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Apidogとは?機能・使い方・料金とPostmanとの違い【2026年9月】

Apidogとは?機能・使い方・料金とPostmanとの違い【2026年9月】

Apidog(エイピードッグ)は、API仕様の設計、リクエストのデバッグ、モックサーバー、自動テスト、ドキュメント公開を1つのプロジェクトの中でつなぐAPI開発プラットフォームです。提供元は米国デラウェア州法人のApidog, Inc.で、2026年9月時点では4人まで無料で使えます。この記事では、何ができるのか、OpenAPIやPostmanのデータをどう持ち込むのか、CIでテストを回すまでの手順、料金、Postmanとの違いを、公式ドキュメントとnpmの公開情報をもとに整理します。

まとめ:Apidogを選ぶかどうかの判断材料

  • Apidogの中心はAPI仕様です。仕様からリクエスト、モックの応答、レスポンス検証、公開ドキュメントを作るので、Swagger UI・Postman・モックサーバーを別々に保守する手間が減ります。
  • 無料プランは最大4ユーザーまでです。有料はBasic・Professional・Enterpriseの3つで、年払いの月額換算は1ユーザーあたり9ドル・18ドル・27ドル。Postmanは無料が1ユーザーで、チーム利用はTeam(1ユーザー19ドル)からです。
  • OpenAPI 3.0/3.1とSwagger 2.0を読み込み、3.1/3.0/2.0で書き出せます。Postmanのコレクション・環境・スクリプトも移行できます。
  • CIで回すときは npm install -g apidog-cli で入るCLIの apidog run を使います。2026-09-23公開の2.2.11が最新です。
  • SaaSのGlobal版では、仕様とテストシナリオが米国のAWSに保存されます。Europe版の保存先は欧州です。社外クラウドに仕様を置けない案件は、オンプレミス版かオフライン専用のOffline Spaceを検討します。

Apidogの位置づけ:仕様を起点に開発工程をつなぐツール

Apidogは、仕様を書くDesign-firstと、リクエストを送るRequest-firstの両方に対応しています。この記事では、仕様を起点に設計・モック・テストをつなぐ使い方を中心に説明します。公式ドキュメントは、API設計者・バックエンド・QA・フロントエンド・ドキュメント担当が同じ仕様を見て作業する流れを想定しています。フロントエンドは仕様から生成されるモックで先に画面を作り、バックエンドは同じ仕様に対してレスポンスを自動検証する、という並行開発です。この進め方自体はスキーマファースト(OpenAPI起点の並行開発)と同じ考え方で、Apidogはそれを1つの画面に収めた製品といえます。

提供形態は3つあります。標準のSaaS(Global版。データは米国のAWS)、欧州向けのApidog Europe(本番はAWSアイルランド、バックアップはAWSドイツ)、自社サーバーに置くオンプレミス版です。アプリはWindows・macOS・Linux向けのデスクトップ版とWeb版があり、公式の変更履歴では2026-09-24公開の2.8.49が先頭に載っています。

名前が似た「apiDoc」との違い

検索では「apidoc」と打たれることがありますが、apiDocは別のオープンソースです。ソースコード中のコメントからAPIドキュメントを生成するNode.js製ツールで、npmの最新版は2023-08-23公開の1.2.0、GitHubリポジトリはアーカイブ済み(READMEに「現在はメンテナンスされていない」と明記)です。Apidogとは開発元も用途も異なります。ApidogのCLIはapiDoc形式のデータを取り込み対象に含めているため、apiDocで作った古いドキュメントをApidogへ移す経路はあります。

Apidogの主要機能:設計・デバッグ・モック・テスト・公開

API設計とデータスキーマの再利用

エンドポイントごとにメソッド・パス・パラメータ・リクエストボディ・レスポンスをフォームで定義し、共通のデータ構造はスキーマとして切り出して複数のエンドポイントから参照します。内部表現はOpenAPIと対応しているので、書き出せば仕様書としてそのまま使えます。OpenAPIの書き方そのものはOpenAPIの仕様書の書き方と3.0・3.1・3.2の差分で解説しています。

プロジェクト作成時には「General Mode」と「Spec-first Mode(ベータ)」を選びます。仕様ファイルをGitで管理して正本にしたいならSpec-first Modeです。この選択は作成後に変更できないため、既存のOpenAPIファイルを取り込む前に決めておきます。

デバッグとレスポンスの自動検証

定義したエンドポイントに実際のリクエストを送ると、返ってきたレスポンスが仕様どおりか(型・必須項目など)を自動で照合します。逆に、先にリクエストを送ってから、その内容を仕様として保存することもできます。前処理・後処理では、JavaScriptのスクリプト、ビジュアル操作でのアサーションと変数抽出、データベースへの接続(テストデータの投入や結果の確認)が使えます。

モック:Smart Mock・Cloud Mock・Self-Hosted Runner Mock

Smart Mockは追加設定なしで仕様から応答データを作ります。値の決め方には優先順位があり、1番目はフィールドに書いたMock値、2番目はプロパティ名との一致(email ならメールアドレス風の値)、3番目はJSON Schemaの型と制約です。固定の応答や、リクエスト条件で応答を切り替えたい場合はCustom Mockで期待値を定義します。

モックの置き場所も選べます。手元のアプリで動くローカルモックはPCを閉じると止まりますが、Cloud Mockはチームで同じURLを24時間使えます。社内ネットワークの中だけでモックを動かしたい場合は、自社サーバーに置いたSelf-Hosted Runnerがリクエストを処理します。

テストシナリオの連続実行とデータ駆動テスト

複数のリクエストを順番に並べ、前のレスポンスから取り出した値(トークンやIDなど)を次のリクエストに渡すテストシナリオを、画面上で組み立てられます。反復回数やCSV・JSONのテストデータを与えたデータ駆動テストにも対応しています。シナリオに必要な機能の考え方はAPIのシナリオテストに求められる機能で整理しています。

ドキュメント公開とMCP Server

仕様からインタラクティブなドキュメントサイトを公開できます。既定では非公開で、公開する場合もパスワードやIPアドレスの許可リストで閲覧者を絞れます。静的なHTMLやMarkdownとしても書き出せますが、PDFやWordへの直接出力はありません(公式はMarkdownからPandoc等で変換する手順を案内しています)。

ベータのApidog MCP Server(npmパッケージ apidog-mcp-server)を使うと、CursorなどMCP対応のエディタからAIがApidogの仕様を読み、DTOの生成や、仕様に合わせたDTOへのフィールド追加に使えます。仕様はローカルにキャッシュされるため、Apidog側で仕様を変えたらAIに再読み込みさせる必要があります。

Apidogの使い方:インストールから移行・CI組み込みまで

デスクトップ版とWeb版の選び方

公式サイトからOS別のインストーラーを取得するか、ブラウザでWeb版を開き、アカウントを作成します。Web版とブラウザ拡張はブラウザのセキュリティ制約を受けます。Cookie や Host などのヘッダーはブラウザが送らせず、証明書エラーも無視できません。公式FAQは、デスクトップ版では通るリクエストがWeb版で「Unable to request address」になる原因として、証明書の扱いとネットワーク制限を挙げています。ローカル環境や社内のAPIを相手にするならデスクトップ版を選びます。ネットに接続しない環境向けに、デスクトップ版には「Offline Space」(ベータ)があり、データを端末内だけに保存してデバッグできます。ただしクラウドのプロジェクトとは同期しません。

OpenAPIとPostmanからのインポート

既存のOpenAPI(Swagger)ファイルは、JSONかYAMLでOpenAPI 3.0・3.1・Swagger 2.0を読み込めます。URLで取り込む場合は、Swagger UIの画面ではなく swagger.json などの生ファイルのURLを指定します。GitHub(Enterprise Cloudを含む)・GitLab・Bitbucket Cloud・Azure DevOpsとのGit Connectionを設定すれば、定期的な取り込みと、仕様ファイルのリポジトリへの自動バックアップ(夜間に実行)もできます。

Postmanからは、ファイルかPostman APIのどちらかで移行します。対応関係は次のとおりです。

Postman Apidogでの受け皿
Workspace Project
Collection ProjectまたはModule
Request API Endpoint
Environment Environment
Collection Variable Module Variable
Pre-request Script Pre-processor
Tests / Post-response Script Post-processor

{{baseUrl}} や {{token}} を環境変数やグローバル変数で定義している場合、コレクションだけを取り込むと未解決のまま残ります。公式が勧めるとおり、コレクション・環境・グローバル変数のファイルを一緒に取り込みます。

apidog-cliによるテストシナリオのCI実行

CLIはNode.js(v16以上)で動くnpmパッケージです。インストール後、アクセストークンとシナリオID・環境IDを指定して実行します。CLIは既定で変数の初期値を使うため、アプリの現在値が必要な場合は、書き出した変数ファイルを--variablesで指定します。

npm install -g apidog-cli
apidog -v
apidog run --access-token $APIDOG_ACCESS_TOKEN -t <シナリオID> -e <環境ID> -r cli,junit

-r のレポート形式は cli・html・json・junit から選べます。CIの結果画面に出すならJUnit形式が扱いやすく、出力先は既定で ./apidog-reports です。全オプションは公式のApidog CLI Commands & Optionsに一覧があります。apidog-cli 2.2.11をnpmで入れて確認したところ、トークンが無効な場合は「Invalid access token.」を出して終了コード1で止まり、CIのジョブもそこで失敗になります。

GitHub Actionsの設定は、Apidogの「Tests」→「CI/CD」タブで環境や反復回数を選ぶと生成されます。要点だけを抜き出すと次の形です。シナリオIDと環境IDのプレースホルダーは、山括弧ごと実際のIDに置き換えます。トークンはリポジトリのSecretsに登録し、YAMLに直接書かないでください。

name: api-tests
on: [push, pull_request]
jobs:
  apidog:
    runs-on: ubuntu-latest
    steps:
      - uses: actions/setup-node@v7
        with:
          node-version: 22
      - run: npm install -g apidog-cli
      - run: apidog run --access-token ${{ secrets.APIDOG_ACCESS_TOKEN }} -t <シナリオID> -e <環境ID> -r cli,junit

Apidog Europeのプロジェクトを実行するときも同じパッケージを使い、--api-base-url https://api.eu.apidog.com を付けます。

Apidogの料金プランと無料版で使える範囲

2026年9月時点のプランは4つです。金額は1ユーザーあたりの月額(ドル)で、有料プランは参加メンバー全員分が課金されます。

プラン 年払い(月額換算) 月払い 主な対象
Free 0 0 4ユーザーまで
Basic 9 12 小規模チーム
Professional 18 24 中規模チーム
Enterprise 27 公式で確認 SSO・大規模組織

公式ブログの比較記事は、Freeプランを「4ユーザーまで・実行回数とモックの回数に上限なし・期限なし」と説明しています。有料プランへアップグレードすると14日間の無料トライアルが自動で付き、トライアル中に解約すれば課金されません。メンバーの増減は月単位で見直され、月途中の追加は日割りで請求されます。利用規約上、支払いは米ドルか日本円です。プランごとの機能差(SSOや権限管理の範囲など)は改定されることがあるため、契約前にApidogの料金ページで確認してください。

ApidogとPostmanの違い:無料で使える人数・料金・モック・設置形態

両者は機能の一覧だけ見るとほぼ重なり、どちらも仕様を書く作業とリクエストを送る作業の両方をこなせます。違いが出るのは、作業の中心に何を置くかと、チームで使うときの課金です。

比較軸 Apidog Postman
作業の中心 API仕様(Request-firstも可) リクエストとコレクション
無料プランの人数 4ユーザーまで 1ユーザー
チーム向け最安(年払い) Basic 9ドル/ユーザー Team 19ドル/ユーザー
モック 仕様から自動生成 例(Example)を登録して返す
CLI apidog-cli Postman CLI・Newman
自社環境への設置 オンプレミス版あり SaaSのみ

Postmanは2026年3月1日に料金体系をFree・Solo・Team・Enterpriseへ改定しました。現在の公式料金ページでは、年払いの月額換算はSoloが9ドル、Teamが1ユーザー19ドルで、Enterpriseは営業担当への問い合わせが必要です。Freeは1ユーザー向けのプランになりました。3〜4人のチームで無料のまま共同作業を始めたい場合、選択肢はApidogのほうに残っています。逆に、Postmanのコレクションやnewmanを使ったCIの資産が大きく、社外APIの挙動を確かめる作業が中心なら、移行の手戻りを負ってまで乗り換える理由は薄くなります。Chrome拡張だけで済ませたい場合のTalend API Testerの使い方とFree Editionの制限はTalend API Testerの使い方:Free Editionの制限とCI化・Postman比較で扱っています。Postman側の使い方とNewmanでのCI組み込みはPostmanとは?APIテスト自動化とNewmanでのCI組み込み、PostmanのAI機能はPostman AI(Agent Mode・Flows・MCP)の解説にまとめています。

Apidogを採用しない方がよい場面と移行時の注意点

仕様・モック・テストをチームで1か所にまとめたいなら、Apidogは有力な候補です。ただし移行作業と保守の工数も見込んだうえで、次の条件に当てはまる場合は導入を見送るか、構成を工夫してください。

  • 仕様を社外クラウドに置けない案件:SaaS版では仕様・テストシナリオ・プロジェクト設定がクラウドに保存されます。環境変数・グローバル変数の「現在値」とVault Secretsは、クラウドに同期されず端末内に保存されます(公式のUser Data Privacy and Security)。発注元のセキュリティ規程で禁止されているなら、オンプレミス版の見積もりを取るか、共有しないOffline Spaceに限定します。
  • OpenAPIファイルをGitのプルリクエストでレビューしている組織:General Modeでは正本がApidog側に移り、Git連携は夜間の自動バックアップです。レビュー文化を崩したくなければSpec-first Mode(ベータ)を選ぶか、仕様はGitに置いたままApidogを「取り込んで使う側」に留めます。
  • いつでも他ツールへ戻せる状態を保ちたい場合:OpenAPIとPostman形式で書き出せますが、同じメソッドとパスを持つエンドポイントが複数あると書き出し時に落ちます(OpenAPIがメソッド+パスの一意性を要求するため)。Apidog上で同じパスの派生版を作る運用は避け、定期的にOpenAPIとして書き出しておきます。
  • Postmanのスクリプト資産が大きい場合:公式は互換性を掲げていますが、コレクション単位で移行し、CLIで同じシナリオが通るかを確かめてから切り替えます。公式FAQにも、クライアントでは通るシナリオがCLIやRunnerで失敗するケースが項目として載っています。

API仕様書そのものに何を書くべきかはAPI設計書の書き方と記載項目チェックリストを参照してください。Apidogはその内容を入れる器であり、記載項目を決めてくれるわけではありません。

Apidogに関するよくある質問

Apidogは無料で使えますか?

使えます。Freeプランは最大4ユーザーまでで、期限はありません。5人目以降を加える場合や上位機能が必要な場合は、年払いで1ユーザー月9ドルのBasicから有料になります。

ApidogはMacやLinuxでも使えますか?

使えます。デスクトップ版はWindows・macOS・Linux向けに提供され、インストール不要のWeb版もあります。ローカルのAPIを叩く用途では、ブラウザの証明書やヘッダーの制約を受けないデスクトップ版が確実です。

PostmanのコレクションはApidogに移行できますか?

移行できます。コレクション、フォルダ、リクエスト、環境、コレクション変数、グローバル変数、Pre-requestスクリプト、Testsスクリプトが取り込み対象です。変数を解決させるため、コレクションと環境・グローバル変数のファイルを一緒に取り込みます。

Apidogとapidocは同じものですか?

別物です。apiDocはソースコードのコメントからAPIドキュメントを作るオープンソースで、2023年8月の1.2.0を最後に更新が止まり、リポジトリはアーカイブされています。ApidogはApidog, Inc.が提供する商用のAPI開発プラットフォームです。

Apidogのテストをコマンドラインで実行できますか?

できます。npm install -g apidog-cli でCLIを入れ、apidog run --access-token … -t シナリオID -e 環境ID で実行します。GitHub Actions・GitLab CI・Jenkins向けの設定はApidogの「CI/CD」タブで生成できます。

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