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Muse Sparkとは?性能・API料金・ローカル実行可否を2026年7月最新版で解説

Muse Spark(ミューズ・スパーク)は、Metaの研究組織 Meta Superintelligence Labs(MSL)が2026年4月8日に発表した大規模言語モデルです。Llamaで掲げていたオープンウェイト路線から離れ、重みを公開しないクローズドモデルとして出発しました。2026年7月9日には後継の「Muse Spark 1.1」が公開され、同時に有料の開発者向けAPI「Meta Model API」が始まっています。本記事では、性能ベンチマークの実数、API料金、Meta AIアプリでの使い方、そして検索需要が大きい「Ollama や Hugging Face で動かせるのか」「CLIから使えるのか」に、2026年7月時点の一次情報で答えます。

まとめ:Muse Sparkの現在地

項目 2026年7月時点の事実
開発元・発表日 Meta Superintelligence Labs/初代2026年4月8日、Muse Spark 1.1は7月9日
ライセンス クローズド。重み非公開(将来のオープンソース化は「したい」との表明のみ)
ローカル実行 不可。Ollama・Hugging Face・OpenRouterいずれにも配布なし
API Meta Model API(1.1、パブリックプレビュー・米国の開発者先行)
API料金 入力 $1.25/出力 $4.25(100万トークンあたり)、新規アカウントに$20クレジット
コンテキスト長 100万トークン(初代は262Kトークン)
既存ツールからの利用 OpenAI SDK・Anthropic SDK互換。Claude Code や OpenCode から接続先の差し替えで使える
チャット利用 Meta AIアプリ・meta.ai。日本での全面提供時期は未公表
得意・不得意 ツール利用・エージェント系ベンチで優位、長期のコーディングは Claude Opus 4.8・GPT-5.5 に未達

実務判断としては、「安いエージェント用APIの候補としては十分検討に値するが、ローカル実行やオープンウェイトを前提にした案件では選択肢に入らない」のが現状です。Llamaの置き換えとして考えていると前提が崩れます。

Muse Sparkの正体:Llamaを捨てたMetaのクローズドモデル

読み方とMuseファミリー3本立ての構成

読み方は「ミューズ・スパーク」。Muse はMSLが立ち上げたモデルファミリーの名称で、Muse Sparkはその第1弾となる言語モデルにあたります。2026年7月7日には画像生成モデル「Muse Image」と動画生成の「Muse Video」(プレビュー)が加わり、テキスト・画像・動画をそれぞれ別モデルで担う構成になりました。画像生成側の仕様やAPI提供状況はMuse Imageの仕組み・料金・API提供状況を実装目線で解説した記事にまとめています。

Llama 4からクローズドへ転換した経緯

Llama 4は2025年の公開後、ベンチマークの提示方法をめぐる批判もあって評価が伸びませんでした。Metaはその後、データラベリング企業Scale AIに約143億ドルを投じて49%の株式を取得し、創業者のアレクサンダー・ワン氏をMSLの責任者に迎えています。Metaはこの体制で「直近9か月かけて事前学習スタックを再構築した」と説明しており、その成果として、Llama 4 Maverickと同等の能力を1桁少ない計算量で到達したとしています(強化学習で思考トークンの超過にペナルティを与える thought compression が中核)。

ここで押さえるべきは技術より配布の変化です。Llamaは重みをダウンロードして自社サーバーで動かせましたが、Muse Sparkはできません。Metaは公式発表で「将来のバージョンはオープンソース化したい(we hope to open-source future versions)」と述べていますが、これは希望の表明であって計画の公表ではありません。オープンウェイト前提の社内基盤を持つ企業にとっては、Llamaの延長線上にある製品ではないと理解しておく必要があります。

Muse Spark 1.1(2026年7月9日)で変わった3点

エージェント特化と100万トークンのコンテキスト

1.1はエージェント用途を明確なターゲットに据えたバージョンで、コンテキスト長は初代の262Kトークンから100万トークンへ拡大しました。コーディング、動画キャプショニング、推論の各タスクを強化したとMetaは説明しています。複数のサブエージェントを並行して走らせる Contemplating モードは初代から引き継がれ、旅行計画のように「行程を組む」「候補地を比較する」「子ども向けの遊び場を探す」を同時に進める使い方が想定されています。

無料から有料へ:Meta初の課金API

初代のMuse Sparkは Meta AIアプリで無料提供され、APIは選定パートナー向けのプライベートプレビューに限られていました。1.1では開発者が申し込めるパブリックプレビューのAPIが開き、Metaは生成AIの課金を開始しています。ザッカーバーグ氏は競合に対する価格を「very aggressive and attractive」と表現しました。

競合を名指しした性能主張

Metaは1.1について、OpenAI・Anthropic・Googleの既存製品を上回るとしています。ただし後述するとおり、勝っている領域と負けている領域ははっきり分かれます。「全面的に最強」という読み方をすると導入判断を誤ります。

性能:ツール利用で勝ち、長期コーディングで負ける

Meta公表のベンチマーク実数

ベンチマーク Muse Spark 1.1 Claude Opus 4.8 GPT-5.5
MCP Atlas(ツール利用) 88.1 82.2 75.3
JobBench(業務代行) 54.7 48.4 38.3
Humanity’s Last Exam(ツールあり) 62.1 57.9 52.2
SWE-Bench Pro(コーディング) 61.5 69.2 58.6
DeepSWE 1.1(長期コーディング) 53.3 59.0 67.0
Terminal-Bench 2.1 80.0 82.7 83.4

数値はいずれもMetaの公表値です(第三者による再現検証は執筆時点で限定的なので、最新は公式のモデルカードで確認してください)。初代のMuse Sparkについては、Contemplating モード使用時に Humanity’s Last Exam 58%、FrontierScience Research 38% を記録したと公表されています。素の応答モードの値ではない点に注意してください。

ベンチ差の読み方:MCP Atlas優位とDeepSWE劣位

ツールを呼び、複数ステップを回して仕事を終わらせる系(MCP Atlas、JobBench、ツールありHLE)では、Muse Spark 1.1 が Claude Opus 4.8・GPT-5.5 の両方を上回ります。一方、時間をかけてリポジトリを直し続ける DeepSWE 1.1 では GPT-5.5 に13.7ポイント差をつけられ、ターミナル操作の Terminal-Bench 2.1 でも最下位です。SWE-Bench Pro では GPT-5.5 に勝っているものの Opus 4.8 には7.7ポイント負けており、Meta自身がコーディングと長期エージェント領域のギャップを認めています。

したがってコードを書かせる主力モデルとして置き換える判断は、現時点では支持できません。逆に、外部APIやMCPサーバーを叩いて情報を集約する定型ワークフローのように、コード品質より単価と回転数が効く用途では、後述する料金差が意味を持ちます。

Muse Spark APIの料金と使い始め方

100万トークンあたりの単価と競合比較

モデル 入力(100万トークン) 出力(100万トークン)
Muse Spark 1.1 $1.25 $4.25
Claude Haiku 4.5 $1 $5
Claude Sonnet 4.6 $3 $15
Claude Opus 4.8 $5 $25
GPT-5.5 約$5 約$30

フラッグシップ帯と比べると、出力単価はOpus 4.8のおよそ6分の1、GPT-5.5の約7分の1で、入力もおよそ4分の1です。ただし入力$1.25は軽量モデルのClaude Haiku 4.5($1)より高く、最安帯ではありません。エージェントは出力トークンが伸びやすいため、出力$4.25という水準が効いてくるのは長い連鎖を回すワークフローです。

アクセス条件(米国先行・ウェイトリスト)

Meta Model API は2026年7月9日にパブリックプレビューとして開始され、まず米国の開発者が対象です。早期パートナーは既にオンボード済みで、それ以外はウェイトリストからのリクエストになります。新規アカウントには$20分の無料クレジットが付きます。日本の開発者が正式に利用できる時期は公表されていません(提供地域は変わりやすいので、着手前に必ず開発者ポータルで現況を確認してください)。

既存SDK・CLIからの接続(OpenAI/Anthropic互換)

Meta Model API は2系統のインターフェースを持ち、どちらも既存エコシステムと互換です。Chat Completions API は OpenAI SDK・LangChain・LlamaIndex・Vercel AI SDK・OpenCode から、Messages API は Anthropic SDK や Claude Code から利用できます。つまりMeta専用のCLIは存在しませんが、既に使っているエージェントCLIの接続先を差し替えるだけで動きます。移行コストは実質、ベースURLとモデルIDの変更だけです。

# OpenAI SDK(Python)の接続先を差し替えるだけで使える
from openai import OpenAI

client = OpenAI(
    api_key=os.environ["META_API_KEY"],
    base_url="https://api.meta.ai/v1",
)

resp = client.chat.completions.create(
    model="muse-spark-1.1",
    messages=[{"role": "user", "content": "MCPサーバーの一覧を取得して"}],
)
print(resp.choices[0].message.content)

Ollama・Hugging Face・OpenRouterでMuse Sparkは動くのか

検索需要が最も集まるのがこの点なので、結論から書きます。2026年7月時点でMuse Sparkはローカルでも外部アグリゲータでも動きません。動かす手段はMeta Model APIだけです。

  • Ollama・LM Studio等のローカル実行:不可。モデルの重みが配布されていないため、量子化ファイルもGGUFも存在しません。「muse spark ollama」で手順記事が見つかったとしても、それは名前の似た別モデル(例:LatitudeGames/Muse-12B)との取り違えです。
  • Hugging Face:Meta公式のMuse Sparkリポジトリは公開されていません。ダウンロードできるのは無関係な同名プロジェクトだけです。
  • OpenRouter・Together AI などのアグリゲータ:Metaは当面、自社プロパティ以外での提供を行わない方針で、いずれにも掲載されていません。
  • CLI:Meta公式CLIはありませんが、Claude Code や OpenCode の接続先をMeta Model APIに向ければターミナルから使えます(前節のとおりSDK互換)。2026年8月5日には Muse Spark 1.2 で動くMeta純正のターミナル型エージェントが beta 公開されており、その構成と料金はMeta Muse Codeの仕組みと導入判断にまとめました。

「オープンウェイトのモデルを自社環境で動かしたい」という要件であれば、Muse Sparkのオープンソース版を待つ判断は勧められません。時期の見通しすら示されていないためです。クローズドモデルの挙動を公開研究だけで再現しようとする動きもあり、その一例はClaude Mythosをオープンソースで再現したOpenMythosの解説記事で扱っています。

Meta AIアプリでの使い方と日本での提供状況

チャットで試す手順と3つのモード

APIを使わずに触るなら、Meta AIアプリまたは meta.ai にアクセスし、FacebookまたはInstagramのアカウントでログインします。Meta AIの応答が Muse Spark で動いており、即答する Instant、時間をかけて考える Thinking、複数エージェントを並行させる Contemplating の3モードがあります。写真を撮って質問する視覚的な問い合わせ、Facebook Marketplaceや外部の商品リストを価格・スタイル・距離で絞り込むショッピング、画像を含む健康関連の質問(1,000人以上の医師が関与したとMetaは説明)が使いどころとして挙げられています。

WhatsApp・Instagram・AIグラスへの展開

WhatsApp、Instagram、Facebook、Messenger、およびRay-Ban MetaやOakley Metaのスマートグラスへは順次展開中で、グラス側は米国・カナダから先行しています。グラス側の設計思想はRay-Ban MetaのAI内蔵設計を解説した記事で詳しく扱っています。

日本での提供状況:アプリ先行・開発者APIは米国限定

Meta AIアプリと meta.ai 経由の利用が中心で、日本での全面提供時期は公表されていません。開発者APIも米国先行です。「日本のプロダクトに載せる前提で今から設計を始める」のは時期尚早で、当面は検証環境での評価にとどめるのが妥当です。

クローズド化とデータ規約:導入前に確定させる2条件

クローズド化そのものが最大のリスクです。重みが手元にないため、Metaが提供条件を変えれば利用側は追随するしかありません。1.1で無料から課金へ移った事実は、この可変性を裏づけています。価格・レート制限・Contemplatingのような重い推論モードの扱いは、今後も動きうると見ておくべきです。

データの扱いも確認が要ります。Meta AIアプリ経由の利用はFacebook・Instagramアカウントと結びつくため、個人のSNS上の文脈が応答に使われる設計です。業務データを投入する場合は、アプリ経由ではなくAPIの利用規約(学習利用の有無・保持期間)を読んだうえで判断してください。Metaの他APIと同様に規約と権限設計が肝になる点は、Instagram Graph APIのできること・料金・使い方をまとめた記事と共通の注意点です。

よくある質問

Muse Sparkの読み方は?

「ミューズ・スパーク」です。MetaのMuseファミリー(言語モデルのMuse Spark、画像生成のMuse Image、動画生成のMuse Video)の第1弾を指します。

Muse Sparkは無料で使えますか?

Meta AIアプリと meta.ai でのチャット利用は無料です。開発者向けのMeta Model API(Muse Spark 1.1)は有料で、入力$1.25/出力$4.25(100万トークンあたり)。新規アカウントには$20分のクレジットが付きます。

Ollama や Hugging Face でローカル実行できますか?

できません。重みが公開されていないため、ローカル実行用のファイルは存在しません。名前の似た別モデルとの取り違えに注意してください。

CLIやOpenRouterから使えますか?

OpenRouterやTogether AIには掲載されていません。CLIについてはMeta公式のものはありませんが、Meta Model API が OpenAI/Anthropic のSDKと互換のため、Claude Code や OpenCode のベースURLを https://api.meta.ai/v1、モデルIDを muse-spark-1.1 に変えれば利用できます。

コーディング用のモデルとして使えますか?

主力に据えるのは避けるべきです。DeepSWE 1.1 は 53.3(GPT-5.5 は 67.0)、Terminal-Bench 2.1 は 80.0 と、長期のコーディング作業では競合フラッグシップに届いていません。ツール呼び出し中心のエージェント用途のほうが適します。

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