LILYGO®(LilyGoとも表記)は、中国・深圳のShenzhen Xinyuan Electronic Technology Co., Ltdが展開する開発ボードのブランドです。主力はEspressifのESP32系チップを載せたボードで、液晶付きの「T-Display」、LoRaとGPSを載せた「T-Beam」、キーボード付き端末の「T-Deck」のように、用途ごとに周辺部品まで基板に載せた製品を出しています。
日本では千石電商が公式の代理店で、2026年9月27日時点で24製品が1,980円から16,300円(税込)で並んでいます。この記事では、会社の素性、製品系統の選び方、国内で買うときの技適の確認、Arduino IDEで最初に書き込むまでの設定を、公式サイト・公式GitHub・販売ページの記載をもとに整理します。
まとめ:LILYGOの要点
- 運営は中国・深圳のShenzhen Xinyuan Electronic Technology Co., Ltd。公式ストアは lilygo.cc、サンプルコードはGitHubの Xinyuan-LilyGO にある
- 製品はESP32/ESP32-S3搭載が中心。表示付きならT-Display系、LoRa・GPSならT-Beam・T-Echo、キーボード付き端末ならT-Deck・T-LoRa Pager、腕時計型ならT-Watch S3
- 国内の公式代理店は千石電商。T-Display(ESP32・1.14型)が1,980円、T-Beamが5,980円、T-Deck Plus(Meshtasticファーム版)が15,500円
- 技適は型式ごとに確認する。公式サイトが日本の認証書を公開しているのはT-Display・T-Display-S3・T-Beam(AXP2101 V1.2)・T-Echo・T-Deck Plusなど7モデル(2026年9月27日確認)
- T-Display-S3の公式READMEは、Arduino用ESP32ボードパッケージ 2.0.14 で検証しており、それより新しい版ではTFT_eSPIが動かない場合があると書いている。ボードマネージャの最新は3.3.12なので、版を指定して入れる
LILYGOはどこの国のメーカーか:運営企業と公式の窓口
LILYGOは中国の企業です。公式サイトのAbout Usには、社名としてShenzhen Xinyuan Electronic Technology Co., Ltd、所在地として広東省深圳市龍崗区坂田の住所が載っており、「研究開発・生産・販売を一体で行う会社」と説明しています。公式ストアで買うと工場から直接発送される、という案内もあります。
情報の置き場所は3つに分かれています。
- lilygo.cc:公式ストア。価格はUSD表示
- github.com/Xinyuan-LilyGO:製品ごとのリポジトリ。ピン配置、回路図、Arduino・PlatformIO・MicroPythonのサンプル、FAQがここにある
- 国内の代理店:公式サイトのDistributorsページで日本の代理店として挙がっているのは千石電商(Sengoku)だけ
日本のイベントにも出ています。Maker Faire Tokyo 2024の出展者ページでは、T-Watchやリストバンド型、LoRa・GPS搭載ボードを製造する企業として紹介されています。
ドキュメントは英語で、製品ごとにリポジトリの構成や書き方が違います。複数製品をまとめて扱う公式ライブラリは、T-Deck・T-LoRa Pager・T-Watch S3・T-Watch Ultraなどを対象にしたLilyGoLib(Arduinoのライブラリマネージャから導入可)がありますが、T-Display-S3のように製品別リポジトリのサンプルを使う機種も多く、買う製品のREADMEを読む前提で選ぶメーカーです。
LILYGOの製品系統と用途別の選び方
型番は「T-」で始まる名前が多く、名前の後半がおおよその用途を表します。千石電商で扱っている製品を中心に、系統ごとの違いを表にしました(価格は千石電商のLILYGO製品一覧の税込価格、2026年9月27日時点)。
| 製品(千石電商の型番) | チップ | 主な搭載機能 | 価格 |
|---|---|---|---|
| T-Display(Q125) | ESP32 | 1.14型IPS液晶 135×240 | 1,980円 |
| T-Display S3 AMOLED(H717) | ESP32-S3R8 | 1.91型AMOLED 240×536 | 6,500円 |
| T-Display S3 Long(H721) | ESP32-S3 | 3.4型タッチ液晶 | 6,480円 |
| T-Beam(Q435) | ESP32 | LoRa 920MHz・GPS・18650電池ホルダー | 5,980円 |
| T-Echo 920MHz(K259-03) | nRF52840 | LoRa・電子ペーパー・GPS | 10,980円 |
| T-Deck Plus(H772-01-Mesh) | ESP32-S3 | 2.8型液晶・キーボード・LoRa・GPS | 15,500円 |
| T-LoRa Pager(K257-02) | ESP32-S3 | LoRa 920MHz・QWERTY・GNSS・NFC | 16,300円 |
| T-Watch S3(K264) | ESP32-S3 | 腕時計型・タッチ液晶・LoRa | 8,710円 |
| T-SIM7080G-S3(H606-01) | ESP32-S3 | LTE-M・NB-IoT | 6,080円 |
| T5 e-Paper(H716) | ESP32-S3 | 電子ペーパー | 7,680円 |
表示付きボード:T-DisplayとT-Display-S3系
液晶付きのボードならT-Display系です。無印のT-Display(ESP32)は1.14型135×240の液晶を載せて1,980円と安く、センサー値を表示するだけの用途ならこれで足ります。
ESP32-S3世代のT-Display-S3は、公式READMEの仕様表でフラッシュ16MB・PSRAM 8MB(OPI)、1.9型170×320の液晶です。千石電商では扱っておらず、公式ストアではピン未はんだ版が9.04ドルからです。画面を大きくしたい場合はAMOLED版(1.91型)、Pro(2.33型)、Long(3.4型タッチ)と派生が分かれます。派生ごとに表示コントローラが違い、サンプルコードもリポジトリが別なので、買う前に使いたいライブラリがその画面に対応しているかをREADMEで確かめます。
LoRa・GPS系:T-Beam・T-Echo・T-Deck・T-LoRa Pager
LoRaは、携帯電話の電波が届かない場所で数km単位の通信をするための無線方式です。LILYGOはこの系統の製品が多く、オープンソースのメッシュ通信ファーム「Meshtastic」の対応機として知られています。千石電商でもT-Beam・T-Echo・T-Deck PlusにMeshtasticファームを書き込んだ版を扱っています。
Meshtasticの公式ドキュメントでは、LILYGO製品の扱いが2段に分かれています。ESP32-S3のT-Beam S3-CoreとT-Beam Supreme、nRF52840のT-Echo、T-Deck・T-Deck Plus・T-Deck Pro、T-LoRa Pagerは「LILYGO® Devices」として載る一方、ESP32を載せた旧世代のT-Beam(v0.7・v1.1など)は「Community Supported」側の掲載です。ファームの更新や不具合対応を重視するなら、チップ名ではなく、買う型番がどちらの一覧に載っているかで選びます。
LoRaの使用周波数は地域で異なり、日本は920MHz帯です。千石電商のT-Beam・T-Echo・T-LoRa Pagerは920MHz対応と明記されていますが、海外ストアでは433MHz・868MHz・915MHzなどから選ぶ形になります。
キーボード付き端末と腕時計型:T-Deck・T-Watch S3
T-Deck Plusは2.8型320×240の液晶、キーボード、LoRa(SX1262)、GPS、2,000mAhのバッテリーを1台にまとめた端末です。Meshtasticファーム版はLoRaメッシュのメッセンジャー端末として使え、開発ボードとしてArduinoやPlatformIOで書き換えることもできます。T-LoRa PagerはさらにQWERTYキーボード、2.33型480×222液晶、NFC・RFIDリーダーまで載せた上位機です。
T-Watch S3は、ESP32-S3、タッチディスプレイ、LoRa、センサーを腕時計の形に収めた開発ボードで、腕時計として完成した製品ではありません。LilyGoLibに工場出荷時ファームのUIとサンプルがあり、時計や通知などの機能はそれらをもとに自分で作るか、有志のファームを使います。
LTE・電子ペーパー系:T-SIM7080G-S3とT5 e-Paper
T-SIM7080G-S3はSIMCom製の通信モジュールSIM7080Gを載せたボードで、通信方式はLTE系のうちIoT向けのLTE-M(Cat-M)とNB-IoTに限られます。千石電商の商品説明は「2G/3G/4Gには対応していません」と書いており、スマートフォンが使う通常のLTE(Cat.1以上)では接続できません。SIMは、契約回線がLTE-MかNB-IoTでの接続に対応しているかを事業者の仕様で確認して選びます。
T5 e-Paperは電子ペーパーを載せたボードで、表示を保持したまま電源を切れるため、数分から数時間おきに書き換える表示板や値札に向きます。千石電商の仕様表では、チップ単体ではなくEspressif純正モジュールのESP32-S3-WROOM-1-N16R8を載せています。
国内での買い方と技適の確認
購入先は、公式ストアのlilygo.cc、国内代理店の千石電商(通販と秋葉原本店)、Amazon・AliExpressなどのマーケットプレイスの3通りです。公式ストアはUSD建てで海外からの発送、千石電商は円建てで国内在庫から届きます。
見落としやすいのが技適(電波法の技術基準適合証明)です。LILYGOのボードはWi-FiやBluetooth、LoRaの電波を出すため、日本で使うには原則として技適を受けた無線設備であることが必要です。
LILYGOは公式サイトのCertificationsページで、製品ごとの認証書類を公開しています。2026年9月27日に確認したところ、日本の工事設計認証(MIC Certificate of Type Approval)の証明書が載っていたのは次の7モデルでした。
| 証明書の型式名 | 認証番号 | 発行日 | 対象の無線 |
|---|---|---|---|
| T-Display V1.1 | 211-211207 | 2022-04-25 | 2.4GHz帯 |
| T-Display-S3 | 211-221219 | 2023-01-18 | 2.4GHz帯 |
| T-BEAM-AXP2101-V1.2 | 211-231007 | 2023-11-30 | 特定小電力・2.4GHz帯 |
| T4-S3-2.41 | 211-231129 | 2024-03-19 | 2.4GHz帯 |
| T-Encoder pro | 211-240307 | 2024-07-25 | 2.4GHz帯 |
| T-Echo | 211-241002 | 2024-11-06 | 923MHz・2.4GHz帯 |
| T-Deck Plus | 211-240915 | 2024-11-26 | 923MHz・2.4GHz帯 |
証明書は型式とリビジョン単位です。たとえばT-Beamの証明書は電源管理ICにAXP2101を載せたV1.2が対象で、別リビジョンや、海外ストアで868MHz・915MHzを選んだ個体まで同じ扱いになるわけではありません。T-Deck PlusとT-Echoの証明書に書かれたLoRaの送信条件は、どちらも923MHz・3mWです。国内では920MHz帯の版を選び、ファームや設定で周波数・出力を変える場合は、この条件から外れないかも確認します。
一方、T-Display S3 AMOLED・Long・Pro、T-Watch S3、T-LoRa Pager、T-SIM7080G-S3などは、このページに日本の証明書が載っていませんでした。掲載がないことは未取得を意味しませんが、取得を確認できたことにもなりません。国内代理店の千石電商も、24件の商品ページのうち「技適(技術基準適合証明)取得済み」と明記しているのはT-Beamの2件だけです。
そのため、次の順で確認します。
- LILYGOのCertificationsページで、買う型式とリビジョンの日本の証明書があるかを見る
- 本体または付属品に技適マークと認証番号があるかを見る
- どちらでも確認できない場合は、販売店に技適の有無を問い合わせる
技適を確認できない機器でも、Wi-FiやBluetoothを使う実験なら、日本の技術基準に相当する海外の基準に適合していることなどを条件に、総務大臣へ届け出て最長180日間使える特例制度があります(電波法第4条の2第2項・第3項)。LoRaが対象になるかは、総務省の電波利用ポータルで対象設備を確認してください。
業務で使う場合、特に顧客に納品する機器や屋外に常設する機器に、技適を確認できないボードを組み込むのはやめるべきです。評価段階ではLILYGOで試作し、量産や納品では技適を取得したモジュールを使う機材へ切り替える、という分け方が現実的です。
Arduino IDEでT-Display-S3に書き込む設定
ここでは派生製品が多く、情報も集まっているT-Display-S3を例にします。手順はT-Display-S3のREADME(Arduino IDE Manual Installation)に沿っています。
ESP32ボードパッケージの版を2.0.14に固定する理由
Arduino IDEの環境設定で「追加のボードマネージャのURL」に次のURLを入れ、ボードマネージャから「esp32 by Espressif Systems」を入れます。
https://raw.githubusercontent.com/espressif/arduino-esp32/gh-pages/package_esp32_index.json
注意すべきは版です。READMEは検証に2.0.14を使ったと書き、2024年8月2日時点でTFT_eSPIは2.0.14より新しい版で動かないとしています。根拠として挙げられているTFT_eSPIのissue #3329(2024年5月起票・症状は起動時のクラッシュ)は2026年9月27日時点でもopenのままで、TFT_eSPIのリリースも2024年3月6日のV2.5.43が最新です。一方、ESP32ボードパッケージの最新は2026年9月18日公開の3.3.12です。
ボードマネージャは何も指定しなければ最新版を入れるので、そのままTFT_eSPIのサンプルを書き込むと、書き込みは成功しても起動直後に落ちる、という状態になりがちです。TFT_eSPIのサンプルを使うならボードマネージャで2.0.14を選んで入れます。3.x系へ移る場合は、使う描画ライブラリが3.x系とT-Display-S3の8ビット並列接続の液晶に対応しているかを、そのライブラリの資料で確かめてからにします。
ボード版を固定したままビルドや書き込みを自動化したい場合は、arduino-cliのインストールからコンパイル・書き込み・CI自動化までの手順でコア版を指定する方法をまとめています。
ツールメニューの設定値とTFT_eSPIのピン設定
次に、GitHubからT-Display-S3リポジトリを取得してArduinoのライブラリフォルダ(通常は「ドキュメント」内の Arduino/libraries)へ置き、リポジトリの lib フォルダにあるライブラリ(TFT_eSPIなど)もすべて同じ場所へコピーします。サンプルは T-Display-S3/examples にあります。
READMEが指定するツールメニューの設定のうち、主な項目は次のとおりです。
| 項目 | 設定値 |
|---|---|
| Board | ESP32S3 Dev Module |
| USB CDC On Boot | Enabled |
| Flash Size | 16MB (128Mb) |
| Partition Scheme | 16M Flash (3M APP/9.9MB FATFS) |
| PSRAM | OPI PSRAM |
| Upload Mode | UART0/Hardware CDC |
ボード一覧には「LilyGo T-Display-S3」も用意されていますが、その場合のパーティションは16M Flash (3M APP/9.9MB FATFS)に固定されます。USB CDC On Bootを有効にし忘れると、シリアルモニタに何も出ません。
TFT_eSPIは、ライブラリフォルダの User_Setup_Select.h で既定の #include <User_Setup.h> をコメントアウトし、T-Display-S3用の行を有効にします。
// #include <User_Setup.h>
#include <User_Setups/Setup206_LilyGo_T_Display_S3.h>
動作確認用の最小スケッチです。READMEのピン表でGPIO15は液晶の電源制御ピンとされ、バッテリーやピンヘッダーから給電する場合はHIGHにしないと画面が点かないため、先頭で出力に設定しています。
#include <TFT_eSPI.h>
TFT_eSPI tft;
void setup() {
pinMode(15, OUTPUT); // 液晶の電源制御(Power On)
digitalWrite(15, HIGH);
tft.init();
tft.setRotation(1); // 横向き 320x170
tft.fillScreen(TFT_BLACK);
tft.setTextColor(TFT_WHITE, TFT_BLACK);
tft.drawString("Hello LILYGO", 10, 10, 4);
}
void loop() {
}
書き込めない・画面が映らないときの確認
- 書き込みが始まらない:BOOTボタンを押したままRSTボタンを押して離し、BOOTを離してから書き込む。書き込み後はRSTで通常起動に戻す
- 書き込めたのに画面が真っ暗:まず同梱のArduino_GFXDemoを書く。これが映るならハードは正常で、TFT_eSPIの
User_Setup_Select.hが更新で上書きされた可能性が高い - バッテリー駆動で画面が点かない:GPIO15をHIGHにしていない
- USB以外から給電すると起動しない:USB CDC On Bootが有効だと、起動時にUSB接続を待つ。外部電源で使うときはDisabledにする(シリアル出力はGPIO43・44へ移る)
- バッテリー電圧が読めない:GPIO4のADCは、USB-Cを挿している間はバッテリー電圧を読めない仕様
PlatformIOで公式サンプルを動かす手順
T-Display-S3のREADMEは、Arduino IDEよりPlatformIOを推奨(Recommended)としています。リポジトリの platformio.ini にボード設定とライブラリの依存がまとめて書かれているため、上のツールメニュー設定を手で合わせる必要がありません。
- VS CodeとPythonを入れ、拡張機能からPlatformIOを入れて再起動する
- GitHubからT-Display-S3リポジトリを取得し、VS Codeの「フォルダーを開く」で開く
- 依存ライブラリの取得が終わるのを待つ
platformio.iniのdefault_envs = ...の行のうち、動かしたいサンプルの1行だけコメントを外す- 左下のチェックマークでビルドし、矢印で書き込み、プラグのアイコンでシリアルモニタを開く
外部電源で使うためにUSB CDCを無効にするときは、platformio.ini の build_flags に次の1行を足します。
build_flags =
-UARDUINO_USB_CDC_ON_BOOT
予期しないビルドエラーが出たら、リポジトリを取り直してから、PlatformIOのCleanでビルド成果物を消して再ビルドするよう、READMEは案内しています。
LILYGOとM5Stack・Raspberry Pi Pico Wの違い
ESP32系のボードを選ぶときに候補になるM5Stackと、Wi-Fi付きの安価なボードであるRaspberry Pi Pico Wを、搭載機能・外装・資料の観点で並べます。
| 観点 | LILYGO | M5Stack | Raspberry Pi Pico W |
|---|---|---|---|
| チップ | ESP32系・nRF52840 | ESP32系 | RP2040 |
| 外装 | 基板のみが中心 | ケース入りが中心 | 基板のみ |
| 強み | LoRa・GPS・LTE-Mの搭載機 | 機種共通ライブラリ | 低価格・資料の多さ |
| 資料 | 製品ごとの英語README | 日本語資料が多い | 公式資料が充実 |
LILYGOを選ぶ理由になるのは、LoRa・GPS・LTE-M・電子ペーパーといった周辺部品が最初から載った構成が欲しい場合です。T-Beamなら、別々に買えば配線が必要なLoRa無線、GPS、電池ホルダーが1枚にまとまっています。
逆に、ケースに入った状態で人に渡したい、日本語の資料で進めたい、機種を替えても同じコードで動かしたい、という条件ならM5Stackの方が合います。機種の選び方はM5Stackの種類・選び方と現行モデルの価格比較で整理しています。Wi-Fiを使う最小構成を安く試すだけならRaspberry Pi Pico Wの基本仕様とできることも候補になります。
注意したいのは、製品ごとにリポジトリの構成が違い、サンプルがライブラリやボードパッケージの版に依存する点です。T-Display-S3をTFT_eSPIで使う構成は、ボードパッケージを3.x系へ上げると起動時に落ちるため、ボードパッケージを最新に追従させたい開発には向きません。この構成で使うなら、動いた版をプロジェクトに記録し、ボードパッケージとライブラリを固定して運用します。
よくある質問
LILYGOの正式な表記と読み方は?
公式サイトとGitHubの表記は「LILYGO®」で、LilyGoやLilyGOと書かれることもあります。公式サイトと千石電商の商品ページにカタカナ表記はなく、読み方は公式には示されていません。検索や問い合わせでは英字の「LILYGO」と製品名(T-Display-S3など)を組み合わせると、公式のGitHubや販売ページに当たりやすくなります。
LILYGOでキーボードが付いた製品はどれですか?
本体にキーボードを備えるのはT-Deck・T-Deck Plus・T-Deck ProとT-LoRa Pagerです。T-Deck PlusはLoRa無線を載せたメッセンジャー端末として使われ、T-LoRa PagerはQWERTYキーボードとNFCリーダーも備えます。キーボードそのものを作るならT-Keyboard S3 Pro(千石電商でホスト用10,980円・増設用9,180円)があります。
LILYGOのボードをUSBでつないでも認識されないのはなぜですか?
ESP32-S3搭載のボードはチップ内蔵のUSBで接続するため、通常は追加ドライバなしで認識されます。ESP32世代のT-BeamなどはUSBシリアル変換IC「CH9102」を載せており、OSが認識しない場合は公式サイトのメニューにあるCH9102用ドライバ(Mac・Windows)を入れます。充電専用のUSBケーブルではデータ通信ができない点も確認してください。
LILYGOはMicroPythonやESP-IDFでも開発できますか?
できます。T-Display-S3のREADMEはMicroPython用として有志のst7789s3_mpyと公式のlilygo-micropythonを紹介しており、ESP-IDF版のサンプルは別リポジトリのLilyGo-Display-IDFにあります。ただし対応状況は製品ごとに違うため、使う製品のREADMEで確認します。
LILYGOのSIM対応ボードは日本で使えますか?
国内で販売されているT-SIM7080G-S3の通信方式はLTE-MとNB-IoTに限られ、通常のLTEでは接続できません。SIMは、契約回線がLTE-MかNB-IoTでの接続に対応しているかを確認して選びます。電波を出す機器なので、技適の確認も他の製品と同じく必要です。