AmiVoice APIとは?料金・精度・感情分析・対応言語を解説【2026年最新】
AmiVoice APIは、株式会社アドバンスト・メディアが提供するクラウド型の音声認識Web APIです。25年以上の日本語音声認識の蓄積を背景に、汎用エンジンと、医療・電子カルテ・金融・保険といった領域に特化したエンジンをそろえているのが特徴です。この記事では、料金の考え方(発話区間だけに課金する従量制)、認識精度、感情分析オプション、対応言語、国内運用によるセキュリティ、そしてSDKやAWS Marketplaceでの導入方法までを、公式ドキュメントの一次情報にもとづいて整理します。
まとめ:AmiVoice APIの要点
- 料金:録音全体ではなく発話区間だけに課金する1秒単位の従量制。汎用エンジンで1時間99円(税込)~(非同期HTTP+ログありなら79.2円~)、全エンジン毎月60分まで無料。
- 認識精度:日本語に強く、新世代のエンドツーエンド型は数字・英字・短い発話で精度が上がりやすい。専門用語はカスタム辞書で補強する。
- 対応言語:日本語・英語・中国語・韓国語の4言語。多言語エンジンは日英中を同時認識できる。
- 感情分析:ES JapanのESASエンジンを組み込んだオプション。声の物理特徴から約2秒ごとに20の感情パラメータを返す(現状はAPI v1・非同期HTTPのみ)。
- セキュリティ:国内で開発・運用され、音声データが海外に出ない。医療・金融など国内のコンプライアンス要件に向く。
- 導入:公式クライアントライブラリ(GitHub)とAWS Marketplace経由で始められる。
以下で、料金・精度・感情分析・言語・セキュリティ・導入方法の順に、判断に必要な具体を見ていきます。
AmiVoice APIとは|提供元とエンジンの仕組み
AmiVoice APIは、アドバンスト・メディアの音声認識エンジンを、AmiVoice Cloud Platform上でWeb APIとして呼び出せるようにしたサービスです。音声データを送るとテキストが返り、用途に応じて感情分析などの解析を追加できます。同社は医療・電子カルテ・保険・金融向けの領域特化エンジンで国内シェアの高さを訴求しており、この「業界チューニング済みエンジン」が汎用の文字起こしサービスとの主な違いになります。
エンドツーエンド型とハイブリッド型の2世代エンジン
エンジンは大きく2世代に分かれます。新世代のエンドツーエンド型(エンジン名が -a2- で始まる)は、深層学習で音声から直接テキストを推定し、数字・英字・短い発話の認識に強いのが公式の説明です。従来型のハイブリッド型(-a- で始まる)は音響モデルと言語モデルを組み合わせた統計方式で、会話系・音声入力系のバリエーションが豊富です。たとえば日本語のリアルタイム認識は -a2-ja-general、バッチ処理は -a2b-ja-general、日本語・英語・中国語を同時に扱う多言語エンジンは -a2-multi-general を指定します。氏名専用の -a-name-input-private、住所専用の -a-address-input-private など、入力対象を絞った専用エンジンも用意されています。サンプリングレートは8kHz・16kHzに対応します。
AmiVoice APIの料金|発話区間だけに課金する従量制
AmiVoice APIの料金設計でまず押さえるべきは、録音した時間ではなく「発話のあった区間」だけに課金する点です。無音区間は課金対象外で、計上は1秒単位(切り上げ計算なし)。使った分だけ支払うため、通話の待ち時間や間が多い音声ほど、録音尺ベースの課金より有利になります。全エンジンを毎月60分まで無料で試せるので、自社音声での精度検証もコストをかけずに行えます。
エンジン別の料金目安
料金はエンジン種別と、ログ保存の有無・利用インターフェース(同期/非同期HTTP、WebSocket)で変わります。同じ汎用エンジンでも、リアルタイム向けのWebSocket/同期HTTPは1時間99円(税込・ログあり)~、バッチ向けの非同期HTTPはログありで79.2円~と、非同期のほうが安く済みます。2026年時点の税込目安は次のとおりで、変動があるため最新は公式の料金ページで確認してください。
| エンジン | 1時間あたり(税込・目安) |
|---|---|
| 汎用(ハイブリッド) | 79.2円(非同期・ログあり)/99円(同期・ログあり)~148.5円(ログなし) |
| 医療・電子カルテ | 148.5円(ログあり)~222.75円(ログなし) |
| 金融・保険・多言語 | 118.8円(ログあり)~148.5円(ログなし) |
| 感情分析オプション | 158.4円 |
「ログあり」は認識結果をプラットフォーム側に保存する設定で、単価が下がる代わりにデータが残ります。機密性の高い音声を扱うなら、単価が上がっても「ログなし」を選ぶ。この判断が実務では効いてきます。領域特化エンジンは汎用より高い一方、専門用語の誤変換を減らせるため、後工程の修正コストまで含めて総額で比較してください。
AmiVoice APIの認識精度と処理速度
音声認識の精度は一般に単語誤り率(WER:Word Error Rate)で測り、値が低いほど正確です。AmiVoiceは日本語に最適化された学習データを持ち、話者ごとの抑揚や話し方の違いに追従します。新世代のエンドツーエンド型は、従来のハイブリッド型が苦手としがちだった数字・英字・短い発話で精度が上がりやすい、というのが公式の位置づけです。具体的なWERは公表されていないため、実運用では前述の無料枠を使い、自社の音声(電話回線の8kHz音声か、収録の16kHz音声か等)で実測してから採用可否を決めるのが確実です。
速度面では、WebSocketインターフェースを使うと発話に追従したリアルタイム認識ができ、字幕表示やコールセンターの応対支援に向きます。録音済みファイルをまとめて処理する場合はバッチ用エンジンと非同期HTTPを使い分けます。
AmiVoice APIの対応言語|日英中韓の4言語
AmiVoice APIが音声認識に対応するのは、日本語・英語・中国語・韓国語の4言語です。ユーザー辞書(後述のカスタム辞書)は日本語・中国語・韓国語で利用でき、英語エンジンはユーザー辞書に対応しません。多言語エンジンを使えば、日本語・英語・中国語が混在する会話でも1つのエンジンで認識できます。
各業界の専門用語や社内固有の表現は、カスタム辞書に単語を登録して認識精度を高められます。医療なら「カテーテル」、IT なら製品名や略語といった具合に、標準エンジンが取りこぼしやすい語を事前登録しておくと、文字起こし後の手直しが減ります。
AmiVoice APIの感情分析オプション|ESASで声から感情を読み取る
AmiVoice APIには、音声の内容ではなく声そのものの物理的な特徴から話者の状態を推定する感情分析オプションがあります。認識リクエストで sentimentAnalysis=True を指定すると有効になります。ここで重要なのは、この機能がAmiVoice自前の言語モデルではなく、ES JapanのESAS(Emotional Signature Analysis Solution)を組み込んでいる点です。ESASはイスラエルNemesysco社の感情分析エンジン「LVA7」を日本向けにチューニングしたもので、声のトーンや強弱などの音響特徴を解析します。
出力は約2秒ごとに、Energy(活力)、Stress(ストレス)、集中、思考、自信、怒り、不満など20種類のパラメータとして返ります。コールセンターでの応対品質の可視化や、面接・問診での状態把握といった用途に使えます。
導入前に必ず確認すべき制約があります。感情分析は現状ではAPI v1、かつ非同期HTTPインターフェースでのみ利用可能で、リアルタイムのWebSocketやv2では使えません(2026年7月時点。v2対応はES Japanが同年7月31日を目標に予定と案内されており、導入前に公式の最新情報を確認してください)。また十分な音量と発話長が必要なため、極端に短い・小さい音声では安定した結果が得られません。リアルタイム性と感情分析を両立させたい設計では、この制約が要件を左右します。なお、声の物理特徴ではなくテキストから極性を判定する一般的な手法や、クラウドAPIごとの仕様差は感情分析の仕組みと導入判断を解説した記事で整理しています。
AmiVoice APIのセキュリティと国内運用
AmiVoice APIは日本国内で開発・運用されており、送信した音声データが海外に出ない点が、国内の官公庁・医療・金融で選ばれる理由になっています。通信はTLSで暗号化され、前述のとおり認識結果をプラットフォームに保存しない「ログなし」運用も選べます。日本の個人情報保護法(APPI)に基づく取り扱いが求められる業務でも、データの所在が国内で完結することはコンプライアンス上の判断材料になります。
より厳格に、外部ネットワークへ音声を出せない環境で使いたい場合は、クラウドAPIとは別に専用環境やオンプレミス型の製品ラインが用意されており、要件に応じて相談する形になります。まずはクラウドAPIで精度を検証し、データ要件が厳しい本番だけ提供形態を見直す。この段階的な進め方なら初期の負担を抑えられます。
AmiVoice APIの導入方法とSDK・クライアントライブラリ
導入経路は主に2つあります。1つはアドバンスト・メディアが公開する公式クライアントライブラリ(GitHubの advanced-media-inc/amivoice-api-client-library)を使う方法です。ファイル音声の認識には Hrp/Hrp.js、リアルタイム認識には Wrp/Wrp.js が用意され、同期HTTP・非同期HTTP・WebSocketの各インターフェースに対応します。iOS(Swift)・Windows(.NET)・Web(JavaScript)向けのサンプルも公開されており、認証キーを取得すれば最初の1件を短時間で動かせます。
もう1つはAWS Marketplace経由の導入で、既存のAWS環境に組み込みやすいのが利点です。Amazon S3に置いた音声を処理し、結果を後続のワークフローに流す、といった構成を取りやすくなります。どちらの経路でも、まず無料枠で自社音声を試し、エンジンとインターフェースを見極めてから本番プランに移すのが失敗の少ない進め方です。他社サービスとの選定を含めて比較したい場合は、文字起こしAPIの比較と選び方もあわせて検討してください。
AmiVoice APIと他の音声認識APIとの違い
汎用的な文字起こしだけが目的なら、Google Cloud Speech-to-TextやOpenAIのWhisper系など、選択肢は複数あります。AmiVoice APIが優位に立つのは、次の条件が絡む場面です。
- 日本語の専門領域:医療・電子カルテ・金融・保険に特化したエンジンとカスタム辞書があり、業界用語の誤変換を抑えやすい。
- 国内データ要件:音声を海外に出せない、国内運用が必須といった制約がある。
- 発話区間課金:無音や待ち時間が多い通話で、録音尺ベースの課金より費用を抑えたい。
逆に、英語中心の処理や、話者分離・要約まで一気通貫で欲しいケースでは他サービスが合うこともあります。話者ごとの書き分けが主目的なら話者分離に対応した音声認識モデル、会議の要約・議事録化が主目的ならChatGPTでの録音・議事録作成のように、要件から逆算して選ぶのが妥当です。
AmiVoice APIの主な導入シーン
実際の導入は、専門用語と正確な記録が重要な現場に集中します。医療では診察の音声をカルテ用テキストにし、専門用語辞書で用語のゆれを抑えます。コールセンターでは応対をリアルタイムで文字化し、感情分析オプションと組み合わせて不満の兆候を検知する使い方があります。会議・議事録では発言を自動でテキスト化して作成負担を軽減し、字幕・映像では発話に追従した字幕を生成できます。いずれも、汎用エンジンで足りるか、領域特化エンジンやカスタム辞書が要るかは、無料枠での実測で見極めてから本番設計に入りましょう。自社の業務に合わせた音声認識の組み込みを検討する場合は、AI音声認識システムの受託開発もご相談ください。
よくある質問
AmiVoiceとは何ですか?
アドバンスト・メディアが提供する音声認識ブランドの総称です。AmiVoice APIはそのクラウド型Web APIで、音声を送るとテキスト化し、感情分析などの解析を追加できます。日本語に強く、医療・金融などの領域特化エンジンを持つのが特徴です。
AmiVoice APIの料金はいくらですか?
発話区間だけに課金する1秒単位の従量制で、汎用エンジンは1時間99円(税込)~です。医療などの領域特化エンジンや、ログ保存の有無・利用インターフェースで単価が変わります。全エンジン毎月60分まで無料のため、まず無料枠で試せます。
感情分析はどんな仕組みですか?
ES JapanのESAS(NemesyscoのLVA7ベース)を組み込んだオプションで、声の音響特徴から約2秒ごとに20種類の感情パラメータを返します。現状はAPI v1・非同期HTTPのみの対応で、リアルタイムのWebSocketでは利用できません。
対応言語は何ですか?
音声認識は日本語・英語・中国語・韓国語の4言語に対応します。多言語エンジンは日本語・英語・中国語を同時に認識できます。ユーザー辞書は英語を除く3言語で利用できます。
オンプレミスやSDKでも使えますか?
クラウドAPIの導入は公式クライアントライブラリ(GitHub)やAWS Marketplace経由で行えます。外部に音声を出せない環境向けには、クラウドとは別に専用環境・オンプレミス型の製品ラインがあり、要件に応じて相談する形になります。