SuperClaude(SuperClaude Framework)は、Claude Codeに /sc: で始まるスラッシュコマンド30個と、役割ごとの専門エージェント20個を追加するオープンソースの設定集です。Anthropicの製品ではなく、GitHubのSuperClaude-OrgがMITライセンスで公開しています。v3までは「ペルソナ」と呼ばれていた役割設定が、v4からClaude Code公式のサブエージェントと同じ形式のエージェントに置き換わりました。
この記事は2026年9月時点の最新版v4.3.0を対象に、導入で何がどこに置かれるか、ペルソナ(エージェント)の呼び出し方と削除の手順、SuperClaudeを使わずにClaude Codeの標準機能でペルソナを持たせる方法を扱います。
まとめ:SuperClaudeとClaude Codeのペルソナ設定の要点
- SuperClaudeは非公式のOSS(MIT)。最新リリースはv4.3.0(2026年3月22日)で、以後は新版が出ていない
- 導入は
pipx install superclaudeとsuperclaude installの2行。置かれるのは~/.claude/commands/sc/のコマンドと~/.claude/agents/のエージェントだけで、CLAUDE.mdには触れない - v3の11ペルソナはv4.0.4でエージェントに置き換わった。明示的に呼ぶときは
@agent-security-engineerのようにファイルの name を書く - 役割や口調を固定したいだけなら、Claude Code標準の出力スタイル(会話全体)とサブエージェント(作業単位)で足りる
- CLIに削除コマンドは無く、エージェントは全プロジェクトに効く場所へ入る。試す前に消し方を把握しておく
SuperClaude Frameworkの提供元と最新版(2026年9月時点)
本体はGitHubの SuperClaude-Org/SuperClaude_Framework で、スター数は約2.4万(2026年9月26日時点)です。READMEは自らを「Claude Codeを構造化された開発プラットフォームに変える設定フレームワーク」と説明しており、中身はPythonのインストーラーと、Claude Codeに読ませるMarkdownの指示ファイルです。Claude Code本体の料金やプランはそのまま必要です。
配布経路は4つあり、版がそろっていません。
| 配布経路 | 最新版 | 状態 |
|---|---|---|
| PyPI(superclaude) | 4.3.0(2026-03-22) | 推奨・Python 3.10以上 |
| Git(install.sh) | masterブランチ | 開発者向け |
| npm(@bifrost_inc/superclaude) | 4.0.7(2025-08-23) | pipで本体を入れるラッパー |
| プラグイン(SuperClaude_Plugin) | 4.4.0(marketplace.json) | BETA・他経路と併用不可 |
npm版はnpmレジストリ上の最終公開が4.0.7(2025年8月23日)のままです。中身はインストール時にpipやpipxでPython本体を入れるラッパーなので、npm側の版番号は本体の版を表しません。npm install -g で入れた場合も、superclaude --version で実際に入った本体の版を確認してください。v4.3.0のリリースノートには、利用者の $SHELL を shell=True で実行していた箇所の削除と、MCP設定ファイルなどのSHA-256検証処理の追加が記載されています。ただしv4.3.0の実装では期待ハッシュが未設定のため、標準状態では検証がスキップされます。
なお、同じ名前の「SuperClaude」(superclaude.sh)は、コミットメッセージや変更履歴の生成を扱うGitHubワークフロー向けの別製品です。この記事のSuperClaude Frameworkとは関係ありません。
ペルソナから専門エージェントへ:v3とv4の違い
v3.0.0の11ペルソナと自動切り替え
2025年7月14日公開のv3.0.0は、architect・frontend・backend・analyzer・security・mentor・refactorer・performance・qa・devops・scribeの11ペルソナを持ち、依頼内容に応じてペルソナが切り替わる仕組み(Smart persona auto-activation)を特徴にしていました。「Claude Code ペルソナ」で見つかる解説の多くは、この世代の手順です。
v4.0.4以降のエージェント(4.3.0で20個)
2025年8月22日のv4.0.4で、ペルソナは13の専門エージェントに置き換えられました(CHANGELOGの記載は「Personas replaced with 13 specialized Agents」)。v4.3.0ではエージェントが20個に増え、superclaude install がそれを ~/.claude/agents/ へ配置するようになりました。各ファイルは name と description を持つMarkdownで、Claude Code公式のサブエージェント定義と同じ形式です。つまりv4.3.0の「ペルソナ」は、Claude Codeから見れば普通のユーザー用サブエージェントです。
20個の中身は、system-architect・backend-architect・frontend-architect・security-engineer・performance-engineer・quality-engineer・refactoring-expert・root-cause-analyst・python-expert・technical-writer・pm-agent・deep-research-agent・socratic-mentorなどです。
コマンド定義に残る旧ペルソナ名
v4.3.0の30コマンドのうち9ファイルは、frontmatterの personas 欄にarchitect・security・frontend・analyzerといったv3の名前を書いたままです。これらは実際に配置されるエージェントの名前(system-architect、security-engineerなど)と一致しません。personas はClaude Codeのコマンド仕様に無い独自キーでもあるため、特定のエージェントを確実に通したい場合は、後述の @agent- 指定で名前を直接書きます。
superclaude installで~/.claudeに置かれるもの(v4.3.0)
2026年9月26日に、検証用のホームディレクトリへsuperclaude 4.3.0を入れて superclaude install を実行し、作られたファイルを数えた結果です。
| 構成要素 | 数 | 置き場所 | 使い方 |
|---|---|---|---|
| スラッシュコマンド | 30 | ~/.claude/commands/sc/ | /sc:implement など |
| 専門エージェント | 20 | ~/.claude/agents/ | @agent-security-engineer など |
| 行動モード | 7(README記載) | ファイルとしては置かれない | --brainstorm などのフラグ |
| MCPサーバー | 8+AIRIS Gateway | 任意で追加 | superclaude mcp |
作られたディレクトリは commands/sc と agents の2つだけで、~/.claude/CLAUDE.md は作成も変更もされませんでした。v3時代の解説にはアンインストール時にCLAUDE.mdを復元する手順を載せたものがありますが、4.3.0をpipxで入れた場合はその作業は要りません。
行動モードの定義ファイル(MODE_Brainstorming.mdなど7つ)はパッケージには含まれるものの、~/.claude へはコピーされません。モードは /sc:help などのコマンド本文に、--brainstorm・--uc・--think-hard といったフラグの説明として現れるだけです。
コマンドのフォルダには README.md も一緒にコピーされます。Claude Codeはcommands配下のサブフォルダ名とファイル名を「:」でつないでコマンド名にするため、/sc:README という項目も一覧に出ます。コマンドファイルの扱いはClaude Codeカスタムコマンドの作り方で詳しく説明しています。
SuperClaudeのインストール・更新・削除の手順
pipxでの導入と動作確認
pipx install superclaude
superclaude install
superclaude install --list
superclaude doctor
PyPIの動作要件はPython 3.10以上です。先にpipxを導入し、ターミナルで pipx --version が通ることを確認します。インストール後にClaude Codeを再起動すると /sc: コマンドが使えるようになります。--target を付けるとコマンドの置き場所は変えられますが、4.3.0のCLIはエージェントの配置先を受け取らないため、エージェントは常に ~/.claude/agents/ に入ります。superclaude install だけではプロジェクト単位に閉じて試せません。
MCPサーバーの追加
superclaude mcp --list
superclaude mcp --servers tavily --servers context7
--list の一覧では、AIRIS MCP Gatewayが推奨として先頭に表示され、Tavily・Context7・Sequential-Thinking・Serena・Playwright MCP・Magic・Morphllm Fast Apply・Chrome DevToolsの8つは「legacy」扱いの個別サーバーとして並びます。Tavilyは TAVILY_API_KEY、Magicは TWENTYFIRST_API_KEY、Morphllmは MORPH_API_KEY が必要で、いずれも外部サービスへクエリやコードを送ります。READMEはMCPなしでも全機能が動くと明記しているので、業務のコードで試すならMCPを入れずに始めるのが安全です。
更新とアンインストール
# 更新するとき
pipx upgrade superclaude
superclaude update
# アンインストールするときだけ実行
pipx uninstall superclaude
superclaude update は install --force と同じ処理で、手元のパッケージからファイルを置き直すだけです。本体を新しい版にするには先に pipx upgrade superclaude を実行します。4.3.0のCLIにあるサブコマンドはinstall・mcp・update・install-skill・doctor・versionの6つで、uninstallはありません。pipx uninstall で消えるのはPythonパッケージだけで、~/.claude/commands/sc/ と ~/.claude/agents/ にコピーされたファイルは残ります。commands/sc はフォルダごと削除してかまいませんが、agents には自作のサブエージェントも同居するので、SuperClaudeが置いた20ファイルだけを選んで消してください。
プラグイン版(BETA)のインストール指定
SuperClaude_Pluginは、Claude Codeのプラグインとして配る版です。READMEはBETAと明記し、pip・pipx・npm・uvで入れた版とは併用できないとしています。同じREADMEのインストール例は sc@SuperClaude-Org ですが、marketplace.jsonに登録されたマーケットプレイス名は superclaude で、README内の削除手順も sc@superclaude です。Claude Codeのプラグイン指定は「プラグイン名@マーケットプレイス名」なので、入れる場合は次の形になります。
/plugin marketplace add SuperClaude-Org/SuperClaude_Plugin
/plugin install sc@superclaude
プラグイン版のmarketplace.jsonの説明欄には「25コマンド・15エージェント」とありますが、同じリポジトリのREADMEは「29コマンド・23エージェント」と書いており、記載どうしが一致しません。説明欄の数字を配布ファイルの実数として扱わないでください。プラグインの配布の仕組みはClaude Codeプラグインの作り方と社内配布を参照してください。
/sc:コマンドと専門エージェントの呼び出し方
開発工程ごとの/sc:コマンド
| 工程 | コマンド |
|---|---|
| 要件整理 | /sc:brainstorm |
| 設計 | /sc:design |
| 実装 | /sc:implement |
| テスト | /sc:test |
| 分析・改善・障害調査 | /sc:analyze、/sc:improve、/sc:troubleshoot |
| Web調査 | /sc:research |
| セッションの保存・復元 | /sc:save、/sc:load |
依頼は /sc:implement "JWT authentication" のように引数で渡します。SuperClaudeのエージェントガイドは、この依頼でsecurity-engineerが自動的に関与する例を挙げていますが、同じガイドが「自動起動はシステムの仕組みではなく、文脈ファイルの指示にClaudeが従う振る舞い」と注記しています。必ず特定のエージェントを通したいときは、次の明示呼び出しを使います。
@agent-でのエージェント指定
@agent-security-engineer 認証まわりの変更をレビューして
Claude Codeの仕様では、@agent- の後ろに書くのはエージェントファイルのfrontmatterの name です。SuperClaudeのドキュメントやエージェント本文には @agent-security のような短い表記が出てきますが、配置されるファイルの name は security-engineer です。短い表記ではなく name をそのまま書くか、@ を入力して候補から選びます。
セッション全体を1つのエージェントで動かす方法
claude --agent system-architect
--agent を付けて起動すると、メインの会話そのものがそのエージェントのシステムプロンプト・ツール制限・モデルで動きます。このときエージェントのプロンプトはClaude Code既定のシステムプロンプトを丸ごと置き換える(--system-prompt と同じ扱い)ため、既定のコーディング向け指示も外れます。CLAUDE.mdは通常どおり読み込まれます。
SuperClaudeなしでClaude Codeにペルソナを持たせる方法
役割や口調を固定したいだけなら、SuperClaudeを入れなくてもClaude Codeの標準機能で足ります。公式ドキュメント(Output styles)の使い分けを整理すると次のとおりです。
| やりたいこと | 標準機能 | 置き場所・指定方法 |
|---|---|---|
| 会話全体の役割・口調を変える | 出力スタイル | ~/.claude/output-styles/ |
| 作業単位で専門家に任せる | サブエージェント | .claude/agents/ |
| 起動時だけ指示を足す | --append-system-prompt |
CLIフラグ |
| プロジェクトの規約を守らせる | CLAUDE.md | リポジトリ直下など |
出力スタイルによる会話全体の役割設定
出力スタイルの組み込みは、Default以外にProactive・Concise・Explanatory・Learningの4つがあり(ConciseはClaude Code v2.1.237以降)、/output-style で切り替えます。自作する場合は ~/.claude/output-styles/(個人用)か .claude/output-styles/(プロジェクト用)にMarkdownファイルを置きます。
---
name: Security Reviewer
description: セキュリティ担当として応答する
keep-coding-instructions: true
---
変更を提案するたびに、認証・入力検証・秘密情報の扱いを確認する。
指摘は重大度の高い順に並べ、根拠となる行を示す。
keep-coding-instructions: true を付けないと、変更範囲の決め方や検証の仕方といったClaude Codeのソフトウェア開発向けの既定指示が外れます。コードを書かせ続けるペルソナなら必ず付けます。出力スタイルはメインの会話と、そのシステムプロンプトを引き継ぐforkに適用されます。独自のシステムプロンプトを持つ他のサブエージェントには適用されません。
サブエージェントによる作業単位の専門家設定
---
name: security-reviewer
description: 認証・認可・入力検証に関わる変更のレビュー担当。Use proactively after code changes.
tools: Read, Grep, Glob
model: sonnet
---
あなたはセキュリティレビュー担当です。
OWASP Top 10の観点で差分を確認し、修正案は提示するがファイルは書き換えない。
このファイルを .claude/agents/security-reviewer.md として保存します。frontmatterで必須なのは name と description の2つだけです。公式ドキュメントは、description に「use proactively」のような語句を入れると自動委任を促せるとしています。tools を読み取り系に絞れば、レビュー役がファイルを書き換えることもありません。
同じ name のエージェントが複数ある場合、プロジェクトの .claude/agents/ がユーザーの ~/.claude/agents/ より優先されます。SuperClaudeのエージェントを入れたまま、特定のリポジトリだけ同名ファイルで差し替えることもできます。複数のエージェントを協調させる仕組みはClaude Code Agent Teamsの全体像で扱っています。
起動時の一時的な指示とCLAUDE.mdの役割
その場限りの役割付けなら、claude --append-system-prompt "…" で既定のシステムプロンプトに追記します。--system-prompt は既定を丸ごと置き換えるので、ペルソナ目的でも通常は --append-system-prompt を選びます。使うコマンドやコーディング規約のようなプロジェクトの決まりごとはペルソナではなくCLAUDE.mdに書きます。CLAUDE.mdはどの出力スタイルを選んでも読み込まれます。特定の作業手順だけを呼び出したい場合はClaude Skillsが向いています。
SuperClaudeを入れるべきでない場面と確認点
自前のCLAUDE.mdやサブエージェントをすでに整えているチームには、SuperClaudeの導入を勧めません。最も大きい理由は影響範囲です。20個のエージェントは全プロジェクトに効くユーザー領域(~/.claude/agents/)に入り、標準のインストール手順だけではプロジェクト単位に閉じられません。同名があればプロジェクト側が勝ちますが、それ以外のエージェントはどのリポジトリでも委任候補に並びます。
更新の止まり方も判断材料です。最後のリリースは2026年3月22日のv4.3.0で、v5.0で予定されているネイティブプラグイン方式(Issue #419)は2026年9月時点でも未完了のままです。Claude Code本体は頻繁に更新されるため、SuperClaudeの指示文と本体の新機能は時間とともにずれていきます。外部MCPを足せば、APIキーとデータの送信先も増えます。
一方で、開発工程ごとの定型の頼み方を学びたい人にとっては、30コマンドの指示文を読むこと自体に価値があります。インストールせずにリポジトリの src/superclaude/commands/ と src/superclaude/agents/ を読み、必要な1〜2個だけ自分の .claude/commands/ や .claude/agents/ に写すのが、影響範囲を最小にする使い方です。MITライセンスで流用できますが、複製物または実質的な部分には、著作権表示と許諾文を含める必要があります。
よくある質問
SuperClaudeはAnthropicの公式ツールですか?
いいえ。SuperClaude-Orgが公開しているコミュニティ製のOSSで、Anthropicの製品ではありません。土台のClaude CodeはAnthropicの製品です。
SuperClaudeは無料で使えますか?
SuperClaude自体はMITライセンスで無料です。ただし動かすにはClaude Codeが必要で、その利用にはAnthropicのプランやAPI料金がかかります。Tavilyなど一部のMCPサーバーは別途各サービスのAPIキーが必要です。
superclaude.shのSuperClaudeと同じものですか?
別の製品です。superclaude.shはコミットメッセージや変更履歴の生成を扱うGitHubワークフロー向けのツールで、Claude Codeにコマンドとエージェントを足すSuperClaude Frameworkとは関係がありません。
コマンドやエージェントの数が記事によって違うのはなぜですか?
版ごとに数が変わっているためです。v3.0.0は15コマンドと11ペルソナ、v4.0.4は21コマンドと13エージェント、v4.3.0は30コマンドと20エージェントです。プラグイン版は説明欄(marketplace.json)が25コマンドと15エージェント、READMEが29コマンドと23エージェントで、同じリポジトリの中でも記載が食い違っています。Framework版のエージェントガイドにも16という古い数字が残っています。
Claude Codeでペルソナを切り替えるにはどうすればよいですか?
会話全体の役割を変えるなら /output-style で出力スタイルを切り替えます。1つの作業だけ専門家に任せるなら @agent-<name> でサブエージェントを指定し、セッション全体を特定のエージェントで動かすなら claude --agent <name> で起動します。