Vertex AI Agent Builderは、Google CloudでAIエージェントを作って動かすための機能群の呼び名です。2026年4月22日、Vertex AIはGemini Enterprise Agent Platform(以下Agent Platform)に改称され、Agent BuilderもAgent Platformの一部になりました。Agent EngineはAgent Runtime、Vertex AI SearchはAgent Searchへと部品の名前も変わっています。この記事では、旧名と現名の対応、どの部品から作り始めるか、2026年6月と9月1日に改定された料金と無料枠、ADK 2.12.0での作り方とデプロイ手順を、2026年10月22日時点の公式ドキュメントで整理します。
まとめ:Vertex AI Agent Builderの現在の名称と料金の要点
- 単独の製品名としては残っていません。2026年4月22日のリリースノートに「Agent Builder is now part of Gemini Enterprise Agent Platform」とあります。ただしコンソールの左メニューには「Agent Builder」というセクション名が残っています。
- 作る道具は2つです。コードで書くならADK(Python版の最新は2.12.0)、画面で組むならAgent Studioのエージェント設計(プレビュー)を使います。本番の実行先は主にAgent Runtimeです(ADKはCloud Run・GKEにも出せます)。
- 料金は従量課金です。Agent Runtimeは毎月50vCPU時間と100GiB時間まで無料で、超えた分はvCPU時間あたり0.085ドル、GiB時間あたり0.009ドルです。
- SessionsとMemory Bankは2026年9月1日から課金方式が変わりました。旧来の方式(Sessionsは保存イベント1,000件あたり0.25ドル、Memory Bankは保存した記憶1,000件あたり月0.25ドルと返した記憶1,000件あたり0.50ドル)ではなく、保存量(GiB月あたり0.30ドル)と操作回数で決まります。
- 月1万会話の試算では、Agent Runtimeの費用は数ドルから数十ドルに収まります。このほかにモデルのトークン料金とAgent Searchのクエリ料金が別にかかり、下の試算の条件ではAgent Searchだけで約60ドルです。
Vertex AI全体(モデルの学習・推論・MLOps)の機能と料金はVertex AIの機能・料金とSageMaker・Azure MLとの違いで整理しています。この記事はエージェントを作る部分に絞ります。
Vertex AI Agent Builderの名称の変遷と2026年4月の改称
Agent Builderという名前は、何度かの改称を経て指す範囲が変わってきました。古い記事を読むときは、書かれた時期の名前を現在の名前に読み替える必要があります。
2026年4月22日の名称対応表で変わった部品名
Agent Platformのリリースノートは、2026年4月22日の項でVertex AIからの名称変更を一覧にしています。エージェント作りに関わる部品は次のとおりです。
| 旧名(Vertex AI) | 現在の名前 | 自社の解説記事 |
|---|---|---|
| Vertex AI Agent Engine | Agent Runtime | ADKデプロイと料金 |
| Agent Engine Sessions | Agent Platform Sessions | 同上 |
| Agent Engine Memory Bank | Agent Platform Memory Bank | 同上 |
| Vertex AI Studio | Agent Studio | 試作からAPI実装へ |
| Vertex AI Search | Agent Search | データストア作成と検索API |
| Vertex AI RAG Engine | RAG Engine | コーパス作成とチャンク設定 |
| Vertex AI Model Garden | Model Garden | Claude有効化とGemmaデプロイ |
| Vertex AI Conversation | Agent Conversation | – |
同じ日の項には、コンソールのメニュー変更について「ブックマークしたリンクは自動リダイレクトで引き続き使える」とも書かれています。実際、旧製品ページ cloud.google.com/products/agent-builder を開くと /products/gemini-enterprise-agent-platform へ転送されます。リンクが壊れないぶん、社内の手順書が旧名のまま残りやすい点には注意してください。
「Agent Builder」の名前が今も残る場所
改称後も、旧名が消えていない場所が3つあります。検索で古い名前に行き当たっても、別の製品と考える必要はありません。
- コンソールのメニュー:Agent Gardenの手順は「左側のメニューの[Agent Builder]セクションから[Agent Garden]を選択」と案内しています。
- APIのリソース名:Agent Runtimeにデプロイしたエージェントは、今も
projects/…/locations/…/reasoningEngines/…というリソース名で管理されます(ADK 2.12.0のadk deploy agent_engine --helpで確認)。 - CLIのコマンド名:同じくADK 2.12.0では、デプロイのサブコマンドが
agent_engineのまま残っています。
Gemini Enterprise・OpenAI Agent Builderとの区別
名前の似た製品が3つあり、検索結果でも混ざって表示されます。Gemini Enterprise(旧Agentspace)は社員が使う業務アシスタントのアプリで、開発者がエージェントを作って載せる基盤であるAgent Platformとは別の製品です。違いはGoogle Agentspace(現Gemini Enterprise)の機能と料金で解説しています。「agent builder」とだけ検索したときに出てくるOpenAIのAgent Builderも別物です。こちらは2026年11月30日に提供が終わる予定で、経緯はOpenAI Agent Builderの仕組みと移行先の選び方にまとめています。
Agent Platformでエージェントを作る部品の選び方
Agent Platformの概要ページは、部品を「ビルド・スケール・ガバナンス(管理)・最適化」の4つに分けています。最初に決めるのは、どの道具で作り、どこで動かすかの2点です。
作る:ADK・Agent Studio・Agent Garden・Managed Agents API
作り方の選択肢は4つありますが、本番で使う前提ならADKで書くのが基本です。ほかの3つは試作の入口か、特定の用途向けです。
| 道具 | 作り方 | 提供段階 | 向く場面 |
|---|---|---|---|
| ADK | Python・TypeScript・Go・Javaのコード | OSS | 本番のエージェント全般 |
| Agent Studio(エージェント設計) | 画面のフロー編集とプロンプト | プレビュー | 試作・業務部門との要件合わせ |
| Agent Garden | サンプルとテンプレートから複製 | – | RAGなど定番構成の雛形 |
| Managed Agents API | 設定ファイルとREST | プレビュー(2026-05-19〜) | サンドボックスで動く自律エージェント |
ADKの仕組みとマルチエージェントの組み方はADKの仕組みと始め方で詳しく扱っています。
動かす:Agent Runtime・Sessions・Memory Bank
作ったエージェントはAgent Runtimeにデプロイします。会話履歴を持つのがSessions、ユーザーごとの長期記憶を持つのがMemory Bankです。4月22日のリリースノートでは、Agent Runtimeが最長7日の長時間実行と1秒未満のコールドスタートに対応し、プロビジョニングが1分未満に短縮されました。デプロイ方法は、Gitリポジトリ・ローカルのソースファイル・Dockerfile・コンテナイメージ・エージェントのオブジェクトの5通りです(デプロイのページ)。GitリポジトリとソースファイルからのデプロイはPythonのみで、DockerfileとコンテナイメージならPython以外の言語でも使えます。
管理する:Agent Identity・Agent Registry・Agent Gateway
管理系の部品は2026年6月までに出そろいました。リリースノートの日付で見ると、Agent Identity(エージェントごとのID)が4月22日、Agent Registry(エージェント・ツール・MCPサーバーの社内カタログ)とAgent Gateway(ユーザー・エージェント・ツールの間の通信を保護し統制するネットワークの入口)が6月18日にGAです。Agent GatewayでのModel Armorは6月24日にGAになりました。プロンプトの検査をどこに挟むかはModel Armor APIの仕組みと実装手順を参照してください。
根拠付け:Agent Search・RAG Engine・Vector Searchの使い分け
社内データを根拠に答えさせる部品は3つあります。選ぶ基準は「検索の仕組みをどこまで自分で持つか」です。
- Agent Search:取り込み・索引化・検索・回答生成まで任せるマネージド検索。社内文書検索を早く出すならこれ
- RAG Engine:チャンク分割や埋め込みモデルを自分で選びたいときのRAG基盤
- Vector Search:ベクトルの格納と近傍検索だけを使い、前後の処理は自前で書く場合
Vertex AI Agent Builderの料金:2026年6月・9月改定後の単価と無料枠
Agent Platformに月額の固定料金はありません。エージェントの部分は「コンピューティング・メモリ・ストレージ」の3つのリソースで課金され、リクエスト数で数える機能もvCPU時間に換算して請求されます(料金ページ)。金額はすべて米ドルです。
Agent Runtimeの単価と毎月の無料枠
| リソース | 毎月の無料枠 | 超過分の単価 | 1年プラン | 3年プラン |
|---|---|---|---|---|
| コンピューティング | 50 vCPU時間 | $0.085 / vCPU時間 | $0.0765 | $0.068 |
| メモリ | 100 GiB時間 | $0.009 / GiB時間 | $0.0081 | $0.0072 |
| ストレージ | 1 GiB月 | $0.30 / GiB月 | $0.27 | $0.24 |
1年・3年の列は、Gemini Enterprise Flexible Savings Planを契約した場合の単価です。無料枠はアカウントごとに毎月適用されます。使用量は秒単位に丸められ、会話のターンとターンの間で次の入力を待っている時間は課金されません。2026年6月中旬まで料金ページに載っていた0.0864ドル(無料枠はプロジェクト単位)は、改定前の単価です。
SessionsとMemory Bankは2026年9月1日から保存量と操作回数で課金
SessionsとMemory Bankは、2026年9月1日から次の方式で課金されています。2026年8月までの料金(Sessionsは保存イベント1,000件あたり0.25ドル、Memory Bankは保存した記憶1,000件あたり月0.25ドル+返した記憶1,000件あたり0.50ドル)は、改定前のものです。
- 保存量:GiB月あたり0.30ドル(Memory Bankは記憶の版履歴も含む)
- 読み取り:300万回ごとに1vCPU時間分(0.085ドル)
- 書き込み:100万回ごとに1vCPU時間分(0.085ドル)
- Memory Bankが記憶を作るときのモデルと埋め込みのトークンは、各モデルの料金で別に請求
このほか、Agent Gatewayを通るAPI呼び出しと認証リクエストは、2026年7月13日から1万5,000件ごとに1vCPU時間分で課金されています。
Agent Searchのクエリ単価と無料枠
Agent Searchの料金は、汎用の従量課金なら1,000クエリあたりStandard版1.50ドル、Enterprise版4.00ドルです。Enterprise版には基本の生成回答が含まれ、フォローアップの提案などを含む高度な生成回答は1,000クエリあたり4.00ドルが加算されます。無料枠は毎月1万クエリ(高度な生成回答は対象外)と、インデックス保存の毎月10GiBです。
月1万会話のエージェントにかかる費用の試算
社内ヘルプデスクを想定し、月1万会話・1会話5ターン・1ターンの処理時間を平均8秒として計算します。処理時間の合計は40万秒、約111時間です。同時実行による重なりを考えない、高めの見積もりです。
| 構成 | vCPU時間 | GiB時間 | 月額(無料枠控除後) |
|---|---|---|---|
| 既定値(4vCPU・4GiB) | 約444 | 約444 | 約$36.6 |
| 1vCPU・2GiBに下げた場合 | 約111 | 約222 | 約$6.3 |
| (参考)毎ターンAgent Search Standardを呼ぶ | – | – | 約$60 |
Sessionsの操作料金は、この規模ではほとんどかかりません。手元のADK 2.12.0で確かめると、ツールを1回呼ぶ質問1つで、セッションには4件のイベント(ユーザー入力・ツール呼び出し・ツールの結果・最終回答)が記録されました。イベント1件を書き込み1回と数えても、5万ターンで20万回、費用は0.02ドルに届きません。費用を左右するのは、コンテナのリソース上限をどこまで下げるかと、検索を毎ターン呼ぶかです。リソース上限の変え方はVertex AI Agent Engine(現Agent Runtime)の使い方で解説しています。
無料で試す方法:300ドルのクレジットとエクスプレスモード
Google Cloudの新規ユーザーには、90日間有効な300ドルの無料トライアルクレジットが付きます。請求先アカウントを作らずに試したい場合は、エクスプレスモードがあります。ただし条件が狭く、プレビュー提供で、@gmail.comのGoogleアカウントだけが対象です。新規ユーザーが90日間・割り当て量の範囲で無料で使え、使えるのは基本的な生成AIサービスと一覧にあるモデルだけで、本記事の手順で使うgemini-3.5-flashは一覧にないため、gemini-2.5-flashなどに置き換えます。300ドルの無料トライアルとエクスプレスモードは別の制度で、無料トライアルの側からエクスプレスモードは使えません。既存のGoogle Cloudユーザーや課金を有効にした人は、この90日の無料枠がなくなります。会社のGoogle Workspaceアカウントで検証するなら、無料トライアルのクレジットを使います。
ADKでエージェントを作りAgent Runtimeへデプロイする手順
ここからは、ADK 2.12.0(PyPI公開日2026年10月13日、Python 3.11以上)で、雛形の作成とローカルでのツール呼び出しは実際に実行し、デプロイは adk deploy agent_engine --help の出力と公式手順をもとに示します。
adk createで雛形を作る
python3.12 -m venv .venv
source .venv/bin/activate
pip install google-adk==2.12.0
adk create helpdesk_app --model gemini-3.5-flash --project my-project --region asia-northeast1
生成されるのは agent.py・__init__.py・.env・.gitignore の4ファイルです。.env には GOOGLE_GENAI_USE_ENTERPRISE=1 とプロジェクト・リージョンが書き込まれ、モデルの呼び出し先がAgent Platformになります。この環境変数が残ったままAPIキーだけを渡すと、意図せずAgent Platform側へ送られる点に注意が必要です。環境変数の優先順はGoogle Gen AI SDKの導入とAgent Platform切替で解説しています。
モデルとリージョンの組み合わせにも制約があります。gemini-3.8-flashのモデルページでは提供場所がglobalとマルチリージョンのus・euだけで、asia-northeast1はありません。東京を指定するなら、提供場所にasia-northeast1を含むgemini-3.5-flash(2026年5月19日GA)を選びます。この記事の例もgemini-3.5-flashにしています。
ツールを持つエージェントをagent.pyに書く
from google.adk.agents import Agent
def search_faq(query: str) -> dict:
"""社内FAQを検索して該当箇所を返す。"""
# 実装ではAgent Searchや社内APIを呼ぶ
return {"answer": "経費精算は申請から5営業日以内に振り込まれます。"}
root_agent = Agent(
name="helpdesk_agent",
model="gemini-3.5-flash",
instruction="社内FAQの検索結果だけを根拠に日本語で答える。根拠がなければ不明と答える。",
tools=[search_faq],
)
Python関数をそのまま tools に渡すと、docstringがツールの説明としてモデルに渡ります。ADK 2.12.0で宣言を取り出すと、説明欄は「社内FAQを検索して該当箇所を返す。」になっていました。モデルはこの説明を読んでツールを呼ぶかを決めるため、docstringは「何を受け取り何を返すか」まで具体的に書きます。手元では adk run helpdesk_app で端末から、adk web . でブラウザから対話して確かめます。
adk deployでAgent Runtimeへ出す
adk deploy agent_engine \
--project=my-project \
--region=asia-northeast1 \
--display_name=helpdesk \
helpdesk_app
ADK 2.12.0では、以前必要だった --staging_bucket は「Deprecated. This argument is no longer required or used.」と表示され、ヘルプ上は指定不要とされています。既存のエージェントを更新するときは、--agent_engine_id にリソースIDを渡す形です。何も指定しないときの既定値は、最小インスタンス数1、最大100、1コンテナ4vCPU・4GiB、同時実行数9です。最小インスタンス数を増やしてもアイドル時間は課金されませんが、これはプレビュー中の扱いで今後変わる可能性があると公式に書かれています。
Agent Studioで画面からエージェントを設計する手順
コードを書かずに組みたい場合は、Agent Studioのエージェント設計を使います。公式ページの手順は次のとおりです。
- プロジェクトで「Agent Platformユーザー」(
roles/aiplatform.user)のロールを付与してもらう - コンソールの[Agents]ページで[Create agent]を押し、作りたいエージェントの目的をプロンプトで書くか、フロービルダーで組む
- 名前・説明・指示・モデル・ツールを設定し、必要ならサブエージェントを足す
- [Save]で保存してから[Preview]タブで対話し、イベントごとの入出力を確かめる
- [Get code]でADKのコードを書き出すか、画面からAgent Runtimeへデプロイする
保存しないとエージェントのID(Agent Identity)が発行されず、プレビューもデプロイもできません。サブエージェントにはAgent Registryに登録済みのエージェントも指定できます。その場合、書き出したPythonコードには AgentRegistry.get_remote_a2a_agent の呼び出しが入ります。
国内案件で見落としやすいのは保存先です。同じページに「作成したエージェントの設定ファイルはすべてus-west1リージョンに保存される」とあり、組織のポリシーでリソースの場所を制限していると作成できないことがあります。データを国内に置く要件があるなら、本番はADKで書き、東京リージョン(asia-northeast1)を指定してAgent Runtimeへデプロイする構成にしてください。モデルの推論場所はモデル側のエンドポイント設定で決まるため、使うモデルがどこで処理されるかも別に確かめます。Agent Studio自体の画面操作とプロンプトの試作はVertex AI Studio(現Agent Studio)の使い方で扱っています。
MCPとA2Aで外部ツールや別エージェントとつなぐ設定
Agent Platformのエージェントは、MCP(Model Context Protocol)でツールに、A2A(Agent2Agent)で別のエージェントにつなぎます。
Google CloudのリモートMCPサーバーにつなぐ
Google Cloudは、自社サービスを操作するリモートMCPサーバーを提供しています。対応製品の一覧には、BigQuery(https://bigquery.googleapis.com/mcp)、Spanner、Cloud Run、Agent Registryなどが並び、Agent Platform自身のMCPサーバーも4月22日にGAになりました。MCPの概要ページによれば、対応するMCPの仕様はバージョン2026-07-28です。自社のAPIをMCPサーバーにするなら、ApigeeかCloud Runで公開し、Agent Registryに登録して社内カタログで管理できます。Agent Studioでノード単位のツールとしてAgent RegistryのMCPサーバーを使う場合は、先にエージェントを保存しておく必要があります。
A2Aで別のエージェントをサブエージェントとして呼ぶ
Agent Registryは6月18日のGA時点でA2Aプロトコルのバージョン1.0に対応し、旧0.3形式のエージェントカードも引き続き扱えます。Agent Studioで登録済みのエージェントをサブエージェントにすると、親エージェントはそのエージェントカードの内容をもとに、処理の振り分け先を決める仕組みです。親エージェントのIDには、サブエージェントを見つけて呼び出す権限が必要です。
Vertex AI Agent Builderを採用すべき条件と避ける場面
Agent Platformを選ぶべきなのは、データがBigQueryやCloud Storageにあり、IAM・監査ログ・VPC Service ControlsでAIの利用を統制したい組織です。エージェントのID、通信の入口、社内カタログまでGoogle Cloudの中でそろうため、データとIAMをGoogle Cloudに置いている組織は統制を1か所にまとめられます。ADKの開発やAgent Runtimeでの運用を外部に任せる場合は、一創のAIエージェント開発でも相談を受けています。
逆に、次の場面では別の選択肢を先に検討してください。
- Microsoft 365とTeamsが業務の中心:社員が使うエージェントを画面で作るなら、Copilot Studioのほうが社内のデータとアカウントへの接続の手間が少なく済みます。
- AWSで動いている業務システムが中心:Amazon Bedrock AgentCoreとの料金と上限の比較はAgentCore比較:Google Agent Runtime・Foundryとの違いにまとめています。
- Agent Studioだけで本番まで完結させたい:エージェント設計はプレビューで、設定ファイルはus-west1に保存されます。本番の作り込みはADKのコードへ移す前提で使ってください。
- 1つのモデルを呼ぶだけのチャットボット:ツールも会話履歴の管理も要らないなら、Gen AI SDKでモデルを直接呼ぶほうが部品も費用も少なくて済みます。
よくある質問
Vertex AI Agent BuilderとGemini Enterprise Agent Platformは同じものですか?
Agent Builderは、現在はGemini Enterprise Agent Platformの一部です。2026年4月22日のリリースノートで「Agent Builder is now part of Gemini Enterprise Agent Platform」と案内され、Agent EngineはAgent Runtimeに改称されました。コンソールのブックマークや旧製品ページは自動で転送されます。
Vertex AI Agent Builderの料金はいくらですか?
月額の固定料金はなく従量課金です。Agent Runtimeは毎月50vCPU時間・100GiB時間まで無料で、超過分はvCPU時間あたり0.085ドル、GiB時間あたり0.009ドルです。SessionsとMemory Bankは2026年9月1日から保存量(GiB月0.30ドル)と操作回数で課金されます。モデルのトークン料金とAgent Searchのクエリ料金は別にかかります。
Vertex AI Agent Builderは無料で使えますか?
Agent Runtimeの毎月の無料枠(50vCPU時間・100GiB時間)の範囲ならランタイムの費用はかかりませんが、モデルのトークン料金は別に発生します。新規ユーザーには90日間有効な300ドルのクレジットがあり、トークン料金も含めて試せる仕組みです。@gmail.comのアカウントなら、請求先を登録しないエクスプレスモード(プレビュー)でも、90日間・割り当て量の範囲で試せます。
Vertex AI Agent Builderの使い方を最短で知るにはどこから始めればよいですか?
コードを書けるならADKを入れて adk create で雛形を作り、adk web . で対話して確かめ、adk deploy agent_engine でAgent Runtimeへ出すのが最短です。コードを書かない場合は、Agent Studioのエージェント設計で組んでから[Get code]でADKのコードを書き出します。
Vertex AI Agent BuilderはMCPに対応していますか?
対応しています。BigQueryなどGoogle Cloudの各サービスがリモートMCPサーバーを提供しており、Agent Platform自身のMCPサーバーも2026年4月22日にGAになりました。自社のMCPサーバーはApigeeかCloud Runで公開し、Agent Registryに登録して管理します。