせ導線をまとめて設計したい場合は、一創のLLMO対策の支援で、取得される状態の点検から記事構造の見直しまで相談できます。
Google AI Overviewとの違い:参照経路・クローラー・制御手段を比べる
ChatGPT検索とよく並べて語られるのが、Google検索の上部に要約を出すAIによる概要(AI Overview)です。どちらも「AIが複数のページを読んで答え、出典を添える」点は同じですが、どこから情報を取ってくるのかという参照経路はまったく別です。片方で引用されているから、もう片方でも引用されるとは限りません。
AI OverviewはGoogleのインデックスとスニペット可否にそのまま従う
GoogleのAI機能とWebサイトに関するガイドによれば、AI OverviewやAIモードに表示されるには、ページがインデックスに登録され、Google検索でスニペット表示の対象になっていればよく、追加の技術要件はありません。制御の手段も通常の検索と同じで、nosnippet・data-nosnippet・max-snippet・noindex がそのまま効きます。AI機能経由のクリックは、Search Consoleの検索パフォーマンスで「ウェブ」の検索タイプに合算して報告されます。
一方のChatGPT検索は、Googleのインデックスを参照しません。OpenAI自身のクローラー OAI-SearchBot と、外部の検索プロバイダ、提携パートナーの情報から引用元を集めます。Googleで上位にいても、OAI-SearchBot を拒否していればChatGPT検索の回答には出てきません。逆に、Googleで nosnippet を付けてAI Overviewから外したページでも、ChatGPT検索には引用され得ます。
| 比較項目 | ChatGPT検索 | Google AI Overview |
|---|---|---|
| 参照する情報源 | OpenAIの取得結果と外部検索 | Google検索のインデックス |
| 掲載を決めるクローラー | OAI-SearchBot | Googlebot |
| 掲載を止める手段 | robots.txtで拒否 | nosnippet・noindex等 |
| 学習用の制御トークン | GPTBot(掲載とは無関係) | Google-Extended(同左) |
| 流入の計測場所 | アクセス解析の参照元 | Search Consoleのウェブ |
GPTBotとGoogle-Extendedはどちらも検索への掲載を左右しない
両者で共通するのは、学習用の制御と検索掲載の制御が切り離されている点です。Googleのクローラー一覧は、Google-Extended について「サイトのGoogle検索への掲載に影響せず、ランキングの要因としても使われない」と明記しています。OpenAI側も同じで、GPTBot を拒否しても学習に使われなくなるだけで、ChatGPT検索への掲載は OAI-SearchBot の扱いで決まります。「学習は断るがAI検索には出たい」という方針は、GoogleでもOpenAIでも両立できる設計です。
Google側でAI Overviewに引用されるための条件と記事構造は、AI Overview対策の実装手順で詳しく扱っています。ChatGPT検索とAI Overviewの両方を狙うなら、まず両方のクローラーに取得させ、次に1段落で答えられる構造に整える、という順序が共通の土台になります。
Google検索との違いとChatGPT検索を使い分けるときの判断基準
検索結果の返却形式の違い:候補ページの一覧と、組み立て済みの回答文
Google検索が返すのは候補ページの一覧で、どれを読んで何を採用するかの判断は利用者に残されます。ChatGPT検索が返すのは、複数のページを読んだうえで組み立てられた文章と、その出典。判断の一部が先に済まされている分だけ速く、同時に、どこで判断が下されたかが見えにくくなります。
この差は、複数の情報源を突き合わせる作業で効いてきます。製品の比較、条件を満たす選択肢の絞り込み、海外の情報の要約といった、本来なら10ページ開いて読み比べる種類の調べ物では、ChatGPT検索のほうが所要時間は短くなります。Googleが自ら提供するGoogle AIモードも同じ方向の機能であり、AI検索はすでに特定の一社の機能ではありません。
ChatGPT検索を使うべきでない場面:条文・料金表・学術論文の確認
一次情報そのものが必要な場面では使わないほうが安全です。具体的には、法令の条文、公式の料金表、APIの仕様、企業の適時開示のように「文言が正確であること」自体が価値である情報。ChatGPT検索は要約して返すため、条件付きの但し書きや適用範囲の限定が落ちることがあります。この種の情報は、出典パネルから原典を開いて自分で読むほうが確実です。
学術論文の調査も同様です。書誌情報や引用関係の正確さが求められる用途では、論文データベースの検索結果を正とし、ChatGPT検索は当たりをつける段階に限定してください。存在しない文献が引用として提示される事故は現実に起きています。米ニューヨーク州南部地区連邦地方裁判所のMata v. Avianca事件では、ChatGPTが生成した6件の実在しない判決を引用した準備書面が提出され、2023年6月22日にCastel判事が弁護士2名と所属事務所へ5,000ドルの制裁を科しました。要約を読んで理解した気になった時点で原典を開く動機が消えることが、この使い方の一番の落とし穴です。
ChatGPT検索のプラン別の利用可否と、ログインの有無で変わる点
ChatGPT検索はFree、Plus、Team、Edu、Enterpriseのすべてのプランで利用できます。アカウントを持たない利用も可能で、OpenAIは2025年2月5日に、ChatGPTが提供されている地域であればサインアップなしで検索を使えるようにしたと発表しました。ヘルプセンターも、ログアウト状態の無料ユーザーがChatGPT検索を利用できると記載しています。利用場所は chatgpt.com のほか、デスクトップアプリとモバイルアプリです。
ただしログインしない場合、会話履歴はセッションが切れた時点で失われます。調査結果を後から参照する必要があるなら、無料プランのままでよいのでログインして使ってください。プランによる違いは検索機能の有無ではなく、送信できるメッセージ数の上限に現れます。「AI検索エンジンを無料で試したい」という目的であれば、追加の契約は不要です。無料で使えるAI検索の選択肢としては、日本発のFeloのようなサービスもあります。
自社サイトの掲載可否をrobots.txtで制御する手順と、やりがちな取り違え
OpenAIの4種類のクローラーの役割分担と、拒否したときの結果
OpenAIは目的の異なる4種類のクローラーを公開しており、robots.txtでそれぞれ独立して制御できます。ここを取り違えると、意図と正反対の設定になります。
| ユーザーエージェント | 目的 | 拒否したときの結果 |
|---|---|---|
| OAI-SearchBot | ChatGPT検索への掲載 | 回答内で引用されなくなる |
| OAI-AdsBot | ChatGPT上の広告審査 | 入稿先ページを取得されない |
| GPTBot | 基盤モデルの学習 | 学習に使われない(掲載とは別系統) |
| ChatGPT-User | 利用者操作でのページ取得 | ユーザー起点のため適用外の場合あり |
掲載を望むなら OAI-SearchBot を許可します。ただし、拒否したときの結果を「検索から完全に消える」と理解するのは正確ではありません。OpenAIのドキュメントは、オプトアウトしたサイトはChatGPT検索の回答内には表示されないものの、ナビゲーショナルリンクとしては表示され得ると明記しています。GPTBot は学習用であり、こちらを拒否しても掲載可否には影響しません。OAI-AdsBot は広告として申請されたページの安全性を確かめるために訪問し、収集した内容は基盤モデルの学習には使われません。
ユーザーエージェント文字列は、たとえば OAI-SearchBot であれば compatible; OAI-SearchBot/1.4; +https://openai.com/searchbot を含む形です(2026年10月4日時点のドキュメント表記)。ドキュメントは版番号が変わり得ると注記しているため、アクセスログで照合するときはボット名で判定し、版番号での完全一致は避けてください。robots.txt を取得する際は、文字列に robots.txt マーカーが加わることがあります。
robots.txtの書き方と、OpenAI系ボットをまとめて拒否する設定の問題
「学習には使われたくないが、ChatGPTの検索結果には出したい」という要望は多く、この場合は次のように分けて書きます。
User-agent: GPTBot
Disallow: /
User-agent: OAI-SearchBot
Allow: /
グループを書かなければ既定で許可されるため、Allow: / は動作を変える記述ではなく、運用方針を明示するための宣言です。設定変更が反映されるまでには時間差があります。OpenAIは、robots.txtの更新から検索側のシステムに反映されるまで24時間ほどかかることがあると説明しており、変更直後に結果が変わらなくても異常ではありません。なお両方のボットを許可している場合、重複クロールを避けるため片方のクロール結果を両方の用途に使うことがあるとも記載されています。
逆に、生成AI対策としてOpenAI関連のユーザーエージェントをまとめて Disallow にしている運用を見かけますが、これは推奨しません。学習利用を止める効果と引き換えに、ChatGPT検索の回答から自社サイトが引用されなくなります。生成AIからの流入を取りにいく方針と、学習データの提供を断る方針は、別々に決められる以上、別々に設定すべきです。まとめて塞ぐ設定は判断を放棄しているだけで、防御にはなっていません。
もう一点、混同されやすいのが ChatGPT-User です。ドキュメントは、これが検索への掲載可否の判定には使われないこと、掲載のオプトアウト管理には OAI-SearchBot を使うべきことを明示しています。掲載を止めたいときに ChatGPT-User だけを拒否しても、目的は達成できません。掲載を狙う場合の内容面の作り込みは、GEO(生成エンジン向けの調整)の基本原則とAIO(AI検索への対応)と従来のSEOとの違いで扱っています。
アクセスログでOAI-SearchBotの巡回と取得結果を確かめる手順
robots.txtで許可していても、WAFやCDNのボット対策が先に遮断していれば、ChatGPT検索の候補には入りません。設定の確認はrobots.txtの記述ではなく、サーバーのアクセスログで行うのが確実です。nginxの標準的なログ形式であれば、次のコマンドでOpenAI系ボットごとの取得件数とステータスコードを集計できます。
grep -E "OAI-SearchBot|GPTBot|ChatGPT-User" /var/log/nginx/access.log \
| awk -F'"' '{split($3, s, " "); match($6, /(OAI-SearchBot|GPTBot|ChatGPT-User)/, b); print b[1], s[1]}' \
| sort | uniq -c | sort -rn
結果に OAI-SearchBot 200 が並んでいれば取得は通っています。403 や 429 ばかりなら、robots.txtより手前の層で止まっているということ。この場合はWAF・CDN側のボット管理の設定を見直します(上の match の第3引数はGNU awkの拡張なので、環境によっては gawk で実行してください)。
ユーザーエージェントは誰でも名乗れるため、本物かどうかの判定にはIPアドレスの照合が要ります。OpenAIは OAI-SearchBot の送信元IPの範囲を openai.com/searchbot.json で公開しており、WAFで許可リストを作るときはこの一覧を参照します。
OpenAI APIのweb_searchで出典付き検索を自社サービスに組み込む
SearchGPTが試していた「Web検索と生成モデルの組み合わせ」は、現在OpenAI APIの web_search ツールとして提供されています。自社のチャットボットや社内システムに出典付きの検索回答を持たせたい場合は、こちらを使います。Web検索ツールのドキュメントは新規の統合について、Responses APIの web_search と gpt-5.5 の組み合わせを推奨経路に挙げており、コード例では gpt-6-astra が使われています(2026年10月4日確認)。長時間の多段リサーチを行う場合は gpt-5.5 の推論レベルを high または xhigh に上げ、バックグラウンドモードと併用する構成が案内されています。
既存のChat Completions統合を維持したい場合は gpt-5-search-api を指定します。ただしChat Completions経路の検索モデルは、ドメインフィルタ・完全なソース一覧・ライブアクセス制御といったResponses API側の機能に対応していません。コンテキストウィンドウは200kと大きいものの、後述のドメイン制限が使えない点は設計判断に直結します。旧来の gpt-4o-search-preview と gpt-4o-mini-search-preview は非推奨となり、2026年7月23日に停止済みです。Responses API側でも、以前の web_search_preview ツールは既存の統合向けに残されているだけで、filters や external_web_access といった新しい制御には対応していません。
業務システムに組み込むうえで実用的なのが、参照先ドメインを制限する filters です。Responses APIの web_search では、allowed_domains または blocked_domains を最大100件まで指定できます。
{
"type": "web_search",
"filters": {
"allowed_domains": ["e-gov.go.jp", "ipa.go.jp", "meti.go.jp"]
}
}
ドメインは https:// を付けずに書き、指定したドメインのサブドメインも対象に含まれます。社内規程で参照元を公的機関に限定したい、自社ドキュメントだけを根拠にしたい、といった要件はこの指定で満たせます。ライブのWeb取得を止めてキャッシュ済みの結果だけで答えさせたいときは、external_web_access を false にします(既定は true)。
容量面で注意したいのが検索コンテキストの上限です。Responses APIのWeb検索では、モデル側のコンテキストウィンドウがどれだけ大きくても、検索コンテキストは128kに制限されます。gpt-4.1 のようにモデルのコンテキストが1Mあるモデルでも同じ扱いです。大きなモデルを選べば一度に読ませられる検索結果が増える、という設計はできません。
実装時に見落とされがちなのが表示要件です。OpenAIのドキュメントは、Web検索の結果を表示する際に「インライン引用をUI上で明確に見えるようにし、クリックできるようにしなければならない」と定めています。回答本文だけを画面に出し、url_citation 注釈や sources フィールドを捨てる実装は、この要件に反します。出典を表示しない設計はドキュメントの要件を外れるだけでなく、利用者が真偽を検証する手段を奪うため、社内利用であっても避けてください。
参照先の絞り込み、引用表示のUI、社内文書との組み合わせまでを含めて業務に載せる場合は、モデル選定と運用ルールを先に決めておくと手戻りが減ります。一創の生成AI導入支援では、こうした検索付き生成AIの社内導入を要件整理から支援しています。
判断:ChatGPT検索への対応を今すぐ始める企業と後回しでよい企業
ここまでの内容を、企業として何をすべきかの判断に落とします。結論から言えば、robots.txtとアクセスログの点検はすべての企業が今すぐやるべき作業で、記事構造の見直しやAPI組み込みは条件次第です。
すぐに着手すべきなのは、次のいずれかに当てはまる企業です。比較・選定の段階で調べられる商材を持つBtoB企業(受託開発、SaaS、専門サービスなど)。料金・仕様・手順といった「1段落で答えられる情報」を自社サイトに持っている企業。そして、生成AI対策のつもりでOpenAI系のボットをまとめて拒否している企業です。最後の例は、意図せず引用元の候補から外れている状態なので、OAI-SearchBot だけを許可に戻す作業を先に済ませてください。
反対に、後回しでよい場面もあります。会員限定の情報が中心で公開ページがほとんどない企業、指名検索と既存顧客からの紹介で集客が完結している企業は、ChatGPT検索からの流入を取りにいく費用対効果が小さくなります。この場合も、学習利用を断りたいなら GPTBot の拒否だけを入れ、検索側は既定のままにしておけば十分です。また、Google検索で拾われる基盤が整っていない段階でAI検索向けの記事改修に予算を割くのは順序が逆。Googleのインデックスとスニペットに乗る状態を作ることが、AI Overviewにも、外部検索を経由するChatGPT検索にも効く共通の土台になります。
よくある質問
ChatGPT検索とは何ですか?SearchGPTとは違うものですか?
ChatGPT検索は、ChatGPTが質問に応じてWebを検索し、出典付きで回答する機能です。SearchGPTはその前身として2024年7月25日に公開された期間限定のプロトタイプで、2024年12月にChatGPTへ統合されました。現在 searchgpt.com は chatgpt.com/search へ転送され、SearchGPTという名前の単独サービスは使えません。当時のウェイティングリストも2024年8月中旬に締め切られています。
App Storeにある「SearchGPT」アプリはOpenAI公式ですか?
公式ではありません。App Storeの「SearchGPT」(ID 6449355510)は個人名義で公開されたアプリで、内部の識別子は com.opcow.chatwithpdf、初回リリースは2023年5月22日です。OpenAIがSearchGPTを発表した2024年7月25日より1年以上前から存在しており、無関係の製品と判断できます。Google Playの「SearchGPT – Ask Anything」も、デベロッパー名の異なる第三者の製品です。OpenAIの検索機能を使いたい場合は、ChatGPTの公式アプリか chatgpt.com を利用してください。
ChatGPT検索は無料で使えますか。ログインは必要ですか?
無料プランでも検索機能は利用可能です。アカウントなしの利用も2025年2月5日に開放され、ヘルプセンターもログアウト状態の無料ユーザーが利用できると記載しています。ただしログインしない場合は会話履歴が残らないため、調査結果を後から見返す用途では無料プランでもログインを推奨します。プランによる差は検索機能の有無ではなく、送信できるメッセージ数の上限です。なお学術論文の調査では、書誌情報が要約で落ちることがあるため、当たりをつける段階に限って使うのが安全です。
ChatGPT検索の引用元に自社サイトを載せるには何が必要ですか?
最低限必要なのは、robots.txtで OAI-SearchBot を拒否していないこと、WAFやCDNで遮断していないこと、本文がHTMLとして取得できることの3点です。そのうえで、質問に1段落で答えられる見出しと本文の構造にしておくと、回答文の一部として引用されやすくなります。学習用の GPTBot を拒否しても掲載には影響しません。robots.txtの変更が検索側に反映されるまでには24時間ほどかかることがあります。
ChatGPT検索とGoogle検索で結果が違うのはなぜですか?
入力した言葉がそのまま検索されていないためです。OpenAIの説明によれば、ChatGPT検索は場合により他の検索プロバイダと提携し、そのときは多くの場合、質問を1つ以上の絞り込んだクエリへ書き換えて送信します。書き換え後のクエリは利用者に見えないため、同じ質問文でもGoogle検索とは異なる情報源に当たります。参照する経路自体もGoogleのAI Overviewとは別で、同じ質問を繰り返しても回答が一致するとは限りません。
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