Postman AIは、API開発ツールPostmanに組み込まれたAI機能の総称です。2026年10月時点の中心は、Postmanの中の作業を自然言語で代行するAgent Modeです。そのほか、リポジトリ単位の長い作業をクラウドで進めるAgent Mode on Cloud、Claude CodeやCodexからPostmanを操作させるPostman CLIとエージェント用スキル、LLMやMCPサーバーを試すAI・MCPリクエスト、ノーコードでエージェントを組むFlowsがあります。2025年1月に発表された「Postman AI Agent Builder」は、LLM・APIの評価やFlowsによるエージェント構築などをまとめた機能群の名称で、2026年の公式記事でも使われています。この記事では、各機能の入口・手順・料金・管理者設定を、Postmanの公式ドキュメントと料金ページ(2026年10月30日確認)、Postman CLI 1.82.0の実行結果をもとに整理します。
まとめ:Postman AIの機能・料金・データ保護の要点
- Postman内の作業はAgent Mode:リクエスト作成、テスト追加、エラー調査、ドキュメント作成をチャットで指示します。FreeプランでもAI利用に同意すれば使えます。
- Claude Code・Codex・Cursorから使うなら
postman init:リポジトリに18個のエージェント用スキルとAGENTS.mdを置き、既存のOpenAPI定義を登録します。ログイン不要で動きます。 - AIクレジットはSolo・Teamで月400:Freeは料金ページのカードが100、比較表が50と食い違っているため、50で見積もります。Freeには従量課金がありません。
- Agent Modeの裏側はAmazon Bedrock上のClaude:操作ごとに承認を求めるには、Auto-runをオフにします。シークレットとPIIの自動マスキング、ユーザー単位の利用許可はEnterprise向けです。
- AI Agent Builderは機能群の名前で、画面名ではない:中身はAIリクエスト・MCPリクエスト・FlowsのAI Agentブロック・MCP Generatorで、名称は2026年の公式ブログでも使われています。
Postman AI Agent Builderの発表内容とその後の再編
2025年1月の発表に含まれていた機能
AI Agent Builderは、PostmanのAPI Network・API Client・Flowsにまたがる機能をまとめた名前です。中身は、LLMにAPIと同じ操作感でリクエストを送る「AIプロトコル」、複数LLMの応答時間・トークン数・内容を並べる比較コレクション、AIとAPIのリクエストをキャンバス上でつなぐFlows、API Networkの公開APIからエージェント用のツール定義を作るTool Generation API、入力を差し替えて挙動を確かめるローカルテストです。発表時のデモ用ワークスペースai-on-postman/postman-ai-agent-builderは今も公開されています。
検索で「ai agent builder」と調べると、別製品が混ざります。OpenAIのノード型ビルダーはOpenAI Agent Builderとは?ノードの仕組みと2026年11月30日終了・移行先の選び方、Google Cloudの製品はVertex AI Agent Builderとは?現在の名称・料金・作り方【2026年10月】で扱っています。Postmanの機能とは無関係です。
2026年10月までの再編年表
| 日付 | 出来事 |
|---|---|
| 2025-01 | AI Agent Builder発表 |
| 2025-05-01 | MCPリクエストとAI Tool Builder提供開始 |
| 2025-06-04 | Agent Mode発表(POST/CON 2025) |
| 2026-03-01 | 新プラットフォーム(v12)と新料金プラン |
| 2026-06-02 | AI Engineer発表(early access) |
| 2026-08-18 | Postman.aiとAgent Stack発表 |
| 2026-10-05 | Private Cloudとサイト単位ライセンス発表 |
| 2026-10-09 | Agent ModeのBedrock上の構成をAWSが公開 |
2026年3月の新プラットフォームでは、HTTP・GraphQL・gRPC・MCP・WebSocket・AIリクエストを同じコレクションで扱えるようになり、コレクションの保存形式も要素ごとのYAMLファイルに分かれるCollection v3に変わりました。8月のPostman.aiは製品の改称ではなく、同社のAIに関するビジョン・研究・ベンチマークを発信するサイトです。
6月に発表されたAI Engineerは、サンドボックス化したクラウド環境でリポジトリを取り込み、Postman・Slack・APIから起動できるエージェントとして紹介されました。10月5日のPrivate Cloudの発表でも、AI Engineerは提供済みの機能に数えられています。一方、2026年10月30日時点の公式ドキュメントには「AI Engineer」という名前のページが無く、同じ入口(Slack・Postmanアプリ)と隔離サンドボックスを持つクラウド側のエージェントは「Agent Mode on Cloud」(Beta表示)として説明されています。
Postman AIの機能一覧と使い分け
公式のAbout Postman AI featuresは、AI機能をAgent Mode、Postman CLIとコーディングエージェント、AIモデルとMCPサーバー、Flows AIの4つに分けています。入口で整理すると次のとおりです。
| 機能 | 用途 | 主な入口 |
|---|---|---|
| Agent Mode | Postman内の作業を代行 | 右サイドバーのAIタブ |
| Agent Mode on Cloud | リポジトリ横断の長時間タスク | Slack・Teamsの@Postman |
| Postman CLI+スキル | コーディングエージェントからAPI作業 | postman init・プラグイン |
| AIリクエスト | LLMの比較・評価 | API Client |
| MCPリクエスト | MCPサーバーの検証 | API Client |
| MCP Generator | 公開APIからMCPサーバー生成 | API Network |
| AI Agentブロック | ノーコードでエージェント構築 | Postman Flows |
以前のAIアシスタント「Postbot」は、2024年5月のv11で一般提供された、1回の質問に1回答える単発型のチャットです。Postmanはv11の発表記事に2026年1月付で追記し、PostbotはPostmanの資産とコードを読み書きできるAIネイティブ機能に置き換えられたと説明しています。v11のドキュメントでは「legacy chat」として残っています。
Agent Modeの使い方:起動・コンテキスト指定・承認設定
起動方法と「@」によるコンテキスト指定
公式のGet startedによると、Agent Modeはホーム画面の入力欄にやりたいことを書いて「Let’s go」を押すか、ワークスペース右下から右サイドバーを開いてAIタブに切り替えると使えます。ホーム画面から始めた場合は、編集権限のあるワークスペースのうち直近に開いたものへ移動し、入力内容がそのまま読み込まれます。
入力欄で「@」を打つと、コレクション・フォルダ・リクエスト・環境・API仕様をコンテキストとして渡せます。開いているタブも自動で渡されます。「@対象コレクション の各リクエストにレスポンス検証のテストを追加して」と頼むと、テストはリクエストの「Scripts」→「Post-response」に入ります。次は、HTTP 200、idと文字列型のnameを持つJSON、応答時間500ms未満を合格条件にしたpm.testの例です(条件は例示です)。
pm.test("status code is 200", function () {
pm.response.to.have.status(200);
});
pm.test("body has id and name", function () {
const body = pm.response.json();
pm.expect(body).to.have.property("id");
pm.expect(body.name).to.be.a("string");
});
pm.test("response time is under 500ms", function () {
pm.expect(pm.response.responseTime).to.be.below(500);
});
AIが生成したテストは、現在のレスポンスとの一致だけでなく、必須項目や閾値がAPI仕様どおりかを人が確かめてからコミットします。CIへの載せ方はPostmanとは?APIテスト自動化とNewmanでのCI組み込みまで実装手順で解説で扱っています。
Skills・モデル選択・Auto-run・MCPサーバーの追加
入力欄で「/」を打つとSkillsのメニューが開きます。選ぶとプレースホルダ付きのプロンプトが入り、@で始まる欄にはコレクションや環境を、それ以外には名前や説明文を入れて実行します。AIモデルはドロップダウンで切り替え、既定は「Auto」です。設定メニューのAuto-runをオフにすると、操作のたびに承認を求めます。共有ワークスペースで試すときはオフが安全です。
一覧に無いMCPサーバーは、設定メニューの「MCP Servers」タブで「Edit config」を押し、mcpServersに直接書き足します。
{
"mcpServers": {
"my-mcp-server": {
"url": "https://example.com/mcp"
}
}
}
Claude Code・Codex・CursorからPostmanを使う手順
自分のコーディングエージェントを使っている場合、Agent Modeを開く必要はありません。PostmanはPostman CLIを、エージェントのシェルやCIで無人実行する前提で設計しており、エージェント向けの手順書(スキル)を配っています。
postman initによるリポジトリへのスキル導入
Postman CLIはnpm install -g postman-cliで入ります(デスクトップアプリを入れていれば同梱)。npmのpostman-cliは2026年10月30日時点で1.82.0です。OpenAPI定義(openapi.yaml)だけがあるリポジトリで、1.82.0を使って次を実行しました。
postman init --dry-run # 書き込まずに予定だけ表示
postman init --json # ワークスペースを作らずに実行し、結果をJSONで出す
postman skills status # 入れたスキルが最新か確認
結果は次のとおりです。
- ログインせずに完了し、終了コードは0:
--jsonを付けると、ワークスペースの作成は「–visibilityが無い」という理由で飛ばされます。--jsonも--visibilityも付けずに未ログインで実行すると、ゲストセッションを始めるかを尋ねてきます。 - スキルは18個:
postman/skills/の下にapi-engineer・api-testing・api-mocking・ci-integration・flows・postman-mcp-serverなどがフォルダごとに入り、各フォルダにSKILL.mdがあります。取得元はGitHubのpostmanlabs/postman-pluginです。 - 既存の仕様を自動で登録:
.postman/resources.yamlに../openapi.yamlが書き込まれ、postman/collections・specs・flowsなどの空ディレクトリも作られます。 - ルートに
AGENTS.md:API設計・実装・テストなどの作業の前にapi-engineer/SKILL.mdを読むよう、エージェントに指示する短い文書です。 --dry-runの一覧はスキルを省く:予定ファイルとして出たのはresources.yaml・skills.json・AGENTS.mdだけでしたが、実行すると18個のスキルフォルダも作られました。
postman initのリファレンスによると、仕様の候補が2つ以上あると終了コード2で止まり、--specで指定し直します。postman/にソースコードがあるときは終了コード4で何も書きません。スキルが取得できない環境では、同梱のapi-builder1個だけが入ります。スキルの考え方はanthropic skillsとは?公式19スキルの中身とClaude Code・API・claude.aiでの導入手順と同じで、エージェントが必要なときに読む手順書です。
リポジトリにファイルを置かず、エージェント本体にスキルを入れる方法もあります。プラグインの導入手順では、Claude Code 2.1.268以降で対話セッションを一度起動してから、次の2行を実行します。Codexは0.138.0以降でcodex plugin add postman@postman、複数のエージェントへ一度に入れるならnpx @postman/postman-pluginです。
claude plugin marketplace add anthropics/claude-plugins-official
claude plugin install postman@claude-plugins-official
プラグインは、Postman CLIで済む作業はCLIへ、CLIで扱えない作業だけPostman MCP Serverへ回します。MCP Serverには、Postmanがホストしstreamable HTTPでつなぐリモート版と、自分の環境でSTDIOで動かすローカル版があり、ツール構成には、既定のMinimal、クライアントコード生成向けのCode、100以上のツールを持つFullのほか、公式ドキュメント検索用のLearnとAPI依存関係を問い合わせるContext Graphがあります。ローカル版とEUのリモート版にはPostman APIキーが要ります。
Agent ModeのSkills(Postman内で「/」から呼ぶもの)と、ここで入れるエージェント用スキルは別物です。公式も、前者はPostman内でしか動かないと書いています。
Context Graphへの自然言語クエリと料金
Context Graphは、チームのAPIとその依存関係をPostmanがまとめた地図です。postman context-graph askで質問すると、エージェントが「何がbilling-apiに依存しているか」のような情報を取れます。こちらはログインかAPIキーが必要です。
postman context-graph ask "What depends on billing-api?" --wait --timeout 120
--waitを付けると回答が出るまで待ち、既定の待ち時間は300秒です。時間切れは終了コード4で、問い合わせ自体はPostman側で続きます。料金ページでは、APIからのクエリがFreeで月1,000回、Solo以上で月5,000回まで含まれ、超えると1回0.01ドルです。
Agent Mode on Cloudの起動手順と実行環境
Agent Mode on Cloud(2026年10月30日時点でBeta表示)は、コードの修正やテスト実行など時間のかかる作業を、隔離したクラウドのサンドボックスで進めるエージェントです。始めるには、Postmanと連携したSlackまたはMicrosoft Teams、GitHubアカウントの接続が要ります。Slackのチャンネルで@Postmanにメンションし、--repoで対象のリポジトリを指定して自然言語で頼むと、実行の様子をPostmanアプリで追えます。GitHubのプルリクエストやブランチの動きを起点に自動で走らせる「Automations」もあります。
サンドボックスから呼べるのはAPI Catalogに登録したAPIだけで、インターネット接続は既定でオフ、本番の認証情報は渡されません。変更はレビューと承認を経てからマージします。
AIリクエスト・MCPリクエストによるモデル比較とサーバー検証
AIリクエストによるLLMの同条件比較
AIリクエストは、AI Agent Builder発表時の「AIプロトコル」を引き継ぐ機能です。公式ドキュメントはOpenAI互換のモデルを対象とし、OpenAI・Anthropic・Googleのほか、Hugging Faceなどの代替プロバイダ、ファインチューニング済み・自前ホスト・ローカルのモデルを挙げています。
- 左サイドバーの「+」から「AI」を選びます。
- 「Select a provider or enter a URL」でモデルを選ぶか、OpenAI互換のURL(多くはv1で終わる)を貼ります。
- 「Authorization」タブにAPIキーを設定します。
- 「Prompt」タブにユーザープロンプトと必要ならシステムプロンプトを入れ、「Send」を押します。
- モデルごとのリクエストをコレクションに保存し、応答・応答時間・トークン数を並べます。
AIリクエストを保存できるのは、HTTP以外のリクエストを1つ以上含むコレクションだけです。採点基準やコストの記録まで含めた比較の設計はAI比較の実装手順|同じ入力を各社モデルへ流して品質とコストを測るにまとめています。
MCPリクエストによるサーバー検証と設定の書き出し
MCPリクエストは、MCPサーバーに接続してツール・リソース・プロンプトを一覧し、呼び出す機能です。接続方式はSTDIOとstreamable HTTPの2つで、STDIOなら起動コマンドを、HTTPならURLを入れます。「Load Capabilities」で一覧が出たら、対象を選んで引数を入れて実行します。AIリクエストにMCPサーバーを足せば、モデルがそのツールをどう使うかも見られます。確認が済んだ設定はClaude Desktop・VS Code・Cursor向けに書き出せます。MCPの仕組みはMCP(Model Context Protocol)とは?仕組み・APIとの違い・MCPサーバーの作り方を参照してください。
Postman FlowsでAIエージェントを組む手順
AI Agentブロックの2種類とツールの渡し方
Flowsは、ブロックをキャンバス上でつなぐローコードエディタです。AI Agentブロックには2種類あります。
- AI Agent Legacy:ほかのフローを「ツール」として呼びます。ツールにするフローには、スナップショットが1つ以上必要です。
- AI Agent with MCP Server support:MCPサーバーが公開するツールを呼びます。Flowsで作ったMCPサーバーと外部のMCPサーバーの両方を追加できます。
どちらもContextにラベル付きの変数を渡し、Promptに指示を書きます。ラベル名はAIが変数の意味を推測する手がかりなので、「variable-1」ではなく「endpoints_list」のように中身がわかる名前にします。出力はEvalsで採点でき、Friendliness・Safety・Non-toxicity・Correctness・Relevanceの組み込み項目と独自の評価を、別のモデルを審査役にして回します。デプロイしたフローはMCPサーバーとして公開でき、Claude DesktopやCursorから呼べます。
Flowsで見落としやすいクレジット消費
Flowsの課金ドキュメントでは、AI Agentブロックはローカル実行でもクラウド実行でもクレジットを使い、1回のブロック実行あたりGPT-5が10、Sonnet 4.5が10、Haiku 4.5が2です。外部MCPツールは、AI Agentブロックの1回の実行内で呼び出した異なるツールごとに2クレジットです。同じ実行内なら同一ツールを100回呼んでも2、3種類を1回ずつ呼べば6になります。Flowsでホストした自前のMCPサーバーは無料です。Evalsは有効にした項目ごとに審査役の呼び出しが発生します。APIやMCPから起動した自動実行では、HTTPリクエストや条件分岐のブロックもクレジットを使います。Flowsのクレジットは月25(Free)から500(Enterprise)で、繰り越しはありません。
Postman AIの料金とAIクレジット
2026年3月1日の改定で、プランはFree・Solo・Team・Enterpriseの4つになりました。料金ページの値は次のとおりです(2026年10月30日確認・年払い時の月額)。
| プラン | 月額 | AIクレジット | 超過単価 |
|---|---|---|---|
| Free | $0 | 100(比較表は50) | 従量課金なし |
| Solo | $9 | 400/月 | $0.05 |
| Team | $19/ユーザー | 400/ユーザー/月 | $0.04 |
| Enterprise | 要問い合わせ | 800/ユーザー/月(共有) | $0.035 |
FreeのAIクレジットは、プランのカードに「100 AI credits」、比較表に「50 / month」とあり、同じページの中で一致していません。どちらが適用されるかは請求画面の残高で確かめ、計画は50で立てるのが安全です。
AIクレジットの管理ページによると、Agent Modeはリクエストの生成、テストの作成、ドキュメント作成などAIを使う操作のたびにクレジットを消費します。クレジットは請求日に毎月リセットされ、繰り越しはありません。上限の75%と100%に達したときと、超過したときに通知が届きます。有料プランでは従量課金が既定でオンで、上限を超えても止まらずプランの単価で課金されます。Billingロールのユーザーはメンバーごとに従量課金をオフにでき、オフのメンバーは上限で止まります。
データ保護と管理者によるAI機能の制御
Agent Modeは「AIの利用に同意したユーザー」だけが使える機能です。個人の設定はヘッダーの歯車から「App settings」→「AI」で変えます。
実行基盤については、2026年10月9日のAWS公式ブログが、Agent ModeはAmazon Bedrockで動き、対応するAnthropicのClaudeモデルへ処理ごとに振り分けていると説明しています。対応モデルではdata_retention_modeをnoneにしたゼロデータ保持を設定済みとしつつ、可否はモデルによるとも書いています。同じ記事は、170を超えるツールを1リクエストあたり約15に絞って渡していること、見えるツールが約40を超えると選択の誤りが増えたことも明かしています。記事はアプリの状態を変える操作の前にユーザーの承認を求める設計と説明していますが、実際にどこで止まるかはAuto-runの設定次第です。PostmanのAgent Modeのベストプラクティスによると、Auto-runがオンでもシェルコマンドの実行など影響の大きい操作は承認を求め、オフにすると操作ごとに承認します。
Enterpriseプランには、さらに次の管理機能があります。
- ユーザー単位のアクセス制御:組織全体、または特定のユーザー・グループ・チームだけにAgent Modeを許可できます。試験導入や段階展開に使います。
- シークレットとPIIのマスキング:Postman Secret Scannerの検出パターンと独自ルールで、APIキーやトークンを除去してからLLMに送ります。PIIの除去にはAWSのガードレールを使い、有効にすると応答が遅くなる場合があると明記されています。
- MCPガバナンス:Agent Modeから使えるMCPサーバーを組織として制限できます。
ユーザーやグループ単位の許可とガードレールの設定手順が公式ドキュメントに載っているのは、Enterpriseだけです。Free・Solo・Teamで使うなら、各自のAI設定に任せる前提で運用ルールを決めておきます。
Postman AIを使わないほうがよい場面
PostmanのAI機能は、Postmanの中で完結するAPI開発とテストを速くするものです。次の条件に当てはまるなら、別の手段を選びます。
- ユーザー向けサービスで常時動かすエージェントの実行基盤にする:自動実行のFlowsは分岐や通常のHTTPブロックまでクレジットを消費し、専用のPrivate Flow runnerはEnterprise限定です。回数が読めない本番用途は、コードで組んで自前の環境で動かすほうが費用も障害も管理しやすくなります。手順はAIエージェントの作り方:ツール定義からループ・承認・トレースまでコードで組むで解説しています。
- Enterprise以外で、本番の認証情報を含む環境を読ませる:自動マスキングはEnterprise向けです。Free・Solo・TeamではAgent Modeに渡す環境をステージング用に分けます。
- Freeのまま日常の開発に使う:超過課金が無いので、月の途中でAIクレジットの上限に達するとAgent Modeの利用が停止します。1か月の消費量を見て、足りなければSoloへ移ります。
- MCPサーバーの認可ロジックまで確かめたい:MCPリクエストでわかるのは外から見た接続とツールの結果です。内部の権限判定はMCPサーバーの作り方とAIエージェントへの接続手順|Python SDK 2.3でツール定義・認可を実装のように、実装側のテストで確認します。
社内APIにAIエージェントを組み込む設計や実装を外部に頼む場合は、生成AI開発・AI受託開発でも相談を受けています。
よくある質問
Postman AIは無料で使えますか?
使えます。FreeプランでもAIの利用に同意すればAgent Modeを使えます。月のクレジットは料金ページのカードで100、比較表で50と表記が分かれており、超過分の従量課金はありません。上限に達すると翌月のリセットまで止まります。
Postman AI Agent Builderは今どこから使えますか?
AI Agent Builderという名前の画面はありません。機能群の名前で、中身はAPI ClientのAIリクエストとMCPリクエスト、FlowsのAI Agentブロック、MCP Generatorです。自然言語でPostman内の作業を任せる機能はAgent Modeです。
Postman AIのAgent Modeは何のモデルがベースですか?
AWSの公式ブログによると、Agent ModeはAmazon Bedrock上で動き、AnthropicのClaudeモデルへ処理ごとに振り分けています。画面のモデル選択は既定が「Auto」で、出力が期待外れのときに別のモデルを選びます。
PostbotとAgent Modeは何が違いますか?
Postbotは1回の質問に1回答える単発型のアシスタントでした。Agent Modeはコレクション・環境・API仕様を読み込み、リクエスト作成からテスト追加までを続けて実行します。Postmanは2026年1月に、PostbotがAIネイティブ機能に置き換えられたと説明しています。
Claude CodeからPostmanを操作できますか?
できます。公式マーケットプレイスからPostmanプラグインを入れる方法はClaude Code 2.1.268以降が対象です。別の方法として、リポジトリでpostman initを実行してスキルを置きます。どちらもPostman CLIを通してコレクションの実行やモックの作成を行い、CLIで扱えない作業だけPostman MCP Serverを使います。