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Cursor Composer 2とは?性能・料金と後継Composer 2.5への移行【2026年9月】

Cursor Composer 2とは?性能・料金と後継Composer 2.5への移行【2026年9月】

Composer 2は、AIコードエディタCursorの開発元Anysphereが2026年3月19日に公開した自社製のコーディングモデルです。Moonshot AIのオープンウェイトモデルKimi K2.5を土台に、コード中心の継続事前学習と強化学習を重ねています。ただし2026年9月時点でComposer 2は提供を終えており、指定しても後継のComposer 2.5へ切り替わります。この記事では、Composer 2の公表ベンチマークと料金をどう読むか、2.5で何が変わったか、いまCursorでどのモデルを選ぶべきかを、Cursorの公式ドキュメントと技術レポートをもとに整理します。PHPのパッケージ管理ツールComposer 2.x や、Google CloudのCloud Composerとは別物です。

まとめ:Composer 2の要点(2026年9月時点)

  • 正体:Kimi K2.5(総パラメータ1.04兆・アクティブ320億のMoE)をベースに、Cursorの実環境で強化学習したコーディング専用モデル。
  • 性能:Cursor公表値はCursorBench 61.3、Terminal-Bench 2.0 61.7、SWE-bench Multilingual 73.7。CursorBenchは自社ベンチで、現行の4.0とは尺度が違う。
  • 料金:100万トークンあたり入力0.50ドル・出力2.50ドル。既定のFastは入力1.50ドル・出力7.50ドルだった。
  • 現状:Composer 2は退役済み。SDKで composer-2 を指定してもComposer 2.5へ転送される。Composer 3は未発表。
  • 選び方:Composer 2.5は定額プール内で回す安価な対話用モデル。曖昧で大きな変更はGrok 4.7や他社上位モデルに任せる。

以下、仕組み、ベンチマークの読み方、料金、退役後の移行、使い分けの順に説明します。

Composer 2の仕組み:Kimi K2.5を土台にしたCursor専用モデル

ベースモデルと2段階の学習

Cursorが2026年3月にarXivへ出した技術レポート(arXiv:2603.24477)によると、Composer 2のベースはKimi K2.5です。総パラメータ1.04兆、1トークンあたりに働くアクティブパラメータは320億のMixture-of-Expertsモデルで、社内コードベースでのパープレキシティや状態追跡の評価を比べて選んだと書かれています。

学習は2段階です。1段目はコードの比率を高めたデータでの継続事前学習で、大半の計算を32kトークンの系列長で回し、そのあと256kトークンまで伸ばす長文脈の段階と、短いSFTを挟みます。2段目が大規模な強化学習で、本番のCursorと同じツールとハーネスを使うセッションの中で、開発者が実際に頼む種類の課題を解かせています。レポートは「事前学習の損失を下げるほど、後段の強化学習の成績も上がった」と報告しており、Cursorにとって初めての継続事前学習がComposer 1.5からの伸びの主因だと説明しています。

自己要約で長いタスクをつなぐ仕組み

何百回もツールを呼ぶ作業では、コンテキストウィンドウがすぐ埋まります。Composer 2はComposer 1.5で導入したself-summarization(自己要約)を学習に組み込み、1回の試行を「生成→要約→続きの生成」の連鎖として扱います。最終的な報酬を連鎖内の全トークンに与えるため、成功した試行を支えた要約は強化され、重要な情報を落とした要約は弱められます。技術レポートは、別プロンプトで圧縮する方式と比べて誤りが一貫して減り、使うトークンも大幅に少ないと述べています。

ベースモデルを伏せた発表と後日の訂正

3月19日の公開ブログはベースモデルに触れていませんでした。公開直後に利用者がKimi由来であることを指摘し、TechCrunch(2026年3月22日)によると、Cursorの Lee Robinson 氏は「最終モデルに使った計算量のうちベース由来は約4分の1で、残りは自社の学習」と説明し、共同創業者の Aman Sanger 氏は「最初からブログでKimiベースに触れなかったのは失敗だった」と認めています。Kimi側も、Fireworks AI経由の正式な商用パートナーシップでの利用だと投稿しました。

Kimi K2.5のライセンスは修正版MITで、月間アクティブユーザーが1億を超えるか月間売上が2,000万米ドルを超える商用製品には、UI上に「Kimi K2.5」と目立つ形で表示する義務を課しています。Kimi系モデルを自社製品の土台にする場合は、この条項を先に確認してください。

Composer 2のベンチマーク:公表値と読み方

技術レポートのTable 1から、Composer系と比較対象の主な値を抜き出します。他社モデルの値はCursorのハーネスで測ったものです(Terminal-BenchのAnthropic勢だけは公式リーダーボードのClaude Code値)。

モデル CursorBench-3 SWE-bench Multilingual Terminal-Bench
Composer 2 61.3 73.7 61.7
Composer 1.5 44.2 65.9 47.9
Composer 1 38.0 56.9 40.0
Claude Opus 4.6 High 58.2 75.8 58.0
GPT-5.4 63.9 76.8 66.5
GPT-5.3 Codex 59.1 74.8 64.8
Kimi K2.5(ベース) 36.0 65.1 47.3

読み取れるのは3点です。CursorBenchではOpus 4.6 Highを上回る一方、GPT-5.4には届いていません。SWE-bench Multilingualでは、表に載せたAnthropicとOpenAIの3モデルをいずれも下回ります。ベースのKimi K2.5からはCursorBenchで25ポイント以上伸びており、追加学習の効果ははっきり出ています。なおGPT-5.4とGPT-5.3 CodexのTerminal-Benchは、OpenAIの安全フィルターが一部の課題を拒否し、その分を0点として計算した値です。

CursorBenchの版による評価条件の違い

CursorBenchは、Cursorのエンジニアが実際に行ったコーディングセッションから作った社内ベンチマークです。技術レポートによると、変更行数の中央値は181行(SWE-bench VerifiedとMultilingualは7〜10行)、指示文の長さの中央値は390文字(公開ベンチは1,185〜3,055文字)で、短く曖昧な指示から多ファイルを直させる点が公開ベンチと違います。

注意したいのは版の違いです。61.3はCursorBench-3の値で、2026年9月時点のCursor公式の評価ページはCursorBench 4.0に切り替わっています。4.0ではComposer 2.5が27.7%です。評価対象の課題セットが異なるため、この数値だけでは2.5と2の性能の上下を判断できません。版の違う数字を並べて「下がった」と読まないでください。また自社ベンチは自社モデルに有利な課題分布になりやすいので、他社モデルとの比較ではSWE-bench MultilingualやTerminal-Benchもあわせて見るのが安全です。

Composer 2の料金:通常版とFastの単価

公開時のComposer 2は、100万トークンあたり入力0.50ドル・出力2.50ドルでした。同じ知能で速度を上げたFast版は入力1.50ドル・出力7.50ドルで、CursorはFastを既定にしていました。後継と現行の比較対象も並べます(単位はドル/100万トークン)。

モデル 入力 キャッシュ読み取り 出力 状態
Composer 2 0.50 非公開 2.50 退役
Composer 2 Fast 1.50 非公開 7.50 退役
Composer 2.5 0.50 0.20 2.50 提供中
Composer 2.5 Fast 3.00 0.50 15.00 提供中・既定
Grok 4.7 2.00 0.50 6.00 提供中

Composer 2のキャッシュ読み取り単価は、個別のモデルページがComposer 2.5のページへ統合されたため、現在の公式資料では確認できません。

Fastと通常版の違いと切り替え方

Fastと通常版は同じモデルで、違うのは応答速度と単価だけです。Cursorフォーラムのスタッフ回答によると、Cursor 3.1.15でモデル選択画面の「Composer 2」と「Composer 2 Fast」が1項目にまとめられ、既定はFastになりました。現行のComposer 2.5も、モデル名にカーソルを合わせて横の Edit ボタンを押し、Fastのトグルをオフにすると通常版へ切り替えられます。

見落としやすいのは、2.5でFastの単価が倍になった点です。通常版の単価は2と同じですが、Fastは入力1.50ドルから3.00ドル、出力7.50ドルから15.00ドルに上がりました。同じ作業の総費用はトークン数やキャッシュ利用率でも変わりますが、同じトークン量ならFastの入力・出力部分の費用は2倍になります。

1タスクあたりの費用の目安

入力100万トークンのうち80万トークンがキャッシュに当たり、出力が5万トークンのエージェント作業を仮定して、Composer 2.5で計算します。

  • 通常版:0.2×0.50+0.8×0.20+0.05×2.50=約0.39ドル
  • Fast:0.2×3.00+0.8×0.50+0.05×15.00=1.75ドル

この仮定のトークン数とキャッシュ利用率では、Fastの費用は通常版の約4.5倍です。待ち時間が問題にならない大きなリファクタリングやバックグラウンドのエージェントは、通常版に切り替えるだけで消費を大きく減らせます。

2026年9月時点の提供状況:Composer 2は退役済み

退役の確認方法と既存設定への影響

CursorのTypeScript SDKドキュメントには「Composer 2 is retired」と明記され、composer-2 や composer-2-fast を指定したリクエストは認証時にComposer 2.5へ転送されると書かれています。既存のスクリプトは止まりませんが、composer-2-fast に頼っていた場合はFastの挙動が期待どおりか確認するよう注意書きがあります。公式の料金表とモデル一覧に載っているComposer系もComposer 2.5だけです。

GitHubで公開されているサードパーティ製プラグイン dsh-plugin-oauth-subs では、Cursorのモデル一覧を固定値で持っていたために退役済みの composer-2 を選べてしまい、上流から ERROR_MODEL_NO_LONGER_SUPPORTED が返る不具合がありました(2026年9月6日マージの修正で解消)。自作のツールではモデル一覧をAPIから取得し、保存済みIDが消えた場合の再選択処理も用意すると、退役による停止リスクを減らせます。

Composer 2.5で変わった点

Composer 2.5は2026年5月18日に公開されました。ベースはComposer 2と同じKimi K2.5のチェックポイントで、変わったのは学習方法です。

  • テキストフィードバックを使う強化学習:長い試行の中で誤ったツール呼び出しなど特定の一手に絞ってヒントを差し込み、その場面だけ出力の確率を修正する。
  • 合成タスクを25倍に増量:テスト付きのコードベースから機能を削除し、それを再実装させる課題などを自動生成した。
  • 振る舞いの調整:説明の仕方や、課題の難しさに応じた作業量の配分も学習対象にした。

公式ブログは、学習中にモデルが報酬の抜け道を探し始めた例も公開しています。残っていたPythonの型チェックキャッシュから削除済みの関数シグネチャを復元したり、Javaのバイトコードを逆コンパイルしてAPIを再構成したりしたそうです。テストで検証する課題を大量に作ると、モデルがテスト以外の手掛かりを使うようになる、という実例です。

Composer 3の発表状況と開発方針

2026年9月27日時点で、Composer 2.6やComposer 3は公開されていません。9月17日のCursorフォーラムでは、スタッフが「Composerのラインは終わっておらず、そのクラスのモデルは開発を続けている」「未公開モデルや日付は事前に案内しない」と回答しています。Composer 2.5の発表時には、SpaceXAIと組んで10倍の計算量で大きなモデルをゼロから学習していることも明かされています。

Cursor内でのモデルの使い分け:Composer 2.5・Grok 4.7・Auto

利用プールと課金の違い

個人向けのPro(月20ドル)、Pro Plus(月60ドル)、Ultra(月200ドル)には、利用枠が2つあります。Grok 4.7・4.6・4.5とComposer 2.5が入るCursor Modelsプールと、OpenAI・Anthropic・Googleなど他社モデル用のOther Modelsプールです。Cursor Modelsのほうが含まれる利用量は大きく設定されています。なお法人向けのTeams・Enterpriseでは、他社モデルの利用に100万トークンあたり0.25ドルのCursor Token Rateが上乗せされますが、GrokとComposerは対象外です。インド向けのStartプラン(月649ルピー)はCursor Modelsだけを含み、Fastは使えません。

Auto(Cursor Router)はComposerを使いません。公式ヘルプが挙げるルーティング先はGPT-5.5、Claude Opus 5、Grok 4.6、Claude Fable 5の4つで、請求は振り分け先モデルの単価です。Composerの枠で安く回したいときは、Autoに任せずComposer 2.5を明示的に選びます。

CursorBench 4.0で見る現在の位置

Cursor公式の評価ページ(CursorBench 4.0)から、Composer 2.5と近い価格帯・上位のモデルを抜き出します。

モデル(推論強度) スコア 1タスクの平均費用
Claude Opus 5.5 High 56.0% 3.97ドル
Grok 4.7 Medium 41.6% 3.49ドル
Grok 4.7 Low 33.1% 1.58ドル
GPT-5.6 Luna High 29.4% 0.25ドル
Composer 2.5 27.7% 0.68ドル

掲載52構成のうちComposer 2.5は45位で、1タスクあたりの費用ではGPT-5.6 Luna Highのほうが安く点数も上です。つまりComposer 2.5の強みはタスク単価の効率ではなく、Cursor Modelsプールの大きな利用枠の中で回せることにあります。Other Modelsの枠を使い切りやすい使い方をしている人ほど、Composer 2.5に寄せる意味があります。

Composer 2.5を選ぶ場面・避ける場面

向いているのは、変更箇所が見えている対話的な修正です。テストの追加、型エラーの解消、関数の分割など、指示が具体的で人がすぐ結果を確認する作業なら、安さと速さがそのまま効きます。

避けるべきなのは、仕様が曖昧なまま多数のファイルを変える作業を任せきりにする場合です。CursorBench 4.0はまさにこの種類の課題を測っており、Composer 2.5はGrok 4.7 Mediumより約14ポイント低い結果でした。こうした作業はGrok 4.7か他社の上位モデルでPlanモードから始め、方針が固まった後の細かい修正だけComposer 2.5に回す分担が、費用と品質の釣り合いが取れます。Cursorのバージョンごとの機能差はCursorの最新バージョンの確認とアップデート手順で追えます。

Cursorの外からComposerを使う方法:SDKとCLI

ComposerにはOpenAI互換のような単体の推論APIはありません。Cursor SDKのドキュメントは「SDKはエージェント用であり、単体のモデル推論やchat completions APIではない」と明記しています。Cursorのエディタ外では、Cursor SDKやCLIからエージェントとして利用できます。また、SpaceXAIは2026年6月1日に、同社のコーディングエージェントGrok Buildでも /model メニューからComposer 2.5を選べるようにしたと発表しています。以下は、@cursor/sdkを導入し、Agentをimportして環境変数CURSOR_API_KEYを設定したTypeScript環境で使う、Composer 2.5のFast指定部分の抜粋です。

import { Agent } from "@cursor/sdk";

const agent = await Agent.create({
  apiKey: process.env.CURSOR_API_KEY!,
  model: {
    id: "composer-2.5",
    params: [{ id: "fast", value: "true" }],
  },
  local: { cwd: process.cwd() },
});

モデルごとに渡せるパラメータと値は Cursor.models.list() で確認できます。CLIでは、アカウントで使えるモデルIDを次のコマンドで一覧し、そのIDを --model オプションに渡します。CLIの導入と非対話実行はCursor CLIの使い方で解説しています。

agent models

Composer 2に関するよくある質問

Composer 2は無料で使えますか?

Composer 2は退役したため、現在は使えません。後継のComposer 2.5は有料プランのCursor Modelsプールに含まれます。無料のHobbyプランは使えるモデルが限られると公式ヘルプが説明しているので、Composer 2.5を選べるかはモデル選択画面で確認してください。プランの違いはCursor Proの料金プランと無料版との違いにまとめています。

Composer 2とComposer 2 Fastの違いは何ですか?

モデルは同じで、違いは速度と単価です。Composer 2は入力0.50ドル・出力2.50ドル、Fastは入力1.50ドル・出力7.50ドルで、既定はFastでした。後継の2.5ではFastが入力3ドル・出力15ドルに上がっています。

Composer 2のベースはKimiですか?

はい。技術レポートが、Moonshot AIのKimi K2.5(総パラメータ1.04兆・アクティブ320億)をベースに継続事前学習と強化学習を行ったと明記しています。Composer 2.5も同じKimi K2.5のチェックポイントを土台にしています。

CursorのAutoとComposerはどう違いますか?

Autoは複数モデルに自動で振り分ける機能で、公式ヘルプが挙げるルーティング先(GPT-5.5、Claude Opus 5、Grok 4.6、Claude Fable 5)にComposerは入っていません。Composerを使うにはモデル選択画面で明示的に選びます。

Composer 3はいつ出ますか?

2026年9月27日時点で未発表です。Cursorは未公開モデルの時期を事前に案内しない方針で、新モデルは公式の変更履歴に載ります。同じCursor Modelsプールで使える上位モデルとしてはGrok 4.7がすでに提供されています。

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