フォートナイトのクリエイティブ2.0(クリエ2.0)は、PC用の編集ソフトUEFN(Unreal Editor for Fortnite)のことです。Unreal Engine 5のエディタをフォートナイト向けにしたもので、無料で入手できますが、動くのはWindows PCだけです。作った島はスイッチやスマホでも遊べます。この記事では、ゲーム内クリエイティブとの違い、必要なPCスペック、インストールからテストプレイまでのやり方、島の公開条件と収益の仕組み、HUDやポップアップを出すデバイスとVerseのコード例までを、Epic Gamesの公式ドキュメントとFortnite Developer Programの説明(2026年9月時点)で確かめた内容で整理します。
まとめ:クリエイティブ2.0(UEFN)の要点
- クリエイティブ2.0はUEFNの通称で、公式名称ではない。UEFNは2023年3月22日に「クリエイターエコノミー2.0」と同時にPublic Betaとして公開された
- UEFNはWindows PC専用。最小要件は16GB RAM・VRAM 4GBで、NVMe SSDは推奨要件。Mac・スイッチ・PS・スマホでは編集できない
- 作った島は全機種で遊べる。スイッチやPSで作りたいなら、ゲーム内のクリエイティブ(従来の編集モード)を使う
- 島の公開にはFortnite Developer Programへの登録が必要で、18歳以上・2段階認証の有効化などが条件
- 収益はエンゲージメント報酬(アイテムショップ等の純収益の40%を分配)と島内課金(通常50%、2027年1月31日までは100%)の2本立て
- 2026年はバージョン管理が「Lore」に改称(41.10)、AIコーディングツールをエディタにつなぐUnreal MCPが追加(42.00)。9月28日時点の最新は42.20(9月17日)
はじめてなら、まずPCが要件を満たすかを確かめ、テンプレートから島を1つ作ってLaunch Sessionで動かすところまで進めてください。手順は下の章で順に説明します。
クリエイティブ2.0とUEFNの関係
「クリエイティブ2.0」はEpic Gamesの公式名称ではなく、プレイヤーの間で定着した通称です。2023年3月22日、GDC(ゲーム開発者会議)の「State of Unreal」でUEFNがPublic Betaとして公開され、同じ日に収益配分の新制度「クリエイターエコノミー2.0」が始まりました。従来のクリエイティブの次の段階という意味で、エディタを指してクリエイティブ2.0と呼ぶ習慣が広まりました。公式ドキュメントでは現在、ゲーム内の編集モードをFortnite Creative、PCのエディタをUnreal Editor for Fortnite(UEFN)と呼び分けています。検索で「クリエ2.0」「fortnite creative 2.0」と出てくるものは、いずれもUEFNのことです。
UEFNはUnreal Engine 5のエディタを土台にしており、ビューポート・アウトライナー・コンテンツブラウザといった画面構成はUE5とほぼ同じです。フォートナイト用に削られた機能もあり、UE5のC++は使えず、ブループリントもウィジェットなどのアセットには使えるものの、ゲームロジックを組むビジュアルスクリプトとしては使えません。ロジックはデバイス(ゲーム内に置く機能部品)と、Epicが作ったプログラミング言語Verseで組みます。UE5そのものの開発環境を整えたい場合はUE5の推奨スペックとインストール手順を参照してください。
ゲーム内クリエイティブとUEFNの違い
| 項目 | クリエイティブ(ゲーム内) | UEFN(クリエイティブ2.0) |
|---|---|---|
| 動く機種 | フォートナイトが動く全機種 | Windows PCのみ |
| 操作 | ゲーム画面の中で配置 | UE5ベースのエディタ |
| ロジック | デバイスの設定 | デバイス+Verse |
| 外部の3Dモデル・音 | 取り込めない | FBX・テクスチャ等を取り込める |
| 地形・マテリアル編集 | 不可 | 可(ランドスケープ・マテリアル) |
| バージョン管理 | なし | Lore(旧Unreal Revision Control) |
| 作った島を遊べる機種 | 全機種 | 全機種 |
違いは「どこまで自分で作れるか」に集約されます。ゲーム内クリエイティブは既存の建材とデバイスを組み合わせるだけですが、UEFNは自作の3Dモデルや音を取り込み、Verseで独自のルールを書けます。
ただし、UEFNを選ばないほうがよい場面もあります。コントローラー1つで遊び感覚の島を作りたい小中学生、PCが要件を満たさない人、デバイスの組み合わせで足りるアスレチックや鬼ごっこを作る人は、ゲーム内クリエイティブのほうが早く完成します。UEFNでもLive Editで即時に反映される変更はありますが、反映されない変更は「Push Changes」で送り直し、Verseを変えたらビルドも挟むため、配置を1個直して確かめる作業ではゲーム内のほうが手数が少なく済みます。Verseで書きたいルールがある、または外部のモデルを使いたいのどちらかに当てはまった時点で、UEFNへ移るのが無駄のない順番です。
クリエイティブ2.0に必要なPCスペックと対応機種
UEFNの最小要件と推奨要件
公式の要件表(Install and Launch Fortnite Creative and Unreal Editor for Fortnite)は次のとおりです。フォートナイト本体を遊ぶための要件より高く、特にメモリは最小でも16GBが必要です。
| 項目 | 最小 | 推奨 |
|---|---|---|
| OS | Windows 10 64bit 1909(.1350以降) | 同左+DirectX 12対応 |
| CPU | 4コア 2.5GHz以上(Intel/AMD) | 4コア 2.5GHz以上(Intel/AMD) |
| メモリ | 16GB | 32GB以上 |
| GPU | GTX 960 / R9 280相当(DX11) | DirectX 12対応GPU |
| VRAM | 4GB | 8GB以上 |
| ストレージ | 記載なし | NVMe SSD |
| ドライバー | 記載なし | NVIDIA 516.25以降 / AMD 22.2.2以降 |
見落としやすいのは、メモリの最小が16GBである点と、ストレージにNVMe SSDが推奨されている点です。メモリ8GBのPCは、フォートナイトは動いてもUEFNの最小要件に届きません。HDD搭載機は最小要件の表では除外されていませんが、推奨からは外れます。
スイッチ・PS・スマホ・Macの編集・プレイ対応
公式ドキュメントは「UEFN runs on PCs only」と明記しており、スイッチ・PlayStation・Xbox・スマホ・MacではUEFNを起動できません。Macで作りたい場合は、要件を満たすWindows PCを別に用意する必要があります。
一方で、UEFNで作られた島は、フォートナイトが動く全機種で遊べます。スイッチやPSのプレイヤーは、ゲーム内の「発見」タブで島を探すか、12桁の島コードを入力して参加します。YouTubeなどで見かける「スイッチでクリエイティブ2.0」という表現は、UEFN製の島をスイッチで遊ぶ方法か、ゲーム内クリエイティブで作る方法を指しており、スイッチでUEFNそのものを動かす手段はありません。
クリエイティブ2.0のやり方:インストールからテストプレイまでの手順
UEFNはEpic Games Launcherから無料で入手します。フォートナイト本体とは別のアプリとして入り、テストプレイにはフォートナイト本体も使うので、先にEpicアカウントとLauncherを用意し、Launcherからフォートナイト本体もインストールしておいてください。
- Epic Games Launcherのストアで「Unreal Editor for Fortnite」を検索する
- 「ダウンロード」を押し、画面の指示に従ってインストールする
- ライブラリに戻り、Unreal Editor for Fortniteを選んで起動する
- 最初に開くプロジェクトブラウザーで、空の島か「Feature Examples」などのテンプレートを選んでプロジェクトを作る
- ツールバーのLaunch Sessionを押す。フォートナイト(クリエイティブ)のクライアントが立ち上がり、編集中の島に入れる
- エディタでの変更の一部は、編集モードの島にそのまま反映される(Live Edit)。反映されない変更は、ツールバーの「Push Changes」で送る
Live Editは、島をEpicのコンテンツサービスへアップロードし、フォートナイトのクライアントを開いて編集内容を同期する仕組みです。このためオフラインでは試せず、回線が遅いと接続に時間がかかります。テンプレートの「Feature Examples」には、デバイスの組み合わせ方がわかる小さな島が多数入っているので、最初は1つ開いて中のデバイス設定を読むのが近道です。
島を公開する条件と収益の仕組み
公開に必要なFortnite Developer Programへの登録
作った島を「発見」タブや島コードで他人が遊べるようにするには、クリエイターポータル(create.fortnite.com)からFortnite Developer Programに登録します(旧称Island Creator Program)。UEFNから直接は公開できず、公開・レーティング・審査への提出はクリエイターポータルで行います。ゲーム内クリエイティブで作った島も同じ窓口です。登録には、2段階認証を有効にしたEpicアカウントでFortnite Developer Termsに同意することに加え、次の条件を満たす必要があります。
- 18歳以上であること
- 直近365日以内に、Epic Paymentsで現金による購入をしている、またはフォートナイト内で20ドル以上を使っていること(ギフトカード残高・Epicアカウント残高での購入は対象外)
登録時に決めるクリエイターコードが、島に表示される作者名になります。3〜16文字の英数字と「_」「-」「.」だけが使え、変更は12か月に1回までです。税務情報とHyperwalletの設定は、島を公開する段階では不要です。報酬を現金で受け取るときに必要になり、それまではV-Bucksで受け取る「Developer Wallet」が使えます。18歳未満は公開できません。Epicの利用規約はアカウントの共有や他人のアカウントの使用を禁じているため、保護者のアカウントを借りて公開するのも規約違反になります。
エンゲージメント報酬と島内課金
収益は2つの経路で入ります。1つはエンゲージメント報酬で、アイテムショップなど現金で買われた売上のうち対象となる純収益の40%がプールされ、各島のプレイ時間・再訪率・新規プレイヤーの獲得などの指標に応じて分配されます。Developer Termsでは、報酬が最低支払額の100米ドルに達した場合に、計算対象の月末から約30日後に支払うとしています。100米ドルに満たない分は翌月以降に繰り越されます。
もう1つは2026年1月9日に公開が始まった島内課金(In-Island Transactions)で、島の中でアイテムを50〜5,000 V-Bucks(50刻み)で販売できます。取り分は通常V-Bucks換算額の50%ですが、2026年1月9日から2027年1月31日までは100%に引き上げられています。この換算額はプラットフォームやストアの手数料を差し引いた後の金額で、公式の説明では50%は小売価格の約37%に当たります。売れるのは、一度買えば残る「Durable」、使うと減る「Consumable」、有料エリアに入る「Paid Area」の3種類です。販売するには18歳以上でDeveloper Programに登録し、IARCの年齢区分の質問で「デジタル購入あり」と申告する必要があります。
UIを出す3つのデバイス:HUDメッセージ・HUDコントローラー・ポップアップダイアログ
プレイヤーへの案内や選択肢の表示は、デバイスを置いて設定するだけで作れます。Verseから呼ぶ場合も、3つとも using { /Fortnite.com/Devices } で使えます。
| デバイス | 役割 | Verseの主なAPI |
|---|---|---|
| HUDメッセージ | 画面にテキストを一定時間表示 | Show / Hide / SetText |
| HUDコントローラー | 体力・ミニマップ等の標準HUDを隠す | Enable / Disable / UpdateAffectedTeam |
| ポップアップダイアログ | ボタン付きの確認・選択画面 | Show / Hide / RespondingButtonEvent |
HUDメッセージの Show は、表示秒数の名前付き引数(下のコード例の ? で始まる引数)に 0.0 を指定すると消えずに表示され続け、省略するとデバイスに設定した時間になります。ポップアップダイアログはVerseから文言を変えられますが、タイトルは32文字、本文は350文字、ボタンのラベルは24文字までという上限があります(popup_dialog_deviceのVerse APIリファレンス)。自作の見た目にしたい場合は、UMGのウィジェットブループリントを作り、HUDメッセージやポップアップダイアログのデバイスに指定します。
ポップアップのボタン番号には、過去に次のような不具合の報告があります。Epicのフォーラムでは、ボタン1〜6が0始まり(0〜5)なのにボタン7〜12が1始まり(7〜12)で返る不具合が2025年8月に報告され、Epicは39.10で修正済みと回答しました。その後2026年1月にも、時間切れにならない設定のポップアップで同じずれが残っているという報告が出ました。現行版で直っているかは公式に告知されていないため、ボタンを7個以上使う島では、番号の対応をテストで確かめてから公開してください。
Verseでデバイスを作る手順とコード例
Verseのファイルは、エディタのメニューから作ります。
- メニューバーのVerse > Verse Explorerを開く
- プロジェクト名を右クリックして「Add new Verse file to project」を選ぶ
- テンプレートで「Verse Device」を選び、名前を付けて「Create」を押す
- 作ったファイルをダブルクリックするとVisual Studio Codeで開くので、コードを書く
- メニューバーのVerse > Build Verse Codeでコンパイルする。成功すると、公式チュートリアルの説明ではコンテンツブラウザのCreativeDevicesフォルダーにデバイスが現れる。見当たらなければ、コンテンツブラウザでデバイス名を検索する
- そのデバイスを島に置き、下のコードなら既存のボタン・ポップアップ・HUDメッセージのデバイスを詳細パネルで割り当てて、Launch Sessionで試す
次の例は、ボタンを押したプレイヤーにだけポップアップを出し、押されたボタンに応じてHUDメッセージを5秒表示するデバイスです。
using { /Fortnite.com/Devices }
using { /Verse.org/Simulation }
quest_popup_device := class(creative_device):
@editable
StartButton : button_device = button_device{}
@editable
Popup : popup_dialog_device = popup_dialog_device{}
@editable
Hud : hud_message_device = hud_message_device{}
AcceptText<localizes> : message = "クエスト開始:旗を3本集めよう"
DeclineText<localizes> : message = "準備ができたら、もう一度ボタンを押してね"
OnBegin<override>()<suspends> : void =
StartButton.InteractedWithEvent.Subscribe(OnStartPressed)
Popup.RespondingButtonEvent.Subscribe(OnPopupAnswered)
OnStartPressed(Agent : agent) : void =
Popup.Show(Agent)
OnPopupAnswered(Agent : agent, Index : int) : void =
if (Index = 0):
Hud.Show(Agent, AcceptText, ?DisplayTime := 5.0)
else:
Hud.Show(Agent, DeclineText, ?DisplayTime := 5.0)
@editable を付けた変数は、島に置いたデバイスの詳細パネルに項目として出るので、そこで実物のデバイスを割り当てます。ポップアップダイアログのデバイス設定でボタン数を2にし、1個目のボタンを「受ける」、2個目を「やめる」にすると、「受ける」が番号0、「やめる」が番号1で返り、コードの if (Index = 0) と else にそれぞれ対応します。RespondingButtonEvent は「押したプレイヤー」と「ボタン番号」の組を返すため、ハンドラーは2つの引数で受けます。表示する文字列は <localizes> を付けた message 型にする必要があり、ただの string を Show に渡すとビルドで型エラーになります。
2026年の主な更新:Lore・Unreal MCP・Scene Graph
UEFNはフォートナイト本体と同じ版番号で更新され、2026年は開発の進め方に関わる変更が続きました。
41.10(2026年6月25日)では、UEFNのバージョン管理「Unreal Revision Control」の名称がLoreに変わりました。変わったのは名前だけで、既存のプロジェクトと履歴はそのまま引き継がれます。Loreはオープンソースとしても公開されています。同じ版では、フォートナイト標準のクエスト画面と連動するQuest API(Experimental)も入りました。
42.00(2026年8月20日)ではUnreal MCPがUEFNに入り、Claude CodeやCursorなどのAIコーディングツールをエディタに直接つなげられるようになりました。Verseで再利用できるアビリティを組むAbility System(Experimental)や、タッチ操作のタップとドラッグの正式化も同じ版です。Experimentalと付いた機能は、公開する島で使えない、または仕様が変わる可能性があるため、試作にとどめて本番の島では正式版を待つのが安全です。
42.20(2026年9月17日)は9月28日時点の最新版で、ボイス・テキストのチャンネルを作るChannel APIなどが入りました。Verseで島内課金を扱う entitlement などのMarketplace APIは /Fortnite.com/Marketplace から /UnrealEngine.com/Marketplace へ移りました。旧パスは別名として残るので既存の島は変更不要ですが、旧パスのままだと非推奨の警告が出ます。新しく書くコードは /UnrealEngine.com/Marketplace を使ってください(42.20のリリースノート)。
オブジェクトを部品(コンポーネント)の組み合わせで作るScene Graphは、36.00(2025年6月7日)でBetaになり、新規プロジェクトでは既定で有効です。Beta扱いのため、公式の既知の問題ページではクラッシュや不安定さが起こりうると注意しています。
更新は数週間ごとに入るので、書籍や古い解説動画の手順が画面と合わないことがあります。迷ったら、公式ドキュメントの「Fortnite Ecosystem Updates and Release Notes」で自分のUEFNの版の変更点を確かめてください。
よくある質問(クリエイティブ2.0・UEFN)
クリエイティブ2.0はスイッチでできますか?
できません。UEFNはWindows PC専用です。スイッチでは、UEFNで作られた島を遊ぶことと、ゲーム内クリエイティブで島を作ることができます。
クリエイティブ2.0は無料ですか?
無料です。Epic Games Launcherのストアからダウンロードできます。島の公開に必要なFortnite Developer Programの登録には、直近365日以内のEpic Paymentsでの現金購入、または直近365日以内のフォートナイト内での20ドル以上の消費が条件になります。
MacでUEFNは使えますか?
使えません。公式ドキュメントは「UEFN runs on PCs only」としており、要件のOSもWindows 10 64bitです。
クリエイティブ2.0で作った島は何歳から公開できますか?
18歳以上です。Fortnite Developer Programの登録と、島内課金を入れる場合の条件のどちらも18歳以上と定められています。
UEFNで作った島はどうやって遊んでもらいますか?
公開した島には12桁の島コードが付きます。プレイヤーはゲーム内の「発見」タブで島を探すか、島コードを入力して参加します。機種を問わず遊べます。