AWS

Amazon Translateとは?料金・無料枠と使い方(boto3)を解説

Amazon Translateとは?料金・無料枠と使い方(boto3)を解説

Amazon Translateは、AWSが提供するニューラル機械翻訳のAPIサービスです。75言語・5,550の言語ペアに対応し、アプリやバッチ処理に翻訳機能を組み込めます。この記事では、料金体系と無料利用枠、マネジメントコンソールとPython(boto3)での使い方、Google翻訳やDeepLとの違いと選び分けまでを、公式仕様に沿って整理します。料金や仕様は改定されるため、確定値は最新の公式ページで確認してください。

まとめ:Amazon Translateの要点

  • 種別:AWSのフルマネージド型ニューラル機械翻訳(NMT)API。サーバー構築は不要。
  • 料金:標準テキスト翻訳は100万文字あたり15USD。ドキュメント翻訳は30USD、カスタム翻訳は60USD(2026年7月時点)。
  • 無料枠:最初の翻訳リクエストから12か月間、標準翻訳が月200万文字まで無料。
  • 対応言語:75言語。ソース言語をauto指定で自動検出できる。
  • 使い方:GUIで試すならマネジメントコンソール、組み込むならboto3のtranslate_textを数行で呼ぶ。
  • 選び分け:AWS内で完結させたい・大量バッチ・固有名詞の訳を固定したい用途に向く。訳文の自然さ最優先ならDeepL、文脈指定を効かせたいなら生成AIも検討。

Amazon Translateとは|ニューラル機械翻訳の概要

Amazon Translateは、深層学習を使ったニューラル機械翻訳エンジンをAPIとして提供するサービスです。翻訳したいテキストと言語コードを渡すと翻訳結果が返る仕組みで、翻訳モデルの学習やGPUの用意は不要です。AWSアカウントがあればコンソールやSDKからすぐに呼び出せます。同じAWSのAIサービスでは、音声を文字起こしするAmazon Transcribeや、テキストから固有名詞・感情を抽出するAmazon Comprehendと組み合わせ、音声認識→翻訳のような多段のパイプラインを構築できます。

リアルタイム翻訳・バッチ翻訳・ドキュメント翻訳の3つの入力方法

入力方法は用途で3つに分かれます。画面やチャットのその場翻訳には、1回のAPI呼び出しで即座に結果を返すリアルタイム翻訳(TranslateText)を使います。大量のテキストファイルをまとめて処理する場合は、Amazon S3上のファイルを一括処理する非同期バッチ翻訳が適します。Word・Excel・PowerPoint(.docx/.xlsx/.pptx)は、書式を保ったまま翻訳するドキュメント翻訳で扱えます(料金が標準の2倍になる点に注意)。

対応言語は75言語・ソース言語の自動検出に対応

対応言語は75言語で、これらの間で5,550通りの言語ペアを翻訳できます。ソース言語コードにautoを指定すると、入力テキストの言語を自動判定してから翻訳します。判定にはComprehendの言語検出が内部で使われるため、混在言語や短文では誤検出が起きることがあり、言語が分かっている場合は明示指定が確実です。対応言語は追加されるため、最新の一覧は公式ドキュメントで確認してください。

料金体系と無料利用枠

料金は翻訳した文字数(空白を含む)に対する従量課金で、リージョンによる差はありません。翻訳の種類ごとに単価が異なります。

翻訳の種類 料金(100万文字あたり) 無料利用枠
標準テキスト翻訳(リアルタイム/バッチ) 15USD 月200万文字・12か月
ドキュメント翻訳(docx/xlsx/pptx) 30USD 対象外
アクティブカスタム翻訳(ACT) 60USD 最初の2か月・50万文字

金額は米ドル建て・2026年7月時点の公式価格です。改定されるため、見積もり前に必ず公式の料金ページで確認してください。

無料利用枠は月200万文字まで・課金で見落としやすい点

無料利用枠は「最初の翻訳リクエストを送った日から12か月間、標準テキスト翻訳が月200万文字まで無料」です(起算はアカウント作成日ではなく初回リクエスト日)。注意したいのは、無料枠が標準テキスト翻訳(リアルタイム・バッチ)に限られ、ドキュメント翻訳は対象外である点です。また文字数は「翻訳を要求した入力文字数」で数えるため、同じ文を複数言語へ翻訳すれば言語数ぶん加算されます。空白や改行もカウント対象です。想定外の課金を避けるには、AWS Budgetsで文字数・料金のしきい値アラートを設定しておくと安全です。

使い方①:マネジメントコンソールで試す

コードを書かずに試すなら、AWSマネジメントコンソールのAmazon Translateを開き、リアルタイム翻訳の画面でソース言語(自動検出も可)とターゲット言語を選び、テキストを貼り付けます。訳文がその場で表示され、精度や言い回しの傾向を確認できます。導入前の品質評価や、翻訳したい言語ペアが実用に足るかの下見に向いています。本格的に組み込む前段として、まずここで数パターン試すと判断が早くなります。

使い方②:Python(boto3)で翻訳APIを呼び出す

アプリへ組み込む場合は、AWS SDK for Python(boto3)のtranslate_textを使います。IAMでtranslate:TranslateText権限を付与した認証情報を用意すれば、数行で翻訳できます。認証情報がどの順序で探索されるか、リトライを何回で打ち切るかは、boto3の実装解説にまとめています。

import boto3

client = boto3.client("translate", region_name="ap-northeast-1")

response = client.translate_text(
    Text="Amazon Translate makes it easy to localize content.",
    SourceLanguageCode="auto",   # 自動検出する場合は auto
    TargetLanguageCode="ja",
)

print(response["TranslatedText"])
# 検出されたソース言語も取得できる
print(response["SourceLanguageCode"])

ソース言語が分かっているときはautoではなくenのように明示すると、検出ぶんの誤差と処理を省けます。長文はリアルタイム翻訳のサイズ上限(1リクエストあたりの文字数制限)に収まるよう分割し、大量処理なら非同期バッチ翻訳に切り替えます。生成AIモデルで翻訳やトーン調整をAWS上で行いたい場合は、複数社のモデルを1つのAPIで扱えるAmazon Bedrockも選択肢になります。

カスタム用語集で固有名詞・製品名の訳を固定する

社名・製品名・専門用語を毎回同じ訳にしたいときは、カスタム用語集(Custom Terminology)を使います。「原文,訳語」の対応表をCSVで登録し、translate_textのTerminologyNamesに指定すると、その語だけ登録済みの訳へ置き換わります。ブランド表記の揺れを防ぎたいドキュメント翻訳で効果が大きい機能です。さらに対訳データ(並列データ)で翻訳出力を分野特化にカスタマイズしたい場合は、前述のアクティブカスタム翻訳(ACT)を使います。ACTは自前で翻訳モデルを構築・保守する必要がなく、登録した対訳例を推論時に反映して訳を調整します。

Google翻訳・DeepL・ChatGPTとの違いと選び分け

機械翻訳サービスは訳文品質だけでなく「どの基盤に組み込むか」で選ぶのが実務的です。主要な選択肢の位置づけを整理します。

サービス 位置づけ・強み
Amazon Translate AWS内で完結。バッチ処理・カスタム用語集・IAM連携に強い
Google Cloud Translation 対応言語が多くGoogle基盤と親和。Web翻訳の実績
DeepL 欧州言語を中心に訳文の自然さが評価される
ChatGPT等の生成AI 文脈・敬体/常体・トーン指定など指示ベースで柔軟

選び分けの基準ははっきりしています。すでにAWSでシステムを組んでいて、大量テキストのバッチ翻訳や固有名詞の訳統一が要件なら、IAM・S3・カスタム用語集がそろうAmazon Translateが第一候補です。一方で、公開する読み物の訳文の自然さを最優先する場面ではAmazon Translateを主役にすべきではありません。この用途はDeepLや、文脈・トーンを指示できる生成AIのほうが手直し量が少なく済みます。指示ベースの翻訳を試すなら、ChatGPTで翻訳する方法も比較してください。スキャンしたPDFや画像内の文字を翻訳したいなら、まずAmazon Textractでテキスト化してからTranslateに渡す構成が確実です。

よくある質問

Amazon Translateとは何ですか?

AWSが提供するニューラル機械翻訳のAPIサービスです。テキストと言語コードを渡すと翻訳結果を返し、アプリやバッチ処理に翻訳機能を組み込めます。翻訳モデルの学習やサーバー管理は不要です。

Amazon Translateの料金はいくらですか?

標準テキスト翻訳は100万文字あたり15USDです。書式を保つドキュメント翻訳は30USD、自社データで精度を高めるアクティブカスタム翻訳は60USDです(2026年7月時点、米ドル建て)。翻訳した文字数に対する従量課金です。

Amazon Translateは無料枠で使えますか?

使えます。最初の翻訳リクエストから12か月間、標準テキスト翻訳が月200万文字まで無料です(起算はアカウント作成日ではありません)。ドキュメント翻訳は無料枠の対象外です。アクティブカスタム翻訳(ACT)は別枠で、最初の2か月・月50万文字まで無料です。

日本語には対応していますか?

対応しています。日本語を含む75言語に対応し、これらの間で相互に翻訳できます。ソース言語をautoにすれば、入力が日本語か英語かを自動判定してから翻訳します。

翻訳の精度はどの程度ですか?

ニューラル機械翻訳のため、定型的な業務文やUI文言では実用的な精度が出ます。ただし固有名詞の訳ゆれや、文脈依存の言い回しは苦手な場合があります。用語集で訳を固定する、重要な公開文は人手で校正する、といった運用を前提にすると安定します。

関連記事

お気に入りに入れた記事の一覧

この記事は以下の記事からリンクされています

資料請求

今日のトレンド記事 直近 24 時間で、いつもより多く読まれている記事

  1. 2026.10.15 テックブログ リゾートトラスト不正アクセス:会員2.6万件・カハラ横浜3.6万件の対象確認と窓口
  2. 2026.10.16 テックブログ バーガーキング不正アクセスで約1,118万件の情報漏洩|対象確認・案内メールの真偽と運営側のログ点検
  3. 2026.10.16 テックブログ ソースネクスト不正アクセスで最大2,252万件流出|ログインできない理由・パスワード再設定と会員APIの点検
  4. 2026.10.15 テックブログ 銀のさら不正アクセス:最大650万件の対象確認と窓口、パスワード変更の手順
  5. 2026.10.16 テックブログ ワラウ不正アクセスで連携トークン流出|Yahoo! JAPAN ID再連携と対象確認

RELATED POSTS 関連記事

目次