pr-review-toolkitとは|Claude Codeプラグインの導入とreview-prの使い方
pr-review-toolkitは、Anthropicが公式マーケットプレイスで配布しているClaude Codeのプラグインです。コメントの正確性・テストカバレッジ・エラーハンドリング・型設計・規約遵守・簡潔化という6観点それぞれに専用のサブエージェントを持ち、/pr-review-toolkit:review-pr というスラッシュコマンドから呼び出します。GitHub Marketplaceのアプリでも、GitHub Actionでもありません。手元のClaude Codeセッション内で動く点が、名前から受ける印象と最も食い違います。導入コマンド、コマンドの実行方法、6エージェントが見る観点、そしてClaude Codeが持つ他のレビュー手段との使い分けまでを、公式リポジトリとドキュメントの記述に沿って整理します。
まとめ:pr-review-toolkitの要点
- 実体:Claude Codeのプラグイン。中身はサブエージェント6本(
agents/)とスラッシュコマンド1本(commands/review-pr.md)だけで、CI上で動く仕組みは持たない。 - 導入:公式マーケットプレイス
claude-plugins-officialはClaude Code起動時から使えるため、/plugin install pr-review-toolkit@claude-plugins-officialだけで入る。インストール後は/reload-plugins。 - 使い方:
/pr-review-toolkit:review-prで変更ファイルに応じた観点のエージェントを起動する。「エラーハンドリングを見て」のような自然言語でも該当エージェントが単体で立ち上がる。 - PRへの自動コメントはしない:レビュー結果はターミナルに返る。PRに自動で書き込みたいならClaude Code Action v1の使い方と設定のワークフローか、Anthropicのマネージドサービス Code Review を使う。
- 手元で軽く見るだけなら不要:Claude Codeには
/code-reviewが最初から入っている。pr-review-toolkitが効くのは、観点を指定して深く掘りたいときに限られる。
PR Review Toolkitの実体:GitHub Actionではなく、Claude Codeのプラグイン
配布元は anthropics/claude-code リポジトリの plugins/pr-review-toolkit ディレクトリと、Anthropicの公式マーケットプレイス claude-plugins-official です。公式ドキュメントの分類では「Development workflows(開発ワークフロー)」カテゴリに属し、commit-commands や plugin-dev と同じ棚に並びます。
ディレクトリの中身は .claude-plugin、README.md、agents、commands の4つだけです。agents にはMarkdownで書かれたサブエージェント定義が6ファイル、commands には review-pr.md が1ファイル入っています。GitHub Actionのアクション定義(action.yml)もDockerイメージも含まれていません。つまりこのプラグインは、CI上で動く仕組みを一切持たず、あなたが起動したClaude Codeのセッション内でサブエージェントとして走ります。
ここを取り違えると、GitHubのMarketplaceで「PR Review Toolkit」というActionを探し続けることになります。存在しません。GitHubのPRイベントを受けてレビューを自動投稿したい場合に使うのは、後述するとおり別プロダクトの anthropics/claude-code-action です。
2つのマーケットプレイスとインストール名の違い
同じプラグインが2つの経路で配布されているため、GSCの検索クエリにも pr-review-toolkit@claude-plugins-official と pr-review-toolkit@claude-code-plugins の両方が現れます。差は配布元だけで、機能は同じです。
| マーケットプレイス名 | 配布元リポジトリ | 事前追加 | 位置づけ |
|---|---|---|---|
claude-plugins-official |
anthropics/claude-plugins-official |
不要(起動時に利用可能) | Anthropic公式・自動更新が既定で有効 |
claude-code-plugins |
anthropics/claude-code |
必要 | プラグイン機能のデモ用カタログ |
通常は公式マーケットプレイスを使えば足ります。デモ側を追加する意味があるのは、プラグインの実装を読んで自作の参考にしたいときです。
導入手順:/plugin install でインストールする
公式マーケットプレイスからの導入(推奨)
公式マーケットプレイスはClaude Code起動時から登録済みなので、マーケットプレイスの追加操作は要りません。Claude Codeのセッション内で次を実行します。
/plugin install pr-review-toolkit@claude-plugins-official
コマンドを打つとプラグインの詳細画面が開き、インストールスコープを選びます。User(自分の全プロジェクト)、Project(.claude/settings.json に書き込みリポジトリの共同作業者全員へ)、Local(このリポジトリで自分だけ)の3つで、既定はUserです。チーム全員に同じレビュー観点を使わせたいならProjectを選びます。
「プラグインが見つからない」と表示された場合は、マーケットプレイスのカタログが古いか未登録です。/plugin marketplace update claude-plugins-official で更新するか、まだ追加していないなら /plugin marketplace add anthropics/claude-plugins-official を実行してから入れ直します。
デモマーケットプレイスからの導入
/plugin marketplace add anthropics/claude-code
/plugin install pr-review-toolkit@claude-code-plugins
対話画面を挟まずに入れたい場合は、シェルから claude plugin install pr-review-toolkit@claude-plugins-official --scope project のように実行できます。dotfilesやセットアップスクリプトでチームの環境を揃えるときはこちらを使います。
インストール後の反映(/reload-plugins)
セッション中にインストールした場合、再起動しなくても /reload-plugins でプラグイン・スキル・エージェント・フックがまとめて読み込み直されます。ここを忘れると /pr-review-toolkit:review-pr が候補に出てこないため、「コマンドが無い」という詰まりの大半はこれで解けます。
なお /plugin の詳細画面には、そのプラグインが毎ターン消費するコンテキストコストの見積もりが表示されます(Claude Code v2.1.143以降)。実際に何トークン積まれるかはこの画面で確認でき、使わない期間が続くなら /plugin disable で切っておくほうが素直です。
/pr-review-toolkit:review-pr の使い方
インストール後の呼び出し方は2通りあります。
コマンドによる6観点の一括実行
変更をコミットまたはPRにした状態で、Claude Codeのセッションから次を実行します。
/pr-review-toolkit:review-pr
コマンドはまず git diff --name-only で変更ファイルを特定し、そこからどのエージェントが該当するかを判定して起動します。レビュー観点は comments(コメント)・tests(テスト)・errors(エラー処理)・types(型設計)・code(総合)・simplify(簡潔化)の6つで、観点を指定すればその軸だけを走らせられます。実行は逐次と並列のどちらも取れ、逐次は指摘を1件ずつ理解して直す進め方に、並列は網羅的な分析を短時間で終えたいときに向きます。
出力はcritical(必ず直す)/important(直すべき)/suggestion(任意)/strengths(良かった点)に仕分けされて返ります。指摘を日本語で受け取りたい場合は、リポジトリの CLAUDE.md に「レビューコメントは日本語で書く」と明記しておくのが確実です。エージェントの定義は英語ですが、出力言語はセッションの指示に従います。
自然言語による単体エージェントの呼び出し
コマンドを覚えていなくても、観点に沿った依頼をすれば該当エージェントが自動で起動します。READMEが挙げるトリガー例(意訳)はこの形です。
「テストがエッジケースを網羅しているか確認して」 → pr-test-analyzer
「APIクライアントのエラーハンドリングをレビューして」 → silent-failure-hunter
「追加したドキュメントの内容は正確か?」 → comment-analyzer
単一のエージェント名で検索してくる読者が一定数いるのは、この呼び出し方が実務での主用途になっているためです。PR全体ではなく、いま自分が触った箇所の一点だけを深掘りしたいときは、コマンドより自然言語のほうが速く済みます。
6つのエージェントが見る観点とスコアの読み方
| エージェント | 見る対象 | 指摘の出し方 |
|---|---|---|
| code-reviewer | CLAUDE.md準拠・スタイル違反・バグ | 0〜100でスコア化(91〜100がcritical) |
| pr-test-analyzer | 振る舞いの網羅・テストの堅牢性 | 不足を1〜10で採点(10=必ず追加) |
| silent-failure-hunter | 握り潰された失敗・ログ欠落 | 重大度を付与 |
| type-design-analyzer | 型のカプセル化・不変条件 | 4軸をそれぞれ1〜10で採点 |
| comment-analyzer | コメントとコードの乖離・古い記述 | 正確性チェックの確信度を提示 |
| code-simplifier | 冗長な抽象・過度に凝った書き方 | 振る舞いを保ったまま簡潔化を提案 |
指摘はいずれもファイル名と行番号、なぜ問題なのか、どう直すかの3点セットで返り、重大度順に並びます。特徴的なのはsilent-failure-hunterとtype-design-analyzerで、この2つは一般的なLintやSASTが拾わない領域を担当します。前者は「例外は捕まえているがログも再送出もしていない」ような、テストが通ってしまう欠陥を狙います。後者は型そのものの設計品質を4軸で採点するため、データモデルを追加・変更したPRで効きます。
READMEは使い分けの目安も示しており、コミット前はcode-reviewer、PR作成前はpr-test-analyzerとcomment-analyzer、レビューを通過した後の仕上げにcode-simplifier、という順序を推奨しています。同時に「使いすぎない(変更したコードに絞る)」とも明記されています。コードベース全体を丸ごと投げる使い方は想定されていません。
GitHub ActionsでPRごとに自動実行する方法
pr-review-toolkit単体ではPRにコメントを投稿できませんが、Claude Code GitHub Actions(anthropics/claude-code-action)のv1にはプラグインをCI上でインストールする入力が用意されています。plugin_marketplaces にマーケットプレイスのGit URLを、plugins にプラグイン名を渡し、prompt でそのプラグインが提供するコマンドを実行する形です。公式ドキュメントが載せているのは code-review プラグインのスキルを呼ぶ例で、下のYAMLはそれをpr-review-toolkitに置き換えたものです。
name: PR Review
on:
pull_request:
types: [opened, synchronize]
permissions:
contents: read
pull-requests: write
jobs:
review:
runs-on: ubuntu-latest
steps:
- uses: anthropics/claude-code-action@v1
with:
anthropic_api_key: ${{ secrets.ANTHROPIC_API_KEY }}
plugin_marketplaces: "https://github.com/anthropics/claude-code.git"
plugins: "pr-review-toolkit@claude-code-plugins"
prompt: "/pr-review-toolkit:review-pr"
APIキーは必ずGitHub Secretsに ANTHROPIC_API_KEY として登録し、ワークフローには直書きしません。PRへコメントを残すには pull-requests: write の権限が要ります。GitHub Appの導入やBedrock・Google Cloud経由での認証、claude_args でのモデル指定といったAction側の設定はClaude Code Action v1の使い方と設定で解説しています。コストはGitHub Actionsの実行時間とAnthropicのトークン消費の二本立てになる点に注意してください。
/code-review・Code Reviewとの使い分け(どれを選ぶべきか)
Claude Codeまわりには「PRをAIにレビューさせる」手段が4つあり、名前が似ているため混同されます。結論から言えば、大半の開発者にとってpr-review-toolkitは第一選択ではありません。
| 手段 | 動く場所 | PRへのコメント | 導入 | 向く場面 |
|---|---|---|---|---|
| /code-review(標準搭載) | 手元のClaude Code | –comment指定時のみ | 不要 | push前の一次チェック |
| pr-review-toolkit | 手元のClaude Code | しない | プラグイン導入 | 観点を指定した深掘り |
| Claude Code Action | 自前のGitHub Actions | する | GitHub App+ワークフロー | CIを自分で組みたい |
| Code Review(マネージド) | Anthropicの基盤 | する(行単位) | 組織Ownerが有効化 | 全PRを常時レビュー |
push前に手元で一度見てもらうだけなら、プラグインを入れずとも /code-review が最初から使えます。こちらはブランチの未pushコミットと未コミットの変更を既定の対象とし、--fix で修正の適用まで走ります。pr-review-toolkitを入れる価値が出るのは、「型設計だけ4軸で採点させたい」「握り潰した例外だけを洗い出したい」といった、観点を切って掘る使い方をするときです。
なお紛らわしいことに、デモマーケットプレイスには code-review という名前のプラグインも別に存在し、そちらは /code-review:code-review という名前空間付きで呼びます。標準搭載の /code-review とは呼び出し名が違うので、記事やサンプルYAMLを読むときはコロンの有無で見分けてください。
逆に、PRを開くたび自動でレビューコメントを残したい組織は、プラグインを入れても目的を達成できません。その用途はマネージドのCode Reviewが担当します。ただし2026年7月時点でリサーチプレビュー扱いで、対象はTeamプランとEnterpriseプラン、ゼロデータ保持(ZDR)を有効にした組織は利用できません。課金もプランの利用枠とは別で、1レビューあたり15〜25ドルが平均とされています。全PRに自動レビューを掛けると費用がPR数に比例して積み上がるため、まずは手動トリガー(@claude review once)で費用対効果を測ってから常時実行に切り替えるほうが安全です。指摘の粒度は REVIEW.md をリポジトリ直下に置いて調整できます。
他社ツールとの比較検討をしているなら、GitHubのPRにコメントを返す形式ではPR-AgentやQodo Merge、コードベース全体を索引して指摘するGreptileが競合します。これらはPRレビューをサービスとして完結させる設計で、ローカルのエージェントであるpr-review-toolkitとは土俵が違います。
よくある質問
pr-review-toolkit@claude-plugins-official と pr-review-toolkit@claude-code-plugins は何が違いますか?
配布元のマーケットプレイスが違うだけで、プラグインの中身は同じです。claude-plugins-official はClaude Code起動時から使える公式カタログ、claude-code-plugins は anthropics/claude-code リポジトリのデモ用カタログで、後者は /plugin marketplace add anthropics/claude-code による手動追加が必要です。迷ったら公式側を使ってください。
/pr-review-toolkit:review-pr がコマンド候補に出てきません。
インストール直後にセッションへ反映されていない可能性が高いです。/reload-plugins を実行してください。それでも出ない場合は /plugin の Errors タブで読み込みエラーを確認し、/plugin list で有効状態になっているかを見ます。キャッシュが壊れているときは ~/.claude/plugins/cache を削除して入れ直します。
silent-failure-hunter のように、エージェントを1つだけ呼べますか?
呼べます。「エラーハンドリングをレビューして」「catchブロックを分析して」のように観点を明示すれば、該当エージェントだけが起動します。エージェント名を直接指定しても構いません。
プラグインの利用料はかかりますか?
プラグインの導入自体に追加料金はかかりません。実際に消費するのは、レビューを実行するClaude Codeのトークン(プランの利用枠またはAPI利用料)です。エージェント6本を並列で回すと消費は増えるため、変更ファイルに絞って実行してください。なおライセンス表記は配布経路で揺れており、リポジトリのREADMEはMITと記載する一方、公式マーケットプレイス側の配布物にはApache License 2.0のLICENSEファイルが同梱されています。社内利用の可否を判断する際は、実際に取得した配布物のLICENSEを確認してください。
レビュー結果をGitHubのPRに残すことはできますか?
プラグインの出力はターミナルに返るだけで、PRには書き込まれません。PR上にコメントとして残したい場合は、Claude Code Action v1のワークフローからこのプラグインを実行するか、Anthropicのマネージドサービス Code Review を有効化します。後者は指摘を行単位のインラインコメントとして投稿し、重大度(Important/Nit/Pre-existing)を付けて Claude Code Review というチェック実行にも要約を残します。