Qodo Mergeは、Qodo社(旧CodiumAI)が提供してきたAIコードレビューのサービスです。GitHub・GitLab・Bitbucket・Azure DevOpsのプルリクエスト(PR)に常駐し、PRの要約とレビューの指摘をコメントで投稿します。
ただし2026年2月4日のQodo 2.0以降、Qodo Mergeという製品名は使われていません。公式サイトは「Qodo Merge – Now Git」と案内し、現在は「Qodo」のGit連携として提供されています。2026年10月1日にはQodo 3.0が出て、同じ日に旧v1コマンドの一部が削除されました。2024年ごろの導入記事にある /review や /improve はv1の書き方です。この記事では、2026年10月24日時点の公式ドキュメントと料金ページをもとに、導入手順・現行コマンド・指摘の絞り込み方・料金・OSS版PR-Agentとの違いを整理します。
まとめ:Qodo Mergeの現状と導入前の確認事項
- Qodo Mergeは2026年2月のQodo 2.0で「Qodo」へ統合され、名称は廃止。PRのレビューは複数のエージェントが分担する「agentic review」に置き換わりました。最新は2026年10月15日のQodo 3.1です。
- PRで使う主なコマンドは
/agentic_review(レビュー)と/agentic_describe(PR要約)、/ask(質問)。既定ではPRを開いた時点で自動で実行されます。 improve_code・implement・describe_legacyなどのv1コマンドは2026年10月1日に削除済みです。古い.pr_agent.tomlを使い回しているリポジトリは見直しが要ります。- 指摘が多すぎるときは、Qodo 3.0で入ったレビュープリセットの「Precision」と、重要度ごとの表示先の設定で絞れます。
- 料金は14日間の無料トライアルの後、Pro Team($30=2,500クレジットから、約18レビュー/月)かEnterprise。常設の無料プランはありません。スター200以上の公開OSSは無料プログラムの対象です。
- OSS版のPR-Agentは2026年4月にQodoからコミュニティへ移管済み。ライセンス料なしで自前のLLMキーと実行環境を使うならPR-Agent、ルールの学習や複数リポジトリ横断のレビューが欲しいならQodo、という分け方になります。
Qodo MergeからQodoへの名称変更と製品の構成
Qodo社は2024年にCodiumAIから社名を変え、PRレビューの製品を「Qodo Merge」、IDE拡張を「Qodo Gen」と呼んでいました。2026年2月4日公開のQodo 2.0で製品名を一本化し、公式の案内ページは旧名と現在の呼び方を次のように対応させています。
| 旧製品名 | 現在の呼び方 | 役割 |
|---|---|---|
| Qodo Merge | Git(PR review) | PRの自動レビュー・要約 |
| Qodo Gen | IDE | IDE拡張(2026年10月30日終了) |
| Qodo Command | CLI | ターミナルのエージェント |
| Qodo Aware | Context Engine | 複数リポジトリの横断索引 |
docs.qodo.ai の索引も、現行製品を「Qodo Review (v2)」、旧製品を「Qodo Merge (v1)」と分けています。旧ドキュメントのURL(qodo-merge-docs.qodo.ai)は現在 docs.qodo.ai のCode Reviewページへ転送されます。
Qodo 3.0・3.1で増えた機能
公式のChangelogによると、2026年10月1日のQodo 3.0と10月15日の3.1で、PRレビューの外側にある管理機能が大きく増えました。
| 版(公開日) | 機能 | 提供段階 |
|---|---|---|
| 3.0(10月1日) | PR Triage(未レビューPRの横断キュー) | Research Preview |
| 3.0(10月1日) | 指摘の採否を集計する分析ダッシュボード | Beta |
| 3.0(10月1日) | オンボーディングウィザード | 一般提供 |
| 3.0(10月1日) | レビュープリセット・Finding types | 一般提供 |
| 3.0(10月1日) | Gerritを全デプロイ形態で対応 | 一般提供 |
| 3.1(10月15日) | 直されない指摘のルールを自動で無効化 | 一般提供 |
| 3.1(10月15日) | Git組織単位の一括設定 | 一般提供 |
PR Triageは、複数のリポジトリとGitプロバイダにまたがる未レビューのPRを1つのキューに並べ、SLA・優先度・変更の影響範囲(blast radius)で順番を付ける機能です。Research PreviewはSLAの対象外です。既定で開けるのは管理者だけで、チームオーナーや全メンバーへの開放は設定で切り替えます。
分析ダッシュボードは、指摘がどれだけ受け入れられたかをリポジトリ別・PR作成者別・重要度別に集計し、CSVに書き出せます(管理者のみ)。導入効果を社内で説明する材料になります。
Qodo CommandとAgentic Toolboxの関係
以前のドキュメントやまとめ記事では、CLIの npm install -g @qodo/command でQodo Commandを入れる手順が紹介されています。現在のAgentic Toolboxのインストール手順は、Qodo Command(@qodo/command)とQodo Gen CLIを「deprecated」と書き、Agentic Toolboxを入れるとQodo Commandは自動で置き換わると説明しています。VS Code・Visual Studio・JetBrains向けのQodo IDEプラグインも2026年10月30日に終了すると告知されており、手元でのレビューはAgentic Toolboxへ移す流れです。
Agentic Toolboxは、Claude CodeやCodexなど手元のコーディングエージェントに、Qodoのレビューやルール取得の機能を「スキル」として足す道具です。2026年9月7日のQodo 2.9で、Claude Code・Codexのプラグインと、KiroのPowerとして一般提供になりました。CLIはNode.js 20以上が必要で、macOSとLinuxでは次のコマンドで入ります。
curl -fsSL https://get.qodo.ai | sh
WindowsはPowerShell用の別コマンドがあります。上のコマンドはマルチテナント版・シングルテナント版向けで、オンプレミス版は自社のQodoポータルのホームに表示されるコマンドを使います。インストールにアカウントは要りませんが、スキルを使うにはサインインが必要です。PRを出す前に手元で同じ基準のレビューを通せるので、PR上の指摘を減らしたいチームに向きます。
GitHubへのQodoの導入手順(マルチテナント版)
Qodo 3.0からは、Organizationの管理者が初めてポータル(app.qodo.ai)にサインインすると、オンボーディングウィザードが自動で開きます。ウィザードの手順は「Gitの接続」「レビュープリセットの適用」「Agentic Toolboxの配布」の3段です。GitHubの接続部分は次の流れで、所要時間は約5分とされています。
- ウィザードのConnect Gitで GitHub を選ぶ(ウィザードを閉じた場合は、ホーム右上の Git providers の横にある「+」から選ぶ)
- Connect your organization を押してGitHubへ移動し、対象リポジトリ(全部か選んだものだけ)を許可して Install する
- Qodoに戻り、Finish installation で完了する
- ウィザードの次の画面で、チームの優先事項に答えてレビュープリセットを適用する(Skipして後で選んでもよい)
- 対象リポジトリでPRを開き、Qodoのコメントが自動で付くことを確かめる
公式は、GitHub Marketplaceではなくポータルのウィザードから入れるよう推奨しています。ポータル経由でないと一部の機能が有効にならないためです。必要なのはGitHub Organizationの管理者権限です。接続後はリポジトリの同期とPR履歴の索引作成が裏で走ります。
注意点は、GitHub Organizationは最初にインストールしたQodoワークスペースに紐づくことです。個人のワークスペースで試しに入れた後に会社のワークスペースで入れ直そうとすると GITHUB_ID_ALREADY_CLAIMED のエラーになり、付け替えにはQodoサポートへの連絡が要ります。検証も本番で使うワークスペースから行ってください。
v1時代に入れたGitHub Appの移行
Review Standardsが既に有効なマルチテナント環境は移行不要です。それ以外で、Qodo Merge時代にGitHub Appを入れたOrganizationは、そのままでも動きますが、ルールや指摘の管理などの新機能は使えず、ポータルのRepositoriesページにも表示されません。公式の移行手順は、Organizationの Settings → Third-party Access → GitHub Apps で旧アプリの対象リポジトリを控え、Danger zone の Uninstall で外してから、新しいウィザードで同じ範囲を入れ直す、という順番です。先に新しいウィザードを走らせると、リポジトリとインストールの紐づけが正しく作られません。入れ直した後は、PRに /agentic_review とコメントして応答があるかで確認します。
PR上で使うコマンドと自動レビューの設定
既定では、PRが開かれたとき・再オープンされたとき・Ready for reviewになったときに、レビューとPR要約が自動で投稿されます。手動で頼むときはPRのコメント欄にコマンドを書きます。公式のコマンド一覧に載っているのは次の6つです。
| コマンド | 用途 | 対応 |
|---|---|---|
| /agentic_review | レビュー(指摘と修正案) | 全プロバイダ |
| /agentic_describe | PR要約の生成 | 全プロバイダ |
| /ask | PRについての質問 | 全プロバイダ |
| @qodo(メンション) | 指摘の説明依頼・反論・修正依頼 | 全プロバイダ |
| /generate_labels | ラベル提案 | GitHub・GitLab・Gerrit |
| /checks | CI失敗の分析 | GitHub |
指摘が当てはまらないときは「@qodo これは意図した挙動です」のように普通の文で返すと、Qodoはその指摘をFalse positive・Rejected・Deferred・Intentionalのいずれかとして閉じ、要約コメントも更新します。修正を頼むとRemediation agentが修正案のPRを開きます。Remediation agentは2026年10月時点でResearch Preview(既定は無効)です。
.pr_agent.tomlによる自動実行・追加指示の設定
設定はポータル画面でも、リポジトリ直下の .pr_agent.toml でも書けます。ファイル名はOSS版PR-Agentと同じです。設定ファイルはデフォルトブランチの直下へコミットし、マージ後に作るPRで反映を確かめます。GitHub Appで自動実行するコマンドを決め、レビューの重点を追加指示で伝える例は次のとおりです。
[github_app]
pr_commands = [
"/agentic_describe",
"/agentic_review"
]
[review_agent]
comments_location_policy = "both"
issues_user_guidelines = "認証・入力検証・SQLの組み立てを重点的に確認する"
smart_router_extra_instructions = "DBマイグレーションのファイルは高リスクとして扱う"
issues_user_guidelines はバグ・セキュリティ・性能を探すエージェントへの追加指示、smart_router_extra_instructions はPRごとのレビューの深さを決めるエージェントへの追加指示です(Configure extra instructions)。1回だけ指示を変えたいときは、PRに /agentic_review --review_agent.issues_user_guidelines="..." とコメントします。組織全体の既定値にしたい場合は、Organization内に pr-agent-settings という名前のリポジトリを作り、その直下に同じファイルを置きます。
2024年ごろの日本語記事にある response_language = "ja-JP" はOSS版PR-Agentの設定です。2026年10月24日時点のQodoのドキュメント全文(llms-full.txt)には、この項目も、出力言語を指定する専用の設定も載っていません。指摘を日本語で受け取れるかは、トライアル中に自分のリポジトリで確かめてください。
指摘のノイズを減らすレビュープリセットと表示設定
細かい指摘が多すぎてPRが読みにくい場合は、検出対象と指摘の表示方法を調整します。Qodoは3.0で、レビューの目的ごとに設定をまとめて切り替えるレビュープリセットを入れました。既存の組織は設定を変えないCustomizationのまま始まり、新しい組織はオンボーディングで選びます。
| プリセット | 狙い | Skill insights | リポジトリ横断 | 仕様・デザインとの差分 |
|---|---|---|---|---|
| Recall | 見逃しを減らす | 有効 | 有効 | 有効 |
| Precision | ノイズを減らす | 無効 | 有効 | 無効 |
| Velocity | PRを早くさばく | 無効 | 無効 | 無効 |
| Automation | 修正まで任せる | 有効 | 有効 | 有効 |
| Customization | すべて手動で設定 | – | – | – |
バグと正しさの検出(Bugs and correctness)と、チームのルール違反の検出はどのプリセットでも有効です。プリセットはワークスペース・Git組織・リポジトリのどの階層にも適用でき、切り替えても、開いているPRに既に出た指摘は変わりません。
導入の初期はPrecisionから始めるのが無難です。Precisionでは仕様・デザインとの差分などの検出が無効になるため、指摘の採用状況と見逃した問題を確認し、検出範囲を広げる必要があればRecallへ切り替える運用を勧めます。Recallは見逃しを嫌う決済や認証まわりのリポジトリに限って使う、という分け方もできます。
表示側でも絞れます。公式の「Reduce review noise」の推奨は、ポータルの表示設定のタブで重要度Highの指摘はすべて表示し、MediumとLowは1件だけ見せて折りたたむ設定です。重要度ごとの表示先は、Highをインラインと要約の両方、Mediumを要約だけ、Lowは出さない、という振り分けができます。重要度の呼び方も、High/Medium/Low・Critical/Warning/Informational・P0/P1/P2などから選べます。
さらに3.1からは、指摘されてもほとんど直されないルールをQodoが自動で無効にします。必ず残したいルールはロックしておけば無効化されません。逆に言えば、ロックしていないルールは知らないうちに効かなくなることがあるので、規程上外せないルール(ログに個人情報を出さない等)は導入時にロックしておくべきです。
2026年10月1日に削除されたv1コマンドと移行先
古い日本語の導入記事は、v1のコマンド(/describe・/review・/improve・/update_changelog)で書かれています。Qodoは2026年9月1日にv1コマンドの一部を非推奨とし、10月1日に完全に削除しました(公式ページ「Sunsetting legacy v1 commands」)。
| v1コマンド | 移行先 | 区分 |
|---|---|---|
| improve_code・improve_multi・custom_prompt | agentic_review | 第1弾(9月1日非推奨) |
| implement | fix | 第1弾 |
| update_changelog・add_docs・test | 代替なし | 第1弾 |
| describe_legacy | agentic_describe・describe | 第2弾(v2へ移行) |
| generate_labels | agentic_describe | 第2弾 |
| checks | 代替なし | 第2弾 |
表は対象の抜粋で、公式告知にはこのほか config・help・create_ticket・inline_comment_router・improve_component・agentic_describe_legacy も含まれます。代替が無いコマンドの機能は、削除後は使えません。告知のFAQは「Qodo v1そのものが消えるわけではない」と明記しており、対象は列挙されたコマンドに限られます。/improve と /compliance は、移行FAQの表によるとこれより前のv2.1で、チームの規約(Review Standards)に沿ったレビューへ統合されています。
一方、現行のコマンド一覧は10月24日時点でも /generate_labels と /checks を削除の注記なしで載せています。告知の第2弾にある同名のv1コマンドとの関係は公式に説明がありません。.pr_agent.toml の pr_commands にこの2つを入れているチームは、PRで実際に反応があるかを確かめ、ラベル付けは /agentic_describe 側へ寄せておくのが安全です。
Qodoの料金:Pro Teamのクレジット制とOSS向け無料枠
Qodoの料金ページの内容(2026年10月24日確認)は次のとおりです。常設の無料プランは無く、料金ページのFAQは「We don’t offer a permanent free tier.」と書いています。
| プラン | 価格 | 目安 |
|---|---|---|
| Trial | 無料・14日間 | レビュー・クレジット無制限 |
| Pro Team | $30〜(2,500クレジット) | 約18レビュー/月 |
| Pro Team | 5,000クレジット | 約36レビュー/月 |
| Pro Team | 20,000クレジット | 約144レビュー/月 |
| Enterprise | 個別見積もり | 30人以上向け |
クレジット単価は$0.012で、$30の最小パックは2,500クレジットにあたります(5,000と20,000のパックは同じ単価で計算すると$60と$240)。約18レビューという目安から逆算すると1レビューあたり約140クレジット、約1.7ドルです。ただし小さなPRは消費が少なく、大きく複雑なPRは多く消費すると明記されているため、トライアル中の実績で見積もるのが確実です。トライアル終了時には、トライアル中のレビュー量に応じたパックが提案されます。
- クレジットはワークスペース単位で共有し、人ごとの割り当ては無い。未使用分は毎月のサイクルの終わりに失効し、繰り越せない
- 基本クレジットを使い切っても、同じ単価の超過課金でレビューは続く。超過分には自分で決める月額の上限を設定でき、いつでも変えられる
- トライアル終了時に有料プランを選んでいなければレビューは止まる。クレジットカードは有料プランを選ぶときまで要らない
- 年契約の縛りは無く月払い。料金ページのFAQは、利用者のコードをモデルの学習に使わないと明記している
人数の上限は書き方が揃っていません。料金ページのPro Teamの欄は「Designed for up to 30 users」、同じページのFAQは「No limits on repositories, users, or reviews」です。課金はクレジットだけで人数には掛からないので、30人は想定規模の目安と読めます。大きく超える組織は営業窓口で確かめてください。
Pro Teamで使えない機能
料金ページの比較表で、Pro Teamに含まれずEnterpriseだけにあるのは、SSO・SAML、監査ログ、自前のLLMキーを使うBYOK、シングルテナントSaaS、オンプレミス・エアギャップ、Gerrit対応、チームの採否から学ぶ自己学習機能、独自のエージェントワークフロー、高度な分析です。複数リポジトリ横断のレビュー(cross-repo)と基本の分析ダッシュボードはPro Teamにも含まれます。
OSSプロジェクト向けの無料プログラム
Googleとの提携による公開OSS向けの無料プログラムがあります。条件は、Qodoの利用ポリシーを守ること、GitHubの公開リポジトリであること、スターが200以上(または同じOrganizationにスター200以上の公開リポジトリがある)こと、継続的にメンテナンスされていることです。レビュー・PR要約・/ask は使えますが、ルール機能とPR履歴の分析は有料プラン限定です。
OSSのPR-AgentとQodoの選定基準
PR-AgentはQodo Mergeの土台になっていたオープンソース版で、2026年4月21日にQodoがコミュニティへ寄贈しました(GitHub Discussion #2337)。リポジトリは The-PR-Agent/pr-agent に移り、ライセンスはMIT、最新は2026年10月16日のv0.48.0です。寄贈の告知は、ホスト版のQodo Merge(Qodo 1.0)がQodo 2.0へ改称・発展したと説明しており、両者は今や別々に開発される製品です。
| 比較項目 | PR-Agent(OSS) | Qodo(旧Qodo Merge) |
|---|---|---|
| 開発元 | コミュニティ | Qodo社 |
| ライセンス・料金 | MIT・本体無料 | $30〜/月(クレジット制) |
| LLMのAPIキー | 自分で用意 | 不要(BYOKはEnterprise) |
| 主なコマンド | /describe・/review・/improve | /agentic_review・/agentic_describe |
| 実行場所 | GitHub Actions・Docker等 | Qodoのクラウド等 |
| 出力言語の指定 | response_language | 専用設定の公式記載を未確認 |
| 規約の学習・横断レビュー | なし | あり |
判断の軸はレビュー件数とLLMの管理方法です。月に数十件のPRしか無く、OpenAIやClaudeのAPIキーを社内で既に管理しているなら、PR-AgentをGitHub Actionsで動かす構成が候補になります。出力言語を設定項目(response_language)で指定できるのもPR-Agentの利点で、指定どおりに出るかは採用するモデルで確かめます。ただし、APIキーを持っていても利用料はかかるため、モデル・処理量・Actionsの実行費用・保守工数を含めて比べてください(導入手順はPR-Agentの使い方とGitHub Actions・Docker導入、GitLabはGitLabでのPR-Agent導入手順で解説しています)。自前で運用するなら、PR-Agentの版を固定して上げる保守の手間も見込んでください。
逆にPro Teamを選ぶべきでないのは、SSOや監査ログが社内規程で必須な場合です。これらはEnterprise限定なので、人数にかかわらずPro Teamでは要件を満たせません。20,000クレジットのパック($240)は約144レビューが目安ですが、消費量はPRの規模や複雑さで変わるため、実際のクレジット消費量を確認し、同じクレジット単価で見積もったうえで他社製品と比べてください。CodeRabbitやGreptileとの比較は、CodeRabbitの仕組みと料金とGreptileの料金とCodeRabbitとの違いにまとめています。
どちらを選ぶにしても、AIレビューをCI/CDの流れのどこに置くか(必須チェックにするか、参考コメントにとどめるか)を先に決めておくと、導入後の揉め事が減ります。パイプライン全体の設計から相談したい場合は、DevOps・CI/CD導入支援でもお手伝いしています。
対応するGitプロバイダとデプロイ形態
公式ドキュメントの対応表(2026年10月24日時点)は次のとおりです。GitLab Self-ManagedとBitbucket Data Centerもマルチテナント(Qodoのクラウド)の欄が「対応」になっており、GerritはQodo 3.0で全デプロイ形態に対応しました。ただし料金ページはGerrit対応をEnterprise限定としているので、Pro Teamで使えるとは限りません。
| Gitプロバイダ | マルチテナント | シングルテナント | オンプレミス | エアギャップ |
|---|---|---|---|---|
| GitHub Cloud | 対応 | 対応 | 対応 | – |
| GitHub Cloud Enterprise | 対応 | 対応 | 対応 | – |
| GitHub Enterprise | 非対応 | 対応 | 対応 | 対応 |
| GitLab Cloud | 対応 | 対応 | 対応 | – |
| GitLab Self-Managed | 対応 | 対応 | 対応 | 対応 |
| Bitbucket Cloud | 対応 | 対応 | 非対応 | – |
| Bitbucket Data Center | 対応 | 対応 | 対応 | 対応 |
| Azure DevOps Cloud | 対応 | 対応 | 非対応 | – |
| Gerrit | 対応 | 対応 | 対応 | 対応 |
自社ホストのGitHub Enterprise Serverは、今もマルチテナントでは使えません。コマンドの対応にも差があり、行単位で質問する機能はGitHubとGitLabだけ、/generate_labels はBitbucketとAzure DevOpsで使えません。GitHub上でCopilotのレビューと使い分ける場合はGitHub Copilotのコードレビューを参照してください。
よくある質問
Qodoの読み方は?旧CodiumAIと同じ会社ですか?
改称後のQodoの公式サイトは、ページ上部に「We are now Qodo (pronounced koh-doh), formerly Codium」という告知を出していました(Internet Archiveの2025年1月25日の記録)。カタカナにすると「コードー」に近い読み方です。この告知は現在の公式ページでは表示されていません。会社はCodiumAIが2024年に改称したもので同じです。GitHubの旧組織名 Codium-ai や、Docker Hubの codiumai/pr-agent にその名残があります。
Qodo Mergeは無料で使えますか?
常設の無料プランはありません。14日間のトライアル(クレジットカード不要・レビュー無制限)の後は、Pro Team($30の2,500クレジットから)かEnterpriseの契約が必要です。例外はスター200以上の公開OSSリポジトリ向けの無料プログラムです。
Qodo MergeとPR-Agentの違いは何ですか?
PR-AgentはMITライセンスのOSSで、2026年4月からコミュニティが開発しています。自分のLLM APIキーで動かします。Qodo(旧Qodo Merge)はQodo社のマネージドサービスで、APIキーは不要、ルールの自動抽出や複数リポジトリ横断のレビュー、PR Triageなど、PR-Agentに無い機能を持ちます。
Qodo MergeをGitHubで使うには?
app.qodo.ai にOrganizationの管理者としてサインインし、オンボーディングウィザード(またはホームの「+」)からGitHubを接続します。入れた後はPRを開くだけで自動レビューが付き、手動では /agentic_review とコメントします。
Qodo Coverは今も使えますか?
Qodo Coverはテストを自動生成してカバレッジを上げるための別のOSSツール(qodo-ai/qodo-cover・AGPL-3.0)で、PRレビューのQodoとは別物です。公式READMEは2025年6月15日付で「This repository is no longer maintained.」と保守の終了を告知しており、使い続けるならフォークするよう案内しています。最終リリースは2025年5月21日の0.3.10です。