Google AntigravityとClaude Codeは、どちらもコードを書き換えるAIエージェントです。混同されやすいのは、Antigravityの中でもClaudeのモデルを選べるからです。ただしAntigravityでClaudeを選んでも、動くのはGoogleのエージェントで、課金はGoogle AIのプランから引かれます。Claude Codeを使う場合に動くのはAnthropicのエージェントで、CLAUDE.mdや権限設定が効く仕組みです。この記事では2026年11月6日時点の公式ドキュメントをもとに、両者の違い、Antigravity IDEにClaude Codeを入れる手順、指示書とMCP設定を共有する書き方、併用をやめるべき体制までを示します。
まとめ:Antigravity上のClaudeとClaude Code本体を分ける判断軸
Antigravityの中でClaudeを使えるのは、2026年11月18日以降はGoogle AI Proの有料契約とAI Ultra、法人のEnterpriseだけです。無料とAI Plusで選べるClaude 4.6は、その日に一覧から外れます。Claudeを毎日使う前提なら、Claude Codeを拡張機能かCLIで入れ、Claudeのプランで動かすほうが設定と費用の両方を管理しやすくなります。
併用の形は、ブラウザ検証や並列エージェントをAntigravityに任せ、既存コードの調査と改修をClaude Codeに渡す分担が素直です。指示書はAGENTS.mdを正にして、MCP設定は2つのファイルに同じサーバーを書きます。Antigravityのログインを非公式のプロキシ経由でClaude Codeに使わせる構成は、規約違反として明記されているので採りません。
AntigravityとClaude Codeの製品構成とエージェントの動かし方の差
機能の一覧は毎月のように近づいています。差は入口と、どの会社のエージェントが動くかで見ます。
App・IDE・CLIを持つAntigravityと端末起点のClaude Code
Antigravityには、エージェントを束ねるデスクトップのApp、エディタのAntigravity IDE、端末で動くCLIのagyがあり、VS CodeやJetBrains向けの拡張機能も出ています。公式のスタートガイドは、この3つの入口とエディタ拡張を並べ、入口ごとの構成を案内するページです。製品全体の構成はアンチグラビティ(Google Antigravity)とは?料金・日本語化・App/IDE/CLIの選び方で扱っています。
Claude Codeは端末から始まった道具です。CLIのclaudeが本体で、VS Code系の拡張機能、デスクトップアプリ、Web版が同じ仕組みの別の入口です。Antigravityがエディタ一体の画面でエージェントを並べるのに対し、Claude Codeは手元のエディタや端末の横に置いて使う設計になっています。
同じClaudeでもエージェントと設定ファイルが別物になる仕組み
AntigravityのモデルでClaude Opus 5.5を選んだ場合、計画を立ててツールを呼ぶのはAntigravityのエージェントです。読み込まれる指示書はAGENTS.mdや.agents/rulesで、Claude Code用の.claude/settings.jsonに書いた拒否ルールやフックは効きません。
反対に、Claude Codeが公式に対応するモデルはClaudeで、Geminiは選択肢にありません。モデル名が同じでも、ツールの呼び方、承認の求め方、文脈の詰め方は製品ごとに違います。「AntigravityでClaudeを使えばClaude Codeと同じ」と考えて社内標準を決めると、権限設定を二重に管理する羽目になります。
Antigravity上のClaude 5.5の利用条件とClaude Code料金の比較
金額は2026年11月6日時点の公式ページの表示で、いずれも税抜きです。両社とも改定が多いため、稟議の前に当日の表示を確かめてください。
プラン別のClaude対応表と11月18日に外れるClaude 4.6の影響
Antigravityのモデル一覧によると、Claude Sonnet 5.5とOpus 5.5はAI Pro、AI Ultra、Enterpriseで使えます。AI Proでは非トライアルの有料契約に限られ、無料トライアル中は選べません。
| Antigravityのプラン | Claude 5.5 | Claude 4.6 |
|---|---|---|
| 無料・AI Plus | 使えない | 11月18日まで |
| AI Pro | 有料契約のみ | 11月18日まで |
| AI Ultra | 使える | 使えない |
| Enterprise | 使える | 使えない |
同じページは、Claude Sonnet 4.6、Opus 4.6、GPT-OSS-120bを2026年11月18日に削除すると注記しています。無料とAI Plusの利用者は、この日を境にAntigravityの中でClaudeを使えなくなります。Antigravity経由でClaudeを試していた人は、AI Proの有料契約へ上げるか、Claude Codeへ移すかを決める時期です。法人契約での有効化手順はCursorとAntigravityの違いを比較|新料金・Claude 5.5対応・法人利用とルール移行で整理しています。
Google AI Pro 2,900円とClaude Pro 20ドルの上限・課金比較
Google AIの日本向け料金ページでは、AI Proが月2,900円、AI Ultraが月14,500円と32,000円の2段階です。Claudeの料金ページでは、Proが月20ドル(年払いなら月17ドル)、Maxが月100ドル、Ultraが月200ドルで、Claude Codeは有料プランすべてに含まれます。
上限の回復も似た形です。Antigravityのプラン説明は、AI Proの枠を週の上限に達するまで5時間ごとに回復するとしています。ClaudeのProも5時間ごとと週ごとの上限です。違いは超過時で、Antigravityは事前に買ったAIクレジットから従量で引く設定を選べ、Claude側は既定では上限で止まります。月末の請求額を固定したいならClaude側、Geminiと同じ枠で済ませたいならAntigravity側を選ぶ判断です。Claude Code側のプラン比較はClaude Codeの料金プラン比較に譲ります。
Antigravity IDEにClaude Codeの拡張機能とCLIを入れる手順
Antigravityを主に使いながらClaude Codeも動かす方法は、拡張機能と統合ターミナルの2つです。どちらもClaudeのアカウントでログインし、Google側の枠は消費しません。
Open VSXからClaude Code拡張機能を入れる手順と前提のプラン
Claude CodeのVS Code向けドキュメントは、拡張機能がVS Codeのフォークにも入るとし、拡張機能ビューでの検索かOpen VSXの配布ページからの導入を案内しています。前提はVS Code 1.94.0以降の基盤と、Claudeの有料プランかClaude Consoleのアカウントです。
- Antigravity IDEの拡張機能ビューで「Claude Code」を検索し、発行元がAnthropicのものを入れる
- 見つからない場合はOpen VSXのページからVSIXを取得し、「Install from VSIX」で入れる
- Claude Codeのパネルを開き、Claudeのアカウントでサインインする
Anthropicのドキュメントが例に挙げるフォークはDevin DesktopとKiroで、Antigravityの名前はありません。拡張機能が動かない環境では、次の統合ターミナルの方法に切り替えてください。パネル操作の詳細はClaude Code for VS Codeの使い方で扱っています。
統合ターミナルでclaudeを動かすためのネイティブ版インストール
拡張機能はパネル用のCLIを内部に同梱していますが、claudeコマンドをシェルのPATHには追加しません。統合ターミナルで使うには、セットアップのドキュメントにあるネイティブインストールを別に実行します。
# macOS・Linux・WSL
curl -fsSL https://claude.ai/install.sh | bash
# Windows PowerShell
irm https://claude.ai/install.ps1 | iex
# 新しいターミナルを開いて確認する
claude --version
claude doctor
# Antigravity IDEで開いたプロジェクトの統合ターミナルで起動する
claude
無料のclaude.aiプランではClaude Codeは使えず、Pro・Max・Ultra・Team・EnterpriseかConsoleのアカウントが要ります。Windowsでの詰まりどころはClaude CodeをWindowsに入れる手順にまとめています。
VS Code上にAntigravity拡張とClaude Codeを並べる併用構成
普段のエディタがVS Codeなら、AntigravityのIDEに移らずに済ませる方法もあります。Antigravity拡張機能のページによると、Marketplaceで「Google Antigravity」(拡張機能ID:Google.google-antigravity)を入れれば、VS Code 1.90以降で無料プランを含むGoogleアカウントで動きます。Claude Codeの拡張機能と同じ画面に並べられる構成です。
ZedやJetBrains系のIDEなら、CLIに含まれるagy acpをACPのエージェントとして登録する方法もあります。ACP連携のドキュメントは、Gemini以外のモデルを選べるのはJetBrains系・Android Studio・Zed・Xcodeなど一部のエディタだけとしています。CLI単体の使い方はAntigravity CLI(agy)の使い方を参照してください。
AGENTS.mdとMCP設定を両方のエージェントで共有する設定例
同じリポジトリで両方を動かすと、事故は設定の食い違いから起きます。先に揃えるのは指示書とMCPサーバーの2つです。
AGENTS.mdを両方が読む条件とCLAUDE.mdを置いたときの落とし穴
Antigravityのルールのドキュメントによると、AntigravityはワークスペースのAGENTS.mdとGEMINI.mdを常に有効なルールとして読みます。.agents/rules/*.mdはfrontmatterのtriggerが無いと黙って捨てられ、1ファイル24,000バイトを超えた分は切り詰められます。
Claude Codeはメモリのドキュメントのとおり、v2.1.277以降ならAGENTS.mdを直接読みます。ただし作業ディレクトリかその上にCLAUDE.mdやCLAUDE.local.mdが1つでもあると、AGENTS.mdは読まれません。.agents/配下も読みません。確実なのは、CLAUDE.mdの先頭で取り込む次の構成です。
リポジトリ直下
AGENTS.md 両方が読む規約の本体(24,000バイト以内)
CLAUDE.md Claude Code用。先頭で AGENTS.md を取り込む
.agents/rules/ui.md Antigravityだけが読む。frontmatter必須
CLAUDE.md の中身
@AGENTS.md
## Claude Code固有の指示
- 3ファイル以上にまたがる変更はplan modeで方針を出してから着手する
.agents/rules/ui.md の中身
---
trigger: always_on
---
画面の文言は src/i18n/ja.json から読み、直書きしない
Windowsで作業する人がいるなら、CLAUDE.mdをAGENTS.mdへのシンボリックリンクにせず、この@AGENTS.mdの取り込みを使います。リンクはGitの設定次第で1行のテキストとしてチェックアウトされるためです。Antigravity専用の規約は.agents/rulesに、Claude Code専用の規約はCLAUDE.mdの取り込み行の下に分けます。
.mcp.jsonと.agents/mcp_config.jsonのMCP設定キー比較
MCPサーバーの設定ファイルは別々で、書式も少し違います。Claude CodeのMCPドキュメントでは、プロジェクト共有の.mcp.jsonはurlを持つエントリにtypeが必須です。AntigravityのMCPドキュメントでは、ワークスペースの.agents/mcp_config.jsonにserverUrlで書き、リモートはStreamable HTTP方式だけに対応します。
# Claude Code側:プロジェクトの .mcp.json に書き出す
claude mcp add --transport http notion --scope project https://mcp.notion.com/mcp
.mcp.json(Claude Code)
{
"mcpServers": {
"notion": { "type": "http", "url": "https://mcp.notion.com/mcp" }
}
}
.agents/mcp_config.json(Antigravity)
{
"mcpServers": {
"notion": { "serverUrl": "https://mcp.notion.com/mcp" }
}
}
Claude Code側はプロジェクトの.mcp.jsonにあるサーバーを初回に承認させる仕組みで、Antigravity側はAppの「Customizations」かIDEの「Manage MCP Servers」で有効化を確かめます。トークンを書くなら、.mcp.jsonは${API_KEY}形式の環境変数展開を使い、どちらのファイルにも平文の秘密情報をコミットしないでください。スコープの選び方はClaude CodeのMCP設定|claude mcp addの書き方とスコープ・.mcp.json例で解説しています。
Antigravityのログインを他ツールで使う非公式プロキシの規約リスク
検索すると、AntigravityのログインやクォータをClaude Codeから使うためのプロキシや設定例が見つかります。業務では採用しません。
FAQが名指しで禁じるClaude Code経由の利用とアカウント停止
AntigravityのFAQは、Claude Code、OpenClaw、OpenCodeを例に挙げたうえで、第三者のソフトウェアやサービスでAntigravityへアクセスすることは利用規約違反で、アカウントの停止や終了につながると明記しています。GoogleのモデルをほかのエージェントでLLMとして使いたい場合は、Gemini EnterpriseかGoogle AI StudioのAPIキーを使うよう勧めています。
受託開発では、停止されるのが開発者個人のGoogleアカウントだけでは済みません。顧客のリポジトリを扱うアカウントが止まれば、納期にも響きます。AntigravityとClaude Codeは、それぞれの正規のログインで動かす。これが併用の前提です。
受託開発でAntigravityとClaude Codeを使い分ける判断基準
ここからは判断です。機能差は数か月で縮むので、作業の性質と管理の手間で分けます。
Antigravity単体で足りる案件:ブラウザ検証と並列実行が中心
Antigravityだけで済むのは、画面を動かして確かめる作業が多い案件です。新規のWebアプリの試作、UIの調整、複数の小さなタスクを並列のエージェントに振る使い方が当たります。サブエージェントや定期実行の設定はAntigravityのマルチエージェントの使い方、2.0とIDEの違いはAntigravity 2.0で変わった点とIDEとの違いで扱っています。
Geminiのモデルで足りるなら、AI Proの2,900円で収まります。Claudeを呼ぶのが週に数回なら、AI Proの有料契約の枠でClaude 5.5を選べば十分です。
Claude Codeを主にする案件:既存コードの改修とフックでの統制
Claude Codeを主にするのは、既存システムの調査や複数モジュールにまたがる改修のように、着手前に何を直すかが決まっていない案件です。plan modeで方針を出させてから実装へ移り、.claude/settings.jsonの拒否ルールやフックで、触らせないファイルやコマンドをチームで固定できます。既存コードの読み解き方はClaude Codeでソースコード解析する方法、承認の段階はClaude Codeのパーミッションモードの違いと設定方法が参考になります。
Claudeを1日数時間使う人が2人以上いるなら、エディタはAntigravity IDEのまま、Claudeを使う作業はClaude Codeへ寄せる構成を勧めます。どちらを社内標準にするかを含め、生成AIを前提にした開発体制ごと相談したい場合は生成AI開発・AI受託開発の窓口で承っています。
併用を見送る体制:少人数の開発チームで両社の上位プランを重ねる構成
勧めないのは、開発者が1〜2人のチームでAI Ultraの14,500円以上とClaudeのMax以上を両方契約する構成です。同じ時間に2つのエージェントを走らせる場面は少なく、片方の枠が余ります。指示書とMCP設定を2系統保つ手間も1人に集中します。
もう1つは、同じファイルを両方のエージェントに同時に編集させる運用です。互いの変更を知らないため、片方が古い内容で上書きします。並行させたいなら、Claude Code側をgit worktreeの別ディレクトリで動かしてください。迷ったら片方を1か月使い込み、上限に当たった回数を記録してから2契約目を決めます。
よくある質問
AntigravityとClaude Codeの組み合わせについて、検索で多い質問に公式ドキュメントの記載をもとに答えます。
AntigravityとClaude Codeはどっちを選べばいいですか?
ブラウザでの動作確認や並列のエージェント実行が中心ならAntigravity、既存コードの調査や複数ファイルの改修のように方針を詰めながら進める作業が中心ならClaude Codeです。Claudeのモデルを毎日使うかどうかも基準になります。2026年11月18日以降、AntigravityでClaudeを使えるのはAI Proの有料契約・AI Ultra・Enterpriseだけなので、無料で試していた人はここで判断が要ります。
AntigravityでClaude Codeを使えますか?
Antigravity IDEにClaude Codeの拡張機能を入れるか、統合ターミナルでネイティブ版のclaudeを起動すれば使えます。いずれもClaudeの有料プランかConsoleのアカウントでログインし、Google側の枠は消費しません。Anthropicのドキュメントは対応するフォークとしてAntigravityを名指ししていないため、拡張機能が動かない場合は統合ターミナルの方法に切り替えます。
AntigravityのClaudeとClaude Codeは同じものですか?
モデルは同じでも、動くエージェントと課金は別の仕組みです。AntigravityでClaudeを選ぶとGoogleのエージェントがそのモデルを呼び、Google AIのプランの枠から消費します。Claude Codeを使うとAnthropicのエージェントが動き、Claudeのプランの枠から消費します。CLAUDE.mdや.claude/settings.jsonの権限設定・フックが効くのは後者だけです。
AntigravityのログインをClaude Codeで使い回せますか?
使い回せません。AntigravityのFAQは、Claude Codeなどの第三者ソフトウェアでAntigravityにアクセスすることを利用規約違反とし、アカウントの停止や終了につながると明記しています。非公式のプロキシで両者をつなぐ構成は採らず、それぞれ正規のアカウントで動かしてください。Geminiを他のエージェントから使う場合は、Gemini EnterpriseかGoogle AI StudioのAPIキーが推奨されています。
AntigravityとClaude Codeで同じ指示書を使えますか?
使えます。AntigravityはワークスペースのAGENTS.mdを常に読み、Claude Codeもv2.1.277以降はAGENTS.mdを読みます。ただしClaude Codeは、作業ディレクトリかその上にCLAUDE.mdがあるとAGENTS.mdを読みません。規約の本体をAGENTS.mdに書き、CLAUDE.mdの先頭に@AGENTS.mdと1行置いて取り込む構成なら、どちらの条件でも同じ規約が効きます。
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