Anthropic API(Claude API)は、Anthropic社のClaudeを自社のアプリやシステムから呼び出すための開発者向けAPIです。料金は使ったトークン数に応じた従量課金で、2026年10月24日時点の単価は100万トークンあたり、Claude Sonnet 5.5が入力2ドル・出力10ドル、Claude Haiku 5.5が入力0.10ドル・出力0.50ドル(プロンプト10万トークン以下)です。APIキーはClaude Console(旧console.anthropic.com、現在はplatform.claude.com)で発行し、Consoleの組織にあるクレジット(購入分・新規ユーザー向けの無料分・Max/Teamの付属分)から利用料が引かれます。ClaudeのMaxプランとTeamプランには、毎月のAPIクレジットも付くようになりました。この記事では、モデル別の単価、月額の試算、APIキーの発行、無料枠と支払い、月額上限、最初の呼び出し、2026年10月21日に公開されたAPIバージョンの変更点までを、公式ドキュメントの記述に沿って整理します。
まとめ:Anthropic APIの料金とAPIキーの要点
- 課金方式:入力トークンと出力トークンの従量課金です。出力は入力の5倍の単価で、月額の基本料はありません。
- 主要モデルの単価(100万トークンあたり・米ドル):Fable 5.1が10ドル/50ドル、Opus 5.5が4ドル/20ドル、Sonnet 5.5が2ドル/10ドル、Haiku 5.5が0.10ドル/0.50ドル。Haiku 5.5はプロンプトが10万トークンを超えると、そのリクエスト全体が0.50ドル/2.50ドルになります。
- APIキー:Claude Consoleの API keys ページ(platform.claude.com/settings/keys)で発行します。
sk-ant-で始まるキーは作成時に1回しか表示されません。 - 無料枠:新規ユーザーには少額の無料クレジットが付くと公式FAQにありますが、金額は書かれていません。無料分やMax・Teamの付属分を超えて使うときはクレジットを購入します(営業経由の後払い契約もあります)。購入したクレジットは1年で失効し、返金できません。
- サブスクとの関係:Max 5xは月100ドル、Max 20xは月200ドル、Teamは席数に応じて最大月500ドルのAPIクレジットを受け取れます。ProとEnterpriseは対象外で、このクレジットはClaude Codeには使えません。
- 月額上限:組織ごとにStart(500ドル)・Build(1,000ドル)・Scale(20万ドル)の上限があり、到達すると翌月1日0時(UTC)まで止まります。
- APIバージョン:2026年10月21日に
2026-10-21が公開され、temperatureなどが削除されました。Python SDKは2.0.0以降がこの版を送り、APIキーをAuthorization: Bearerヘッダーで送ります。
Anthropic APIの料金体系とモデル別単価
Anthropic APIの料金は、リクエストで送った入力トークンと、Claudeが生成した出力トークンの合計で決まります。料金表の「MTok」は100万トークンを指し、「5ドル / MTok」なら100万トークンで5ドルです。支払いはすべて米ドル建てです。
現行モデルの単価表(2026年10月24日時点)
| モデル | API ID | 入力 | 出力 | キャッシュ読み取り | Batch 入力/出力 |
|---|---|---|---|---|---|
| Claude Fable 5.1 | claude-fable-5-1 | $10 | $50 | $0.25 | $5/$25 |
| Claude Opus 5.5 | claude-opus-5-5 | $4 | $20 | $0.20 | $2/$10 |
| Claude Sonnet 5.5 | claude-sonnet-5-5 | $2 | $10 | $0.10 | $1/$5 |
| Claude Haiku 5.5(10万トークン以下) | claude-haiku-5-5 | $0.10 | $0.50 | $0.01 | $0.05/$0.25 |
| Claude Haiku 5.5(10万トークン超) | claude-haiku-5-5 | $0.50 | $2.50 | $0.05 | $0.25/$1.25 |
出典はAnthropic公式の料金ページで、単位はいずれも100万トークンあたりの米ドルです。Sonnet 5.5は2026年9月28日、Haiku 5.5は10月7日に公開されました。公式のモデル一覧は、迷ったらOpus 5.5から始めるよう勧めています。Haiku 5.5は分類・抽出・振り分けのような大量処理向けです。各モデルの違いはClaude Sonnet 5.5の解説、Claude Haiku 5.5の解説、Claude Opus 5.5の解説で扱っています。
Haiku 5.5の10万トークン境界と旧モデルの単価
Haiku 5.5だけは、プロンプトの長さで単価が変わります。判定に使うのは、キャッシュ読み取りと書き込みを含む全入力トークンです。10万トークンを1つでも超えたリクエストは、出力も含めて高い方の単価で課金されます。一部がキャッシュに命中していても同じです。後述の試算コードで計算すると、出力500トークンのリクエスト1回の料金は、入力10万トークンでは約0.0103ドル、10万1トークンでは約0.0513ドルで、約5倍になります。長い文書を丸ごと渡す処理では、分割して10万トークン以下に収めるかどうかで料金が大きく変わります。
旧世代のモデルも引き続き使えます。Sonnet 5は2ドル/10ドル(キャッシュ読み取り0.20ドル)、Opus 5は5ドル/25ドル、Sonnet 4.6は3ドル/15ドル、Haiku 4.5は1ドル/5ドルです。ネット上に残る「入力15ドル・出力75ドル」はClaude Opus 4.1の単価で、Opus 4.1は2026年8月5日にClaude APIでの提供を終えました。Claude Sonnet 4.5は2026年11月30日に提供終了予定です(公式の廃止スケジュール)。Haiku 4.5の提供終了日は「2026年10月15日より前ではない」とだけ書かれており、具体的な日付はまだ出ていません。
Claude.aiの月額プランとの違いとMax・Teamの付属APIクレジット
チャット画面で使うClaude.aiの有料プランと、Anthropic APIは別の製品で、請求も別です。ただし2026年10月時点では、MaxプランとTeamプランに毎月のAPIクレジットが付きます。claude.aiの請求設定からClaude Consoleの組織を連携すると受け取れます(公式の説明ページ)。
| プラン | 毎月のAPIクレジット |
|---|---|
| Max 5x | 100ドル |
| Max 20x | 200ドル |
| Team(Standard席) | 1席20ドル(組織で合算、上限500ドル) |
| Team(Premium席) | 1席100ドル(組織で合算、上限500ドル) |
| Free・Pro・Enterprise | 対象外 |
使える範囲は、Claude API、Claude Managed Agents、Claude Agent SDK、Consoleのplaygroundです。Claude Code、Claudeアプリの追加使用量、Amazon Bedrockなど他社クラウド経由のClaudeには使えません。未使用分は請求サイクルの終わりに失効し、翌月に繰り越せません。購入したクレジットより先に消費されます。新規契約から7日たつまでは受け取れず、連携先の組織は自分では変更できないため、開発に使う組織を選んでから連携します。連携した組織は少なくともStartティアに上がり、月のクレジットが200ドルを超えるとBuildティア以上になります。サブスク側の料金体系はClaude(クロード)の料金プランの解説、Claude Codeをサブスクで使うかAPIで使うかの判断はClaude Codeの料金プラン比較にまとめています。
Claude Codeは2つの課金経路を持つため注意が必要です。ProやMaxでログインしていても、環境変数 ANTHROPIC_API_KEY が設定されていれば、承認後はAPIキーが優先され、API単価で課金されます。サブスクの枠で使うつもりなら unset ANTHROPIC_API_KEY を実行し、/status でどちらの認証が有効かを確かめます。切り替え方はClaude Codeのログイン方法で解説しています。
月額料金の試算方法
月額は「1回あたりの入力・出力トークン数 × 回数 × 単価」で出せます。次のスクリプトは、1日1,000回・入力2,000トークン・出力500トークンの問い合わせ応答を30日動かした場合の概算です。Haiku 5.5の10万トークン境界と、最低キャッシュ長(4モデルとも512トークン)も計算に入れています。
# 月額の概算(USD)。単価は 2026-10-24 時点の公式 Pricing(100万トークンあたり)
PRICES = { # 入力, 出力, キャッシュ読み取り
"claude-fable-5-1": (10.0, 50.0, 0.25),
"claude-opus-5-5": (4.0, 20.0, 0.20),
"claude-sonnet-5-5": (2.0, 10.0, 0.10),
"claude-haiku-5-5": (0.10, 0.50, 0.01), # プロンプト10万トークン以下
}
HAIKU_55_OVER_100K = (0.50, 2.50, 0.05) # 10万トークン超のリクエストは全体がこの単価
MIN_CACHE = 512 # 4モデルとも最低キャッシュ長は512トークン
def monthly_cost(model, calls, in_tok, out_tok, cached_tok=0, batch=False, days=30):
p_in, p_out, p_hit = PRICES[model]
if model == "claude-haiku-5-5" and in_tok > 100_000:
p_in, p_out, p_hit = HAIKU_55_OVER_100K
if not 0 <= cached_tok <= in_tok:
raise ValueError("cached_tok must be between 0 and in_tok")
if cached_tok < MIN_CACHE:
cached_tok = 0 # 最低長に届かないとキャッシュされない(エラーにもならない)
n = calls * days
total = ((in_tok - cached_tok) * p_in + cached_tok * p_hit + out_tok * p_out) * n / 1e6
return total / 2 if batch else total
for m in PRICES:
print(f"{m:18} 通常 ${monthly_cost(m, 1000, 2000, 500):9.2f}"
f" キャッシュ ${monthly_cost(m, 1000, 2000, 500, cached_tok=1500):9.2f}"
f" バッチ ${monthly_cost(m, 1000, 2000, 500, batch=True):9.2f}")
# Haiku 5.5 は10万トークンを1つ超えただけで1リクエストの料金が約5倍になる
for t in (100_000, 100_001):
print(t, f"${monthly_cost('claude-haiku-5-5', 1, t, 500, days=1):.4f}")
実行結果を表にすると次のとおりです。「キャッシュ命中」は、入力2,000トークンのうち共通部分1,500トークンが毎回キャッシュに命中した場合で、キャッシュへの書き込み料金は含めていません。
| モデル | 通常 | キャッシュ命中 | Batch API |
|---|---|---|---|
| Claude Fable 5.1 | $1,350.00 | $911.25 | $675.00 |
| Claude Opus 5.5 | $540.00 | $369.00 | $270.00 |
| Claude Sonnet 5.5 | $270.00 | $184.50 | $135.00 |
| Claude Haiku 5.5 | $13.50 | $9.45 | $6.75 |
この例では出力が入力の4分の1しかないのに、Sonnet 5.5の通常料金270ドルのうち150ドルが出力です。見積もりでは出力の長さを先に決め、max_tokens で上限を設定します。Sonnet 5.5は既定でadaptive thinkingが働き、thinkingのトークンも出力として課金されます。上の出力500トークンは、thinkingと回答本文の合計として扱っています。プロンプトが10万トークン以下なら、Haiku 5.5の通常入力・出力単価はSonnet 5.5の20分の1なので、分類や抽出のように短い出力で済む処理は、まずHaiku 5.5で精度を確かめる価値があります。
トークン数の見積もりと新トークナイザーの影響
公式FAQは、トークン数がモデルのトークナイザー・言語・内容の種類で変わるとしており、日本語の換算値は示していません。日本語の文章は文字数から換算せず、無料のトークン数計測API(count_tokens)で見積もります。戻り値は推定値で、実際の入力トークン数と少し違う場合があります。
もう1つの落とし穴がトークナイザーの変更です。Claude Opus 4.7以降のモデルは新しいトークナイザーを使い、同じ文章でも約30%多くトークンが数えられると料金ページに書かれています。Haiku 5.5も新しいトークナイザーなので、Haiku 4.5やSonnet 4.6で測ったトークン数をそのまま使うと見積もりが小さく出ます。公式は旧モデルの計測値を流用せず、移行先のモデルIDで数え直すよう求めています。トークン上限の考え方はコンテキストウィンドウの解説を参照してください。
ツール・Fast mode・米国内処理で加算される料金
- ツール定義:
toolsを渡すと専用のシステムプロンプトが自動で加わります。Opus 5.5・Sonnet 5.5・Haiku 5.5は286トークン(tool_choiceがautoの場合)で、毎回の入力に上乗せされます。 - Web検索ツール:1,000回あたり10ドル。検索結果として読み込んだ内容は入力トークンとしても課金されます。
- Web取得ツール:追加料金なし。取得したページの内容がトークンとして課金されます。
- コード実行ツール:Web検索やWeb取得の新しい版(
web_search_20260209以降など)と一緒に使う場合は追加料金がかかりません。単体で使う場合は組織ごとに月1,550時間の無料枠があり、超過分は1コンテナ1時間あたり0.05ドルです。 - Fast mode:Opus 5.5を高速出力で動かす設定で、入力8ドル・出力40ドルと通常の2倍です。Batch APIとは併用できません。
- 米国内での処理指定:
inference_geo: "us"を指定すると、Claude 4.6以降のモデルで全トークンの単価が1.1倍になります。既定のglobalは通常料金です。
Anthropic APIキーの取得手順
APIキーはClaude Consoleで発行します。旧URLのconsole.anthropic.comは、現在platform.claude.comへリダイレクトされます。ブックマークの「console.anthropic.com → API keys」は、platform.claude.com/settings/keys に当たります。
- platform.claude.com にサインインします。アカウントが無ければ作成します。
- API keys ページを開きます。
- Create key をクリックし、キーの名前、有効期限、Linked account(自分か、サービスアカウント)を選びます。ワークスペースを1つに限定して作ったキーなら、後述の呼び出し例がそのまま動きます。ワークスペースを限定しないキーでは、各リクエストに
anthropic-workspace-idヘッダーが必要です。 - 表示された
sk-ant-で始まるキーをコピーし、シークレット管理サービスなどに保存します。Consoleで全文が表示されるのは作成時の1回だけで、紛失したら新しく作り直します。
Create keyボタンが押せない場合は、組織内のロールにキー作成の権限がありません。組織の管理者にロール変更か、サービスアカウント用キーの発行を依頼します。手順の原文は公式の「Get your Claude API key」です。
キーの種類と有効期限の選び方
| 種類 | 誰として動くか | 無効になる条件 | 向く用途 |
|---|---|---|---|
| 個人キー | 作成したユーザー | 本人が組織から外れたとき | 自分の開発・スクリプト |
| サービスアカウントキー | サービスアカウント | サービスアカウントが組織から外れたとき | CI・本番サービス |
| ワークスペースキー(旧式) | 所有者なし | 期限切れ・無効化・削除 | 新規作成は非推奨 |
公式は個人キーかサービスアカウントキーを勧めています。持ち主が組織から外れると自動で止まるため、キーだけが残り続ける事態を防げるからです。共有するワークロードに個人キーを使うと、その人が抜けた時点で本番が止まります。CIや本番サービスにはサービスアカウントキーを使います。
有効期限はプリセット(3時間・1日・7日・30日)、任意の期間、Never(無期限)から選びます。ただし組織が有効期間の上限を設定している場合は、その範囲に制限され、Neverは選べません。期限切れのキーは 401 authentication_error を返し、再有効化はできません。有効期間14日以上のキーには失効7日前、7日以上のキーには1日前に作成者へ通知メールが届きます。キー管理の設計全般はAPIキー管理の解説で扱っています。
無料枠とクレジット購入・支払いの仕組み
料金ページのFAQには「新規ユーザーはAPIを試すための少額の無料クレジットを受け取る」とだけ書かれ、金額は示されていません。「5ドル分」と紹介する記事もありますが公式の記載ではないので、実際の付与額はConsoleのBilling画面で確認します。企業の評価目的で長めの試用が必要なら、営業窓口への相談が案内されています。
利用料は、Consoleの組織にあるクレジット(購入分と付与分)から差し引かれます。営業経由で後払い契約をした組織だけは月次請求です。
- 購入:AdminかBillingのロールでConsoleにログインし、Billing ページの Buy credits から金額を入れて購入します。購入分はすぐに使えます。
- 支払い方法:主要なクレジットカードで払います。請求書払いは営業経由の契約が必要です。
- 自動チャージ:Auto-reloadを有効にすると、残高が指定額を下回ったときに、指定した目標残高まで自動で購入されます。判定に使うのは購入分の残高だけで、Max・Teamの付属クレジットが残っていても補充は走ります。
- 消費税:2026年4月1日から、日本の顧客には10%の消費税(JCT)が別に加算されます。Anthropicは適格請求書発行事業者の登録を済ませており(登録番号 T7700150134388)、請求書は請求先氏名・住所・税情報を入れたうえで Billing ページの Invoice history から取得します。
- 失効と返金:購入したクレジットは購入日から1年で失効し、延長できません。購入の返金も受け付けていません。
- 課金される範囲:API、Consoleのplayground、Consoleアカウント経由のClaude Codeが同じクレジットから引かれます。失敗したリクエストは課金されませんが、成功する途中でクライアント側が切断・タイムアウトしたリクエストは課金されます。
- 残高ゼロ:残高が尽きると、追加購入するか、次の付属APIクレジットが届くまで、APIもplaygroundも使えません。
支払い方法と自動チャージの原文はヘルプセンターの支払いの記事、消費税は日本の顧客向けJCTの告知にあります。事業用の課税仕入れについては、法人・個人事業者を問わず、帳簿や適格請求書等の保存などの要件を満たすことで仕入税額控除の対象になります。私的利用分は対象外です。
1年で失効するため、試用段階で大きな額をまとめ買いするのは避けます。試用時は少額を購入し、Consoleで支出上限を設定します。Auto-reloadは残高が下がるたびに購入を繰り返すため、1回の補充額を小さくしても、漏えい時の累計の請求額は抑えられません。
利用ティアと月額の支出上限
Anthropic APIには、組織単位で決まる利用ティアがあります。現在の区分はStart・Build・Scale・Customで、ティアごとに月額の支出上限とレート制限が決まっています。ティアは利用履歴に応じて自動で上がり、新しい組織は標準より低いEvaluationティアから始まる場合があります。
| ティア | 月額の支出上限 | Sonnet 5.5のRPM | 入力トークン/分 | 出力トークン/分 |
|---|---|---|---|---|
| Start | $500 | 1,000 | 2,000,000 | 400,000 |
| Build | $1,000 | 5,000 | 5,000,000 | 1,000,000 |
| Scale | $200,000 | 10,000 | 10,000,000 | 2,000,000 |
| Custom | 上限なし(個別契約) | 個別 | 個別 | 個別 |
ティアの区分と数値は公式のRate limitsページによります。先ほどの試算でOpus 5.5を通常料金で使うと月540ドルになり、Startティアの上限500ドルを超えます。上限に達すると、上位ティアに上がらない限りAPIは翌月1日の0時(UTC、日本時間9時)まで止まり、HTTP 429が返ります。本番に出す前に、Consoleの Rate limits ページから上位ティアを申請しておきます。
同じ429でも、支出上限とレート制限では対処が違います。支出上限の429はエラー本文の error.details.error_code が enforced_spend_limit_reached で、retry-after ヘッダーが付きません。上限が引き上げられない限り、再試行しても通りません。Python SDK(1.8.0・2.3.0)をローカルの模擬サーバーに向け、この429を返させたところ、どちらの版も既定で2回再試行し、合計3回送ってから約1.6秒で RateLimitError を投げました。error_code を見て再試行ループから外し、運用担当へ通知する分岐を作ります。自分で設定した組織・ワークスペースの支出上限に達した場合は、通常400の invalid_request_error が返ります。ただし、Claude Code用ワークスペースの支出上限では429になる場合があります(公式のErrorsページ)。
はじめてのAPI呼び出し:curlとPython
エンドポイントは https://api.anthropic.com/v1/messages です。直接HTTPで呼ぶ場合は、APIキーを Authorization: Bearer ヘッダーに、APIバージョンを anthropic-version ヘッダーに入れます。従来の x-api-key ヘッダーも引き続き使えます。
export ANTHROPIC_API_KEY="sk-ant-api03-..."
curl https://api.anthropic.com/v1/messages \
-H "Authorization: Bearer $ANTHROPIC_API_KEY" \
-H "anthropic-version: 2026-10-21" \
-H "content-type: application/json" \
-d '{"model": "claude-sonnet-5-5", "max_tokens": 1024,
"messages": [{"role": "user", "content": "日本語で自己紹介して"}]}'
Pythonでは公式SDK(pip install anthropic)を使います。SDKは環境変数 ANTHROPIC_API_KEY を自動で読み、バージョンヘッダーも自動で付けます。
import anthropic
client = anthropic.Anthropic() # ANTHROPIC_API_KEY を自動で読む
msg = client.messages.create(
model="claude-sonnet-5-5",
max_tokens=1024,
messages=[{"role": "user", "content": "日本語で自己紹介して"}],
)
# thinking ブロックが先頭に来ることがあるので、text だけを取り出す
print("".join(block.text for block in msg.content if block.type == "text"))
print(msg.usage.input_tokens, msg.usage.output_tokens) # 課金対象のトークン数
# 送信前にトークン数だけ数える(無料・レート制限あり)
count = client.messages.count_tokens(
model="claude-sonnet-5-5",
messages=[{"role": "user", "content": "日本語で自己紹介して"}],
)
print(count.input_tokens)
msg.content[0].text と書くと、先頭がthinkingブロックのときに落ちます。type で選んでください。usage の値はトークン料金の計算に使えます。キャッシュ利用時は書き込み・読み取りのトークン数も別単価で集計し、Web検索などの追加料金も足します。本番ではこの値をログに残しておくと、Consoleの請求額と突き合わせられます。AWS経由で使う場合の書き方はBedrock Claudeの使い方を参照してください。
APIバージョン2026-10-21の破壊的変更とSDK移行
公式のバージョン履歴によると、2026年10月21日に公開された 2026-10-21 では、temperature・top_p・top_k を送ると全モデルで400エラーになります。assistantメッセージに置いた document ブロックもエラーです。SDKは、メジャー版が出た時点のAPIバージョンを送ります。2026-10-21を送るのはPythonの anthropic 2.0.0、TypeScriptの @anthropic-ai/sdk 1.0.0以降です。
同じ模擬サーバーで2つの版の送信内容を比べると、違いは次のとおりでした。
| 項目 | anthropic 1.8.0 | anthropic 2.3.0 |
|---|---|---|
| APIキーのヘッダー | x-api-key | Authorization: Bearer |
| anthropic-version | 2023-06-01 | 2026-10-21 |
| temperature 引数 | TypeError(送信前) | TypeError(送信前) |
| キー未設定時 | TypeError(送信前) | TypeError(送信前) |
影響が出やすいのは、SDKとAPIの間に自前のプロキシやゲートウェイを置いている構成です。X-Api-Key を読んで認証や利用量の記録をしている中継は、SDKを2.xに上げた途端にキーを見つけられなくなります。ログのマスク処理が X-Api-Key だけを対象にしていると、Authorization ヘッダーのキーが平文で残る点にも注意が要ります。Claude API本体はどちらのヘッダーでも受け付けるので、SDKを上げる前に中継側を両方読めるようにしておくのが安全な順番です。キー未設定時のエラーは Could not resolve authentication method で始まります。このエラーが出たら、まず環境変数が実行中のプロセスに渡っているかを確認します。言語別の書き換えコードとAmazon Bedrockで2026-10-21に上げられない条件は、Claude API 2026-10-21移行ガイドで扱っています。
APIキーの漏えい対策と無効化の手順
APIキーが第三者に渡ると、その人の利用分があなたの組織に課金されます。AnthropicはGitHubのシークレットスキャンのパートナーで、公開リポジトリにClaude APIキーがコミットされるとGitHubからAnthropicへ通知が届き、キーは自動で無効化され、持ち主にメールが送られます。この自動通知と無効化は公開リポジトリが対象です。非公開リポジトリは、GitHubのSecret Protectionを有効にしたリポジトリでシークレットスキャンの警告を受けられます。チャットや外部ツールへの貼り付けは、どちらの仕組みでも検出されません。
- 無効化と削除の違い:ConsoleのAPI keysページのDisableは元に戻せます(Re-enableで復帰)。Deleteは取り消せません。漏えいが疑わしいときはまずDisableで止め、影響を確認してからDeleteします。
- 環境ごとにキーを分ける:開発・検証・本番で別のキーを使えば、漏れたキーだけを止められ、利用量も用途別に追えます。
- コードに書かない:
.envを使う場合は.gitignoreに入れ、クラウドではシークレット管理サービスから環境変数として渡します。 - 定期的に入れ替える:ヘルプセンターは例として90日ごとのローテーションを挙げています。
- 上限で被害額を抑える:ワークスペースごとに支出上限を設定し、利用量を監視します。Max・Teamの付属クレジットも、連携した組織の全キー・全ワークスペースが同じ残高から使います。
CI上でキーそのものを置きたくない場合は、GitHub ActionsなどのOIDCトークンを短命の資格情報に交換するWorkload Identity Federationも使えます。生成AIを組み込んだ業務システムを、キー管理や支出の監視まで含めて設計したい場合は、生成AI開発・AI受託開発でご相談を受け付けています。
コストを下げる設定:キャッシュとBatch API
単価の安いモデルに切り替える前に、同じモデルのまま効く2つの割引を検討します。両者は併用でき、割引も重なります。
プロンプトキャッシュの単価と損益分岐
毎回同じシステムプロンプトや参照文書を送る用途では、プロンプトキャッシュで入力料金を下げられます。書き込みは5分保持で入力単価の1.25倍、1時間保持で2倍です。読み取りは通常0.1倍ですが、Opus 5.5とSonnet 5.5は0.05倍、Fable 5.1は0.025倍です。同じ入力部分を通常料金で毎回送る場合との比較では、1回の書き込みに対して、有効なキャッシュから5分保持なら1回、1時間保持なら2回読み取れば元が取れます。最低キャッシュ長は、Fable 5.1・Opus 5.5・Sonnet 5.5・Haiku 5.5が512トークン、Sonnet 5が1,024トークン、Haiku 4.5が4,096トークンです。最低長に届かないプロンプトは、cache_control を付けてもエラーにならず、キャッシュされないまま通常料金で処理されます。多くのモデルでは、キャッシュから読んだトークンが入力トークン/分のレート制限に数えられないため、処理量の上限も実質的に広がります。実装方法はプロンプトキャッシュの解説にまとめています。
Batch APIの割引率と処理期限
すぐに結果が要らない処理は、Message Batches APIに回すと入力・出力とも50%割引になります。多くのバッチは1時間以内に終わりますが、24時間以内に処理が終わらなかったリクエストは期限切れになり、その分は課金されません。結果は作成から29日間ダウンロードできます。1バッチの上限は10万リクエストか256MBのどちらか先に達したほうです。夜間の一括要約や分類など、応答待ちのユーザーがいない処理が向いています。
よくある質問
Anthropic APIキーは無料で取得できますか?
キーの発行自体に料金はかかりません。ただしAPIを呼び出すと従量課金が発生し、新規ユーザー向けの無料クレジットを使い切った後は、購入クレジットやMax・Teamの付属APIクレジットなどで利用料を支払います。
Claude Proを契約していればAPIも使えますか?
Proプランには、APIの利用分もAPIクレジットも含まれません。毎月のAPIクレジットが付くのはMax 5x・Max 20x・Teamで、claude.aiの請求設定からConsoleの組織を連携して受け取ります。Proのまま使う場合は、Consoleで別にクレジットを購入します。
Anthropic APIは個人でも使えますか?
使えます。Consoleのアカウントを作り、クレジットカードでクレジットを購入すれば、法人契約なしで利用できます。請求書払いやカスタムのレート制限は営業経由の契約が必要です。
Anthropic APIの料金を日本円で払えますか?
支払いは米ドル建てです。クレジットカードで払う場合、円換算の額はカード会社の為替レートで決まります。2026年4月1日からは10%の消費税が加算され、適格請求書には消費税額だけが日本円で表示されます。請求通貨そのものは米ドルのままです。
console.anthropic.comとplatform.claude.comは違うサービスですか?
同じClaude Consoleです。console.anthropic.comは現在platform.claude.comへリダイレクトされ、APIキーの管理画面はplatform.claude.com/settings/keys、請求とクレジットの画面はplatform.claude.com/settings/billingです。