Kimi Claw(キミ・クロー)は、中国のMoonshot AIが提供する「OpenClawをKimiの中で動かす」サービスです。オープンソースのAIエージェントであるOpenClawを、Kimiがクラウド・自分のPC・Androidスマートフォンのいずれかにワンクリックで立ち上げ、kimi.comやTelegramから話しかけて使います。「Kimi Cloud」と検索されることもありますが、名前のClawは「爪」で、OpenClawのClawです。
2026年10月、Kimiの有料メンバーシップはPlus・Pro・Max・Ultraの新しい4プランに切り替わりました。この記事では2026年10月22日時点のKimiヘルプセンター「Kimi Claw の概要」などをもとに、仕組み・料金・使い始めの手順と、公式手順どおりでは動かない箇所を整理します。
まとめ:Kimi Clawの要点(2026年10月時点)
- 正体:OpenClawのインスタンスをKimiが代わりに構築・運用するサービス。入口はkimi.com/bot。
- 必要なプラン:新プランではPro(月払い39ドル、年払いは372ドル一括・月額換算31ドル)以上。Plus(月19ドル)では使えません。旧プランの契約者はAllegretto以上です。自前のOpenClawをリンクするだけなら無料と案内されています。
- 隠れたコスト:クラウド版は使っていない日もメンバーシップcreditの約0.6%を毎日消費します。
- モデル:ヘルプ上の既定はKimi K2.6(紹介記事はK3と記載)。設定画面か設定ファイルでKimi K3へ切り替えられます。ただし公式ヘルプの設定ファイル用コマンドは、そのままではエラーで止まります。
- 記憶:公式ヘルプでは会話を毎日午前4時にリセットすると案内していますが、タイムゾーンは明記されていません。残したい情報は明示的にMemoryへ保存します。
- データ:kimi.comのヘルプでは、入力内容は匿名化を前提に学習へ使われる場合があり、止めるにはメールでの申請が要ります。社外秘データを扱う業務には向きません。
Kimi Clawの正体とOpenClawとの関係
Kimi Clawの提供元とアクセス先
Kimi Clawは、対話AI「Kimi」を運営するMoonshot AIが2026年2月中旬に公開ベータとして提供を始めたサービスです。中身は、旧名Clawdbot・Moltbotで知られるオープンソースのエージェント基盤OpenClaw(オープンクロー)そのものです。Kimiの公式ヘルプも「自分専用の OpenClaw インスタンスを Kimi から直接作成、デプロイし、チャットできます」と説明しています。
2026年8月12日更新の公式紹介記事「Kimi Claw: 1-click OpenClaw Cloud Deployment」には、「40GBのクラウドストレージ」と「5,000超のClawHubスキル」が記載されています。2026年10月時点の料金表とヘルプには、Claw専用のストレージ容量は載っていません。容量を前提に設計する場合は、契約前にアカウント画面で確認してください。
Kimi・Kimi Work・Kimi Code・Kimi Clawの違い
Kimiには名前の似た製品が4つあります。公式ヘルプの製品比較では、違いを「どこで使うか、誰に向いているか、何が得意か」で分けています。
| 製品 | 動く場所 | 向いている作業 |
|---|---|---|
| Kimi | Web・モバイルアプリ | Q&A・文章作成・Deep Research |
| Kimi Work | Mac・Windowsのアプリ | ローカルファイルを扱う長時間タスク |
| Kimi Code | CLI・VS Code拡張機能 | コード作成とコードベースの保守 |
| Kimi Claw | クラウド・PC・Android | 常時稼働の自動化・チャットボット |
4製品は同じアカウントの同じcreditプールを使います。人が話しかけたときだけ動けばよい作業はKimiかKimi Workで足ります。Kimi Clawを選ぶ理由は、人が画面を開いていない時間にも動き続けることです。
OpenClawを自分で立てる場合との違い
差が出るのは、サーバー管理とモデル契約を誰が持つかです。
| 項目 | 自前のOpenClaw | Kimi Claw(クラウド) |
|---|---|---|
| サーバー | 自分で用意 | Kimiが用意 |
| モデル契約 | 各社のAPIキー | Kimiのcredit |
| 既定モデル | 自分で選ぶ | Kimi K2.6(ヘルプ記載) |
| Web検索 | 別途設定 | Kimi Web Search |
| 費用の単位 | サーバー代+API従量 | 月額プラン |
| 設定の自由度 | すべて | ターミナル経由で一部 |
モデルをKimi以外にしたい、またはデータを自社の管理下に置きたいなら、自前のOpenClawのほうが合います。同じOpenClaw系の常駐サービスは各社が出しています。定額のクラウドPCで動かすGenspark Clawは比較候補になります。テンセントのQClawは、中国版が2026年12月24日に運営を終える予定です。
4つのデプロイ先と選び方
kimi.com/botで「作成」を押すと、OpenClawを置く場所を4つから選べます。Linuxで使えるかという疑問への答えもここにあります。
| デプロイ先 | 動く場所 | 主な要件 |
|---|---|---|
| クラウドサーバー | Kimiのクラウド | Pro以上(旧Allegretto以上) |
| Kimi Claw Desktop | macOS・Windows | 1アカウント1台まで |
| Kimi Claw Android | Android 8.0以上 | 空き容量5GB以上 |
| 既存OpenClawの連携 | Mac・Windows・Linux・Android | Kimiプラグインを導入 |
Desktop版はmacOSとWindowsだけです。Linux端末からクラウド版を使うだけなら、ブラウザでkimi.com/botにアクセスできます。Linux上でOpenClaw自体を動かす場合は、自分で導入し、「既存の OpenClaw をリンク」でKimiにつなぎます。Desktop版は同時に1台までなので、別のPCへ移すときは前の端末の連携を先に解除します。
Android版について、公式は予備のスマートフォンを使うよう勧めています。バックグラウンド実行と自動起動の権限を常時与えるため、普段使いの端末と権限がぶつかるからです。OpenClaw本体を手動で上げることも禁じられており、更新はアプリ経由の適合済み版に限られます。
Kimi Clawの料金とPro以上の利用条件
新4プランの月額・年額とClaw対応
Kimiヘルプセンター「メンバーシッププランの概要」によると、国際版の現行プランはPlus・Pro・Max・Ultraの4つです。次の表は同ページが2026年10月19日撮影として載せている米ドル表示です。「目標モード、専用 Kimi Claw」はPlusが対象外で、Pro以上で使えます。
| プラン | 月払い | 年払い(月あたり) | Agent credit | Kimi Claw | 定期タスク |
|---|---|---|---|---|---|
| Plus | 19ドル | 15ドル | 基準 | 不可 | 10件 |
| Pro | 39ドル | 31ドル | Plusの2倍 | 可 | 15件 |
| Max | 99ドル | 79ドル | Plusの5倍 | 可 | 20件 |
| Ultra | 199ドル | 159ドル | Plusの10倍 | 可 | 25件 |
Agentタスクの同時実行数はPlusとProが2件、MaxとUltraが4件です。Kimi ClawはChat・スライド・Deep Research・Kimi Codeなどと同じcreditプールを使います。Clawで共有creditを使い切ると、ほかの機能でも新規タスクを開始できなくなります。進行中のタスクは完了できると公式は説明しています。
中国向けのkimi.comでも人民元建てのGo・Plus・Pro・Max・Ultraに切り替わっており、専用Kimi ClawはPro(月199元)以上です。
注意したいのは、2026年10月22日時点でもKimi Clawの各ヘルプ(概要・Desktop・Android)が要件を旧名の「Allegretto 以上」と書いている点です。新プランの表ではProが同じ月39ドルの位置にあり、専用Kimi Clawの対象もPro以上です。Plusを契約してもClawは作れません。
旧プラン(Moderato〜Vivace)契約者の扱い
Moderato・Allegretto・Allegro・Vivaceは旧プランになりました。既存の契約者はプラン名・特典・自動更新をそのまま維持でき、新プランへの移行は任意です。Allegretto以上を契約中なら、Kimi Clawは今までどおり使えます。
新旧で違うのはKimi Codeの使用量制限です。新プランは直近5時間の制限だけになり、週単位の制限がなくなりました。旧プランには両方の制限が残ります。Clawの常駐とKimi Codeでのコーディングを同じ契約でこなすなら、新プランへの切り替えを検討する理由になります。
クラウド版が毎日差し引くcredit約0.6%
クラウド版は、タスクを実行していない日も課金されます。料金の詳細によると、配置済みのクラウドホストは実行環境とデータを保持しているため、creditの約0.6%を毎日16時に差し引きます。ただし、ヘルプにはこの時刻のタイムゾーンが明記されていません。
30日置いておくだけで、月のcreditの約18%を使う計算です。しばらく使わないなら、memory・soul・ワークスペースなどのファイルを手元に保存してからクラウドホストを削除します。削除すれば課金は止まり、あとから再配置できます。
メンバーシップ失効後の7日間の保持とデータ削除の可能性
メンバーシップが切れても、クラウドインスタンスは7日間残ります。7日以内に更新すれば、記憶・設定・スキルは元に戻ります。7日を過ぎるとインスタンスが回収され、データが完全に削除される場合があります。記憶のエクスポート機能は「開発中」の扱いです。プランを落とす前にワークスペースから必要なファイルを落としておきます。
モデル設定:既定のKimi K2.6とK3への切り替え
既定はKimi K2.6、旧K2.5はAPIで退役済み
Kimi Clawのヘルプによると、ワンクリックで作ったKimi ClawはKimi K2.6を自動で設定し、Kimi Web Searchも有効にします。個別のAPI設定は要りません。一方、2026年8月12日更新の公式紹介記事は「Kimi K3を自動で設定する」と書いており、公式資料の間で食い違っています。作成後にsession_statusで実際のモデルを確かめてください。発表時の解説記事にある「Kimi K2.5で動く」という説明は古くなっています。Kimi APIのモデル一覧では、kimi-k2.5は2026年8月31日に提供を終えています。
上位モデルのKimi K3(2.8兆パラメータ・コンテキスト1,048,576トークン)には、Kimi Clawの設定画面のモデル設定から替えられます。コーディング専用のKimi K2.7 CodeもAPIに加わりましたが、Kimi Clawのヘルプが切り替え先として案内しているのはK3だけです。
公式手順のjqがそのままでは動かない点
Kimiヘルプセンター「Kimi Claw の概要」には、jqでopenclaw.jsonにK3を追加する手順もあります。このjq式は、2026年10月22日に取り直した版でもそのままでは動きません。jq 1.7.1で模擬の設定ファイルに実行すると、次のコンパイルエラーで終了コード3になります。
jq: error: coding/0 is not defined at <top-level>, line 2:
jq: 1 compile error
原因は、式の中の.models.providers.kimi-coding.modelsです。jqはハイフンを減算演算子と解釈し、右辺のcodingを引数なしのフィルター呼び出しとして評価しようとするため、未定義のcoding/0でコンパイルエラーになります。公式手順は&&でつないでいるため設定ファイルは壊れません。ただしモデルもK2.6のまま変わらず、再起動しても切り替わっていないことに気づきにくい失敗です。
ハイフンを含むキーを["kimi-coding"]で参照すれば通ります。ただし単純に+= [...]で足す形は、2回実行するとk3の項目が2つ入ります(同じ環境で実測)。次の形は、既存のk3を取り除いてから足すので何度実行しても結果が同じで、models配列がまだ無い設定でも配列を作ります。
# 前提: jq が利用可能で、設定ファイルが厳密な JSON であること
# JSON5 のコメントや末尾カンマを含む設定には、この jq 例をそのまま使えません。
# 設定と一時ファイルを所有者だけが読める権限で作成する
umask 077
# 既存の一時ファイルへの上書きを防ぐ
set -C
# 1. 設定をバックアップ(パスは導入方法で異なる)
cp /root/.openclaw/openclaw.json /root/.openclaw/openclaw.json.bak.k3
# 2. k3 を追加(既存の k3 は置き換え)し、既定モデルを切り替える
jq '.models.providers["kimi-coding"].models |= ((. // []) | map(select(.id != "k3")) + [{
"id": "k3", "name": "k3",
"input": ["text", "image"], "reasoning": true,
"contextWindow": 1048576, "maxTokens": 65536
}])
| .agents.defaults.model.primary = "kimi-coding/k3"' \
/root/.openclaw/openclaw.json > /tmp/openclaw.json.tmp \
&& mv /tmp/openclaw.json.tmp /root/.openclaw/openclaw.json
# 3. ゲートウェイを再起動
openclaw gateway restart
再起動後、公式の案内どおりsession_statusの出力で、modelがkimi-coding/k3、contextの上限が1.0mになっていることを確かめます。ターミナルは設定画面の「ターミナル」から開けます。ゲートウェイを再起動するとターミナルの接続も切れるので、開き直してから確認します。
自前のOpenClawでKimi K3をAPIキーで使う手順
「OpenClawでKimiを使いたい」だけなら、Kimi Clawを契約せずに、自前のOpenClawへKimi APIのキーを設定する方法もあります。課金はメンバーシップのcreditではなく、Kimi APIの残高から引かれます。Kimi APIの公式ガイド「Use Kimi in OpenClaw」(OpenClaw 2026.7.1で記述)の手順は次のとおりです。
# 公式の Moonshot Provider を導入
openclaw plugins install @openclaw/moonshot-provider
openclaw gateway restart
# 認証(ウィザードで Moonshot → Kimi API key (.ai) を選び、国際版のキーを入力)
openclaw onboard --auth-choice moonshot-api-key
# 既定モデルを K3 にする
openclaw models list --provider moonshot
openclaw models set moonshot/kimi-k3
この経路のモデル名はmoonshot/kimi-k3で、Kimi Clawのkimi-coding/k3とはプロバイダーが違います。ガイドは、古い画面に残るmoonshot/kimi-k2.5のプリセットを使わないよう注意しています。
使い始めの手順とチャット連携
kimi.com/botでのクラウド作成
- Pro以上(旧プランならAllegretto以上)のアカウントでkimi.com/botにサインインする。
- 「作成」を押す。自動セットアップは通常数分で終わる。
- 名前とペルソナを決める。
- 設定の「チャットチャネル」で、使いたいチャットツールを接続する。
ペルソナは「名前・役割」「トーン」「返信の構成」を1つの指示で決められます。「すべての返信を1文の要約から始めて」のように構成まで指定すると、毎回の返答が揃います。
Telegramボットの接続
Telegramで@BotFatherに/newbotを送り、末尾がbotのユーザー名でボットを作ります。返ってきたbot tokenを、Kimi Clawとの会話で「Telegram bot token は(トークン)です。Telegram 連携を設定してください。」と伝えます。Kimi Clawを再起動し、新しいボットにメッセージを送って返信があればペアリング完了です。
Telegramのボットは、グループの管理者でない限りPrivacy Modeが既定で有効です。この状態で受け取れるのは、自分宛てのコマンド(/command@ボット名)、自分への返信、自分経由で送られたインラインメッセージなどに限られます。グループの会話をすべて読ませる必要がある場合は、BotFatherで/setprivacyをDisableにし、変更を反映させるためにボットをグループへ追加し直します。tokenが漏れたときは/revokeで無効化し、新しいtokenを設定し直します。
Discord・Slackと自前OpenClawの接続経路
Kimi Clawの対応プラットフォームとして公式ヘルプに載っているのは、Web(kimi.com)・iOS/Androidのアプリ・Telegramの3つです。製品比較のページとAndroid版のガイドは、Feishu(飛書)やWeChatなどからも操作できると説明しています。
OpenClaw本体はDiscord・Slack・WhatsAppなどに対応しています。DiscordやSlackを主な窓口にしたい場合は、自分で立てたOpenClawにそれらを接続します。そのうえで「既存の OpenClaw をリンク」でKimiにつなげば、Kimiの画面からも同じエージェントと話せます。
依頼文の書き方と任せる作業の例
Kimi Clawが向くのは、人が見ていない時間に繰り返し回す作業です。公式紹介記事が挙げる例は、特定業界のニュースを毎日集めて要約し、週次レポートとして保存する使い方です。依頼文には「いつ」「出力形式」「制約」の3点を入れると、毎回の出力が揃います。
毎朝 7:17 に、生成AI関連の国内ニュースを5件集めて、
1件2行で要約してください。出典URLを必ず付け、
金曜日は1週間分をまとめた Markdown を「週報」フォルダに保存してください。
Kimi Clawは画像や文書を受け取って処理でき、最新版のKimiではClawからファイルを送り返すこともできます。受け取れないときは、Kimiプラグインが最新版かを確認します。生成したファイルはWebのワークスペースからいつでもダウンロードできます。
記憶・スキル・定期タスクの仕組み
毎日午前4時の会話リセットとMemory
Kimiのヘルプでは、Kimi Clawの会話は毎日午前4時にリセットされると説明されています。長すぎるコンテキストによるハルシネーションや回答品質の低下を防ぐためです。OpenClaw本体では自動リセットは既定で無効で、session.reset.modeを"daily"にしたときの既定時刻が4時(atHour)です。Kimiのヘルプは時刻の変更先をconfig.yamlとしていますが、OpenClaw本体の設定ファイルはopenclaw.jsonです。変更前に、そのインスタンスで実際に使われている設定ファイルを確認してください。
リセットで消えるのは会話の文脈で、Memoryに書いた内容は残ります。好みやプロジェクトの前提は「これを Memory に覚えておいて」と明示して保存させます。保存済みの記憶は/memoryコマンドか、ワークスペースのAGENTS.mdにある#MEMORYの節で確認できます。
ClawHub(クローハブ)のスキルと入れすぎの副作用
ClawHub(クローハブ)は、OpenClaw用のスキルとプラグインを配布するレジストリです。Kimi Clawには組み込みで入っており、会話で/skillsを送ると閲覧・導入・削除ができます。「競合分析用のスキルを探してインストールして」と頼めば、Kimi Claw自身が候補を探します。
スキルは入れるほど良いわけではありません。公式ヘルプは、/newで会話をやり直してもエラーが続く場合の原因として「メモリに読み込まれているSkillsが多すぎる」ことを挙げています。使わないスキルを/skillsで外し、/compactで文脈を圧縮するのが先です。/resetは最後の手段にします。
HEARTBEATと定期タスクの時刻指定
OpenClawには、定期的に状況を確認するHeartbeatと、指定時刻にジョブを実行するCronがあります。Kimi Clawのヘルプでは、スケジュールタスクの管理コマンドとして/cronが案内されています。メンバーシップの表にある定期タスク枠(Proで15件、Ultraで25件)は、Kimi本体の定期タスクの枠です。Claw内のCronジョブ数にも適用されるかは、ヘルプに書かれていません。
公式は、実行時刻を9:00のような区切りのよい時刻でなく9:17のような端数にするよう勧めています。ピーク時間帯の混雑を避け、実行遅延を減らすためです。
Clawグループチャットの協業機能と公開範囲
グループチャットは、複数のClawを1つの目標に向けて動かす機能です。作成時にグループ名と目標を入力すると、Kimiが司令塔役のConductorを自動で割り当てます。Conductorが目標をタスクに分解し、各Clawにスレッド単位で振り分けます。
参加できるのはクラウドのKimi Claw、Android版、リンク済みの自前OpenClawです。@なしで書くとConductorが応答を判断し、@で特定のClawを指定するとそのClawだけに届きます。招待リンクで他のユーザーを呼ぶと、相手のClawも作業役として参加できます。
既定の公開範囲は「メンバーのみに表示」です。「全員に表示」に変えるとリンクを知る人は誰でも読めるので、業務データを扱うグループでは変えないでください。
入力データの扱いと採用を見送るべき場面
学習への利用とオプトアウトの申請
kimi.comのヘルプ「Data Usage and Sharing」は、暗号化と非識別化を前提に、入力・指示・生成された回答をモデルの学習に使う場合があると説明しています。止めたい場合は、サポート窓口へメールで申請します。本人確認から5〜7営業日で登録され、それ以降は過去の会話も新しい会話も学習に使われません。
オプトアウトはアカウント単位で、会話ごと・ファイルごとには選べません。同じページはデータの保存先を中国本土のサーバーと書いています。企業向けのKimi Businessは、企業データを学習に回さないことを約束しています。国際版のヘルプ(kimi.ai)の「その他」には、2026年10月22日時点で同じ項目がありません。
Kimi Clawを使わないほうがよい業務
Kimi Clawのクラウド版は、Kimiのサーバー上でコード実行・ブラウザ操作・ツール呼び出しを行います。Android版の初期画面でも、Kimi自身が「OpenClaw にはプライバシーやセキュリティ上のリスクが伴う場合があります」と注意書きを出しています。次のどれかに当てはまる業務では、採用を見送ります。
- 社外秘や個人情報を扱う:kimi.comのヘルプには学習利用の可能性と中国本土での保存が記載されています。国際版を契約する場合も、適用されるデータ利用条件と保存先を確認できるまでは、社外秘や個人情報を入力しないでください。
- 操作ログの提出が求められる:ログは
/logsで見られますが、監査用の保管機能は案内されていません。 - Kimi以外のモデルを使う契約がある:クラウド版の課金はKimiのcreditです。
このような業務は、自社管理の環境で動かすOpenClawか、サンドボックスとポリシーで囲うNVIDIA NemoClawを検討します。モデルの選定や社内データの置き場所から設計し直す場合は、AIエンジン開発の相談先も選択肢になります。
自前のOpenClawをリンクする場合は、OpenClaw本体の更新も自分の責任です。CVE-2026-25253(CVSS 8.8)は、2026.1.29より前のOpenClawがクエリ文字列のgatewayUrlへ確認なしにWebSocket接続し、トークンを送ってしまう脆弱性でした。2026年10月22日時点の最新安定版リリースはv2026.10.5(10月18日公開)です。
Kimiプラグインのアンインストールスクリプト(bash <(curl -fsSL https://cdn.kimi.com/kimi-claw/uninstall.sh))は、自前のOpenClaw専用です。クラウド版で実行すると接続が完全に切れ、復旧できなくなると公式が警告しています。
応答しないときの切り分け
返信が来ない・遅いときは、次の順に試します。後ろほど影響が大きい操作です。
- もう一度メッセージを送る、またはページを開き直す。
- 設定から「Kimi Claw を再起動」でゲートウェイを再起動する。
- 「Kimi Claw を修復」で設定の自動診断を走らせる。
- 「初期設定に戻す」。ワークスペースと長期メモリは残るが、Telegramなどの接続は設定し直しになる。
429エラーはrate limitの超過です。数分待ってから再送し、頻発するならタスクの間隔を空けます。自前のOpenClawでTailscaleを入れた直後につながらなくなった場合は、TailscaleがシステムのDNSを上書きしていることがほとんどです。TailscaleのDNS設定でグローバルネームサーバー(8.8.8.8や1.1.1.1など)を追加し、「DNSサーバーを上書き」を有効にすると約30秒で戻ります。
Kimi Clawに関するよくある質問
Kimi Clawは無料プランで使えますか?
ワンクリックでのデプロイには、新プランならPro(月39ドル)以上が必要で、月19ドルのPlusも対象外です。一方、自前のOpenClawをKimiにリンクする機能は、2026年8月12日更新の公式紹介記事で無料と案内されています。
Kimi Allegrettoとは何ですか?
Kimiの旧プランの1つで、月払い39ドル・年払い372ドルでした。2026年10月に新プランへ切り替わり、同じ価格帯はProになりました。Allegrettoの契約者は、そのまま更新を続けてもKimi Clawを使えます。
Kimi Clawに入力した内容は学習に使われますか?
kimi.comのヘルプでは、非識別化を前提に学習へ使う場合があると説明されています。止めるにはサポートへメールで申請し、5〜7営業日でアカウント単位のオプトアウトが登録されます。
Kimi ClawはLinuxで使えますか?
Desktop版はmacOSとWindowsだけです。Linux端末でも、クラウド版はブラウザから利用できます。Linux上でOpenClaw自体を動かしたい場合は、自分で導入して「既存の OpenClaw をリンク」からKimiプラグインで接続します。
Kimi ClawはDiscordと連携できますか?
公式ヘルプが対応をうたうのはWeb・アプリ・Telegramです。Discordを使いたい場合は、Discordに接続した自前のOpenClawをKimiにリンクします。